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地方自治体へ国の指揮権 範囲曖昧、権力の暴走に歯止めなし 参院で廃案に  

 憲法の骨格、地方自治を空洞化されるような重大な改悪~当事者である地方議会で論議の遡上に上るのを避けるかのように、当初議会の質問戦が終わったころに、法案を閣議決定。5月30日衆院本会議で可決し、6月議会にはすでに成立させようとしている。

大変重要な法案であり、それこそ国と自治体で様々な課題を出し合い丁寧に審議をすることが、「想定外」を想定し、様々な事態に対応する実効性を確保するためにまず必要なこと・・・一気に成立させようとするその姿勢に「権力を思いのままに振るいたい」と言う立憲主義否定の思想がよくわかる。具体的に、本当に戦争する体制に踏み込んできた、ということ。参院で廃案!

 杉並区長など9首長の法案に対する要望・違憲、自由法曹団の衆院可決抗議声明、法案提出時の日弁連会長声明、東京新聞の記事など・・。

060513seimei.pdf (city.suginami.tokyo.jp)。 /自治体スクラム支援会議の声明5/11

「自治体は改正を求めてない」地方自治法改正案に首長ら危機感 国の指示権は範囲が曖昧、歯止めなし:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

2024.5.31 地方自治法改正案衆議院可決に抗議する声明【確定版】.pdf (jlaf.jp)

 日本弁護士連合会:地方自治法改正案に反対する会長声明 (nichibenren.or.jp)

(談話)地方自治法改正案の閣議決定について 憲法と地方自治、住民のくらしを脅かす法案の撤回を求める | 日本自治体労働組合総連合 (jichiroren.jp)

 

地方自治法改正法案に対する声明  5月 11 日 自治体スクラム支援会議

令和6年(2024年)3月1日政府は地方自治法の一部を改正する法律案 を閣議決定し、国会に提出しました。本法律案には、国民の安全に重大な影響を 及ぼし、個別法の規定で想定されていない事態においては、国が地方公共団体に 対し、地方自治法を直接の根拠として「補充的な指示」を行使できることが盛り 込まれています。

 しかし、私たちは、東日本大震災において被災した南相馬市に対し、同市と災 害時相互援助協定を結んでいる杉並区と、同じく杉並区と協定を結んでいる北海道名寄市、新潟県小千谷市、群馬県東吾妻町とが強固に連携しながら、国に先んじて物資や義援金などによる支援、職員の派遣や避難所の確保、避難生活者への支援を行いました。

この取組が非常に有効であったことから、私たちは「自治体スクラム支援会議」を結成し、その後、趣旨に賛同した東京都青梅市、福島県北塩原村、静岡県南伊豆町、山梨県忍野村が加わり、支援を充実させました。

また、自治体スクラム支援会議は、国に対して、国からの指示・要請を待つことなく、地方公共団体が自らの責任と権限で被災地の支援を行えるよう制度の見直しを要望し、これによって災害対策基本法の一部改正につなげていくことができました。

このように地方公共団体が必要に応じて他の地方公共団体との連携を図りながら、住民の生命と財産を守るために主体的に取り組む動きは全国的に広がりを見せており、新型コロナウイルス感染症への対応や能登半島地震への対応においても、迅速かつ的確な取組が様々行われています。

こうした地方公共団体による成果への配慮が必要であり、また、平成12年 (2000年)の地方分権一括法によって構築された国と地方の対等・協力の関係を踏まえ、今般、提出された法律案が可決された場合であっても、その運用に 当たっては、十分な配慮が必要と考えます。

 以上を踏まえ、私たちは、国の「補充的な指示」について以下のとおり要請し ます。

 1 国の補充的な指示については、事前に地方公共団体との間で十分な協議・調整等を行い、現場の実情を適切に踏まえた措置となるようにすること。

2 国の補充的指示は目的を達成するために必要な最低限度の範囲とし、安易に行使されることがないよう、事前に運用基準の明確化を図ること。

 

令和 6 年(2024年)5月 11 日 自治体スクラム支援会議

北海道名寄市長 加藤 剛士

福島県南相馬市長 門馬 和夫

福島県北塩原村長 遠藤 和夫

新潟県小千谷市長 宮崎 悦男

群馬県東吾妻町長 中澤 恒喜

山梨県忍野村長 大森 彦一

静岡県南伊豆町長 岡部 克仁

東京都青梅市長 大勢待 利明

東京都杉並区長 岸本 聡子(幹事)

 

 

国の指示権を拡大する地方自治法改正案の衆議院可決に抗議し、同法案の廃案に向けて参議院における徹底審議を求める声明

 2024年5月31日 自 由 法 曹 団  団長 岩田研二郎

 本年5月30日、衆議院本会議にて、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態等に国が地方自治体に対して必要な指示ができる仕組みを盛り込んだ地方自治法の一部を改正する法律案が可決された。
 自由法曹団は、本年3月11日声明を発出し、本改正案は地方自治の本旨に反するものであること、国の自治体に対する統制が強まる恐れがあること、緊急事態条項創設の憲法改正の先取りとなることを理由に、本改正案に反対する意見を表明した。しかし以下のとおり、衆議院における審議を経てもなお、これらの重大な問題点は置き去りにされたままである。

(1)やはり立法事実はない。
 国の自治体に対する関与は、個別法、すなわち災害対策基本法等のいわゆる危機管理法制において個別に規定されており、必要に応じて法改正が重ねられている。これら個別法に重ねる形で地方自治法において指示権を規定する理由について、政府は、「個別法が想定しない事態」が発生する場合に備え、同事態発生時の「国の責任を明確にする」趣旨であると説明する。
 しかし、個別法が想定しない事態とは何かについて政府は抽象論を繰り返すのみである。また仮に「個別法が想定しない事態」なるものがあったとしても、国の指示権行使が認められれば同事態に適切に対処できることの論証も一切ない。
 本法案が規定する国の指示権は、国の地方に対する強力な関与を認め、自治体の自主性・自立性を否定する弊害をもつ[YT1] 制度である。立法事実すら提示できないまま本改正案が成立することは許されるべきではない。

(2)地方分権改革で確認された国と地方の「対等・協力」の関係を壊す法改正である。
 本改正案第252条の26の5が規定する自治体に対する国の指示権は、自治体が行う法定受託事務・自治事務の区分を問わず認められる包括的な指示権である。政府は、これを地方自治法上の「特例」として設けることで、地方分権改革において確認された国と地方における「対等・協力」の関係性の原則は維持されると説明する。しかし、同指示権を行使できる局面は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」と規定され、その適用場面は極めて広範かつ無限定であって、国の指示権は、特別の場合に限って例外的に適用されるものということはできない。実際には国の自治体への一般的・包括的な関与を認めるに等しいものであって国と地方の対等の関係を否定する制度であることは明らかである。
 政府が、衆議院における審議において国の指示権は「特例」として規定するものであるから国と地方の「対等・協力」の原則は維持されるとの詭弁を弄していることは許されるものではなく、参議院においてもこの点は徹底的な追及がなされるべきである。

(3)政府による濫用を防ぐことができない。
 本改正案第252条の26の5は、同規定による指示権は「他の法律の規定に基づき・・・必要な指示をすることができる場合を除き」行使可能と規定する。これに関して政府は、「個別法が想定しない事態において適用」するものと説明をする。しかし、各個別法が指示権の規定を設けるにあたっていかなる事態を想定していたかということを一義的に判断することは困難である。
 すると、国の関与は必要最小限度であるべきとの趣旨から個別法が指示権の行使を禁じている局面においても、政府が「個別法が想定しない事態である」と都合よく解釈することによって、個別法による制限をもやすやすと乗り越え、自治体に対する指示権を行使して、自治体を国の方針に従わせることが可能となる。
 本改正案の修正案は、政府が指示権を行使した場合に国会への事後的な報告を義務づけることによって濫用を防ぐとするが、そのような弱い措置で濫用的行使を防ぐことなど不可能である。
 本規定は、対処すべき局面を敢えて具体化せず、客観的に定義付けできない抽象的な文言を用いるため、小手先の修正では、政府による濫用的・恣意的指示権の行使を防ぐことはできない。法律による行政、ひいては法治主義にも反する本法案は廃案とするよりほかない。

(4)有事法制との適用関係も依然として不明確である。
 武力攻撃事態等における本法案の適用について、政府は、武力攻撃事態等への対応についてはいわゆる事態対処法制において必要な規定が設けられているため、本改正案に基づく関与を行使することは考えていないと答弁する。
 しかし、そうであればかかる法の適用関係は法文に明記されるべきである。また、事態対処法制においては「個別法が想定しない事態」は観念できないとしつつ、新型インフルエンザ特措法等のその他の危機管理法制では「個別法が想定しない事態」がありうるということになる区別を設けることも理解不能である。
 以上のとおり、本改正案には根本的かつ重大な問題点が山積している。本改正案に対しては、法案提出当時から慎重審議を求める意見や懸念の声が地方各地から出されていた。加えて、衆議院による審議の過程では、指示権拡大の必要性が不明であるにも関わらず、国の関与を強化する方向で改正されようとしていることが明らかになり、地方からの懸念の声はさらなる広まりをみせている。
 参議院においては、かかる地方からの懸念・不安に正面から取り組むと共に、法案の廃案に向けて徹底的な審議がなされることを求めるものである。

 

 

地方自治法改正案に反対する会長声明

2024年(令和6年)3月13日 日本弁護士連合会 会長 小林 元治

政府は、2024年3月1日、地方自治法の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)を閣議決定し、法案を国会に提出した。

当連合会は、本年1月18日付けで「第33次地方制度調査会の「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」における大規模な災害等の事態への対応に関する制度の創設等に反対する意見書」(以下「意見書」という。)を公表し、答申に基づく法案の国会提出に反対した。

意見書では、答申の「第4」で示された「大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応」に関する「国の補充的な指示」の制度の創設は、2000年地方分権一括法により国と地方公共団体が「対等協力」の関係とされたことを大きく変容させるものであるとともに、自治事務に対する国の不当な介入を誘発するおそれが高いなどの問題があることを指摘した。

すなわち、答申の「第4」は、その根拠とする大規模災害及びコロナ禍についての実証的な分析検証が行われていない点、法定受託事務と自治事務を区別せずに国の指示権を論じている点、及び現行法では国の地方公共団体への「指示」は、個別法で「緊急性」を要件として認められているのに対し、一般法たる地方自治法を改正して、自治事務についても、個別法の根拠規定なしに、かつ「緊急性」の要件も外して、曖昧な要件のもとに国の指示権を一般的に認めようとする点で、地方分権の趣旨や憲法の地方自治の本旨に照らし極めて問題があるものである。

しかし、今回出された法案は、これらの問題点を解消するものとは到底言えない。

すなわち、その根拠とする大規模災害及びコロナ禍については、災害対策基本法や感染症法などの個別法で国の指示権が規定されているのであるから、さらに地方自治法を改正する必要性があるのかが疑問であり、その点が法案提出に際して、十分に検討された形跡はない。また、法案は、現行法の国と地方公共団体との関係等の章とは別に新たな章を設けて特例を規定するとして、この点において法定受託事務と自治事務の枠を取り払ってしまっている。さらに、法案は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」、「地域の状況その他の当該事態に関する状況を勘案して」など曖昧な要件で指示権を認め、「緊急性」の要件を外してしまっており、濫用が懸念される。そして、2000年地方分権一括法が「対等協力」の理念のもと法定受託事務と自治事務とを区別して、自治事務に関する国の地方公共団体への指示権を謙抑的に規定した趣旨を没却するものであり、憲法の規定する地方自治の本旨から見ても問題である。

以上から、当連合会は、法案について、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と地方公共団体との関係等の特例」に関する章のうち、「事務処理の調整の指示」を定めた第252条の26の4における「指示」を「要求」に改めること、「生命等の保護の措置に関する指示」を定めた第252条の26の5を削除すること、「都道府県による応援の要求及び指示」に関する第252条の26の7の標題を「都道府県による応援の要求」に改めた上で、同条第2項以下を削除すること、及び第252条の26の8の標題を「国による応援の要求」に改めるとともに、各大臣の指示権を規定する同条第4項以下を削除することを求める。

 

地方自治法改正案の閣議決定について 憲法と地方自治、住民のくらしを脅かす法案の撤回を求める

2024年313日 日本自治体労働組合総連合 書記長 橋口 剛典

 岸田内閣は202431日、大規模な災害やパンデミックなどが起こった場合に、国が地方自治体に対して指示ができる仕組み(特例)を盛り込んだ地方自治法改正案を閣議決定した。
 日本国憲法は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」と第92条で団体自治を保障している。国が地方自治体に指示ができるとする本法案は、団体自治を侵害するものであり、自治労連は同法案に反対し撤回を求める。
 政府は、コロナパンデミック時の国と自治体の調整・連携などが不十分だったことを、法改正の理由にしている。しかし、そもそも国民のいのちと健康を危険にさらし、現場を混乱させてきた原因は医療・公衆衛生などの公務公共体制を脆弱にしてきた国の政策や対応であり、そのことへの反省も総括もない。政府は「救える命が救えなかった」ことに真摯に向き合うべきである。
 2020年に自治労連がとりくんだ、医療・保健所・福祉の拡充を求めるハガキ署名には、「こんなに医療が脆弱だったとは知らなかった」「保健所の大切さがよくわかりました」「統合や数を減らした結果、対応できなくなっているのだとわかりました」と、公務公共体制の拡充に全面的に賛成するコメントがたくさん寄せられた。
 また、元日に発生した能登半島地震では、自らも被災者である職員等が懸命に住民のいのちとくらしを守るために働いている。全国の自治体から職員が支援に行っている。しかし、被災自治体も支援する自治体も深刻な人員不足であることも報道されている。国による職員削減の押し付けで、各自治体は平時から余力などまったくない状況であり、これは2011311日の東日本大震災の教訓を、国はまったくと言ってもよいほど活かしてこなかったからだ。
 大規模な災害やパンデミックを想定するのであれば、国は脆弱な公務公共体制を拡充するために全力をあげるべきであり、必要な財源を地方自治体に交付することこそが急務である。
なにより本法案は、惨事に便乗して地方自治を侵害し、国の権限を強化することが狙いであると言わざるを得ない。緊急事態条項創設を先取りし、「戦争国家」に突き進むための改憲準備と考えられる。
 自治労連は、憲法に違反し、地方自治、住民のくらしを脅かす地方自治法改正案に断固反対するとともに、憲法と地方自治をいかす政治への転換を求めるものである。

 

自治体は改正を求めてない」地方自治法改正案に首長ら危機感 国の指示権は範囲が曖昧、歯止めなし 東京5/24

  国会で審議中の地方自治法改正案には、非常時に国が自治体に対して「必要な措置」を指示できる権限が盛り込まれ、野党や識者、首長らから懸念が相次いで示されている。法的義務を自治体に負わせるのに指示の対象範囲は曖昧。指示のスピード感を優先したとの理由で権限行使への歯止めとなる仕組みも乏しく、国による恣意(しい)的な運用に大きな余地を残しているからだ。(我那覇圭、山口哲人)

 ◆あまりにも曖昧な「その他の事態」

 「特定の事態の類型を念頭に置いているものではない」。松本剛明総務相は23日の衆院総務委員会で、国が自治体に指示する具体的な事態を問われ、こう説明した。栃木県知事を務めた経験もある立憲民主党の福田昭夫氏は「(指示権行使の)事態を想定していないということは、立法事実がないということだ」と批判した。

 同法改正案では、政府は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が起きる恐れがあったり、実際に起きた場合、閣議決定のみで指示権が発動できるようにする。大規模災害や感染症のまん延に加え、「その他の事態」も盛り込まれた。

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 幅広い解釈を許す書きぶりについて、国は「『想定外』の事態に備えられるようにするため」とするが、国の判断次第で範囲が広まる恐れも否定できない。国民民主党の西岡秀子氏も総務委で「自然災害と感染症以外の事態があまりにも曖昧だ」と苦言を呈した。

 ◆指示権発動に、立法府は蚊帳の外でいいのか

 指示の前に国が自治体から意見を聞いたり、資料の提出を求めたりする規定はあるが、あくまでも努力義務。現場の実情を十分にくみ取れない恐れがあり、事前協議を義務化するよう求める意見が出ている。

 また、指示権を発動する手続きで、立法府は蚊帳の外だ。改正案には国会の事前・事後の承認や、国会への報告の規定が設けられていない。政府側は、指示権を行使する度に国会への承認や報告を義務付けることは「機動性に欠ける」(松本氏)としていた。

 国の判断が妥当かを検証する方法が限られている状態は、与党からも不十分だとの声がある。自民、公明両党は23日、日本維新の会とともに、指示権を発動した閣僚に国会への事後報告を義務付ける修正案を衆院に提出した。

 ◆保坂世田谷区長「国がいつも正しいわけではない」

 この日、参院議員会館では同法改正案の廃案を求める集会が開かれた。東京都世田谷区の保坂展人区長は、コロナの流行初期、国がPCR検査の拡充に消極的だったため、区が積極的に検査した事例を紹介し、自治体の判断を飛び越えて国に強い権限を持たせる危険性を指摘。「国がいつも正しいわけではない」と訴えた。

 集会には約200人が参加し、杉並区の岸本聡子区長のほか、立民と共産、社民各党の国会議員らも足を運んだ。神奈川県真鶴町から駆け付けた小林伸行町長は語気を強めた。「自治体は改正を求めていない。国が指示してくれなんて一切思っていない」

   ◇

◆「コロナ対応のまずさは国の権限が弱かったため」が根底に

 国会で審議が続く地方自治法改正案。なぜこのタイミングで出されたのか、どんな内容なのか。(山口哲人)

 Q 改正の背景は。

 A 首相の諮問機関である地方制度調査会(地制調)が昨年12月、「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度の在り方」という答申を岸田文雄首相に提出しました。この答申は、国が自治体に指示できるようにする規定を地方自治法に盛り込むことを求めています。これを受け、今年3月に政府が同法改正案を閣議決定して国会に提出、57日に衆院本会議で審議入りしました。

 Q 答申の内容は。

 A 新型コロナウイルスの集団感染で横浜港に足止めとなった客船や、その後全国で起こった病床逼迫(ひっぱく)、飲食店などの休業や時短要請を巡り、国と自治体で調整が難航したり意見が食い違ったりした事例を列挙。「関係法が想定しない事態に対し十分に対応していなかった」と結論付けています。コロナ対応がうまくいかなかったのは国の権限が弱かったためとの考えがあると言えます。解決策として強い法的拘束力を持つ指示権を国に持たせるよう明記しました。

 Q 指示を法律に定めているケースは。

 A 災害対策基本法や感染症法など特定分野に関する個別の法律では、既に指示権が認められていますが、適用対象が広い地方自治法では初めてです。

 Q 政府は法案をどう説明しているか。

 A 「災害や感染症のまん延など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」に、国は「国民の生命保護に必要な対策の実施」を指示します。自治体の危機管理能力や財政力などの格差によって非常時の対応にもばらつきが生じる恐れがあるため、国の指示によって、地域ごとの対応に大きな違いが出ないようになると考える識者もいます。

  A 住民に最も近い市区町村を飛び越える形で、緊急時にそれぞれの地域の住民の命や暮らしを守る最善の指示を国が出せるのかを疑問視する首長は多くいます。

 

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