北海道旭川市議会は25日、日本共産党が提出した「土地利用規制法を施行することなく、さらなる検討を求める意見書」を民主、無党派G、無所属の賛成16、自民、公明の反対16で、可否同数となり、議長(民主)採決で可決。可決できる工夫した内容。
以下、意見書全文。
≪土地利用規制法を施行することなく,更なる検討を求める意見書≫
いわゆる土地利用規制法が6月16日,参議院で可決,成立した。この法は,政府が安全保障上重要とする全国の米軍・自衛隊施設などの周辺と国境離島等に暮らす全住民を監視対象にし,土地・建物の利用を中止させることを可能にするものである。
法によると,内閣総理大臣は,米軍や自衛隊の施設,海上保安庁の施設,原発など「重要施設」の周囲約1キロメートルと国境離島等を「注視区域」に指定し,その区域内の土地・建物の所有者や賃借人など全ての住民を調査することができる。その結果,「重要施設」や国境離島等の「機能を阻害する行為」やその「明らかなおそれ」があれば,利用中止の勧告・命令を行うことができる。さらに,「注視区域」のうち特に重要とみなすものは「特別注視区域」に指定し,その区域内の一定面積以上の土地・建物の売買に事前の届出を義務付けるというものである。
この法の重大な問題は,どこで誰をどのように調査・規制するのかという核心部分を全て政府に白紙委任していることである。「注視区域」や「特別注視区域」をどういう基準で指定するのか,「重要施設」や国境離島等の「機能を阻害する行為」やその「明らかなおそれ」をどう判断するのか,住民にどのような調査・規制を行うのか具体的なことは法に全く書かれておらず,政府の裁量任せである。
このことにより,調査の範囲が住民の職歴や思想信条,家族・交友関係にまで広がるおそれや,沖縄県の辺野古新基地建設に抗議する座り込みなどの活動も規制の対 象になる危険性がある。
よって,国においては,同法を一定期間施行することなく,その間において更なる検討を行うことを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
旭 川 市 議 会
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