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2023年度 概算要求の焦点(メモ) 

 8月末に、2023年度予算編成に向けた各省庁から出された概算要求と「税制改正」要望が特徴と課題など。

赤旗9回シリーズに追加資料などを加え整理したメモ

(1)税財政  円安・物価高に無策、生活苦の中 軍事費大幅増

(2)公共事業  流域治水の推進。大型開発・カジノを積み増し

(3)農林水産 みどり戦略・輸出推進に増額/アグロエコロジーの視点欠如

(4)雇用 企業本位 労働者守れない 

(5)エネルギー・中小企業 原発固執 脱炭素逆行も

(6)社会保障 「自然増」も病床も削減。 コロナ対策基本戦略なし

(7) 文教・こども 教職員定数差し引き974人減、

(8) 地方財政・デジタル 住民サービス後退、民主主義破壊の危険

(9) 軍事費 金額示さず膨張、敵基地攻撃・戦果想定

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(1)税財政  円安・物価高に無策、生活苦の中 軍事費大幅増

・一般会計総額 110兆484億円 ~22年度に次いで過去2番目/100兆円を超えるのは9年連続 軍事費や物価高対策、経済安全保障など幅広い分野で多数の「事項要求」/ 当初予算案では過去最大を上回ることは確実

・税制「改正」要望~ 経産省 研究開発減税の拡充と延長 240億円規模 /デジタル投資促進税制の延長・拡充も要望し、110億円規模 /物価高騰対策として最も効果的な消費税減税は無視

 

★「異次元の金融緩和」は完全に破綻 政治の責任で実効ある賃上げ政策を 

9/22志位委員長の会見報道に、いくつか数字資料を追加

・日銀 22日金融政策決定会合で、「経済を支えて賃金の上昇を伴う形で物価安定(2%上昇)の目標を持続的・安定的に実現する」ために「異次元の金融緩和」の維持を決定 1ドル=145円超、24年ぶりの異常円安を更新

⇔志位 「『異次元の金融緩和』政策を維持すれば、異常円安がさらに進み、物価高騰がさらに進むことは分かり切ったことだが止めるに止められない。これが現状だ。金融政策が完全に手詰まり、破綻に陥っている」と批判

〇 円安による物価高騰

日銀の異次元緩和継続により、日米金利差が拡大、円売が加速し、円安が急進。輸入物価の高騰で経済を下押し/生活必需品(基礎的支出項目)の物価指数 8月に前年同月比4・8%も上昇

・物価の“川上”にあたる国内企業物価指数(2000年平均=100) ~ 8月115・1 うち木材・木製品 174・6、石油・石炭製品 152・3、鉄鋼が147・7など、燃料と原材料が、2000年平均比 およそ1・5倍

⇔ 価格転嫁が進めば消費者物価を一層押し上げ。転嫁しきれない場合は中小企業の経営を圧迫

・輸入物価指数は178・7 ~ 国内物価指数よりも激しく上昇 ~石油・石炭・天然ガス 337・1、木材・木製品・林産物 202・1、金属・同製品 166・6、飲食料品・食料用農水産物 156・2など

・帝国データバンク 7月のアンケート~ 円安が業績にプラスと答えた企業は4・6%、61・7%がマイナス/同社の集計では円安による輸入コスト上昇が原因となった倒産は22年1~8月の累計で21年を上回る多さ

・みずほリサーチ&テクノロジーズ 9/12公表のリポート~物価高による家計の負担増を試算。政府の対策が実施されても「前年度対比で1世帯当たり約8・2万円となる」

*「生活苦しい」子育て世帯 6割弱  厚労省が国民生活基礎調査  9/9発表

 ・20年の1世帯当たりの平均所得金額 564万3000円 /うち高齢者世帯 332万9000円

・「子どものいる世帯」における母の仕事の状況 ~「仕事あり」75・9% 10年に6割台となって以降年々増

・生活意識~ 「大変苦しい」23・3%、「やや苦しい」29・8% 計53・1% / うち、「子どものいる世帯」は、「大変苦しい」25・4%、「やや苦しい」33・8% 計59・2%。

 

⇔黒田総裁 22日会見で「(円安による物価上昇は)実質所得の減少などを通じて個人消費を下押しする」と認めざるを得ない / 実体経済を立て直す政策と一体で、金融政策を転換すべきで

 

〇打開へ 2つの必要なこと

・志位 金融政策が手詰まり、破綻に陥った原因~ 「日本が『賃金の上がらない国』から抜け出せない。ここに最大の原因があることは明らかだ」と強調 (物価が急騰しても賃金は低迷 / 資本金10億円以上の大企業は内部留保 484・3兆円と過去最高を更新 ) / 現状を打開するためには二つ必要なことがあると指摘

① 政治の責任で本気になって賃上げのための実効ある政策をとること

 志位 「これまでの『賃上げ減税』では、多くの赤字でがんばっている中小企業に減税の恩恵が届かない。これではまったく賃上げの役に立たないことは事実が証明している」 「中小企業に対して社会保険料の減免を中心に賃上げのための思い切った財政出動を行う。中小企業で働く人々の賃上げを政治主導で進めることが必要だ」と主張

⇔日本共産党は大企業の内部留保への時限的な課税を行い、10兆円の財源で中小企業支援を行うよう提案してきた/「まさにこれが待ったなしになっている。中小企業、大企業の労働者双方の賃上げにつながる、そういう実効ある賃上げ政策をただちに打つ必要がある」と指摘

 

*地方最賃審が中小企業支援を求めている  

・中央最賃審議会の目安額に22道県が上積み / 政府に中小企業支援の拡充を求めている

・全国最下位タイの時給820円から853円になる高知~ 社会保険料の増額が大きな負担だと指摘し、「減免措置などの可能性を検討していただきたい」と強調/ 「協議・検討結果については、毎年、各地方最低賃金審議会に報告を行っていただきたい」と 政府が無視しないようくぎを刺している

・京都 ~昨年から中小企業支援の記述が充実し、「社会保険料の負担軽減措置」など直接支援を求めている。

→ 昨年6月の府議会で、最賃改善と中小企業への直接支援策を求める意見書が全会一致で可決したことが力に

・岩手~ 「社会保険料の軽減措置等の検討を求める」

・大阪 「直接的な新たな支援策の実施」、

・兵庫 「社会保険料の事業主負担部分の免除・軽減」

・福岡は「新たな直接的給付金等支援策の創設」

・今の賃上げ支援制度「業務改善助成金」~パソコン導入など設備投資(生産性向上)が条件、使い勝手が悪い~大分「現行の業務改善助成金は、受給するにあたり『業務改善等』の制約がある」「広く活用できる支援制度の検討」を要望

・岸田政権の賃上げ減税 ~ 赤字の中小企業に恩恵がなく、実効性がない

 

② 物価高騰から国民の暮らしを守ること。

 志位氏「実効性のある緊急対策をただちに行うことが必要だ」 「政府が出しているメニューのようなごく一部の人たちに5万円1回こっきりのものを配るというのでは、まったく対策にならない」

⇔ 「私たちがかねてから言っている消費税5%への減税(インボイスの中止も)に踏み切るべきだ」/10月から実施予定の75歳以上の医療費窓口負担の2倍化については「中止することを強く求める

 

★軍事費まで隠蔽  根拠不明の概算要求 

・ホームページで公開する概算要求の資料 ~ これまでは、事業ごとに「○機・○億円」など金額を明記

→ が、今回総額以外の金額を全く不記載 / さらに 各装備品の調達数、物件費などの内訳、陸海空自衛隊など機関ごとの内訳も不明。 自衛隊員の定数までも「事項要求」で不明

・浜田防衛相 9/2会見 「内容や金額は予算編成過程を通じて結論を得るから答えられない」と強弁

⇔ 公開資料で金額をふせれば国民は中身を知ることができない。10月の臨時国会で野党が質問する糸口さえ与えないことになる / 国民への説明責任を放棄。内容を隠蔽しながらGDP比2%へ踏み出そうという狙い

・浜田防衛相 「事項要求については、(国家安全保障戦略等)3文書の改定もあり、そうしたことも踏まえて議論していく」 ⇔ が、13年に安保戦略が初めて出た時でも、事項要求ばかりでなかった/ 反民主性格のいっそう強まり。

 

【参考】 欧州委 高騰光熱費対策を発表 エネルギー事業者の超過利潤の再分配を 

EU欧州委員会 フォンデアライエン委員長の施政方針演説  9/14、ウクライナ侵略とガスの供給停止を背景に高騰する光熱費への緊急対策案を発表~ エネ消費の節減 + 超過利潤を得るエネ企業から総額1400億ユーロ(約20兆円)超を徴収し、一般家庭や企業の負担軽減に充てる内容 

・① 価格高騰の影響を受けていない自然エネ、原子力、褐炭を利用する発電事業者に対し、1メガワット時あたり180ユーロ(約2万5千円)の収入上限を課し、それを超えた分を加盟国が徴収し、消費者や企業への支援に充てる。

・② 石油、ガス、石炭など化石燃料部門の事業者から、過去3年間の平均利益を20%以上上回った部分の33%を「連帯拠出金」として徴収/ 光熱費高騰の打撃を特に受ける貧困家庭や企業への支援に充て、再エネ移行を促す

・ 施政演説~ 「プーチン(ロシア大統領)のガスの兵器化に対して引き続き団結し、電気料金への影響を最少にしていく」~ 石炭石油の依存は環境面や安全保障の観点から誤りだったとし、化石燃料産業は「特別の責任がある」と協力を求めた / またエネ事業者が「戦争に乗じてばく大な利益を受けているのはおかしい」とし「利益は最も支援を必要とする人々に分配されるべきだ」と呼びかけ

③ ピーク時の電力消費量を最低5%削減することを義務付

・節電、一部利潤の徴収に関する具体策は、加盟国に委ねる

 

 

(2)公共事業  流域治水の推進。大型開発・カジノを積み増し

・公共事業関係費の国土交通省分 18%増の6兆9280億円

・「流域治水」の本格的実践 26%増の6710億円/ 「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」関連予算は昨年度に続き事項要求

~ 「ダム建設」の復活にも予算を計上~ 球磨川水系河川整備計画では原案へのパブコメ 7割超が反対

・集中豪雨や火山噴火、土砂災害対策 29%増の1236億円、南海大地震、首都直下地震など 20%増の2096億円

・知床沖観光船沈没を受け、小型船舶の安全対策を含む公共交通等の安全・安心確保 倍額の162億円

・駅ホームドアのさらなる整備を含めた地域公共交通や観光地・宿泊施設等のバリアフリー化 350億円。

・対象が32業種に上っている建設工事受注動態統計の不正への「改善」予算 初めて3億円

大企業優遇の大型開発予算は積み増し ~ 陥没事故を起こした外環道を含む三大都市圏環状道路の整備 20%増の4289億円、成田空港での滑走路新設など 20%増の150億円/ 「整備新幹線」の整備 同額の804億円…追加的経費を事項要求⇔ その中には市民が強く反対する北陸新幹線の京都延伸や「四国新幹線」建設の調査も /国際コンテナ戦略港湾等の機能強化 28%増の689億円

・住宅・建築物の省エネ強化など 18%増の1303億円/ 脱炭素ではインフラ・まちづくり分野 40%増の171億円、港湾・船舶分野 201%の664億円

・「維新の会」が進める大阪・関西万博の開催に向けた淀川左岸線の整備や大阪メトロ中央線の延伸なども要求

〇カジノ予算 3.5億円増  概算要求 人員も膨張 民意背く  

・カジノ管理委員会 8月31日、概算要求を決定~ 3・5億円増の38・8億円/人件費1・6億円増、海外規制当局との協力関係構築予算1・1億円増など

・定員要求 「カジノ規制に係る執行体制の強化」として事務局職員を20人増員し、177人体制に

・自治体からの申請を今年4月まで受け付け、大阪府・市、長崎県の2者が名乗り/年内にも審査を終え区域を決定

・いずれの計画も重大な問題・・・

→大阪府・市 カジノ予定地とする夢洲(ゆめしま)では、液状化問題で事業者の求めに応じて市が790億円の土壌改良費を負担すると決め、公費負担は生じないとしてきた維新勢力への批判が沸騰。政

→長崎県 予定地とされた佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」は、親会社のHISが経営難から香港の投資会社に売却を決定。カジノ事業者の資金計画もいまだに不明

・もともと世論は反対が多数。安倍政権が強行したもの

 

(3)農林水産 みどり戦略・輸出推進に増額/アグロエコロジーの視点欠如

17・7%増の2兆6808億円 /公共事業費 17・6%増の8213億円、非公共事業費 17・7%増の1兆8595億円 /、林業関係 17・8%増の3506億円、水産業関係 35・1%増の2604億円

水田活用直接支払い交付金 13・4%増の3460億円/ が、22年度当初と21年度補正予合計した額にすぎない

 ~ 転作助成  10a当たり 麦、大豆、飼料作物 3・5万円、飼料用米・米粉用米 5・5万~10・5万円など 

多年生牧草は、収穫だけの年は3・5万円から1万円へ

5年間で1度も水張りをしない農地は27年度以降対象外に

飼料用米 助成内容を予算編成過程で見直す など

・脱炭素方針に対応する「みどりの食料システム戦略」関連で ~戦略実現技術開発・実証事業 2・3倍の80億円、モデル地区づくり支援など戦略推進総合対策に3・6倍の30億円 ~欧州など有機でないと輸出できないという角度。アグロエコロジーの観点欠如

・30年に農林水産物・食品輸出額5兆円目標 ~「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」31%増の141・3億円を

/ うち、マーケットインによる海外での販売力の強化に35・5%増の42億円。輸出先の基準に合った危害分析重要管理点(HACCP)に対応した施設の整備に 9・7%増の34億円

・食料安全保障の強化に関する経費  「事項要求」

 ~資材・燃油、 飼料・肥料などの高騰への抜本的対策なし /離農など加速する懸念

⇔ 中央酪農会議は現役酪農家への調査「日本の酪農経営 実態調査」を公表。過去1年間に「経営に困難」を感じたのは92・4%、この状況が続けば「経営を続けられない」は55・8%。

 

(4)雇用 企業本位 労働者守れない

・ 「人への投資を抜本的に強化する」とし、22~24年度に4000億円規模の予算/主な対象はデジタル人材で

・従業員に職業訓練を受けさせる事業主向けの「人材開発支援助成金」 677億円 /うち7割の505億円が、新設の「人への投資促進コース」 。

・「学び直し」後押し デジタル分野など「成長分野の訓練機会の拡大」~4億円増の100億円「教育訓練給付」の拡充

・スキルアップ支援コース 「産業雇用安定助成金」 72億円を新規計上。~ 雇用関係を維持しつつ労働者を他社へ出向させる際に賃金の一部などを支給する制度

・厚労省8/31  「雇用調整助成金」の特例措置を10月~11月末までの間、縮小/12月以降状況を見て決める

 

〇「多様な人材の活躍」分野~女性活躍49億円、高齢者272億円、障害者186億円/少子化の中、労働力確保に躍起

⇔ が、低賃金、待遇格差など課題の解決には予算も内容もまったく不十分

・最賃引き上げに向けた中小企業支援策の一つ「業務改善助成金」~20億円増の32億円/が、生産性の向上が支給条件~ 赤字で設備投資のできない多くの中小企業は対象になりにくい制度

・雇用保険を受給できない求職者向けに無料の職業訓練を実施する「求職者支援制度」 282億円を~ 受講生の7割は女性。給付額はわずか月10万円。生活を維持しながら受講するのは困難/要件の緩和と給付金の倍増が必要

・非正規雇用の待遇改善もおざなり~ 有期雇用労働者が無期転換する際の雇い止め問題に/広報に4000万円だけ

 

〇外国人技能実習 見直しではなく制度の廃止を 

・法務省が、外国人技能実習制度の見直しの検討を開始  ~ 古川前法相による見直しのポイント (1)政策目的・制度趣旨と運用実態にかい離のない仕組み  (2)人権が尊重される制度にする(7月29日)

・名目は、「技能移転」による「国際貢献」 / 実態は、低賃金・単純労働力として利用という構造的矛盾を抱えた制度

⇔残業手当の不払い、ピンはね、強制貯金、パスポート取り上げ、高額の保証金や違約金、強制帰国、性暴力などの異常な実態が横行し、大きな社会問題に。

・ 2015年の国会で技能実習法が審議されて以来、日本共産党が指摘してきた問題点を、政府が認めた形

★外国人労働者問題で必要なこと⇔ 基本的人権が保障される秩序ある受け入れ / 共に生活するための支援体制 

→ そのためには、技能実習制度の廃止と、入管法の抜本的改正が必要 /放置は、円安もあり日本は選ばれなくなる

 

(5)エネルギー・中小企業 原発固執 脱炭素逆行も

〇 電力不足を口実に、岸田政権は次世代革新炉の開発・建設や原発7基の再稼働、既存原発の稼働期間の延長を表明 /5/23日米首脳会談で、両国は「革新原子炉や小型モジュール炉の開発・世界展開を加速」で合意

・高速炉をめぐる技術開発委託 12.4億円像 55・9億円 / 小型炉等の技術開発支援 5億円増 17億円を/革新軽水炉実証試験 9・2億円増の32・5億円、 /技術・人材の維持・強化など業界支援の「原子力産業基盤強化事業」 11・6億円増の24億円  

・多くの脱炭素に逆行する施策~ 「高効率」の石炭火力推進 新規180億円/ CO2回収技術推進の「CCS」事業化 新規45億円 

VRE推進事業 ~ 4年間や5年間の時限事業が目立つ / システムチェンジの観点なし。国際的に周回遅れ

 

〇中小企業 選別と切り捨て

・コロナ禍の長期化で、過剰債務を抱え 「あきらめ破綻」が増える懸念~ 債務軽減・免除・返済猶予の支援が急務

→が、日本政策金融公庫などによる実質無利子の融資を9月末で打ち切ると発表/ 中小企業の資金繰りの命綱となる信用保証協会への補助・出資もわずか67・7億円

・物価高騰のもと 中小企業の価格転嫁対策に資する「中小企業取引対策事業」 わずか27・9億円

* 一方、「自己変革への意欲が高い企業への支援強化」に巨費~ M&A推進を軸にした「中小企業活性化・事業承継総合支援事業」 225億円、デジタルなど先端技術に特化した「成長型中小企業等研究開発支援事業」132・9億円

 

(6)社会保障 「自然増」も病床も削減。 コロナ対策基本戦略なし

 厚労省 1・9%(6340億円)増の33兆2644億円 ~23年4月創設の「こども家庭庁」に移す関連予算を含めると実質的に過去最大/で ただ、コロナ対策の大半は事項要求。逆に、「自然増」分の削減議論を加速

〇コロナ対策 ~ 引き続き医療機関の病床確保、ワクチン接種体制、治療薬確保、介護事業所のサービス継続支援など 大半は「事項要求」 感染拡大の状況を見て決める見通し 

⇔ 発熱外来、救急、入院治療をはじめ、回復期の患者を受け入れる後方支援医療、在宅医療、一般医療の維持など、地域医療全体の強化・連携を進める支援策強化が急務~ 21年度中に廃止した医療機関に支払われる診療報酬の感染防止対策向けの各種加算の復活、支給対象・要件が厳しい新加算の緩和を求める声も相次いでいる

・深刻な人手不足の問題~保健師の派遣・研修や女性医師の「人材バンク」、医療従事者の働き方の改善、介護ロボットの開発加速など各事業を増額。が、定数増など抜本的増員はなし

・コロナ禍を受けて21年2月から始めた看護・介護職などの「賃上げ」分を引き続き計上~ が、看護職 月1万2000円程度、介護職などは月9000円程度と、不十分/ しかも、看護職の対象者は大病院に限定で、看護補助者や理学療法士など他職種を対象にするかは病院任せ(総額の範囲内) ~ 現場に分断と混乱を持ち込んでいる

・消費税を財源にして病床削減や医療機関の統廃合へと誘導する「病床機能再編支援事業」に固執/ 計12道県18区域を選定している統廃合などの「重点支援区域」のサポート事業を増額

・国民負担増・給付削減 ~安倍・菅政権から2兆円を削減 

★8月コロナ死者最多に無策の岸田政権  

・8月の死者数~ 過去最多の2月の1・5倍。8月だけで7千人超/感染者数 8月は連日20万人超え、過去最多を更新

・第6波以降、10歳未満の子どもの死亡が増加  2月~8月30日までに17人

・が、政府は具体策を何もしていない ~ 首相8/31記者会見 「対応力は強化されている」「知見が集積されている」など言うが、「社会経済活動の維持」ばかりを強調して、/ 取り組みの緩和ばかり

⇔ 政府のコロナ対策の「取組の全体像」は昨年11月から更新なし/オミクロン株の特性を踏まえた新しい戦略なし

・早期発見、早期診断、早期治療の戦略を 

 ~ 感染者数が多く発熱外来はパンクし、多くの患者が検査や診断、抗ウイルス薬の投与にまで行き着かない状況

・全数把握の見直し ~感染者の発生届を高齢者や重症化リスクのある人に限定

⇔ 発生届の対象外となる軽症者の健康観察ができないなど課題も多い/ 治療を必要とするすべての人が速やかに受診できる体制をつくるべき

〇保険証確認 オンライン導入義務化 「廃業せざるを得ない」

受診に訪れた人の医療保険が有効か確認するために、来年4月からオンラインシステムの導入を医療機関に義務づける告示を発出。この義務化で「廃業せざるを得ない」と考える医師・歯科医らが多数いる。保団連アンケート

 

(7) 文教・こども 教職員定数差し引き974人減

文部科学省 6130億円増の5兆8949億円 / うち文教関係予算 4兆3589億円(事項要求除く)。

〇 差引き 974人減 

 21年度から5年で35人学級~23年度は4年生 /3283人の定数改善要求 ⇔ が、うち1205人 自治体の判断で少人数学級に充てている加配定数の振替のため純増は2078人 /その他 ~小学校 教科担任制 950人の加配など、全体で5158人の定数改善を要求。/が、少子化や学校統廃合による定数減 6132人 

定数改善踏み込まず 教師不足で「中間まとめ」 中教審部会

・ 中央教育審議会 9/9 ~公立学校の教師不足の解消などに関する方策を検討する特別部会で「中間まとめ」

~ 教師不足の最大の要因・異常な長時間労働の解消に向けた教職員定数の具体的な改善目標には踏み込まず

・文科省調査  2021年度始業日で2500人超の教師不足~ 過酷な勤務実態が表面化し教職を志望する学生が減り、教員採用試験の受験者数は急減り続け

・中教審の提言~ 民間の内々定の解禁が6月1日に対し、多くの自治体で教員採用試験は7~8月で不利だとし、試験の早期化 / 就職活動の早期化で教育実習を教職課程の終盤に短期集中で実施することが困難になっているとして、通年で決まった曜日に実施する / 放課後児童クラブなどの経験を単位の一部とする など、現行制度の範囲で可能な「柔軟な履修形態」を検討すべき 

・免許状取得者を増やすため~ 、一種免許状の取得に必要な単位の講座開設を義務付けている4年制大学に、二種免許状の取得を念頭に置いた教職課程の開設を特例的に認める方針も示した。

 

デジタル化巨額 

・「GIGAスクール運営支援センターの機能強化」 102億円(92億円増)

・校務デジタル化の実証事業 10億円(新規)、

・デジタル教科書・教材の活用のための通信環境の調査研究 6億円(新規)など、

~ 多くの施策で民間活用を想定しており「教育の市場化」がいっそう進む危険があります。

★デジタル庁 子どもデータ連携   抹消・訂正 仕組みなし 9/5発表

・「こどもに関する各種データの連携に係る留意点(実証事業ガイドライン)」~ 子どもや親などが収集されることを望まないデータの抹消や訂正の具体的な仕組みが設けられていないことが判明

・「データの連携」~ 貧困や虐待、不登校など困難を抱える子どものさまざまな情報やデータを収集してデジタル技術で連携し、支援が必要な子どもや家庭を人工知能(AI)などで早期に発見して「支援につなげる」というもの / マイナンバーカードで行政手続きができる政府のウェブサイト「マイナポータル」との連携も検討

・ 「究極の個人情報」 データの内容~ 学校での健康診断、自宅での学習履歴、生活保護の利用状況、警察からの情報など多くの機微情報

・データ連携~ 現在、広島県府中町や福岡市など7自治体で実証事業実施/ 来年4月に発足するこども家庭庁がデジタル庁と連携し、全国に広げる方針

⇔ ガイドラインでは、住民の不安を払拭するため、丁寧な説明が必要だとした上で、データが外部に流出した場合の報告体制の整備や説明責任などを明記/ 収集するデータ項目は今後ガイドラインに「追記していく」

・専門家からは「行政が子どもや家庭にレッテル貼りをし、必要な支援につながらない」といった批判の声

 

〇大学  獲得を競わせる

・ 国立大学法人運営費交付金 1兆1116億円(330億円増)~ 19年、交付金の一部に、外部資金獲得実績などの指標で評価して傾斜配分する改革インセンティブ制度を導入。概算要求は1千億円/財務省がさらなる増額を迫る見込み

→ 交付金のうち915億円(140億円増)を、文科省が位置づける政策課題を推進の競争的資金

~ 国立大学の安定的運営を困難にし、日本の研究力を掘り崩している愚策

・ 私立大学等経常費補助 3021億円(46億円増) ⇔ 政府の教育未来創造会議 ~定員未充足の大学への減額率を引き上げるなどの見直しを、23年度以降順次実施する方向

 

〇こども家庭庁 23年4月発足 一般会計と特別会計を合わせて4兆7510億円/が 厚労省、内閣府からの移管分、新規事業は事項要求~ 首相、子ども関連予算の「倍増」を表明も、概算要求では中身なし

 

(8) 地方財政・デジタル 住民サービス後退、民主主義破壊の危険

・地方の一般財源総額 0・2兆円増の62・2兆円

・地方税等(地方譲与税、地方特例交付金を含む) 1・2兆円(2・6%)増の45兆円

・地方交付税等(臨時財政対策債1・3兆円を含む) 0・4兆円(2%)減の19・5兆円

・知事会などが継続・拡充を求め「まち・ひと・しごと創生事業費」 22年度と同額の1兆円

⇔ 「21年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保」(『23年度の地方財政の課題』)の線

 

〇独自施策に困難

・「自治体DXの推進と財政マネジメントの強化」~ 公共施設等の適正配置、水道・下水道の広域化、公立病院経営強化プランの推進など、自治体リストラにつながる「改革」を挙げる

・「デジタル変革への対応、グリーン化の推進、活力ある地域づくり」を主要な柱のトップに

~デジタル基盤の整備 1883・5億円。うち763・2億円はマイナカードの更新や新規交付、氏名のローマ字表記(229・6億円)、地域独自のポイント給付施策をオンライン実施する自治体マイナポイントの全国展開のための予算

→マイナカード普及平均以下で、交付金を査定/ 地方自治破壊の暴挙 /菅政権 推進に8800億円、その後、ポイント付与で推進に1.8兆円  / 信頼と利便性にもとづく普及から逸れた無駄と愚挙の典型

  • 政府はマイナンバーに医療保険証や運転免許証、預貯金口座など、国民のさまざまな情報をひも付けを狙いっており、個人情報のプロファイリング(人物像の推定)や国民監視、情報漏えいの危険

・自治体DX推進計画の改定と自治体情報システムの標準化・共通化等の推進に4・5億円~ 子ども・子育て支援、生活保護、介護保険など、基幹20業務システムを25年度までにガバメントクラウド上に構築された標準化基準に適合したシステムへ移行する予算で ⇔ 自治体の独自施策の抑制、住民サービスの後退の懸念

 

〇デジタル庁5694億円計上

・2023年度予算の概算要求を、総額5694・3億円(22年度比974・04億円増)/同庁が一括計上する各府省の政府情報システムの整備・運用費 は、5556・1億円(955・5億円増)

・個人情報の利活用を進める「データ連携基盤」や地方自治の抑制などにつながるガバメントクラウドの整備、自治体の基幹業務システムの統一・標準化のための環境整備、政府が運営するマイナンバーカードを使ったオンラインサービス「マイナポータル」の「改善」などを進めます。

・医療や教育、子どもなど準公共分野でのデジタル化やデータ連携を進める実証経費として、11・3億円(0・3億円増)

・「高度なデジタルの知見」を持つ民間企業出身者の人件費として、22・6億円

 

★補正 物価高 政府が交付金 申請へ自治体に事務連絡  9/14

 内閣府 9/14 「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」について事務連絡を発出

~ 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の重点交付金で、総額6000億円規模。

・価格高騰の影響を受けた住民や事業者に対し、自治体が支援する場合、国が財源を補助するもの / 活用には自治体が「実施計画」をつくり、10月31日までに国に提出する必要がある。交付決定は12月中の予定

8つの推奨メニューが例示

光熱費や食料品など、物価高騰の影響を受けた、住民税非課税世帯以外の住民対象の負担軽減策、小中学校の学校給食費の支援などの生活者支援 / 医療・介護・保育・障害サービス施設や、公衆浴場などの光熱費や食品価格高騰の影響を緩和する事業者支援/これら以外にも、自治体が「物価高騰対策に効果がある」と判断した事業も

 

(9) 軍事費 金額示さず膨張、敵基地攻撃・戦果想定

 2000億円増の5兆5947億円~前年度超 13年度から11年連続。9年連続で過去最大を更新 +多数の「事項要求」⇔ これまで示してきた各装備品の調達数、物件費などの内訳に加え、隊員の定数までも隠ぺい/前代未聞の暴挙

・年末に改定される国家安全保障戦略など3文書を踏まえ、来年度の予算編成では6兆円台半ばが視野

 

〇GDP2%念頭

・5月 日米首脳会談~岸田゛首相 GDP比2%を念頭に「相当な増額」を対米公約/ 6月NATO首脳会議でも宣言。

・違憲の敵基地攻撃能力につながる「スタンド・オフ・防衛能力」を「事項要求」の対象

・射程を現在の百数十キロから1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾」(地発型)の量産化に初めて着手

・「高速滑空弾」(早期装備型)の量産、F15戦闘機に搭載するスタンド・オフ・ミサイル「JASSM」の取得

 

日本の戦禍想定

・突出して増大したの「新規後年度負担」 ~ 19%増の2兆9351億円で過去最大

・沖縄本島への地対艦ミサイル部隊の配備計画/ 陸自勝連(かつれん)分屯地(うるま市)への配備を想定

・宮古島、石垣島、鹿児島県の奄美大島には既に地対艦ミサイル部隊の配備が進行中

・具体的な戦闘戦を想 ~ 12地対艦誘導弾など弾薬の製造体制の確保、スタンド・オフ・ミサイルなどを保管する火薬庫の整備費、司令部の地下化、被害を受けた滑走路を復旧する機材など /台湾有事への参戦の危険

★元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)の柳沢協二氏は 今回の概算要求は「無限の軍拡ループ」を導くとし、「何としても戦争を回避する決意がなければ、軍備の重圧で国が滅びる心配がある」と述べています(「東京」1日付)

★防衛費には、装備調達において、どんな目的。作戦のために、いつまでにどれだけの数量をトータルいくらで調達するのか、ロジも含めてトータルな戦略をしめして予算措置を議会で決定するという先進国で当たり前のやり方がない

→ 近代化もされず30年かけて調達、輸入の数倍も高く性能が劣る国産化などなど 

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