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コロナ禍が寸断する 「ヒト」が「ヒト」である環境 ~ゴリラ研究・山極氏から学ぶ

山極寿一・京大総長「スマホを捨てたい子どもたち」(ポプラ新書)から学ぶ。以前学んだロビン・ダンパー氏の「人類進化の謎を解き明かす」での脳の発達と集団の規模、祭りの意義などの解明、その関連も興味深い。とにかく刺さる内容。

 なぜか熱帯雨林のジャングルからサバンナで出ていった人類の祖先。弱い動物である人類がその中で生き抜くために、体を大きくすることでも、牙を持つことでもなく、共感力を高め、共同・チームワークを発展させた。

 コロナは、ヒトの共感力・想像力と信頼の前提である身体的な同調行為、遊び、共同作業、会食などにクサビを打ち込む。それがオンラインだけで代替できるのか・・・ という問いを投げかけている(教育の本質にも迫る話)

≪人類進化のスケッチ≫

700万年前 チンパンジーらと分岐、二足足歩行   (チンパンジーの脳容積400cc)

200万年前 脳の巨大化の開始

(300-200万年前アウストラロピテクス・アフリカヌス450cc230140万年前のホモ・ハビリス550cc15020万年前のホモ・エレクトス1000cc402万年前ホモ・ネアンデルターレンシス1500cc、現在まで続くホモ・サピエンス1350c

・火の使用 12万年前、自然火はさらに古い)  

・7万-12万年前  言葉の獲得

≪人と他の類人猿との違い≫

・二足歩行で手に入れたもの・・・・①長距離移動でのエネルギー節約 ②両手の自由 ③発声の自由(肺、咽頭部の圧迫からの解放)と踊る身体の獲得

  • 〃 で生まれた制限  産道の狭さ、小さいまま産まれ、誰かの介助(集団)がないと育たない/乳離れが早い。

→ 共同での子育て。共感力と信頼の形成/一年に一回出産する多産 他の類人猿3-7年に一回

→ 赤ちゃんが泣くのは人間だけ。大人への合図、大人の声かけ/他の類人猿はずっと親と一体化。乳離れが遅い

・脳の巨大化 産道の制限から、頭の大きさに限界。生れてから大きくする戦略、体脂肪を蓄えた比較的大きな新生児の体も脳のエネルギー源(他の類人猿は小さな体、体脂肪も少ない)・

・脳の発達は生後1年が最も大きく、5歳で成人の90%に到達、12-16歳で停止(身体的急成長へ。思春期スパーク)/脳は最もエネルギーを消費する器官 成人で20%、生後は40-80% /体全体の成長は、他の類人猿と違い遅い

  • 獲物を持ち帰り、共に食事をするのは人だけ/共同の子育て ・・・ 共感力をもとにした想像力の発達   

→言葉がない長い時代 音、音楽、踊りなど身体的な同調から生まれる信頼関係、共感力

・火の使用 /捕食、消化の効率化 → 身体的同調に使える時間を増やした(集団の規模拡大 ロビン・ダンパー)

【コロナ後もウェブ会議だけで満足? 山極京大総長が語る「人間が対面を求めてしまう」深い理由6/26

【京大総長が「コロナ禍で影響を受けた子どもたち」に今伝えたいこと  スマホを捨てたい子どもたち①つながり】

【ゴリラと一緒に暮らした京大総長が、人間に覚えた「ある違和感」  スマホを捨てたい子どもたち②言葉の罪】

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