「消滅自治体」 なぜ「若い女性減」だけ? 若い男性も同様に減少
有識者のグループ「人口戦略会議」の報告が「衝撃的」に報道されている。
全国の1729自治体のうちおよそ43%にあたる744の自治体で、2050年までの30年間に20代・30代の女性が半減すると分析、将来的に自治体の「消滅の可能性がある」というもの。
「県内では高知市、南国市、土佐市など9市町村を除く25の市町村が該当。中でも室戸市、土佐清水市、東洋町、北川村、大豊町、中土佐町、大月町では2050年までの30年間で若年女性の減少率が70%を超えると推計。」(テレビ高知4/25など)
が、実は、若い男性も同様に減っており、若い女性をことさら取り上げ、地域の残って、結婚し、出産せよ、とのプレッシャーをかけるような取り上げ方では、余計に、しがらみのない都会に出て行きたくなめだけではないか
全国一律の最賃、一次産業の所得の保障、そしてジェンダー平等がカギだと思う(下記で少し紹介)
〇高知県 2020—2050年高知県の20—39歳の男性、女性の人口比
5/22赤旗に「最低賃金の焦点 山縣宏寿・専修大学准教授に聞く(上)」の中で、最低賃金の格差が地方の人口流失に繋がっていること、最賃の引上げの中で、地域間格差が拡大しているのは「見逃せない」と指摘し、「地域間格差是正は急務」と主張している。
記事では、2019年時点の最賃額と各都道府県の人口移動の相関関係の調査を紹介。
表は、横軸に最賃の額、縦軸に転入・転出。ゼロより上が、人口流入地域、ゼロより下が人口流出地域。
・最賃額が高い地域は転入超過になる傾向が高く、低い地域では転出超過になる傾向が高いことが示された。
・最賃額の高低と転出・転入の相関関係の強さ=相関係数は0・65。おおむね「0・2を超えると弱い相関関係がある」「0・4を超えると中程度の相関関係がある」「0・7を超えるとかなり強い相関関係がある」とされており、相関関係の程度も小さくない数字といえる、と分析している。
・地域間格差は、95年の96円から、23年には220円と拡大し、さらに転出入の数字が動く可能性を示唆。
・男女別にみた相関関係 男性が0・64、女性が0・66と、ほぼ差はない。
これを見ても中小企業支援と一体になった全国一律の最賃、さらに一次産業で安定して暮らさせる価格保障・所得補償を実施することが、東京一極集中を是正し、地方の人口減対策の要の1つとなる。
もうひとつは「ジェンダー平等」
性と生殖に関する健康推進を目的とした国連人口基金の「世界人口白書2023」は、「出生数減少、現役人口減少で、国家財政や社会保障が維持できなくなる」など、人口問題を切り口に破滅を予告する言葉に接したら「このような議論は誰の利益になるのかを考えるべきです」と安上がりの労働力の確保、社会保障費負担の回避をもくろむビジネスサイドから生じていると警告をするとともに、各国のこれまでの出生率引き上げ政策についても「長期的には効果がほとんどない」とし、出生率上昇に照準を当てた政策から、生殖に関する権利を支援する政策へ転換すべきだと主張している。
白書は「職場でのジェンダー不平等、家庭でのジェンダー不平等、勤労者世帯への構造的支援の欠如という三重の足かせ」が、少子化が進む国の特徴と指摘。
*少子化対策、増強すべきは「権利と選択」 世界人口白書が指摘した社会を強くする方法 朝日23/7/14
https://globe.asahi.com/article/14955483 /人口白書そのものの詳しい記事
*生んだら貧しくなる国で子どもが生まれるわけがない…!重すぎる負担を女性に押し付ける日本と「異次元の少子化対策」が完全に見落としたこと 24/4/14 現代ビジネス (的を射た記事。以下、ポイント)
https://gendai.media/articles/-/127751 https://gendai.media/articles/-/127752
・シングルマザーになるリスク 相対的貧困率は5割近く先進国で突出。しかもほとんどが就労していての貧困。児童扶養手当は年間所得230万円を越えるとゼロになる。/しかも、虐待、DVなど、様々なリスクも・・少なくはない。
・要は、男性の長時間労働の是正をふくめたジェンダー平等の到達点の低さの結果であり、家父長制の価値観に染まり切った自民党政治では、対応不可能ということではないか。
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