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「搾取をなくす」とは何か  その理解のために

様々な論考からの独習のためのメモ

1. 搾取とはなにか

・労働者が剰余労働を行なっている  ≠  搾取されている

➡ どんな社会においてみ、生産の拡大、インフラの整備、労働できない人びとの扶養などを行なおうとすれば、剰余労働は絶対に必要である。 共産主義社会においても必要

問題は、どれくらい剰余労働を行なうのか、剰余生産物をどのような使途にあてるのかなどについて、労働者(正確には、共同体の構成員)がその決定を行なう場合は搾取はない / 誰か他の人びと(資本家、封建領主など)が決定し、労働者が従わねばならないとき、労働者は搾取されている。

つまり「資本主義的)搾取」とは ~ 働いている人が作り出した富のうち、生きていく分だけしか渡されず、残りの富について資本家に取り上げられて、その決定権を奪われていること 

 

2.搾取をなくすとは・・・ 社会主議へのパーツを増やす 

・「搾取とはなにか」からわかるように剰余労働の処分への決定権を拡大することは、「搾取をなくす」につながる行為であり、その形態には・・・ 

   労働時間の規制、

   賃金引上げ

   累進課税の強化。

   医療・福祉・教育・住宅などの政策を通じた所得再分配の強化

   環境保全、防災、気候危機対策などにかかわる規制の仕組みづくりと予算配分

  これらは、「剰余労働の処分」について、労働者(国民)が関与すること。つまり「搾取」を制限する行為(生産手段の社会化は、そのためのツールであり、今日ではその接近は多様なルート・手段をとる)

 

 ・これらは、現在の私達の暮らしや人権を守ることであり、同時に、社会主義のパーツを拡大している。 28大会 「今のたたかいが社会主義と地続き」ということ ※1

 そういう意味では、紆余曲折はありながら大局的に見て「社会主義」への歩みを進めているのではないでしょうか。

 

⒊生産的労働とは・・生産力とは・・・

  (生産的)労働や生産力と言った場合、人間にとって「本質的規定」と「歴史的規定」があるとマルクスは解明している。

 

・「本質的規定」  人類の歴史に通底する規定。生活の生産と再生産のために「有用物」(使用価値)を生産する労働やその総体

・「歴史的規定」  資本主義という人類史の一段階での規定。そこではなにより「価値」が重視される。剰余価値を生まない労働は「不生産」、 

 

 なお、私は、サービス労働について、「外的自然だけでなく,内的自然=人体そのものに働きかけることを 含めて生産活動である」(置塩)とする立場をとっている。

 

 たとえば・・・働く形態をいくつか取り上げてみると・・・

・流通金融  「本質規定」では不生産労働 「歴史的規定」では生産労働    ※2

・公務        〃   生産労働              不生産労働

・家事労働          生産労働              不生産労働

・家事代行サービス      生産労働               生産労働

・医療介護福祉サービス    生産労働                 ★

 

★利用者負担が1部あるが、その原資の大部分は租税・保険料という社会全体で負担しており。資本主義経済のもとでの「等価交換」の法則の範疇にない。しかも、そのサービスは提供先によって・・・。

労働者世帯への提供 ➡ 労働力の回復という使用価値とともに、労働力価値の再生と言う点で価値を生む/が、等価交換でないため、価値創造は一部分にとどまるのではないか。

・非労働者世帯への提供 ➡  労働力の再生産につながらず価値を創造しない。

 

・社会全体の搾取率が100%=半分が剰余労働といっても、それは「歴史的規定」の話であり、公務・医療介護福祉サービスという「歴史的規定」とは疎遠な「本質的規定」(有用性)が軸となる労働には単純にあてはまらない(労働条件の「相場」として影響するが・・・〉

搾取をなくしたのち、「本質的規定」での労働時間の分配を考えると、ケアにかかわる総労働時間はさらに大きくなると思う。

 

1 28大会の志位報告では

 “資本主義の高度な発展そのものが、その胎内に、未来社会にすすむさまざまな客観的条件、および主体的条件をつくりだします。 一部改定案では、その要素を五つの点――「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力」、「経済を社会的に規制・管理するしくみ」、「国民の生活と権利を守るルール」、「自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験」、「人間の豊かな個性」で列挙いたしました。すなわち、発達した資本主義国において、社会主義的変革に踏み出した場合には、社会主義・共産主義を建設するために必要な前提がすでに豊かな形で成熟しています。それらの前提をすべて生かし、生産手段の社会化を土台に、発展的に継承して新しい社会を建設することができます。”

 とのべ、そのあと、発達した資本主義国での変革こそが「大道」であるとの論が展開される。そして、「今のたたかいは未来社会へと地続きでつながっている」と5つの要素のうち、「高度な生産力」など「資本主義の発展が必然的につくりだす要素」を報告した後、「人民のたたかいによって初めて現実のものとなる要素」として「国民の生活と権利を守るルール」「自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験」に触れ「そのすべてが未来社会に発展的に引き継がれる」と展開しています。

 

 あらためて報告を読み返すと、すでに触れたように「国民の生活と権利」を守る=搾取を制限する様々なルール、制度その一つが社会主義の要素なんだと、いうことの解明・強調が抜けているのではないか、と気づく。

「搾取をなくすときどういうことか」の解明を軸に、「社会主義は遠い未来の話ではなく今ここにある」と位置づけ直すことが、社会主義・共産主義を語るうえで理解しやすいのではないか。と思う。

 

 

2 流通業についてマルクスの叙述

「変態WGGWは,買い手と売り手とのあいだで行なわれる取引である。このような取引がまとまるためには時間が必要である。・・・状態の変化には時間と労働力が必要であるが,しかし,価値をつくりだすために必要なのではなく,一方の形態から他方の形態への価値の転換をひき起こすために必要なのであって,このことは,互いにこの機会に乗じて余分な価値量を取得しようとする試みがなされても,少しも変わらないのである。・・・この労働それは全体としての資本主義的生産過程の一つの必然的な契機であって,この全体性のなかでは生産過程は流通をも含んでいるか,または流通のなかに含まれているのであるがは,熱を起こすために用いられる材料の燃焼労働のようなものである。この燃焼労働は,燃焼過程の一つの必然的な契機ではあるが,熱を発生させるものではない。」(マルクス[1885SS.131132 159ページ) 二部6章1節「純粋な流通費」

「一般的な法則は,ただ商品の形態転化だけから生ずる流通費はすべて商品に価値を 、、、、、、 つけ加えない ,ということである。流通費はただ価値を実現するための,または価値 を一つの形態から別の形態に移すための,費用でしかない。この費用に投ぜられる資本(これによって指揮される労働も含めて)は,資本主義的生産の空費に属する。そ の補填は剰余生産物のうちからなされなければならない。そして,この補填は資本家 階級全体について見れば,剰余価値または剰余生産物からの控除をなす」。(マルクス [1885S.150182ページ) 6章3節「輸送費」

 

・板木の解説・・・ 流通労働が行なっている労働は,物質(対外的・対内的自然)を処理しているのではなくて,私的所有権を処理しているに過ぎないわけである。この点は,金融労働も同様である。流通労働が商品資本の流通機能を担っているのに対して,金融労働は資本商品の流通機能を担っている。使用価値に対する私的所有権の創造・ 移転・分配を担う機能が,流通・金融労働に独自な機能であるということができ る(ドゥロネ,ギャドレ[19878081ページ)

 

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