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「円安時代」と日本経済の構造的弱点(メモ)

赤旗で22年10月より、5回シリーズ「円安時代」のメモ

急激な物価高騰には、コロナ禍からの経済の回復、気候危機が関連する食料不足・高騰、ウクライナ危機による化石燃料・肥料の高騰、そこに日本的な要因として円安が加わり、ということなのだが・・・

 その円安について、このシリーズでは、「背景は、金融政策に加え、日本経済の構造的弱点」との視点から展開している。

 その接近は、打開の処方箋を明らかにするために重要。

 他に、民間調査会社のレポート公表の記事、関心を引く記事の初回など

≪ 円安時代 ≫          

(1)自ら「日本売り」招く

・対ドル円相場~年初から約30%下落(1ドル115円→149円)。~ 輸入品価格が為替要因だけで30%上がる計算

・円安急進の背景~金融政策に加え、日本経済の構造的弱点

 ・9月の輸入物価(円ベース)~前年同月比48%↑ /消費者物価(生鮮食品を除く総合指数) 3%上昇 /円安が業績に悪影響を及ぼすと答えた企業は6割超(帝国データバンク調べ)

 国民生活と経済にもたらす異常円安の弊害は深刻。が、岸田政権は円安指向のアベノミクスに固執。対応は混迷を極めている

9/22 政府・日銀 24年ぶりの「ドル売り・円買い介入」実施 =

が効果は一日持たず /10/21再度介入したとみられるが、円安基調は変わらず、1ドル=149円台まで下落

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〇流れを支えているのは日銀自身

・FRBが物価抑制のために利上げ 一方、日銀は低金利政策に固執し金利の低い円を売ってドルを買う流れを後押し。今後も日米の金利差が拡大する見通しに

・黒田日銀総裁 今後2~3年間「金利を引き上げるようなことはない」(9/22記者会見)と断言、円安急進のきっかけをつくり/岸田首相 「円安メリットを生かした経済構造の強靱化を進める」(10/3所信表明演説)

~ 円安圧力にお手上げの状態 /アベノミクスの金融緩和政策から脱却する道筋を描けない政府・日銀の失政が異常円安と物価高騰を招いている

〇輸出産業支援の失敗も

・金融政策の行き詰まりだけでなく、根底に日本経済の構造的な弱さ~ その要因も自公・公政権の間違った政策

 ※ 「為替レートの決定要因は主に四つ」 ~ 国際経済研究者の木原隆氏

(1)インフレ率(商品量に比べて貨幣量が多くインフレ率の高い国の通貨は安くなる)

(2)貿易収支(赤字の国の通貨は安くなる)

(3)金融政策(金利の低い国の通貨は安くなる)

(4)政治的要因(信用の低い国の通貨は安くなる)

 ~「このうち(2)(3)が現在の円安の原因だと考えられます。短期的には金融政策の方向性が決定的ですが、長期的には貿易収支の状況が重要です」と指摘

・9月の貿易収支 2兆940億円の赤字 /単月の赤字は14カ月連続 ~22年度上半期(4~9月)の貿易収支 11兆75億円もの赤字/ 半期の赤字として比較可能な1979年度以降で最大

→ 貿易赤字の拡大 円売り・ドル買い取引の増加を意味する。

 ・長期的には鉱物性燃料(石炭、石油、天然ガスなど)、繊維・衣類の赤字が膨らみ、電気機器の黒字が縮小(図)

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※ 中央大学  村上研一教授 「貿易赤字拡大の一方の要因は燃料輸入額の増大ですが、他方の要因は国内供給力の衰退です」 「輸出産業は海外に生産拠点を移転し、空洞化しました。国内の製造業生産能力が減衰したために輸出額が落ち込んでいるのです。輸出産業支援に主眼を置いたアベノミクスの失敗です」

 

(2)海外移転で国内が衰退

・日本経済構造 ~過去20年ほどの間に大きく変化 /国内生産が衰退し、貿易赤字が拡大

→ とりわけ深刻なのが、かつて輸出産業の花形だった電気機器製造業の落ち込み

 〇黒字額が急減

 電気機器の貿易黒字 07年、7・6兆円 → 09年以降、急減、20年 1・5兆円(図1)

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→ 主因 パソコン、携帯電話、テレビ製造業の海外移転と衰退

・パソコンなどの電算機類 ~ 00年代以降、急速に貿易赤字を拡 / 低賃金の中国に生産拠点を移した米国メーカー、中国メーカーの激安商品が売り上げを伸ばし、一部の日本メーカーも生産を海外へ移転したため

・携帯電話などの通信機の転機 ~ 米アップル社がアイフォーンを発売した07年 /日本メーカーはスマホ開発に乗り遅れ、中国で組み立てられたアイフォーンに市場を奪われた。

・テレビなどの音響映像機器 ~ 大幅な貿易黒字を誇ったが、10年代に貿易赤字に転落 /中国・韓国メーカーとの低価格競争に敗れたシャープが台湾の鴻海精密工業の傘下に入った16年以降、赤字幅が拡大/シャープは国内生産を次々に打ち切り、海外移転を推進

 ・自動車(輸送用機器 ~ 日本の中核産業。が、国内生産は芳しくない/ リーマン・ショックで生産・輸出が急減した後、海外生産は急増したが、国内生産と輸出は回復せず。海外生産拡大に伴い伸びていた部品輸出も低迷(図2)

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(メモ EV化でも、周回遅れに。主な販売先 米東西州、欧州、中国・アジアでの急速なEV化 )

 〇新興国の台頭

※ 中央大学の村上研一教授  「巨大な人口を抱える中国などの新興国は低賃金の生産拠点として急成長するとともに、世界の主要市場として台頭しました。新興国の所得水準は欧米諸国より低く、質が悪くても安い商品でなければ売れませんでした。日本メーカーは10年代、サプライチェーンごと海外展開し、低品質・低価格の部品を現地で調達するようになりました。

その後、新興国内の技術が急速に向上し、質のよい部品を安価に調達できるようになっています。『組み立て工程を海外移転しても部品輸出が進むので国内産業は空洞化しない』という議論は成り立たなくなっています」

 ★ 低賃金・低税率を求めて世界を飛び回る多国籍企業の競争の中で、日本の製造業は空洞化 / 国内の賃金は低迷して内需が冷え込み、内需産業も縮小再生産を余儀なくされた。

(メモ 著名な多国籍業のRE100宣言。日本のエネルギーシフトの遅れは、サプライチェーンからはじき出される未来)

 

(3) 異次元の自国窮乏化策

・「私の話で円は安くなり、株価は上がり続けている」~ 総選挙を目前、12年末、「無制限の金融緩和」を掲げる安三自民党総裁は、狙いが円安誘導にあることをあけすけに語った。

→ 安倍発言を詳報した「朝日」(12/11/20)の解説 / 「金融緩和をすれば円の金利が下がるので、円は売られやすくなる」。「円高に苦しむ日本の輸出産業が息を吹き返し、景気も良くなるとの見方が株高を誘う」

★「輪転機をぐるぐる回して、日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」(安倍氏)という「異次元金融緩和」の眼目~ 円安誘導による輸出大企業支援にあった ⇔  が、日本の産業は息を吹き返さなかった

 

〇給与は伸びず

12/12/2622/10/26 円 約73%も下落(1ドル=85円→147円)

⇔大企業の利益と株主配当は急増し、内部留保も積みあがる

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・従業員給与と設備投資は全く伸びず、経済の好循環は起きず(図1)

・製造業~海外現地法人が増えるが、国内企業数と従業員数は減(図2)

◎理由~ 大企業が、円安で利益を増やす経路 = 2通り

1 ) 輸出  1ドル=100円が1ドル=150円なる ⇔ 同じ1ドルで売っても円での受取額は50円に /商品を値下げして販売数量を増やせば、国内生産が拡大し、雇用や賃金に波及

2 ) 海外子会社の利益を円換算し、親会社の連結業績に組み込む経路 ⇔ 円安は円換算額が増え、親会社の業績が向上。 利益を配当に回し株価を上げ、株主は多大な利益 /が、国内生産は増えず、雇用・賃金にも波及せず

★アヘノミクス~ 主に第二の経路で大企業と株主の利益が膨張

→ 中央大学の村上研一教授 「結局アベノミクスとは、自国窮乏化政策なのです」

(メモ者 理論的考察 ~ この利益は海外で発生したものではない /つまり、国内の所得移転 材料・燃料・食品など輸入物価増で、国民、中小企業の負担増、利益減によって生み出されたもの)

〇空洞化を無視

・村上  「安倍自公政権は、製造業が空洞化して産業構造が変容していることを見過ごし、輸出大企業支援という従来型の発想で円安政策を推し進めました。輸出は伸びず、賃金が低迷したまま、輸入物価が高騰しました。さらに、法人税減税と消費税増税、労働法制改悪、社会保障費抑制を通じて大企業のコスト削減を図り、国民の実質所得を低下させました。国民の生活水準低下は、内需産業の縮小と輸出製造業の空洞化をいっそう促進しました」

⇔  アベノミクスという名の時代錯誤の輸出大企業支援政策が、異次元の自国窮乏化を招いている

 

(4)所得低下し将来不安  

・大企業と富裕層優遇の自公政権の税・財政政策 ~製造業の空洞化、自国窮乏化を悪化

〇大企業の税逃れ

・09年度「税制改正」=海外子会社配当益金不算入 ~ 海外子会社から受け取る配当金の95%相当額を非課税に

/子会社のある国と日本での「二重課税」を防ぎ、海外でのもうけを日本に還流させるとの口実

→が、外資を呼び込んで経済を成長させようとする国の多くが低税率の特区などを設定 /その利用で、子会社のある国でも日本でもほとんど課税されない「二重非課税」が実現 ~ 大企業の海外展開と税逃れを促進

 

・TPPなどの「自由貿易投資協定」 ~ 製造業の空洞化を促進

⇔ 関税引き下げで、外国製商品の輸入を促進。多国籍企業に好都合な投資ルール確立し海外展開を促進/電機産業など海外移転が進み、国内製造業は弱体化。家電製品などの輸入依存度が上昇(表)

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〇再分配機能破壊

国内で大企業のコスト削減のため国民の負担を増やし、税と社会保障による所得再分配機能を壊したのがアベノミクス

・ 14年4月と19年10月の消費税増税の強行~低所得者ほど重い負担を課し、/一方で大企業には法人税減税。富裕層に有利な不労所得(利子・配当・株式譲渡所得など)の分離・優遇課税を温存

⇔ 結果、消費税は法人税や所得税を抜いて最大の税収源に(図1)

 ・社会保険料負担も増加~国民の可処分所得の減少 

・直接税(所得税や住民税)と社会保険料を合わせた「非消費支出」が勤労世帯の実収入に占める割合 → 2000年代まで15%程度が/ 12年以降、18%を超えて推移(図2)

 ⇔ 年金支給額の削減、医療・介護の自己負担増、生活保護費の引き下げなどの負担増・給付減を繰り返し/ 大企業の税・社会保険料負担の抑制が目的

◎社会保障改悪~国民の実質可処分所得を低下させ/ 将来不安を増幅し、内需をいっそう冷え込ませた。

~ SBI生命保険 20~60代を対象に行った2019年のアンケート調査 /将来不安の1位「病気」、5位「年金」、6位「介護」(図3)

⇔ 将来不安解消のためにとりたい手段のトップは「貯金」。

 

(5) 内需産業再建がカギ

・アベノミクスの失政 ⇔ 日本経済の構造的弱点が増幅 /製造業の空洞化・貿易赤字が増、賃金低迷のなか円安・物価高騰が進み、生活水準が低下して内需産業が縮小

〇内部留保が増加

統計があらわす日本の自国窮乏化 ~ 大企業が海外生産などで利益を上げ、配当を増やしても、国内に有力な投資先がないため内部留保ばかりが増加(図1)

⇔ 国内事業が拡大せず、労働者に還元されず /主要国の中で唯一賃金の伸びない異常な国に(図2)

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・構造的弱点・自国窮乏化に、物価高騰が追い打ち ~ 安倍政権 消費税増税の強行(14年4月と19年10月)+「異次元の金融緩和」で円安加速で物価高騰へ

⇔ 賃金低迷のもとで物価高騰で実質賃金の大幅な低下 ~21年は年384・4万円、ピーク時の96年から60万円、12年からも20万円減少(図3)

 ・日本経済の柱~GDPの半分以上を占める個人消費 /可処分所得のうち、消費支出に回す「消費性向」は所得の低い世帯ほど高い傾向 

→ が、消費税増税は低所得者層ほど重い負担を与え、景気の悪循環に /世界の主要国の中で日本だけが経済成長できない国に陥る(図4)

 〇成長戦略は破綻

  村上研一・中央大学教授~ 輸出大企業を支援するという従来型の成長戦略の転換が必要と指摘

「日本の経済大国化は輸出依存型だったので、輸出大企業が賃下げと円安を求めるという構造でした。低賃金・超過密労働に依存した大企業が欧米諸国に集中豪雨的に輸出し、食料やエネルギーを輸入するための外貨を稼ぐという戦略です。しかし、製造業の海外移転で輸出が伸びなくなり、この成長戦略は破綻しています」

 力を入れるべきは、輸出産業の振興ではなく、内需産業の再建 ~  「内需を高めるためには賃金を引き上げて税と社会保障による所得再分配を強化し、国民の生活を豊かにしなければなりません。ただし、それだけでは輸入が増えて物価高を悪化させる恐れがあります。安定的な国内供給力を形成するための産業政策が不可欠です。最大の輸入品目は鉱物性燃料と食料ですから、再生可能エネルギーと農林漁業への支援を抜本的に強め、地域を軸とした経済循環を形成するべきです

 

 

【民間調査など関連報道】 

◇“円安は悪影響”54%  東京商工リサーチ・企業調査 飲食関連の影響大 10/19

・10/17公表の円安に関するアンケート調査 10月3~12日にインターネットで実施。有効回答企業数は5019社。

・9月の1ドル=143円前後の円安局面~ 経営に「マイナス」と回答 54・1%

⇔1ドル=137円前後だった8月の調査から5・4ポイント悪化 

・企業規模別 ~ 大企業 50・2%、中小企業 54・7% 経営に「マイナス」と回答。前回より、7・6ポイント、4・9上昇

・食品関連業種ほど円安の影響は大きい~ 「マイナス」と回答  「飲食店」 85・18%、 「食料品製造業」 80・83%、 「飲食料品卸売業」 70・62%

⇔東京商工リサーチ「ウクライナ情勢に加え、加速する円安で食材の輸入価格が上昇し、コストアップが一段と深刻化している」と指摘 しています。

・円安が経営に「プラス」と回答した企業 わずか2・5%(前回調査3・2%)~「プラス」の企業の割合が最も高い「ゴム製品製造業」でも12・9%どまり。「影響はない」 23・4%(同28・8%)

 

◇企業の46%が価格転嫁できず 東京商工リサーチ 10/20公表

・企業活動への影響に関するアンケート調査結果~ 5214社のうち46%の企業が調達価格の高騰分を「転嫁できていない」と回答 / 8月の前回調査から2・5の改善。が、半数弱で価格転嫁ができず/ 全額転嫁できた企業 58%

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・「転嫁できていない」企業のうち、中小企業は46・1%、大企業は45・7%

・産業別 ~ 受託開発ソフトウエアや情報提供サービスを含む「情報通信業」 80%

⇔ 東京商工リサーチ 「役務提供の業種は、価格転嫁が難しいようだ」と分析

・原油・原材料価格の高騰による調達コスト増加 80・6% /「今後影響が見込まれる」を含めると9割超

⇔ 価格転嫁が進まない背景 「可処分所得が上がりにくいことや過当競争など、企業が最終製品(サービス)への価格転嫁に慎重にならざるを得ない状況もありそうだ」と分析

 

◇150円続けば家計負担増 8.6万円  みずほが試算 10/22

・みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミスト ~ 1ドル=150円の水準が続けば、家計の負担増は2022年度に8・6万円にのぼる 

・総務省の「家計調査」をもとに、2人以上の世帯において、21年度と比べた22年度の家計の負担増を試算したものです。円安などを要因とした物価高騰が目立つ食料、エネルギー、家具・家事用品などの値上がり分を算出しました。

 岸田文雄政権は物価高対策としてガソリン補助金などを実施しています。今回の試算では、これらの対策の効果を加味しても、家計負担は平均8万6462円となります。

 年間収入に対する負担増の割合(負担率)は、対策があったとしても平均1・4%。負担率は年収が低い世帯ほど重くなり、年収1000万円以上の世帯で0・8%にとどまるのに対し、同300万円未満の世帯では2・9%と3倍以上です。

 

【関連するレポート】

◆ものづくり「国内回帰」の時代は来るのか? 円安は追い風だが、識者は不安要素を指摘 東京10/21

https://www.tokyo-np.co.jp/article/209491

 急速な円安の進行で海外から国内への輸送コストなどが膨らむ中で、期待されるのは製造業の生産拠点の国内回帰だ。海外から国内に生産を戻す動きは一部で出始め、政府も後押しする方針で、岸田文雄首相は「円安メリットを生かした経済構造の強靭化を進める」と強調する。

だが、日本の経済成長は見込みづらく、円安という追い風があっても移転に踏み切る企業は現時点では限られそうだ。(大島宏一郎)

 〇海外からの輸送費や人件費が割高に

 生活用品大手のアイリスオーヤマは9月、国内販売向けの一部の生産設備を中国から日本に移した。判断の背景にあるのは円安に伴う輸送費の上昇だ。プラスチック製の衣装ケースをつくるための金型を、埼玉県深谷市の工場など国内3カ所に運び込んだ。輸送費のかかる一部製品の生産販売を国内での「地産地消」に切り替えることで、約2割のコスト削減を見込む。

 カーナビを製造販売するJVCケンウッドも1月から、国内販売向けの生産をインドネシアから長野県の工場に移している。同社の担当者は、海外工場からの輸送費や現地での人件費上昇を理由に「国内での生産・販売の方がメリットが大きくなった」と説明する。

 〇日本市場の成長力や購買力が不安

 ただ、エコノミストの間では、海外工場の国内への移転は時間や巨額の費用がかかるため、国内回帰は「限定的」との見方が多い。帝国データバンクの調査では、原材料の仕入れ確保や価格高騰に直面する企業のうち、生産拠点を国内に戻すと答えたのは1割未満にとどまる。

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(図は、他からの引用)

第一生命経済研究所の熊野英生氏は「成長力のない日本市場は魅力がないため」と指摘。「賃上げで日本国内の購買力が上がらない限り、高成長が見込める国で生産・販売する方がもうかるとみる企業が多い」と話した。

 

◆岸田総理、支持率暴落でも「消費税減税」は絶対ナシ…「ザイム真理教」のヤバすぎる洗脳 現代ビジネス10/17

https://gendai.media/articles/-/100920

〇セブン-イレブン・ジャパン創業者、現セブン&アイHD名誉顧問の鈴木敏文氏・

「残念ながら、もう手遅れかもしれませんね。本来は政権が、これほど物価が上がってしまう前に、この状況を読んで政策を用意するべきだったのです。アメリカの金融引き締めなんて、コロナ禍で世界的金融緩和が始まった当初から見通せたはずでしたが、日本の政府にはそれさえできなかった

 国家の運営も企業の経営と同じで、常に変化を予測して行動しなければならない。しかしもう、今の政権に手が打てるとは思えません。せめて少しでも傷を小さくできればいいのですが……」  

〇外食チェーン・すかいらーく創業者の横川竟氏

「小売業や外食業は円安による食材価格高騰、海外との買い付け競争で敗れる『買い負け』といった複合的な危機に苦しめられ、それが消費者のみなさんに値上げとなってのしかかっているのです。

  特に我々外食業は、まだコロナの打撃からも立ち直れていない。'19年と同水準まで客数が回復したのは、持ち帰りに力を入れているラーメン店『山岡家』や『ケンタッキーフライドチキン』と、コロナでも強かったところばかりで他は青息吐息。給付金も打ち切られ、これから倒産が激増するのは間違いありません」

今こそ消費税を減税すべきです。今は平成の30年間、デフレで止まっていた物価上昇が一気に来ている。このままでは庶民や中小企業は耐えられません。ひとまず1年、2年の時限的措置でもいいから、消費税を5%に戻すしかないのです

 

◆ アベノミクスの失敗が呼び込んだ電気代・ガス・ガソリン代の高騰  論座10/20 

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022101800005.html

田中信一郎 千葉商科大学基盤教育機構准教授

問題は、こうした状況が自民党政権の経済政策(アベノミクス)の結果だということである。決して、想定外の出来事でもなければ、回避できなかった状況でもない。むしろ、2012年末の第二次安倍政権以来の自民党政権によって推進されてきた経済政策によって、もたらされた状況といっても過言でない。すなわち、アベノミクスという経済政策が失敗に終わったことを示す状況なのである。」

 

日本、ついにアジアで最も「豊かな国」の座を台湾に譲り渡す 

1人あたりGDP比較、やがて韓国にも 現代ビジネス 11/6

https://gendai.media/articles/-/101739

野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授
1人あたりGDPで、台湾が日本を抜いた。韓国が日本を抜くのも時間の問題だ。アベノミクス以前と比べて、日本の国際的地位は、大きく下落した。日本企業が円安に安住して、技術開発を怠ったからだ。日本は、挽回できるか?」

 

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