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少人数学級の根拠の在り処--財務省の「エビデンス論」を批判する(メモ)

 藤森 毅 ・ 党文教委員会責任者  “少人数学級の根拠の在り処--財務省の「エビデンス論」を批判する( 前衛2021.1)の備忘録。

 少人数学級推進の壁となってきた財務省のエビデンス論の批判を通じ、多くの教員・保護者の実感()センサーと、「人格的な接触」を通じてという教育の論理から、その根拠の在り処をしめしたもの。

 計量経済学の手法を利用した「エビデンス政策」には、他の影響を排除する「ランダム化比較試験」が前提となる。しかも成果を測るモノサシ自体の設定が複雑かつ困難だと、いうそもそも論を展開している。

以下、備忘録

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教育勅語は「普遍的な価値や教えが記されている」 浜田高知県知事の暴論

 西内県議の教育勅語の現代語訳について感想を聞く」との質問に。

浜田知事は“家族の和、自己研さん、社会貢献など普遍的な価値や教えが記されている。日本人の美風を守り引き継ぐ必要性を説いたものだが、国際的な普遍性を視野に入れている点が新鮮だと受け止めた。普遍的に価値のあるものを大切にしつつ、時代の変化とともに新しく変化を重ねる「不易流行」が大切だと改めて思った。”

と今朝の地元紙に紹介されている。

 1948の排除決議採択時に指摘された、バラバラに徳目を持ち出すという「將來濫用される危険」そのもの、勅語の「枠組み」論という本質を全く理解してない。

 基本的人権、平和的生存権を柱にした教育は、国のために命を捨てることを最高の道徳とした戦前の教育の否定、断絶から出発しており、憲法尊重義務を負う知事の資格にかかわる問題と言える。

 以下、排除決議についての当時の国会議論などから・・・。

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AI(人工知能)による「個別最適化された学び」は可能か(メモ)

 梅原利夫・和光大学名誉教授 (前衛2020.12)の論稿。副題は“中教審「中間まとめ」に至る学び論の迷走”

 そもそも経産省、教育情報業界マターであったAIを活用した教育産業の振興が、コロナ禍での遠隔授業を余儀なくされる中で、文科省の取組によこすべりしてきたもの。

  そもそも、画一化した暗記ものの反省から、「主体的・対話的な深い学び」へ軸足が移る中で、学習ログにもとづきAIによって個別に提示された「最適化のプログラム」がどう関係するのか、あらたな混乱をうむのではないか・・・

 そういう問題意識もあってまとめたメモ。

  なお「中間まとめ」に対し全教が意見を提出しているので、あわせてそれも(「個別最適化・・・」だけで全般にわたるもの)

 【中央教育審議会「中間まとめ」に対する全日本教職員組合の意見  2020/11/2

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生活基盤の脆弱な家族をどう支えるかが重要(メモ)

 松本伊智朗・北海道大学教授の論稿 「前衛2020.12)のメモ

 ・貧困研究者として子どもの虐待問題に長くかかわってきた松本教授が、現代の子育てはますます親に責任が集中・・親戚・近隣などの支えあいがなくなり、「教育が個人への投資」の文脈でかたられるなか、新自由主義・「自己責任」論が、支援となる資源を利用する資源も奪っている現実を明らかにし、“生活基盤を安定させることが虐待の防止・予防には不可欠”と解く。

 またそのための自治体の相談窓口の常勤化・専門性の向上、生活保護の敷居の高さの改善と子育て支援機能の強化、制度の穴となっている若年女性への支援制度の整備、分離保護と地域保健との連動など・・・具体的に提案する。

 コロナ禍が、女性の中でも、子育て中の女性、とりわけひとり親世帯に、負担と犠牲が集中しており(JilPT調査など)、対策の強化が急がれる。

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コロナ感染症そのものより、社会活動制限が子どもに大きな影響  小児科学会20/11

  ヒトとしての発達に欠かせない心身両面での共感力・創造力、それをはぐくむ共同の営み・・・その最重要の子ども期をどう過ごすか・・・ これもコロナと向き合ううえで、極めて重要な論点。

【小児のコロナウイルス感染症2019COVID-19)に関する医学的知見の現状 第二報 小児科学会20/11/11

http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=342

“子どもは多くの場合、家庭で感染しているが、幸いほとんどの症例は軽症である。しかし、COVID-19 流行に伴う社会の変化の中で様々な被害を被っている。”と、学校・保育の閉鎖や活動制限にもたらす被害の方が大きくなると予想される、と指摘(以下)

 

◆教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身に影響を及ぼしている

・学校閉鎖は、単に子どもの教育の機会を奪うだけではなく、屋外活動や社会的交流が減少することとも相まって、子どもを抑うつ傾向に陥らせている [55, 56]

・療育施設では密な環境でのケアが避けられないため、COVID-19が発生すると施設内に蔓延しやすい。一方、療育施設の閉鎖により受け入れが困難になった医療的ケア児への対応が世界的に求められている [57]

・就業や外出の制限のために親子とも自宅に引き籠るようになって、ストレスが高まることから家庭内暴力や子ども虐待のリスクが増すことが危惧されている。加えて、対応する福祉施設職員が通常通り就業できない状況が虐待増加に拍車をかけている [58, 59]

・「子ども貧困」問題がクローズアップされている中、養育者の失業や収入減のために状況はさらに悪化している上、福祉活動や「子ども食堂」などのボランティア活動も滞っている [60]

・乳幼児健診の受診が減少し、子どもの心身の健康上の問題を早期に発見し介入することが制限され、大きな健康被害やQOLの低下に繋がることも危惧されている [61]

・予防接種の機会を失う小児が増えている事も大きな問題となっている。世界的にも12千万人近い子ども達が麻疹ワクチンの接種を受けることができない状況が危惧されている。ワクチンで予防可能な疾患に罹患してしまうことによる被害は甚大となる [62]。実際わが国においても、COVID-19流行下での予防接種の差し控えが起こっており [63]、ワクチン未接種の乳児が重症百日咳を発症したことが報告されている [64]

・子どもでは、COVID-19が直接もたらす影響よりもCOVID-19関連健康被害の方が大きくなることが予想される(図)。

 

◆図.知見のまとめ:子どもの COVID-19 関連健康被害 (日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会作成)

子どもは多くの場合、家庭で感染しているが、幸いほとんどの症例は軽症である。しかし、COVID-19 流行に伴う社会の変化の中で様々な被害を被っている。

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食料支援から考え直す・・・日本の高等教育の貧困②

Emdieuku8ae31oq 食 糧支援を通じ、・・コロナ禍が炙り出した高等教育の貧困さについて、前回は、論文数、博士課程の神学者、若手研究者の状況を、紹介。

 今回は、教育予算の貧困、学テ・成果主義・ブラック校則にみられる型にはめた「教育」が持たらす教員と子どもへの影響など、各種のレポートからの整理。

 

 なお、食料支援の場は、ひきつづき多くの利用があり、居場所、コミュニケーションの場として、大事な役割を発揮している。

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食料支援から考え直す・・・日本の高等教育の貧困

 コロナ禍のもと学生に対する食糧支援が各地でとりくまれている。

 「ありがどう」「助かりました」という学生の声に、「やってよかった」と思う反面、最高学府にの学生が、バイトと教育ローンに支えられている現実、その時の会話の中で、公的制度の申請すらしてない学生の多さ・・・公的制度を利用するのは「責任をはたせてないダメなこと」とか、学費引き下げなど大学に要求するのは「敵対行為で、よくないこと」と、「自己責任」論にもとで生育してきた若者の実態に対する深い嘆きと怒りの感情の声を聴く。

 自公政権、アベ政治のもとで、保育も含め教育が、金もうけの道具にされてきた結果、若い力がそがれ、社会自体が衰退し、国際的地位が低下していることへの焦りと喪失感が、「日本すごい」キャンペーン、メダルの裏側としてのヘイトの「土壌」になっている、と考えている。

 以下は、高等教育、特に博士号のすくなさについて、これまでの備忘録からのメモ (高等教育など公的支出の貧困さはその土台にある。当然のこととして・・)

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コロナ禍が寸断する 「ヒト」が「ヒト」である環境 ~ゴリラ研究・山極氏から学ぶ

山極寿一・京大総長「スマホを捨てたい子どもたち」(ポプラ新書)から学ぶ。以前学んだロビン・ダンパー氏の「人類進化の謎を解き明かす」での脳の発達と集団の規模、祭りの意義などの解明、その関連も興味深い。とにかく刺さる内容。

 なぜか熱帯雨林のジャングルからサバンナで出ていった人類の祖先。弱い動物である人類がその中で生き抜くために、体を大きくすることでも、牙を持つことでもなく、共感力を高め、共同・チームワークを発展させた。

 コロナは、ヒトの共感力・想像力と信頼の前提である身体的な同調行為、遊び、共同作業、会食などにクサビを打ち込む。それがオンラインだけで代替できるのか・・・ という問いを投げかけている(教育の本質にも迫る話)

≪人類進化のスケッチ≫

700万年前 チンパンジーらと分岐、二足足歩行   (チンパンジーの脳容積400cc)

200万年前 脳の巨大化の開始

(300-200万年前アウストラロピテクス・アフリカヌス450cc230140万年前のホモ・ハビリス550cc15020万年前のホモ・エレクトス1000cc402万年前ホモ・ネアンデルターレンシス1500cc、現在まで続くホモ・サピエンス1350c

・火の使用 12万年前、自然火はさらに古い)  

・7万-12万年前  言葉の獲得

≪人と他の類人猿との違い≫

・二足歩行で手に入れたもの・・・・①長距離移動でのエネルギー節約 ②両手の自由 ③発声の自由(肺、咽頭部の圧迫からの解放)と踊る身体の獲得

  • 〃 で生まれた制限  産道の狭さ、小さいまま産まれ、誰かの介助(集団)がないと育たない/乳離れが早い。

→ 共同での子育て。共感力と信頼の形成/一年に一回出産する多産 他の類人猿3-7年に一回

→ 赤ちゃんが泣くのは人間だけ。大人への合図、大人の声かけ/他の類人猿はずっと親と一体化。乳離れが遅い

・脳の巨大化 産道の制限から、頭の大きさに限界。生れてから大きくする戦略、体脂肪を蓄えた比較的大きな新生児の体も脳のエネルギー源(他の類人猿は小さな体、体脂肪も少ない)・

・脳の発達は生後1年が最も大きく、5歳で成人の90%に到達、12-16歳で停止(身体的急成長へ。思春期スパーク)/脳は最もエネルギーを消費する器官 成人で20%、生後は40-80% /体全体の成長は、他の類人猿と違い遅い

  • 獲物を持ち帰り、共に食事をするのは人だけ/共同の子育て ・・・ 共感力をもとにした想像力の発達   

→言葉がない長い時代 音、音楽、踊りなど身体的な同調から生まれる信頼関係、共感力

・火の使用 /捕食、消化の効率化 → 身体的同調に使える時間を増やした(集団の規模拡大 ロビン・ダンパー)

【コロナ後もウェブ会議だけで満足? 山極京大総長が語る「人間が対面を求めてしまう」深い理由6/26

【京大総長が「コロナ禍で影響を受けた子どもたち」に今伝えたいこと  スマホを捨てたい子どもたち①つながり】

【ゴリラと一緒に暮らした京大総長が、人間に覚えた「ある違和感」  スマホを捨てたい子どもたち②言葉の罪】

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「イノベーション創出」~過ちの深みに突き進む自公政権の科学技術政策

「科学を壊す安倍流「イノベーション」政策 科学技術基本法改定の問題点とその背景」 土居誠 前衛2020.9のメモ

 財界が「周回遅れ」とまで嘆く科学技術開発力の劣化。それは、目先の利益ばかりを追う大学の法人化や「選択と集中」で、基礎研究を軽視し、研究者の身分の不安定化をすすめてきた財界いいなりの自公政治の結果である。

が、改定科学技術基本法は、その過ちをさらに推し進めようとするもの。

528日、日本学術会議など13か国の科学アカデミーと世界若手アカデミー 基礎研究への公的投資の拡充を求める共同声明を発表している。

声明は「画期的なブレイクスルーへと結実するのが、えてして真理探究型で直接的な応用を志向しない研究の結果であることは、科学のパラドックス(逆説)である。自然界や我々自身に対する理解を深めることが、現実の課題の解決に必要な斬新な発見を可能にする」と指摘し、「最も重要なこととして、基礎研究への長期的な公的資金を回復し、維持する」ことを提言。

Gサイエンス学術会議共同声明2020 基礎研究の重要性 5/28

関連して以前まとめたメモ

【日本の技術革新停滞~目先の利益第一 自民政治による当然の結果(メモ) 2019/11

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鉛汚染 子ども3人にひとりが中毒に 貧困国で大幅に拡大

Bangladeshuni157477hero この分野で初めてとなる報告書。約3人に1人の子ども、世界全体で最大8億人の子どもたちが鉛中毒。半数近くが南アジア。「鉛は、初期症状がほとんどないまま、子どもたちの健康と成長に静かな大惨事をもたらし、致命的な結果をもたらす」と警告している。

リサイクルされず、廃棄処理が適切でない自動車用バッテリーが主要な原因。鉛管を使用している水も・・・。 また、富裕国の子どもは、血中鉛濃度が低下している一方、貧困国は鉛中毒の問題が大幅に拡大していることが明らかになった、と。

  環境不正義の存在。ここにも資本主義の矛盾が・・・こころが痛い 

【鉛汚染 子ども3人にひとりが中毒に  ユニセフとピュアアースの新報告書7/30

【世界の子ども3人に1人が鉛中毒 国連が警鐘 時事 2020/07/31

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