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どうするマイナ! どうなるマイナ?  学習会      

先日、マイナ保険証をめぐる問題で、1時間ほど話をした際の資料(下段)

 様々ミスが取り上げられているが・・・・ それはそれで問題なのだが、昔、少しプログラミングをかじった経験から言えば、まず仕事の仕方を整理・統一し、例外的な対応をなくすなどの作業が一番大変で、そのうえでプログラムを組んでみるが、想定外の状況が出てきて、考え方、課題への接近の仕方を最初からやりなおいことも珍しくない。この混乱をみると、まず、現場の業務を見直さずに作業したのではないか。また多重下請け構造のもとで、当初の仕様では、変に複雑で使い勝手が悪いことが分かっても、最初にもどって再構築するような力が働かなかったのではないかと感じる。

 話では、だから、焦らず一歩一歩すすめればよい。マイナカード普及のために「保険証廃止」で脅したのが間違い。

 では、なぜ、そんなに強引にすすめたいのか、

 デジタル化の先には、利便性とともに、監視社会、格付け社会になりかねない闇も存在し、現実にそんなことが起っている国もある。と、どうつきあっていくのか、という点を、わかってもらいたいと話した。

 

 

 

どうするマイナ! どうなるマイナ?        

1.マイナンバーとはマイナンバーとは、マイナカードとは

・個人番号(マイナンバー)・・・日本に於いて「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき、個人の識別番号として各市町村または特別区からその住民に指定される12桁の番号。

・ 税、社会保障、災害の3分野限定 分割管理 民間利用禁止  

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  • マイナカード ・任意  利用規約を承認して利用を申請   /義務との違い 。利用者の「自己責任」が前提

           カード 有効期限 10年 。電子証明書5年 /どちらも 「役所」で更新手続き

・電子証明書の「発行番号」と、「マイナンバー」は、1対1の関係  ➡ 本人確認!

★ 「発行番号」  民間利用含めた利用制限がない ➡ 「発行番号」で各種データと紐づけ

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〇マイナポータル ~  B 「あなたの情報」で取得できる情報項目 

【健康・医療】 予防接種、検診、医療給付、学校保健、難病患者支援、保険証の被保険者番号、

         (電子カルテ、検査結果の閲覧も準備中  )

【税・所得】 税・所得、公金受取口座、

【年金】 年金給付・保険料、年金その他(障害年金など) 

【子ども・子育て】 児童手当、ひとり親家庭、母子保健、教育・就学支援、障害児支援・小児慢性特定疾病医療

【世帯情報】

【福祉・介護】 障害保健福祉、生活保護、中国残留邦人等支援、介護・高齢者福祉、

【雇用保険・労災】 雇用保険開。労災補償

+ 子ども、教育・学習データの集約も検討中 (参考 一人一台のタブレット配布 GIGAIスクール構想 )

★本人同意をもとに、マイナポータルからアクセスできるデータの民間サービスでの利用が「期待」されている

 

 マイナ保険証の混乱 

〇「デジタル社会へのパスポート」の位置づけ が、普及停滞  

・運転免許以外に写真付きの証明書、Etaxなど利用 /一方 「コンビニで住民票といわれてもね」の声

➡ 2.1兆円のポイント付与でも思うように進まず、昨年10月、突如「保険証廃止」宣言! 

・今年、4月から医療機関・薬局に資格確認システムの導入義務づけ ~ マイナ保険証の運用がスタート

➡ 現場からの告発 資格確認できない、誤登録、他人の情報ひもづけなどなど /日々報道 

             高齢者施設で悲鳴 カードと暗証番号の管理が困難。そもそも申請が困難

 

〇その場しのぎの対応が不信・混乱を拡大 /  「今の保険証を残せばよい」を証明

・「紙の保険証も持参してください」 厚労省発言

・資格確認証(有効期間1年、毎年申請)の発行へ➡ プッシュ型で送付 ➡有効期間5年以内 ➡「おおむね2年」

一方、資格確認証 窓口負担の割増検討  /現在の紙の保険証 初診12円、再診6円高い (3割負担)

・高齢者施設入居者向け、「暗証番号なしマイナ保険証」 

・秋までに「総点検」?! 9千万枚×29項目➡ ミスが多いと見られる分野のみに。それでも膨大な作業

 

〇 現行保険証」の廃止は、どうみても無理がある

 ・保険加入者とマイナンバーの紐づけ困難ケース ~ 協会けんぽ・健保組合なと 77万人 

 ・「資格確認書」の事務 協会けんぽ、健保組合の「半永久」の保険証から、定期発行に。コスト100億円超えるとも

 ・マイナ保険証を持っていない人をリアルタイムで把握できない /現状、3カ月毎に「紐づけ」者のデータ提供

 

〇どうするか  紙の保険証を存続し、マイナカードは「任意」の原則維持をもとめていく

  国会議員へ要請、地方議会で意見書決議(知ってる議員に相談や陳情)、新聞への投書とか・・

・ 「保険証廃止」が変わらない場合・・・来年に「マイナ保険証」か、「資格確認書」か、の選択(後述)

・ 今すぐ「マイナ保険証の解除」「マイナカードの返却」をしたい人・・・可能です (自治体の窓口で)

    ~ 「マイナポイントは返さなくてよい」。/カード取得から5年後には、マイナ保険証は失効する

 

〇なぜ、「紐づけのまちがい」などミスが続発するのか

・デジタル化する前にやっておくべき「氏名」「住所」などのデータの統一化がなされていない

・名前 戸籍   漢字・かな文字 フリガナなし /6月 戸籍法改正  施行後1年でフリガナ記載の大事業

          戸籍統一文字」は約55000種類。常用漢字が2136文字

住民票  漢字、かな文字 フリガナは義務化されてない 

     銀行口座 カタカナ    /  パスポート ローマ字  

・住所 表記のゆれ 3丁目3番地3号 3丁目3-3 三丁目三の三 3-3-3 

集合住宅の記載   「Aマンション303」 か「 -303」か

下宿の場合の記載  ○○方 の表記は・・・。

・ 「外字」の処理 ~ それぞれが作った文字の存在。異なるソフトで使うと 「文字化け」する問題

★ 手作業での紐づけ、データの統一化・・いずれにしても気の遠くなるような作業

 

.. なぜ、「マイナ保険証」に、こんなにこだわるのでしょうか?  

「マイナカード」を全国民に普及したいから・・・・民間も含めで活用できる。利用制限がない

➡ あらゆる情報をひもつげて、「新たなビジネスチャンスにしたい」「社会保障給付を抑制したい」という狙い

  マイナ事業をうけおっている企業から、8年間で、政権党へ6億円近い献金

社会保障個人会計・・・「社会保障の各制度から同じような趣旨で行われている給付を合理化する」「個人ごとに給付と負担を把握して、運営上、こうした重複給付をチェックし、効率的な給付を行おう」「社会保障受給額(特に年金給付)のうち本人以外が負担した社会保険料相当分と相続財産との間で調整を行なう仕組みも検討すべきである」

04年「社会保障制度等の一体的改革に向けて」 経団連)

 → 現在も、介護施設の室料・食費などの補助制度(補足給付)には「金融試算」の要件が導入されている

医療の成長産業化・・・国民がマイナポータルなどから得る健康・医療情報を、「本人の意思」に基づいて民間PHR(個人起点の健康管理・予防・未病対策を行い、データによって個人 が健康をデザインできるようになる仕組み)事業者のもとに集め、病気の早期発見。治療によれ、医療費の適性化、医療の成長産業化――新たなサービスや医薬品の開発」に貢献する

例示として、中国「健康スコア」・・・個人の病歴や生活習慣を100点満点で評価するシステム。1 日に歩いた距離が 15000 歩に達したら 5 点、睡眠時間が 7.5 時間あれば 1 点が追加。減点の例としては、蒸留酒の「白酒」200 ミリリットルでマイナ ス 1.5 点、たばこ 5 本でマイナス 3 点等。

Society 5.0 時代のヘルスケア 2020年7月 日本経団連)

・政府 20207月「集中改革プラン」 医療機関等での情報連携、公的PHRの構築(+民間PHRでのの活用検討)

 ★医療・健康、税・所得、教育など公的データにプラスし、購買・支払い、職歴、資格、図書館利用、交友関係、移動データなどが集積されていけば・・・「格付け・自己責任」社会、超監視国家の危険性も!

 アメリカ 9.11後 学校に通う成績の悪い生徒の個人情報を軍に提供。康保険など入隊特典でリクルート 「経済的徴兵制」

・カナダ コロナ禍のもとワクチン接種強制などに反対するデモ参加者の個人情報を基に、銀行口座を凍結

・ロシア ウ戦争 「デジタル赤紙」導入。公共サービスのマイページに送信で「受領」となり、即出国禁止

 

〇「マイナカード」をどこまで活用するのか、しないのか ・・・  問われてくる /よく知って対応を

・身分証明書としての活用 + 保険証と紐づけ、口座情報とひもづけ   

・健診(過去5年)医療行為・投薬の情報(過去3年分、最新情報の反映に1カ月半)の共有への「同意」 

 ※今後、マイナポータルを通じた個人情報を活用する民間アプリ使用/ リスクも考慮し、賢明な判断を

  例) 生命保険、投資、学習ソフトなどなど・・・ 情報の提供に対し「ポイント付与」「最適なサービス・支援」など 

 ★マイナポータルの規約 をご存じですか?

・第26条 マイナポータルの利用に当たり、利用者本人又は第三者が被った損害について、デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わないものとします。

・第27条 デジタル庁は、利用規約の変更が、・・・合理的なものであるときは、本利用規約を改正することができるものとします。(改正の7日前に公表、改正後に使った場合は自発的に新しい利用規約に同意したとみなされる)

 

4 プライバシーは基本的人権  各国 様々な工夫、試行錯誤・・・

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≪ 日本の個人情報保護の貧弱さ ≫

▼ネット上に残る個人データの削除・消去、利用停止権(いわゆる「忘れられる権利」)の保障が不明確。

➡EUの一般データ保護規則(GDPR) 「忘れられる権利」「プロファイリング(個人の特性分析)されない権利」、公共空間での「顔認証」禁止

▼個人情報の定義は狭く、閲覧履歴など端末情報も保護されてない。

➡EU パソコンのIPアドレス、メールも含む /台湾は保護の対象を、氏名、家族、連絡先、指紋、特徴、病歴、社会活動歴など18項目を具体的に列挙

▼アプリ利用  利用目的を公表していれば同意したとみなされる運用。一括同意の容認。

法違反の罰則が極めて軽い~日本1億円、EU 26億円か年間総売上の4%までの高い方(250億円の実例も)

 

おわりに  “透明性と説明責任、公正性(多様性) ”  デジタル社会の土台   

デジタル技術は、くらしや社会を豊かにする力も、窮屈で殺伐としたものにする闇も抱えている

よって、その推進には、“透明性、説明責任、公正性(多様性)”の確保が不可欠

その出発点は、よく知ること、関心をもつことではないでしょうか。

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