平和・憲法 どう届く言葉で対抗するのか 試論
世論調査の回答---「戦争に巻き込まれる危機感」から、「防衛力強化」を肯定的にとらえる意識、世界の多極化に「懸念」を感じる動きのもとで、「戦争だけはイヤ」を一致点に、平和と憲法をどう語るか、についてのメモ。特に、9条改憲では、「自衛隊追記」が一番支持が高い。「1項、2項は変えない。自衛隊が違憲という勢力があるので、命をかけて任務につく自衛隊員のためにも、そこをはっきりさせる」という説明に、どうわかりやすく打ち返すのか。研究課題だと思う。
また4.11学習会に関連し、敵基地攻撃能力、核保有など、憲法との関係でどう政府は説明してきたか・・・国会答弁(その一部)の資料
◆「戦争だけは絶対イヤ」の一致点の重視 --- 相手に「届く言葉」の探求
・内閣府調査 25/11-12 3000人対象 有効回答55.5%(1666人)
防衛問題 関心がある 68.1 / 関心事「中国の軍事力、日本周辺での活動」が68.1
自衛隊 増強したほうがよい 45.2% 今の程度 49.8% 縮小2.2%
〃 役割 災害派遣88.3 武力攻撃からの国民保護78.8% 国の安全確保77.4%
〃 海外活動 これまで以上16.7% 現状維持70.3% 縮小8.9%
日米安保 役立っている91.9%、役立ってない 7.1%
安保法制 〃 73.8% 〃 21.3%
戦争に巻き込まれる危険性 80.6% ない17.6%={理由は「日米安保がある」6割超
一定のルールに基づく防衛装備の輸出 肯定的68.3% 否定的29.7%
・読売と日本国際問題研究所 3/25・26公表 3000人対象 回答2085人(70%)
防衛力強化 賛成74% 反対24%
防衛費の増額 賛成58% 反対41%
〃 の方法 他の予算削減40%、国債18%、増税7% 必要なし30%
今後の国際社会で最も影響力を持つ国 アメリカ71% 中国16%
・読売世論調査 26/3-4 3000人対象・有効回答率68%
憲法改正 必要なし40%(〃36%) 必要57%(昨年60%)
戦争放棄の9条1項の改正 必要なし80% 必要17%
戦力不保持の9条2項 〃 〃 48% 〃 47%
自衛隊の根拠追記 〃 賛成 60%(昨年54%) 反対35%
・朝日新聞 2025.4
日米同盟前提に「いざという時、米国が守ってくれる」 思う 15% 思わない77%
外交は米国の意向に・・・ なるべく従ったほうがよい 24% なるべく自立 68%
・安全保障分野の国際会議、ミュンヘン安保会議の年次報告書(25.2)
「多極世界」 「懸念」 日本54%、米国33% 先進・新興17カ国では突出して高く、「希望」 最少18% 米国40%
・米ギャラップ社が130カ国で実施した世論調査(4/23公表)、各国のリーダーシップを問う項目で中国支持36%、米国支持31%、昨年の結果を逆転/政治専門メディア・ポリティコ 3月公表のカナダ、ドイツ、フランス、英国での世論調査、「より頼りになるのは」との質問 いずれの国でも「トランプ政権の米国」を中国が上回り /日本。中国への拒否感が最も高い国
- 俯瞰すると・・・戦争への危機感(8割)が、軍事力強化・防衛費増、日米同盟の肯定的評価に。が、海外活動の展開は抑制的であり、米軍も最終的には信頼していない。 「米国一極終焉」に動揺し不安を高めている (メモ者)
2.. 9条改憲では、「自衛隊」の追記が最も肯定が多いことに、注意
法的にはあとから追加された条項が優先(後法優先の原則)。「戦力不保持」が無効化され、普通の軍隊と変わらなくなる。
3 殺傷能力のある武器輸出は、日本が他国の戦争にどれだけ近づくかという問題
柳澤協二・元内閣官房副長官補(自衛隊のイラク派遣を官邸で指揮) 「殺傷能力のある武器輸出は、日本が他国の戦争にどれだけ近づくかという問題です。他国の紛争に巻き込まれる可能性についても認識したうえで、主権者たる国民の意思のうえで決断しなければならない重大な方針転換だったのです」 (アエラ電子版 5/1) ➡ 敵対国をつくる可能性
5.イラン戦争で証明された「9条の力」
様々な違憲立法のもとでも「武力行使を目的として武装した部隊を海外に派遣すること」「集団的自衛権の全面的行使」は禁止とされ、安保法でも、国際法に違反して先制攻撃した国は「支援しない」と言明(2015年、安倍答弁)。
*フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」 3/22 コメンテーターの橋下徹氏は「結果的に日本は9条に救われた」
6.たたかいの方向 メモ者 試案)
・改憲をゆるさない。無法な戦争にまきこまれない。自衛隊員の命を守る。軍拡による経済・暮らし犠牲ゆるさない
・専守防衛への歯止め/ 平和外交 2018日中首脳会談「互いに協力のパートナーであり,互いに脅威とならない」
・日米安保 まず地位協定の改訂。特に「自由出撃を許さない」歯止め確立 (「事前協議がない」の口実)
国際刑事裁判所 ローマ規程(2010年) 「侵略」の定義---自国内にある他国軍の基地を、侵略の準備に利用する
★予想される手口~9条1.2項にそのまま。自衛隊が「違憲」と言う政党が存在するので憲法上の根拠を明記す「追記」論
➡ 個別的自衛権に限定している「自衛隊は合憲」が国民の中に定着している。それをきっちり守らせるのが日本共産党の立場、同時に、未来にむかっては「自衛隊も必要ない」と国民が安心できる国際環境を築く、という人類の理想を掲げたもの、そこはとても大事な点だ ・・・・・という方がすっきりする。・民主連合政権でも違憲の立場とらないのだから・・ 「違憲」に固執する意味があるのか? 「追記」論にどうわかりやすく反撃するか、研究がいる。
◆ 志位学習会「 戦争をいかに防ぐか」 深めるために —- 政府答弁
敵基地攻撃能力、核保有など9条との関係で、どう説明されてきたか等々
敵基地攻撃能力 1959年3月19日 伊能防衛庁長官
○伊能国務大臣 その点はさいぜん総理大臣から詳細に申し上げたと存じますが、御承知のように設例として、国連の援助もなし、また日米安全保障条約もないというような、他に全く援助の手段がない、かような場合における憲法上の解釈の設例としてのお話でございまするから、例を飛行機とか誘導弾とかいろいろなことでございますが、根本は法理上の問題、かように私どもは考えまして、誘導弾等による攻撃を受けて、これを防御する手段がほかに全然ないというような場合、敵基地をたたくことも自衛権の範囲に入るということは、独立国として自衛権を持つ以上、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではあるまい。そういうような場合にはそのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能であると私どもは考えております。しかしこのような事態は今日においては現実の問題として起りがたいのでありまして、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。かようにこの二つの観念は別個の問題で、決して矛盾するものではない、かように私どもは考えております。
核の傘 1967.5.9 佐藤首相
○(佐藤榮作君) わが国の自衛力の整備と申しますか、これも通常兵器と申しますか、そういう侵略に対して自衛力を整備する、こういう考え方でございます。・・・・・ そこで、ただいまの核兵器による攻撃に対しまして、一体、どうなのか。これはしばしば言われますように、日本はアメリカの核の傘のもとにあるのでと、こういうような言われ方をしております。私は、核兵器に対する攻撃に対して日米安全保障条約が果たしておるこの抑止力、これはアメリカの持つ兵力、これが抑止力になっておる、このことは高く評価していいのではないか、かように私は思っております。
○黒柳明君 長期的にはやっぱりアメリカの抑止功、核の傘に大体わが国は入っていくんだ、こういうようなことでよろしいでしょうか。 ➡ 64年・中国核保有。 核の傘に入ることのバーターで「非核三原則」が出てきた(メモ者)
1967.7.20 核兵器保有 増田防衛庁長官
○(増田甲子七君) ・・・従来、岸内閣以来、核兵器はもちろんわが国では製造しません。まあ憲法論もほんとうは二つに分かれるのでございますが、すなわち外国に脅威を与えない——憲法論だけで申すのですよ、外国に脅威を与えない純粋の防衛力だけのための核装備ならば憲法違反ではないという従来解釈になっています。しかしながら、そういうものも含めて日本では製造しない、それから外国の戦力を借りてきて日本の防衛力の不足を補うことはできるけれども、核戦力はこれを持ち込まず、また保有しない、こういう方針がございまするから、・・・」
67.12.20 核兵器保有 増田防衛庁長官
○(増田甲子七君) 私が従来答えておるところは、戦略的の、たとえば長距離爆撃機とか、こういうようなものは持ち得ない、自衛の範囲を逸脱すると、こう考えておる次第でございます。また、戦略的の核兵器はいけないと、こう考えておるわけであります。戦術的の核兵器は、憲法の範囲ならば、憲法に照らしてみれば、原子力基本法その他は別といたしまして、持ち得るのだということは、高辻法制局長官が申しましたけれども、これは政府の持っておる三原則、並びに原子力基本法によって持たない、こういうことでございます。
07年10月25日 拒否的抑止力 石破防衛大臣
○(石破茂君)・・・だとしますと、拒否的抑止力というふうに私どもは申し上げておりますが、それをやっても意味がないのだという意味での抑止力、従来の抑止力とは違った概念でございます。例えば、ミサイル防衛なぞというのは、これ、撃ったって撃ち落とされるわけで、向こうが撃たなきゃこっちは迎撃ミサイル撃たないわけで、撃ったって何の意味もないんだからやっても仕方がないね。あるいは、これは国民保護法制のときに議論をしたことでございますが、ミサイルが飛んでくるまでに何分か掛かる、その間に避難というものをすれば相当に人的な犠牲を少なくすることができる、これも拒否的抑止力でございます。
★憲法9条は、天皇制存続の交換条件、という側面を持つ —- 平和を求める国際世論の高まりを背景に
ソ連、中国、豪州、英など極東委員会で天皇の戦争責任を問う声が大勢、幣原も当初は、「帝国憲法の条規は弾力性に富むものでありまして、民主主義の発展に妨害を加へることなく」(帝国議会答弁45.11.28)と、国際世論を過小評価。その後、天皇制を残したい日本の支配層と、天皇制を日本統治に利用したいGHQの思惑が一致する中、46.1.24幣原=マッカーサー会談で幣原が提案したと言われる。➡ 9条の発想は、元外交官・イタリア大使であった白鳥敏夫(パリ不戦条約に随員として参加)の吉田茂外相宛の書簡(45.12.10付)が指摘される。そこには、「国民は兵役に服することを拒むの権利、および国家資源の如何なる部分をも軍事の目的に充当せざるべきことなどの条項は、新日本根本法典の礎石」「憲法史上全く新機軸を出すもの」として、「天皇に関する条章と不戦条項とを密接不可離に結びつけ」るべきと記され、この書簡は幣原にわたっている。
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