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生活保護基準引き下げ違憲訴訟  横浜地裁で4例目の勝訴判決 ~国は控訴やめ、元にもどせ

 安倍政権が、1割削減の選挙公約を実現するために、算定方法をゆがめ削減を強行。データ改ざん問題に共通するひどいやり方であった。

これに、全国で約1000人が、憲法の生存権を守れと裁判に訴えたたかってきた。4件目の勝訴判決。

生活保護基準は、様々な制度の利用にかかわる住民税の非課税基準、国民健康保険料の減免基準、介護保険の利用料・保険料の減免基準、就学援助金の利用基準など多様な分野の施策に関連し、最低賃金の指標にもなっている

国は控訴せず、削減額をもとにもどすとともに、憲法にふさわしい社会保障制度を確立すべきである。

それは、公正で温かい社会、政治をとりもどす土台ともなる。 

10月19日、横浜地裁で全国4例目の原告勝訴判決が言い渡されました!(判決要旨・全文、弁護団声明を掲載しています)|ニュース|いのちのとりで裁判全国アクション (inochinotoride.org)

 下段に、赤旗主張のメモ、弁護団声明など

 

関連して以前、整理したブログ記事

生活保護 異なる計算方式で比較 “物価偽装”で大幅削減: 土佐のまつりごと (air-nifty.com)

本当に困っている人だけ救う」制度は、本当に困っている人も助けられない~労働者と社会保障 : 土佐のまつりごと (air-nifty.com)

◇生活保護訴訟判決  違法な削減がまた断罪された 10/26主張

横浜地裁10/19  政府が2013年に決定した生活保護基準引き下げを違法とし減額処分の取り消しを命じる判決

~ 国の違法性を認めた判決 昨年2月の大阪地裁、今年5月の熊本地裁、6月の東京地裁に続き4件目

・判決内容~政府が削減の根拠にしたデータ算定方法などは不合理で、その数値に基づく厚生労働相の判断は誤り

★・恣意的なやり方で減額を強行し、生活保護利用者の生活の土台を掘り崩した責任は重大

 

〇恣意的な算定方法を批判

・13~15年にかけて安倍政権が強行~ 生活扶助を平均6・5%引き下げ。削減総額は約670億円、過去最大規模

・厚労省の説明 08~11年の物価が下落したことを考慮した「デフレ調整」など

→ 横浜地裁の判決 デフレ調整について

▽厚労省の社会保障審議会生活保護基準部会など専門家の議論を経ない手法

▽低所得者の消費実態や物価動向などから見ると、行う必要性はなかった―と指摘しました。

 

・とくにデフレ調整が、生活保護利用者の生活実態とかけ離れたものであることを強調

・デフレ調整の際、厚労省は総務省が公表している消費者物価指数(CPI)を使わず、厚労省独自の物価指数を用いた ~ この指数は生活保護利用世帯の消費構造と異なり、テレビやパソコンなどの支出に占める割合が強く反映

→ この間、物価の下落率が大きかったのはテレビなど ~ 総務省CPIの下落率が2・35% /厚労省の指数の下落率は4・78%と過大に

・判決 ~この物価下落を理由に減額を決めた判断は「統計等の客観的な数値等との合理的関連性に欠く」と批判。また相対的に物価が高かった08年を起点に下落率を算定したことも実態とあっていない。食費や光熱水費などはむしろ上がっていることも記した。

・判決 ~厚労相の決定は「最低限度の生活の具体化にかかわる判断の過程に過誤、欠落がある」と結論付けた

 

★ デフレ調整を根拠にした削減の違法性 ~ これまでの3件の判決でも繰り返し指摘/ デフレ調整は13年の基準引き下げ決定で初めて採用 ⇔ 12年の総選挙で自民党は生活保護給付水準の原則1割カットを公約に /「削減ありき」のためにデフレ調整という乱暴な手法を導入して強行された基準引き下げたもの。全く道理はない

 

戻すと同時に引き上げを

・保護費減額~利用世帯の96%に影響 / これに対し29都道府県で約1000人が、憲法の生存権を守れと裁判に訴え。相次ぐ原告勝訴の判決は、原告らの粘り強い運動によるもの

・。保護費減額はいまの物価高騰の中で利用者の生活をいっそう苦しめている

→ 国は控訴を断念し、削減分を元に戻すとともに、支給額の引き上げに踏み切ることが求められる

 

 

声 明  神奈川生存権裁判・横浜地裁判決について

2022(令和4)年10月19日

神奈川生存権裁判原告団

神奈川生存権裁判弁護団

いのちのとりで裁判全国アクション

生活保護引き下げにNO!全国争訟ネット

 

本日、横浜地方裁判所第1民事部(岡田伸太裁判長)は、神奈川生存権裁判において、生活保護基準引下げ処分を取り消せという原告らの請求を認容する判決を言い渡した。

本裁判は、神奈川県内の生活保護利用者48名(提訴時)が、国及び横浜市、川崎市、大和市、厚木市、綾瀬市、藤沢市、相模原市を被告として、2013年から3回に分けて行われた生活保護基準の見直しを理由とする保護変更決定処分(生活保護費引下げ)の取消等を求めた裁判である。

全国29地裁で提起された同種訴訟では、生活保護基準引下げ処分の取消しを認容した判決は、2021年2月22日の大阪地裁判決、2022年5月25日の熊本地裁判決、同年6月24日の東京地裁判決に続き4件目である。

本判決では、いわゆる「ゆがみ調整」については、厚生労働大臣の裁量権の逸脱・濫用はないとしたが、「デフレ調整」について、特異な物価上昇が起こった平成20年を起点としたこと、生活扶助相当CPIという独自の計算により、被保護世帯の消費の実態とはかけ離れた物価下落率を算定したことについても、専門的知見に基づく適切な分析及び検証を行うことが必要であり、これを経ずになされたデフレ調整を行った厚生労働大臣の判断過程及び手続に瑕疵があると判断した。

本判決は、原告らの置かれた厳しい生活実態を真摯に受け止め、国が行った生活保護基準引下げを問題とし、裁量権の逸脱・濫用を認めた。憲法25条の定める健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障する勝訴判決である。

生活保護制度は他の諸制度や諸施策と連動ており、保護基準はナショナルミニマム(国民的最低限)として生活全般に極めて重大な影響を及ぼす。格差と貧困が拡大固定化する中で、新型コロナウイルス感染症の拡大は、現在の社会保

障制度の脆弱さを浮き彫りにするとともに、最後のセーフティネットとしての生活保護の重要性を明らかにした。

私たちは、国に対し、本判決の意義を重く受け止め、控訴せず本判決を確定させることを求める。加えて、違法に保護費を下げられた生活保護利用者に対して真摯に謝罪し、その健康で文化的な生活を保障するため、2013年引下げ前の生活保護基準に直ちに戻すことを求める。

 

◇判決要旨

221019_yokohama-yoshi.pdf (inochinotoride.org)

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