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軍拡と財政金融危機関連(メモ)

 ウクライナ戦争や「台湾有事」などを理由に、岸田政権は今後5年間で軍事費を2倍に増大させ、国内総生産(GDP)の2%を目指している ~ 軍事と経済・財政・金融の関係について、群馬大学の山田博文名誉教授の赤旗への寄稿(22/10/18-22)の備忘録

(1)軍事ビジネスが活発化

(2) 大学を軍事領域に動員

(3)国民は「タケノコ生活」

(4) 軍事費が壊す社会保障

(5)集中する富に課税を

 

~上記にプラスして、「経済安保の基本方針」「安保3文章改定」 に関する赤旗記事のメモ

【 軍拡と財政金融危機  】   

 

(1)軍事ビジネスが活発化

・軍事費を倍増させると、日本は米中に次ぐ世界第3位の軍事費大国に躍り出る

・戦争は歴史的に政府の経費膨張の大きな要因(ピーコック・ワイズマン「経費膨張の法則」)として作用し ~ 冷戦終了後、世界の軍事費は一時的に減少。が、21世紀に増大に転じた。

・世界の軍事費総額(2021年) ~ ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) / 2兆1130億ドル(約232兆円/円゛ドル109.8円) ~ うち米国37・9% 突出した軍事大国。以下、中国13・8%、インド3・6%、英国3・2%、ロシア3・1%

・日本の軍事費が倍増し、1082億ドル(11.9兆円/ 為替150円なら793億ドル) ~766億ドルのインドを超えて、世界第3位に /低迷しているとはいえ日本のGDPは世界第3位で政府予算も大きく、軍事費の絶対額は今でも世界第9位

 

〇裏に「死の商人」

・第2次安倍政権以降、政府と経団連は、軍事予算増大、防衛装備庁を新設し官民一体となって日本製兵器の増強と輸出にまい進し、軍事ビジネスを活発化(メモ 成功はしてない 実戦経験のない日本の兵器は市場で勝負できない)

・軍事予算~ 企業にとり安定した収入源/ 秘密主義で値段も弾力的、最終価格が当初価格を大幅に上回るのが通例

・戦争 兵器を製造販売する企業を活気づける ⇔  戦争の背後に軍事ビジネスあり

・世界のGDP(96・1兆ドル)の約2%に達する軍事費(2・1兆ドル)~軍事ビジネスの経済基盤/ごく少数の企業が独占

・世界の軍需企業の兵器の売上高(21年、1ドル=110円で日本円に換算)~ F35戦闘機などを各国に販売する米国のロッキード・マーチン社 7・1兆円(644億ドル)で突出。次いでミサイルなどを販売するレイセオン社4・6兆円(418億ドル)、オスプレイを販売するボーイング社3・8兆円(350億ドル)など、米国の軍需企業の売上高は群を抜き、上位を独占しています。(図)

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〇「マッチポンプ」

・巨大軍需企業 ~世界各国の軍事予算を自社製兵器の販売市場に組み込んでいる/ 米国製兵器を輸入する日本の軍事予算は米軍需企業の売上高に貢献~ 米国政府・国防総省・軍需企業をピラミッドの頂点にしたグローバルなビジネスとして展開

・イラク戦争(2003~11年)の戦費総額~ 4兆~6兆ドル(約450兆~670兆円/米経済学者ジョセフ・スティグリッツとリンダ・ビルムズ ~ 当時の米ブッシュ政権幹部と軍需関連産業との癒着が問題に/ チェイニー副大統領 軍需関連部門を抱えるハリバートン社の最高経営責任者、ラムズフェルド国防長官 ハイテク産業のゼネラル・インスツルメントの最高経営責任者。米国の国際開発局がイラク復興の大規模事業を発注した企業=元国務長官のシュルツが役員を務めるプラント建設大手のベクテル社

・政府と軍需産業が癒着する軍事ビジネス~ 右手で破壊し、左手で復興する「マッチポンプ」のようなビジネス

 

 

(2) 大学を軍事領域に動員

・岸田政権がねらう軍事予算の倍増~日米の軍事ビジネスを活発化させ、巨額の利益を保証するもの

・倍増される軍事費の恩恵~ 少数の軍需独占企業の経営を好転させるだけ/国内経済への波及効果は期待できず

→ 軍事予算とその配分/天下りを受け入れる三菱重工など経団連傘下の大企業と、それらの大企業から多額の政治献金を受け取る政府与党の自民党など、政界・官界・財界の三位一体的な癒着の構造の中で決定されるから

 

〇上位10社で64%

・2022年度の軍事関係費(21年度補正を含む)は5兆8661億円(メモ 6.2兆円)~ 内訳 約23万人の自衛隊員の給与・退職金などの人件費・糧食費関係 37・2%(2兆1847億円)、隊員の訓練費や兵器の整備・修理費関連 24・7%(1兆4488億円)、戦車・護衛艦・戦闘機などの兵器(「防衛装備品」)の購入予算 22・4%(1兆3138億円)

・日本の軍需企業の兵器受注額 ~ 21年度、1兆8031億円 / 三菱重工、川崎重工な上位5社で兵器受注額の51・6%、上位10社 64・2% (図)。

⇔ 軍事予算の配分先 上位10社とその系列会社の中に閉じ込められ、経済的な波及効果などなし

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・軍事予算~ 経済的には再生産外の消費、国民経済的には無駄遣いの筆頭 / しかも、戦争は人命・街・環境を破壊

・日米両政府は軍拡の背景として「台湾有事」などをあげ、自国にとって最大の貿易相手国である中国を仮想敵国に → もし戦火を交えたら日米は中国だけでなく自国の経済をも破壊する深い経済依存関係にある

⇔戦争には真っ先に経済界が反対するでしょう

 

〇「軍産学複合体」

・現代の戦争 ~ 「宇宙・サイバー・電磁波」など先端的な科学技術を駆使 / かつて米アイゼンハワー大統領が警告した「軍産複合体」は、現代では「軍産学複合体」となって機能

・近年の日本の特徴~ 大学の研究能力が軍事領域に動員されていること / 大学の自治・学問研究の自由・教員の境遇などを侵食 とくに目立つのは、04年に国立大学法人になって以降の国立大学

  • 教育研究の担い手である教員と教授会の意向が大学運営に反映されにくくなり、外部の有力者からなる役員会で学長・学部長人事が行われるように変化
  • 教員が自主的に使用できる研究費は削減され、防衛省・大手企業のひも付き研究費が提供されるように変化

~ 今年、軍事研究開発費(3257億円)。とうとう科学研究費助成(2377億円)越え / 研究成果発表には守秘義務やスポンサーの意向が反映。 「人類社会の福祉に貢献」(日本学術会議法・前文)する道が閉ざされがち

  • 教員の新規採用に当たって任期付き採用が増加~ 全国86の国立大学に勤める40歳未満の若手教員のうち63%が5年間の任期付き採用(16年度)~ 長期におよぶ大きな創造的テーマの研究は不可能であり、教育に十分な時間をあてることもできなくなっている

 ★こんな現状では、日本の科学技術の発展は現在も将来も期待できず、他国に追い抜かれていく一方でしょう。

 

 

(3)国民は「タケノコ生活」

・軍事費増額の財源 ~ 自民党の国防部会は 「防衛国債」を検討

・歴史的に軍事費調達と国債制度は密接な関係 ~ 財源が国王や権力者の借金や私債の時代、貸し手はたびたび踏み倒されてきた。そこで16世紀ごろから税収を担保に、永久機関とみなされる議会の議決を通して発行される国債によって調達されるように変化

 

「致富の主源泉」

・国債~国家として債権者の権利の保証 / 国民の反発に直面する増税を避けつつ巨額の軍事費を一挙に調達

⇔ 大資本や富裕層にとっては、「国家が負債に陥ることは、むしろ直接の利益…致富の主源泉」(マルクス)

 

・戦前日本の軍事費調達 ~ 日露戦争期= ロンドン、ニューヨークで外債発行し、海外から調達( 日本は遅れて発達した資本主義経済国で、国内貯蓄が貧弱 ) / 満州事変・日中戦争・太平洋戦争期では、欧米と敵対したので外債の発行は不可能に /  日本銀行に直接国債を引き受けさせ、日銀から軍事費が調達

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 ・1932年に始まった国債の日銀引き受け~「窮余の一策」、かつ「新機軸」(当時の日銀副総裁・深井英五)

→ 結果。軍事費は、国家予算全体(一般会計+臨時軍事費特別会計の純計)の85・5%(44年度)に

→ 膨大な国債が、軍需企業・従業員・兵士と遺族などへ広範囲に散布 / 終戦を契機、国債の価値が消滅。爆発的なインフレが発生

⇔ これを教訓に財政資金を日銀から調達することが禁止(財政法第4条)

 

国民の資産収奪

・日本は戦争で「政府債務大国」に ~ 終戦間際の政府債務、当時の経済規模の約2・6倍 

・膨大な政府債務がどう解消されたか ~現在の政府債務、対GDP比で当時と同水準の2・6倍。歴史的の教訓となる!

  • 46年2月、預金封鎖と新円切り替えが同時実施 ~タンス預金の旧円は使用不能、生活のための預金の引き下ろしは世帯主でも月額300円に制限 ⇔ 国家による国民の金融資産が差し押さえ
  • 同年11月、最高税率90%の財産税の導入~金融資産だけでなく、田畑・山林・家屋などの不動産にも課税

⇔ この莫大な税収が返済資金に / 「徴税権の行使」という形での国民からの大収奪の強行

  • インフレによる債務解消 ~ 物価は終戦から4年目には約220倍に/政府債務の金銭的負担は220分の1に

⇔ 国民生活を直撃/「タケノコ生活」(タケノコの皮を1枚ずつはぐように身の回りの物を売り暮らす)に。

★ 目的がなんであれ増発された国債は政府の背負った借金 ~ 国債の大部分が自国通貨建てで、国内で消化された場合、財政運営が行き詰まると、最後の打開策として国民からの資産収奪が強行される、というのが教訓

⇔ 「国債が国内で消化できていれば大丈夫」ということでは決してない (MMTなど論外)

 

 

(4) 軍事費が壊す社会保障

・予算のあり方 ~ その国の姿を忠実に反映 /とくに一般会計の歳出費目 ~ 国民から徴収した税金がどの分野にどれだけ配分されているかを正確に映し出す鏡

 

・ 戦前と戦後の一般会計の歳出費目の比較(図)

→  軍事国家から平和国家へ激変したことを示す

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・1941年度の一般会計歳出 ~ 軍事関係費が突出、予算全体の50・2%、社会保障関係費は2・3%。旧軍人とその家族などへの恩給関係費4・3%を大幅に下回っている。

・今年度予算 ~軍事関係費 5・0%。最大の費目は社会保障関係費で 33・7%を

 

〇暮らしが犠牲に

・戦前と戦後の予算比較からわかること → 戦時下で真っ先に犠牲になるのは国民の生活と権利。軍事費が増大すると社会保障関係費は削減され、両者は両立しない。

・アメリカ 国家予算に占める軍事費の割合が日本の3倍の約15%(円換算で約100兆円) ~ 社会保障関係費は貧弱で自己責任の社会に  ~ 皆保険でなく限定的な公的医療保険しかない米国で民間保険にも未加入の場合、「一度の病気で貧困層に転落」するほど医療費が高額に(堤未果氏(『ルポ貧困大国アメリカ』)。急性虫垂炎で1日入院した場合の入院費は、日本では数万円程度ですが、ニューヨークやロサンゼルスでは200万円前後もかる 

・一般会計の国債費 ~ 今年度22・6%。戦前の方が14・7%と低い /その理由 日清戦争以来の4回の大きな戦争で、国債増発による軍事費の調達・配分・全体処理を一身に担っていたのは「臨時軍事費特別会計」 ~ 一般会計はこの特別会計に軍事関係費の一部を繰り入れていたにすぎない

⇔戦争の始期から終期までを1会計年度とみなして処理する臨時軍事費特別会計は終戦により廃止

 

〇経済成長に逆行

・軍事関係費増 → 経済成長に直結する社会保障・福祉予算を削減し、経済成長の基盤を破壊 / 軍事と社会保障・福祉は両立しないが、経済成長と社会保障・福祉は両立する。しかも、社会保障・福祉への予算は従来の公共事業分野よりも経済成長に貢献することが計測されている

→ 2009年 京極高宣国立社会保障・人口問題研究所所長(当時)の試算 /需要1億円当たりの雇用創出効果は、介護24・786人、社会福祉18・609人。公共事業 9・97人(「朝日」09年4月19日付)

・社会保障の経済効果  ~ 高度に発達した日本の産業構造 ~ 公共事業で直接利益を得る建設業・製造業とその従業員の割合は2割程度、就業者の7割以上はサービス産業に従事

 

(5)集中する富に課税を

・現代日本の財政状況 ~すでに終戦時と同水準の厳しさ。「政府債務大国」

 〇債務大国への転落

・戦後日本の経済運営~ 国債増発と金融緩和政策を先行させ、将来所得を先取りしながら、大型公共投資や不況対策などを推進/ そこで生まれた財政と金融へのタカリの構造が、戦後の平和国家日本を「政府債務大国」に転落させた。

 ・普通国債発行残高 22年度に約1000兆円に ~ この莫大な国債の管理を一手に担っているのは国債整理基金特別会計 

・本来なら10年で全額償還される長期国債も60年かけて償還(「60年償還ルール」)されるので、10年目の一般会計には6分の1しか計上されない/ 残りは国債整理基金特別会計を発行母体にした借換債で処理

→ 財政の全貌は一般会計からは見えてこない。そこで・・・

・一般会計と13の特別会計の重複分を除いた「主要経費別純計額」の内訳 ~ 政府債務返済のための国債費は全体の33・6%の99・5兆円

→ 社会保障関係費96・9兆円を上回る最大の経費(図)

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★日本財政は借金で首が回らない状況、軍事関係費を2倍にする財源など、逆立ちしても出てこない事態。

 ・しかも国債の過半を日銀が保有 ⇔ 日本の財政は日銀に依存した状態(財政ファイナンス) / いったん民間金融機関が公募入札した国債を、日銀が(より高い価格で)最終的に買い入れ⇔異次元金融緩和政策をやめて日銀が国債購入を止めれば、財政資金が調達できず予算が成立しなくなる状況

 

〇財政危機のおそれ

・「防衛国債」を増発して政府債務を積み増すと、財政危機を誘発しかねない ~しかも増額される軍事費は、アメリカかせ高額兵器の購入に使われ、経済的波及効果はない

 ・日銀資産(686兆円) うち、79%を、価格変動リスクのある国債(546兆円)

→ 各国はインフレ対策のため、金融引き締めに転換し、一斉に金利引き上げに / 日米の金利格差は3%ほどに拡大 ⇔ 世界のマネーは金利の高い方に流れる

→ 低金利の日本からマネーが逃避する市場の圧力に日銀が耐えられなくなり、金利が上昇(=国債価格が下落)すると、財政サイドでは国債利払い費の上昇(1%で10兆円増)となって財政危機を深刻化させ / 金融サイドでは日銀保有国債の評価損発生で日銀信用が毀損し、円安になり、輸入物価が高騰。それに連動して国内物価が高騰し、国民生活が破壊される深刻な事態に陥りまいる危険

 現在、ほぼ半世紀ぶりに、不況と物価高が併存するスタグフレーションに突入 ~ コロス禍、サプライチェーンの切断、可処分所得の低下を背景とした不況下で、物価が高騰。今後、国民の反発が激化し、早晩、軍拡路線は頓挫する可能性が高いと

 

〇応能負担で再生を

 終戦直後の膨大な政府債務解消(国民の大収奪)を教訓に、今後の課題は・・・

⇔ 応能負担による日本再建を展望すること ~ 「大企業の内部留保金484兆円」「富裕層の純金融資産333兆円」「対外純資産411兆円」など、一極に集中する富へ新規に課税し、その税収を政府債務の解消、貧困と格差是正、経済再建などに活用する対策を推進すること

 ・ウクライナ危機~ 軍事力以前の問題として、食料・エネルギーの自給率の低い国が物価高と食糧危機に襲われ、敗戦国状態に陥ることを示している /。食料・エネルギーの自給率を高め、自立的で持続可能な経済システムを構築することが急務。それが、国民の命を守り国民経済を発展させる、本来の国防力増強である

※参考 軍事費倍加分で出来る教育無償化

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≪経済安保基本方針、安保3文書改訂≫

 ◇経済安保 基本方針 中国念頭に経済を軍事に動員 本格的に動き出した岸田軍拡路線  10/5

 9/30経済安全保障法に関する基本方針と二つの関連指針を決定。さらに「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合

 

基本方針 ~ 「安全保障の裾野が経済分野へ急速に拡大する中で、国家および国民の安全を経済面から確保することが喫緊の課題となっている」。「市場や競争に過度に委ねず、政府が支援と規制の両面で一層の関与を行っていくことが必要」と強調/ 半導体など重要物資の安定供給を確保したり、重要技術の研究開発を後押しする姿勢を明確した。

・規制については、「経済主体の経済活動における自主性を尊重」、「規制措置ができる限り必要最小限度のものとなるよう努める」と 財界要望に呼応するものに

・「特定重要技術」の研究開発・活用についての基本指針 ~人工知能やバイオ技術、ロボット工学、量子情報科学、サイバーセキュリティー技術など20分野/ 極超音速など軍事技術に直結する調査研究も含まれる。

 

「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合 ~ 内閣官房国家安全保障局が提出資料 「自らの被害を抑えつつ敵に効果的に打撃を与える」兵器として無人機や人工知能(AI)開発・導入が挙げる。

⇔ 有識者会合は、年末の「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定や、軍事費を反映させる2023年度予算案の編成に向け、提言を取りまとめる/ 軍事費を2倍にする大軍拡路線にお墨付きを与える会合。

⇔ 同局資料 3文書を改定する際の課題…「宇宙・サイバー等の新領域」などとともに、「経済安全保障」が挙げる。

 〇 安保3文書の改定作業 ~ 米国の国家戦略とのすり合わせ / 米国は、中国を「国際システムに挑戦し得る経済、外交、軍事、技術力を有する唯一の国」と位置付け「自由で開かれたインド太平洋」戦略を押し出し。

⇔ 「国葬」参列で来日した米国のハリス副大統領 9/28 「中国はルールに基づく国際秩序の重要な要素を弱体化させている」「中国は海の自由に挑戦している」「中国は軍事力と経済力を駆使して近隣諸国を威圧し威嚇している」と演説

★米国による中国対抗戦略は、日本にとって戦争への危険を高め、巨額の軍事費負担で財政負担も拡大する危険な道

  

 

◇安保3文書改定  憲法との整合性問われる  

 ・」改定に関する与党協議 ~焦点、「反撃能力」=敵基地攻撃能力の保有とその発動要件、大軍拡の財源など

 〇「敵基地攻撃」

・「指揮統制機能」を対象、との考え / 日本でいえば総理官邸や防衛省本省など

・発動 日本への攻撃がなくても、安保法制の「存立危機事態」の要件を満たせば、米軍などへの「攻撃着手」で武力攻撃は可能との考え ⇔ 相手国から見れば先制攻撃となり、全面戦争につながる

・歴代政権の見解~ 「平生から他国を攻撃する、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持つことは憲法の趣旨ではない」(1959年、伊能繁次郎防衛庁長官) / これまでの政府見解にも反する

→メモ者 国際法 自衛の武力行使 ~ 実際に武力攻撃があり、他に対応手段がない、相手の攻撃と均等であること、に反する (国連憲章も、専守防衛)

 

〇軍拡

・歴代政権 「軍事大国にならない」ことを基本方針にし、軍事費の目安をGDP比1%と枠

・自民党 21年総選挙で「GDP比2%への増額」を公約に盛り込み、ウクライナ危機のもと大軍拡の道へ

→ 政府の有識者会議(9/30)への提出資料~22年度当初予算の「防衛費」(約5・4兆円)対GDP比0・96% /NATO基準の「安全保障関連経費」 1・09%(約6・1兆円)

→メモ者/当初と一体の補正の計は6.2兆円/ NATO基準では、6.9兆円 財務省資料

*萩生田・自民政調会長 10/17衆院予算委員会 「(NATO基準による)水増しでは駄目だ」とし、「GDP比2%に向けて予算を真水で増額し、必要な防衛力を整備していく」「むしろ2%では足りない」 

 ・財源 「つなぎ国債」発行や法人税・所得税の増税など浮上。/法人税増税は財界が反対表明 ⇔ 「2%」実行には、+約5兆円の大軍拡が必要/ 最終的には消費税などの大増税や社会保障の削減は避けられにい。

 ・「ロシアの蛮行、北朝鮮の弾道ミサイル発射などを受け、軍事費2倍化、『敵基地攻撃能力』(反撃能力)の保有、『9条を変えろ』という大合唱 ~ 軍事に対し軍事で対応するのでは悪循環に陥る。それが一番危険 

安保のジレンマ

 北東アジアの状況~では現在、朝鮮半島のミサイル問題と日米韓の共同訓練、台湾有事を想定した日米共同訓練など、各国が互いに敵基地攻撃能力を強化 ~日本が敵基地攻撃能力保有を認めることになれば、軍拡競争がさらに激化するのは確実

⇔ それが結果的に戦争発生のリスクを高める/いわゆる「安全保障のジレンマ」に陥る可能性も必然的に高くなる

★日本周辺でも関係各国が相互不信と軍拡の無限ループに陥ることを防ぐため、力点を信頼醸成と軍縮に向ける各国の外交努力が強く求められている段階にある

 

 〇いま日本に欠けているのは外交戦略~ 日本共産党 9条を生かして東アジアに平和をつくる外交ビジョンを提唱

ASEAN提唱の「アセアン・インド太平洋構想」 ~ 日本やアメリカ、中国を含め東アジアのすべての国が参加し、あらゆる問題を平和的な話し合いで解決することをめざすもの/ 日本は、ASEANと協力してこの道こそ追求するべき

 ~ウクライナ戦争にいたった背景に「外交の失敗」 / 欧州安全保障協力機構(OSCE)というロシアも含む欧州の全ての国が加入する包摂的な地域平和機構があったが、NATOもロシアもこれを生かさず、「軍事対軍事」の対応の結果、戦争に ~ この機構を真剣に発展させれば戦争にならなかった。これこそ学ぶべき教訓(志位 サンデー毎日11/6

 ・同時に重要なこと~ 中国にどう向き合うのか

  • 中国の覇権主義、人権侵害を、中国みずからが批准している国際規約に反するものとして批判 

→ 「民主主義 VS 専制主義」という米戦略の枠組みでなく、国際法の枠組みでとりあげる

  • 排除の論理ではなく、包摂の論理で地域の平和協力の枠組みをつくっていく ~ 『日米同盟の抑止力の強化』や『クアッド』(日米豪印4カ国の安保枠組み)など 「民主主義 VS 専制主義」という排他的な枠組みは地域を分断し、危険な冷戦構造に結びつく/。それは中国の軍拡をエスカレートさせ、より危険な状況をつくりだす

 ★自民・公明両党の致命的な問題~ まともな外交戦略をもっていないこと/あるのは 『外交をやる上でも軍事力は必要だ』と、軍事の口実にするだけ 

  

◇産業基盤の強化~あらゆる政策を軍事力に 民間技術の発展に障害  10/25

・「安保3文書」改定に向けた議論が加速~「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」10/20に2回目会合

 ・「有識者会議」第1回会議9/30~発足にあたり、「わが国が持てる力、すなわち経済力を含めた国力を総合し、あらゆる政策手段を組み合わせて対応」すること1を強調 /さらに、「自衛隊と民間との共同事業、研究開発、国際的な人道活動等、実質的にわが国の防衛力に資する政府の取り組みを整理し、これらも含めた総合的な防衛体制の強化について、検討する」 / 、「こうした取り組みを技術力や産業基盤の強化につなげる」と強調

→ 民間技術を軍事に動員するだけでなく、軍事技術の強化で「産業基盤の強化」と、従来の方向から踏み込んだ

 ・2回目会合 ~岸田首相 安全保障分野で研究・開発や公共インフラの利活用を進めるための具体的な方策を早急に検討し、次回会合に報告するよう関係省庁に指示

・「有識者」から~「各省の枠をこえた対応が必要だ」「空港や港湾の整備は平時から進める必要がある。地方自治体の意識改革も必要だ」との意見が出されたとのこと

・財務省の提出資料 ~「自衛隊や海保が空港・港湾を利用することを念頭に置いた必要な体制が十分に整えられているとは言い難い」、「有事における対処の前提となる平時の訓練などを含め、わが国の平和と安全のために自衛隊や海保が利用できる体制の整備が必要」

 〇狙われる先端技術

・米国の国防高等研究計画局(DARPA=ダーパ)をモデルにした機関を設置すること議論・検討されている。

・ダーパ  旧ソ連に人工衛星打ち上げの先を越された米国が立ち上げた軍事研究開発のための組織。

→ 主な任務 /科学者の軍事研究の仲立ち/ 内外の民生目的の研究を見張りながら、軍事に転用可能なものに研究費を拠出して技術開発するなど、革新的な軍事技術の開発の手引きをする組織

→ ベトナム戦争のゲリラ戦対策、枯れ葉剤、ステルス機・無人機の原型もなど開発/ 軍事ロボットやスーパーソルジャーの研究も~大量出血をしても仮死状態で生き延びられる人間、何日間も食事や睡眠なしで活動し続けられる兵士、超人的なパワーと知能を持つ戦士の研究。

★科学技術を軍事に動員 ~ 科学技術の発展に大きな障害をもたらす/危険な策動に警鐘を鳴らす必要

 財界も自民も提言

・経団連 2011年、米国の軍事産業政策に関する調査を実施 ~ 「DARPAの任務は米軍の技術的優位性を維持し、国家安全保障に悪影響を与える技術的なサプライズを防ぐことである」「長年にわたり、DARPAは米国の軍事能力を改善するだけではなく、国民の生活を変える研究と技術開発に資金を投じて、米国の安全保障を強化してきた」と評価

→今年4月「防衛計画の大綱に向けた提言」 ~先端技術研究開発の推進のために、ダーパを参考にした組織の立ち上げを提起

・自民~ 宇宙・海洋開発特別委員会が政務調査会と連名で提言(4月)~ダーパを参考にした仕組み構築を求めた。

 

 

≪関連メモ≫

◇対中依存深める日本貿易 2021年

・財務省「貿易統計」 ~ 日本の貿易全体に占める対中貿易の割合・2021年 輸出21・6%、輸入24%

WWⅡ後、最大の貿易相手国はアメリカ ~ 01年 中国がWTO正式加盟 中国からの輸入急増 02年以降、最大の輸入相手国に/日本からの輸出 09年に中国がトップに。13年アメリカが再逆転。が20~21年は中国がトップに

・22年 通商白書 日本は21年に部品輸入の37%が中国から /アメリカやEUを上回る水準

⇔ 日中の経済 高水準に相互浸透 /米国の対中戦略に従属し規制・抑制・制限していくことは大きなひずみを生む

 

 

◇中国「競争相手」ロシア「脅威」 米が安全保障戦略 10/14

 バイデン米政権は12日、「国家安全保障戦略」を発表 ~ 外交、軍事、経済など安全保障上の問題に関し、政権の優先課題を示すもの。年始めの公表予定でしたが、ロシアのウクライナ侵略でずれ込み    

・中国  「国際秩序を変える意思と能力を兼ね備えた唯一の競争相手」、「最も重大な地政学的課題だ」と指摘。軍事の近代化や技術革新を行うとともに、日米豪印の協力枠組み「クアッド」や米英豪の安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」をあげ、同盟国・友好国との連携を強調

・ロシア  「自由で開かれた国際社会にとって差し迫った脅威となっており、国際秩序の基本的な規則に無謀にも逆らっている」と批判。「核兵器使用やその威嚇で目的を成し遂げようとすることは許さない」と警告。

 ・気候変動、食糧危機、伝染病、インフレの問題  「米国だけでなく国際的な安全保障の核心である」とし、問題打開のため国際協力を強化する。気候変動は「生存にかかわる課題」、国際的な取り組みに積極的に関わっていくと表明

 

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