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日本共産党の「安保破棄・自衛隊解消」論  学習・探求メモ

 昨今、様々に議論されている安保破棄と自衛隊解消にむけた取り組みについて、なんとなく理解しているつもりでいた綱領の規定「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる。」について、様々な会議・著作などで語られたことを、時系列的にも追ってみて、再度、理解を整理し、探求・学習すべき点を明らかにする作業をしてみた。まだまだ学ぶ必要があることが、よくわかった。

■自衛隊「活用」論  ~ 民主連合政府での対応として説明されてきた。

 なぜなら、民主連合政権においても、政府として「自衛隊は違憲」の立場をとることを明言していた[2013年 志位和夫著「綱領教室」()➡ 76ページ 「民主連合政府と自衛隊が共存する時期にどういう対応をとるか」

 77ページ 民主連合政府で「私たちが閣僚席に座ったとします。野党は「総理、自衛隊は違憲ですか、合憲ですか、どちらですか」と聞いてくるでしょう。私たちは「もちろん違憲です」とズバリ応えます。そうすると野党は「それなら違憲の自衛隊に予算を支出するのも違憲ではないですか」と予算に反対してくるでしょう。その時は「違憲の軍隊をつくったのはあなたたちではないですか。その矛盾を引き継いで解消しようというのが、私たち民主連合政府の立場です。感謝されることはあっても難癖をつけられるのはお門違いです」と答弁します。

よって「違憲」の存在である自衛隊を活用することに、特別の説明が必要を要した。

 

■野党連合政権構想のもとでの発展

・2015年 安保法破棄の野党連合政権構想を打ち出す。この時、マスコミの質問に応え、「政府として自衛隊は合憲の立場をとる」、また有事の際には「安保条約第5号の発動も当然」と明言した(2015/10/17 外国特派員協会での質疑)。

 一方、政府の一員としては、上記の態度をとるが、党自体は、自衛隊違憲の立場、安保破棄の立場を堅持すると明言。

・自衛隊合憲は、「閣内不一致」にならないための措置だと、当時思っていた。なお安保5条については、21大会3中総での「凍結」方針の具体化と理解した(後述)。

 

★22年4月発売の「新・綱領教室」では、民主連合政府においても「自衛隊合憲の立場をとる」と説明!

➡ これは、政府が「自衛隊違憲」の立場をとれば、その瞬間から自衛隊解散にむけて具体的取り組みが必要になり、「国民の合意にもとづき、自衛隊解消にすすむ」という綱領の規定と矛盾することになるから、と理解している。

 

政府として「自衛隊合憲」の立場にたつなら、活用するのは当然であり、わざわざ説明する必要はない。

 

 また、これまでの「暫定政権」は、ほんと短命のものを想定しており、あくまで党が大きくなり、民主連合政府へと進んでいくことを大道としていたが、2015年の野党連合政権構想は、当初は、安保法制を破棄したあと、直ちに解散総選挙を行う、というもの。

➡それが野党共闘の追求する過程で、一定期間存続する本格的政権であり、しかも、現状の選挙制度のもとでは「この道しかない」とまで位置づけられた政権であり、新しい探求を要する問題となっていると考える。

 

★政府として「自衛隊合憲論」をとる発展。 ➡ だが、党大会、中央委委員会総会で議題になってない

★「野党共闘」を「暫定」でなく本格政権とする発展   綱領「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。」

 

〇「活用」論

ちなみに党の主張は、正確には「急迫不正の侵略を受けた場合は、「自衛隊を含めて、あらゆる手段をもちいて命を守ります。国民の生存、基本的人権、国の主権と独立を守るのは、政治の当然の責務だからです」(あなたの「?」におこたえします。日本共産党綱領の話 2022リーフレット)、となっている。違憲の存在である自衛隊なので、「活用」というのは、「存在しているので、もちいる」という扱いである。

➡ただし、この表現は、政府では「合憲の立場をとる」という、2015年以降の新たな方針以前の表現ではないか。または、自衛隊は違憲なので、国民合意で解消するという方針と、日本共産党を含む連合政権では、政府としては「合憲の立場」をとるという方針の説明が一見矛盾しているような印象をもたれ、また説明が複雑になるための「工夫」なのかもしれない。

 

綱領 「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる。」の奥深さ

この規定は、きわめて柔軟な対応が可能にように、精緻に工夫がされていると思う。党として「違憲」だが「政府の一員」としては「合憲」とか、「活用」論など出てこない規定であり、「国民の合意」で「前進をはかる」と言う抑制的な表現となっている。過半数ぎりぎりとか、一時の特殊事業による合意の形成で「解消」する拙速をさけ、一歩一歩、安定的な合意をすすめ、それに応じて「解消」への道筋を進めるという慎重さを含意していると考えられる。

 

■安保条約の「凍結」について

21大会3中総1998/9)で、民主連合政府に至る以前の暫定政権構想の中で、どう扱うかをとりあげ、「党としては安保についての立場のちがいを留保して、政権に参加する」「暫定政権としては、安保条約にかかわる問題は「凍結」するという合意が必要」と説明し、当時に、「暫定政権のもとでも、安保廃棄派が国民の多数派となるような独自の運動をおこなうことはいうまでもありません。」「ガイドラインなど安保改悪の流れのなかで、この「凍結」の合意をつくること自体が、「よりまし」の実質をもつこともありうる重要な意義をもってきます」。

 

[2015年の「安保条約5条」にかかわる志位さんの発言は、この方針によるものと思われる。よって2015年の「5条」発動発言は唐突ではない。

➡ ただし、この解明では、自衛隊の扱いは触れられていない。 自衛隊の段階的解消の方針を決めたのは22大会(2000年11月)であり、探求中だったからではないか。

 

■探求  

〇野党連合政権、民主連合政権下での、党の活動について

1. 安保条約破棄  実践的には、全国知事会も要求している地位協定の抜本的改定が焦点になるのではないか、「自由出撃」を制限し、軍事訓練も、政府・自治体の許可制にし、基地への立ち入り調査など、「普通の国」なみの規制をかけることができれば、安保条約はまったく違ったものになるし、米軍の抜本改定への抵抗が、安保破棄の国民的合意を高めることになると思う。

[当時の外交官の寺崎太郎氏は「行政協定のための安保条約、安保条約のための平和条約」 ➡占領体制の継続= 行政協定(現在の地位協定)が最大の狙いと述べている。孫崎享 「日米同盟の正体」 ]

 

2.自衛隊について

22年参院選を前にした決起集会[4月]で志位さんが述べた「専守防衛に徹する自衛隊に改革する」ということが方針になるだろうと思う。軍縮をすすめるといっても方針が必要である。装備・部隊編成など、国民が安心・合意をもとに進めるためには不可欠だからである。

➡が、これを基本政策に掲げることは、「違憲の自衛隊の存在をも認めたことになる」という主張があるが、どうなのか?

 

〇歴代政権の自衛隊合憲の説明から考える

基本的人権、幸福追求権など国民の権利を守るために、他国を攻める戦力ではない、最小限度の自衛のための実力組織というものである。

➡ この「最小限度」は、アジアなどの平和の国際秩序の確立にもとでは、どんどん必要性は縮小していくこととなる。その究極の形が「自衛隊解消」であり、結論は、9条の全面実施であり、「違憲」論と同じになるのではないか。

〇災害復旧、地方自治体の現場から考える

自衛隊が、都道府県・市町村の防災計画、災害復旧計画に深くかかわっており、無視できない存在である。というか、効果的に力を発揮してもらうための装備面や活動の在り方で、いろいろ住民の側からも要望も出すことになる。その具体化のためには、当然、自衛隊から、災害派遣時の経験、実情・要望の聞き取りも不可欠となる。

➡が、「違憲」の存在だから、そういう接近もダメなのか。防災活動は、憲法9条と矛盾しないのでOKなのか。/自衛隊員の給与改善に賛成しているが、それとの関係は?

*自衛隊、米軍が参加する防災訓練について・・・ 高知県の日本共産党は、南海トラフ巨大地震では、あらゆる力を動員する必要があるとの立場で、「訓練の実効性を担保するためにも、県民に計画の詳細を明らかにし、県土(海)を利用するからには、県行政の立ち合い・制御(安全、迷惑行為などのチェック)で実施せよ。県議等にも現場の視察を認めよ」という対応をしてきた。例えば、自衛隊のオスプレイが参加する予定の訓練では、飛行ルート(陸地では、川の上などを飛ぶとか)、ヘリモードなどに転換する位置など細かくチェックし、最終的には県職員が同乗し確認するということを、県と防衛局が公開の場で話し合って確認した。そしたら3回とも、天候不良などの理由で結局参加がとりやめとなった。

 現場では、そういう対応が必要になっている。 

〇「戦争犯罪委」を裁く法体制の未整備問題

 急迫不正の事態において、自衛隊員が、誤って民間人を殺傷した場合~実行者よりも、より上の指揮命令したものの責任が問われる、という法体系、交戦時における「戦争犯罪」について裁く国際人道法にもとづく法体系を日本はもっていない。「無法国家」との指弾、同時に改憲抜きに法整備は可能の提案もある。これをどう扱うかも課題だ。

 

(参考) 「抑止」について

「恐怖を与えること」とこの間の決定で説明しているが、もともと「抑止」とは「核抑止」のこと。が、その後、大規模な損害をあたえる抑止を「懲罰的抑止」とし、専守防衛など侵略側のハードルを高くするものを「拒否的抑止」と区別するよう区分・発展した。この違いを無視して「恐怖を与える」という一言でくくっていいのか、も研究を要する。

 

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