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国に指示権 地方自治法改定~「米軍の戦闘への支援」に対応?!

特定利用港湾の指定と自治体協定締結〈3月末めど〉が、戦闘中の米軍に対し、自衛隊が武器弾薬などの供給〈重要影響事態〉、武力行使で支援〈存立危機事態〉という、集団的自衛権を発動する際の拠点となる港の整備と、管理者である自治体の使用許可権限を「空洞化」し、スムーズに対応できるようにするためのものである。

20242月議会 特定利用港湾に関する質疑 日本共産党・つかじ委員 (2024.03.13産振土木委員会)】

 国会では、8.8兆円の軍事予算[補正含む15カ月予算]、殺傷兵器の輸出解禁、経済秘密保護法案と、軍事国家へ急速な体制整備が強行されつつある。特定利用港湾・空港も、国が自治体権限のものも代執行できる「武力攻撃事態」に至る前の段階での「隙間」を埋めるもの。

 その流れで考えると「地方自治法改定」も、自治体には現行では協力依頼となる「重要影響事態」「存立危機事態」への対応ではないか。

 以下、いわゆる「国民保護法」について見てみたい。

 正式名称は・・・

【武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律】

 

 注目したいのは「武力攻撃事態」と「存立危機事態」の対処なのだが、4条「地方自治体の責務」、5条「指定公共機関の責務」で、となっているが、「必要な措置を実施する責務」は、「武力攻撃事態等」に限られており、存立危機事態は対象になっていない。まして「重要影響事態」は、法の目的の中にも出来ていない。

 昨年から、新聞の社説で、地方分権に逆行するとか、かえって非効率となるなど様々な懸念が指摘されているが、地元紙の社説は、辺野古新基地の例を出しながらより危険性、懸念を強調している。が、総じて集団的自衛権の発動との関連は触れられていない。その懸念はないのか。メモ者の思い過ごしだろうか・・・

 【国の指示権拡充】地方自治をゆがめないか  高知新聞社説 3/10

https://www.kochinews.co.jp/article/detail/727411

 

 

【武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律】

(目的)

第一条 この法律は、武力攻撃事態等(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態をいう。以下同じ。)及び存立危機事態への対処について、基本理念、国、地方公共団体等の責務、国民の協力その他の基本となる事項を定めることにより、武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処のための態勢を整備し、もって我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律(第一号に掲げる用語にあっては、第四号及び第八号ハ(1)を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 武力攻撃 我が国に対する外部からの武力攻撃をいう。

二 武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。

三 武力攻撃予測事態 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう。

四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。

・・・・・

 対処措置 第九条第一項の対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関が法律の規定に基づいて実施する次に掲げる措置をいう。

イ 武力攻撃事態等を終結させるためにその推移に応じて実施する次に掲げる措置

(1) 武力攻撃を排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動

(2) (1)に掲げる自衛隊の行動、アメリカ合衆国の軍隊が実施する日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)に従って武力攻撃を排除するために必要な行動及びその他の外国の軍隊が実施する自衛隊と協力して武力攻撃を排除するために必要な行動が円滑かつ効果的に行われるために実施する物品、施設又は役務の提供その他の措置

(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、外交上の措置その他の措置

 武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するため、又は武力攻撃が国民生活及び国民経済に影響を及ぼす場合において当該影響が最小となるようにするために武力攻撃事態等の推移に応じて実施する次に掲げる措置

(1) 警報の発令、避難の指示、被災者の救助、施設及び設備の応急の復旧その他の措置

(2) 生活関連物資等の価格安定、配分その他の措置

 

ハ 存立危機事態を終結させるためにその推移に応じて実施する次に掲げる措置

(1) 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃であって、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるもの(以下「存立危機武力攻撃」という。)を排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動

(2) (1)に掲げる自衛隊の行動及び外国の軍隊が実施する自衛隊と協力して存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動が円滑かつ効果的に行われるために実施する物品、施設又は役務の提供その他の措置

(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、外交上の措置その他の措置

 存立危機武力攻撃による深刻かつ重大な影響から国民の生命、身体及び財産を保護するため、又は存立危機武力攻撃が国民生活及び国民経済に影響を及ぼす場合において当該影響が最小となるようにするために存立危機事態の推移に応じて実施する公共的な施設の保安の確保、生活関連物資等の安定供給その他の措置

 

(国の責務)

第四条 国は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため、武力攻撃事態等及び存立危機事態において、我が国を防衛し、国土並びに国民の生命、身体及び財産を保護する固有の使命を有することから、前条の基本理念にのっとり、組織及び機能の全てを挙げて、武力攻撃事態等及び存立危機事態に対処するとともに、国全体として万全の措置が講じられるようにする責務を有する。

2 国は、前項の責務を果たすため、武力攻撃事態等及び存立危機事態への円滑かつ効果的な対処が可能となるよう、関係機関が行うこれらの事態への対処についての訓練その他の関係機関相互の緊密な連携協力の確保に資する施策を実施するものとする。

 

(地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、当該地方公共団体の地域並びに当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する。

(指定公共機関の責務)

第六条 指定公共機関は、国及び地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、その業務について、必要な措置を実施する責務を有する。

 

 

 

 

 

〇内閣官房 国民保護ポータルサイト 用語集

・武力攻撃    我が国に対する外部からの武力攻撃をいいます。

・武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいいます。

・武力攻撃予測事態  武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいいます。なお、事態対処法において、武力攻撃事態と武力攻撃予測事態をあわせて「武力攻撃事態等」と定義しています。

 

・事態対処法

・平成1566日に成立し、同月13日に施行されました。武力攻撃事態等(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態)への対処について、基本理念、国・地方公共団体等の責務、国民の協力その他の基本となる事項、武力攻撃事態への対処に関して必要となる法制の整備に関する事項などを定めています。

※平成27年9月に成立した平和安全法制整備法により、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」と改称

 

 

 

【国の指示権拡充】地方自治をゆがめないか  高知新聞社説 3/10

非常事態が起きた時に地方をコントロールする権限を国が強めようとしている。自治体に対する国の「指示権」を拡充する地方自治法改正案が閣議決定された。
 国の指示権は現在、災害対策基本法など個別法に規定があれば行使できるが、発動の可能性は最小限に抑えられているといってよい。改正案はその要件を緩め、個別法に規定がなくても「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と国が判断すれば、指示権を使えるようにする。
 想定外の事態が起きた時の混乱を防ぐため、あらかじめルールを設ける発想は否定しない。ただ、2000年施行の地方分権一括法は、国と自治体の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に変えた。分権の流れを巻き戻す動きになる。
 「指示が必要な事態」を国の都合のよいように解釈すれば、地方の主体性や自立性がゆがめられる危険もはらむ。国会審議では丁寧な議論と慎重な判断が求められる。
 指示権の拡大は、新型コロナウイルス対策で中央と地方の考え方が分かれるなど混乱したことを受け、地方制度調査会が検討し、答申していた。地制調でも分権の理念後退を危惧する意見は出たとされる。
 このため政府は法制化に当たり、厳格な運用を強調。指示権発動は国と地方の対等関係の中での「特例」と位置づけたほか、発動前には自治体に意見聴取し、閣議決定を経るなどといった手続きも盛り込んだ。
 しかし、発動要件となる「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」の定義はあいまいで、やはり拡大解釈、指示権乱用の懸念が残る。政府の「厳格な運用」との説明が懐疑的に聞こえてしまうのは、今の政府・与党は、非常時の国の権限強化に躍起になってきたからだ。
 緊急事態条項の新設を目指す憲法改正論議に象徴されるように、緊張感を増す安全保障環境を理由に、中央集権的な国づくりを進めているように映る。米軍普天間飛行場の移設問題を巡り、沖縄県の民意を押し切って工事に着手したのもその一例ではないか。
 国の指示権を巡っては、分野を問わずに拡充するやり方ではなく、非常事態のシミュレーションの具体化に努めた上で、必要ならば個別の法律に項目を加えていく方法もある。そうしたやり方も議論の選択肢に加えるべきだ。
 そもそも、国が指示権を発動することになったとしても、非常事態の現場から遠いなど限られた情報しか持っていない状態も考えられる。誤った指示が出されたり、混乱を助長したりするリスクもある。
 指示権がないとしても、「対等・協力」関係を前提にした地方との意思疎通を通じて効果的な対策がとれるのではないだろうか。
 全国知事会、市長会など地方団体は国の権限強化に警戒感も持っているが、個々の自治体レベルでは「国頼み」の体質が強まっている例も少なくないだろう。地方側の「自治」に向けた意識も問われる。

 

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