米国・移民問題~自らの中南米への支配・介入政策が要因
・中南米の政情不安と経済的混乱とそれを起因とする米国への移民の大量流入は、長期に続く「裏庭」として米国が支配・介入してきた歴史がある。
以下、・赤旗連載 「移民と新自由主義 パブリック・シチズン報告書を読む」 12/4.6.10.11.13
・「誰が世界を支配しているか」 ノーム・チョムスキー
をベースに、各国へのクーデターへの関与、武力行使、経済的な支配などをまとめなおしたもの。
〇 米国の市民運動団体パブリック・シチズンの報告書
「20世紀を通じて、この地域における米国の外交政策は、資源へのアクセスを確保し、『社会主義的』とみなされる政治運動を抑圧し、外国資本に有利な条件を維持するという一貫したパターンをとってきた」、
~「1990年代初頭以来、米国の貿易政策は経済の安定よりも企業利益を優先し、ラテンアメリカ全域で農村経済を崩壊させ、賃金を抑制し、環境破壊を加速させてきた」。各国の経済主権をはく奪して内政に干渉するNAFTAや中米自由貿易協定(CAFTA)などの地域貿易協定は「農業、製造業、公共サービスを弱体化させる(各国の)新自由主義政策を固定化した」
(赤旗連載 「移民と新自由主義 パブリック・シチズン報告書を読む」 12/4.6.10.11.13)
◆米国の中南米における軍事行使・干渉
「誰が世界を支配しているか」 ノーム・チョムスキー より
・「解放の神学」との戦争 62年、第二バチカン公会議(福音書の復活)で誕生
貧民救済、平和のメッセージで、アメリカの支配、軍事支配とのたたかいで影響力をひろげる
・62年 ケネディ 南米の米軍の使命 「南北アメリカを外部から守る」ことから国内の反政府勢力からの防衛に変更
(メモ者 方針転換は、キューバ革命成功、ピッグス湾攻撃の失敗の影響か?)
〇 54年グアテマラ CIAがクーデターを支援~貧困農民に土地を分配して米ユナイテッド・フルーツ社の資産を脅かしたアルベンス 大統領が追放され、軍事独裁政権が誕生。36年間にわたる内戦が勃発
〇59年 キューバ革命
61年4月 ケネディ政権 キューバ爆撃、亡命キューバ人部隊侵攻 カストロ政権打倒めざすも敗北(ビッグス湾事件)
62年 8月 ソ連の軍事関係者が集まっていた海岸沿いのホテルへの高速艇からの機銃掃射
砂糖をつんだ貨物船への攻撃など、テロ活動は65年まで続く
10月 キューバ危機
11月 マングース作戦 米国から亡命キューバ人部隊派遣 工場市政機械、死者400人
82年以降~ テロ支援国家に指定(オバマ時代の一時期除き)し、経済制裁の
(教育と医療による国際貢献は有名、医師派遣数は国連より多い、アフリカ伝染病対策など/アンゴラの米国が反政府テロ組織を支援、アンゴラ政府を支援するキューバ軍が南アを排斥、ナミビアでも追い出し・正常な選挙を実現、 →アフリカの解放とアパルトヘイト廃止に対するキューバの貢献を解放されたマンデラ氏「カストロは心の支えだった」「アフリカとの関係においてキューバほど無私無欲の国はない」と最大限の賛辞を贈っている。
*米国にとって、米国からの独立を勝ち取り、抑圧された貧困層を鼓舞するカストロの存在自体が危険だった
〇62年 コロンビアに特殊部隊を送り、同国の治安部隊を准軍事組織として「反政府活動家」の排除を支援
〇ブラジルクーデター(64年) 米国が支援するブランコ将軍による残虐な治安維持国家誕生
〇65年ドミニカ 立憲派と軍事評議会の内戦に、「共産主義から防衛」口実に軍を派遣、民主・民族的運動を弾圧
〇73年 ウルグアイ・クーデタ― 新自由主義路線、労働人口の1/5が治安組織要員の警察国家。国民の50人に1人が逮捕・拘束、反対派活動家など197人が行方不明
〇73年チリクーデターを米国支援、社会主義のアジェンデ政権を打倒。その後のピノチェト独裁政権は米国で経済学を学んだ「シカゴボーイズ」の指導下で新自由主義的「ショック療法」を強行し、国営産業の民営化、労働者保護を解体。
〇76年 アルゼンチン・クーデター 76-83年独裁政権(米国支援)の「汚い戦争」(市民3万人以上が死亡・行方不明)
〇79年 ニカラグア ソモサ独裁への反発。ゼネスト、サンディニスタ解放戦線の蜂起でソモサ王朝終焉
85年米国による反政府組織支援・経済封鎖 国際司法裁判所で、米国の行動は国際法違反の裁定
(ホンジュラスは、米国軍、イスラエル軍などによるニカラグア軍事干渉の拠点となる)
〇83年 グレナダ侵攻 79年人民革命政権誕生 医療教育重視、非同盟中立路線に危機感覚えた米国が政権内に内紛に乗じ「米国留学生保護」を口実に侵攻。革命政権崩壊。国連総会で「非難」決議
〇89年6月 エルサルバドル 「解放の神学」 イエズス会大主教6名の暗殺 ~米国で訓練されたエリート部隊の犯行
〇89年12月年 パナマ侵攻 麻薬貿易を口実にノリエガ将軍を拘束。米国の真の狙いは両国間の条約により99年までにパナマに返還しなければならなかったパナマ運河の支配継続。そのための国軍を解体。しかし、多大な犠牲を強いられた国民の反米感情は強く、パナマ運河は予定通り変換。
〇91年9月 ハイチ・クーデター 大統領選で米国が選んだエリート官僚が「解放の神学」の司教に敗北
→米国 数カ月後に転覆、軍事政権を国際制裁に違反し支援、ク政権は自らの禁輸政策に反し石油供給
04年大統領選で再び勝利した司教をカナダとともに誘拐し中央アフリカに移送、10-11年の選挙から排除
〇コロンビア 米国は、コカ栽培の根絶のために、ラウンドアップの空中散布を要求。2000年に始まったプラン・コロンビアで本格化。住民に皮膚疾患、呼吸器系疾患、流産などの報告が相次ぎ、農作物にもダメージを与え農民の生活基盤が破壊。2015年同国憲法裁判所が憲法違反と判断し中止に。が、米国は再開を要求。25年ドローンによる散布再開
〇 ベネズエラ 25年 「麻薬船」の一方的攻撃100人死亡、26年軍事侵攻 大統領拉致 100名死亡
赤旗26/1/9付けより
◆経済面 国際機関も利用した内政干渉
「1980年代から1990年代にかけて、米国は国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際金融機関における(事実上の)拒否権を活用し、中南米全域で新自由主義的な経済政策を推進した。債務救済や融資と引き換えに各国政府は構造調整プログラムの実施を求められた。公共支出の削減、国有企業の民営化、農業補助金の廃止、労働市場の規制緩和などである。これらの緊縮財政改革は公共サービスを骨抜きにし、不平等を悪化させ、各国経済を外国企業の支配に対して無防備にした」(同報告書)
貿易(投資)協定
〇94年 米国、カナダ、メキシコの北米自由貿易協定(NAFTA)
「米国のアグリビジネス(農業関連産業)は補助金付きのトウモロコシをメキシコ市場に氾濫させた。米国企業はマキラドーラと呼ばれる輸出重視の工場をメキシコの米国国境沿いに急速に展開し、低賃金で不安定な雇用と環境破壊を広げた」(同報告書)
〇06-07年 米国、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国の中米自由貿易協定(CAFTA)。
「自由貿易」協定によって各国政府は米国企業に有利な法改定を余儀なくされた(同報告書)
▽主要な国内産業保護措置を撤廃し、共有地制度を解体し、米国政府の補助金を受けた米国製品に市場を開放する▽米国式の知的財産権条項を採用して医薬品の特許保護期間を延長し、政府による薬価規制能力を制限する
▽環境保護・最低賃金・公衆衛生などの規制に異議を申し立てて損害賠償を請求できる権限を外国企業に与える―等
短期利益を追求
〇 60年代 メキシコで導入された「マキラドーラ」制度~ 工業分野で中米諸国経済に大きな影響を及ぼした。同制度は、NAFTAの下で拡大し、CAFTAにも反映
➡ 加工して輸出する原材料・中間製品に限って無関税で輸入できる制度/国内産業への悪影響を遮断しつつ米国資本などを誘致する目的で導入。
・同報告書~中米に工場を移す多国籍企業の狙いは、低賃金と緩い労働・環境保護規制を利用して短期的利益をあげること。労働組合の組織を試みる労働者は報復を受け、労働時間はしばしば法定限度を超えるという
⇔ メキシコの製造業の賃金 1990年代初頭に平均時給5ドル。が、01年、中国のWTO加盟後に低下(中国の労働者の賃金 時給1ドル未満、多くの工場が中国へ移転
「現在メキシコの自動車労働者は、ほぼ同じ工場で同じ仕事をしているのに、時給3・5ドルから4・3ドルしか稼いでいない。時給33ドルを稼ぐ米国の労働者の10分の1である」
〇CAFTAの下で拡大した中米の衣料品産業~大手米国ブランドの短期契約で支配された
「多くのブランドは(低コストを求めて)最終的に発注をアジアに移し、中米経済は救済策もないまま突然のショック状態に放り出された。今日、ホンジュラスの衣料品労働者の平均時給はわずか2・3ドルである」
★ 多国籍企業の権限を強め、労働者の権利を弱体化させる「自由貿易」協定は、「雇用創出」の約束を実現せず、中米諸国の雇用と賃金を破壊したの。米国への移住は「生き残るための手段」に。
★米国本土への影響 「米国企業は(NAFTA後に)約95万人の雇用を海外に移転させた」。これにより「工場が閉鎖され、製造業の中心地が空洞化した。労働組合のある産業では雇用喪失が加速し、デトロイトやヤングスタウンといった産業の拠点にある労働者階級のコミュニティーは大打撃を受けた」。
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