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グローバル・コンパクト ~ 「人間の顔を持った」経済を目指して(メモ)

・企業活動をめぐり人権や環境分野での国際的なルールづくりが進んでいる。

・日本政府 2020年10月、「『ビジネスと人権』に関する行動計画」(以下「行動計画」)を公表 ~ グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)事務局次長の氏家啓一さんは策定に関わった一人/「ビジネスと人権」は、主義主張(イズム)を超えた指導原則のテーマだとして応じたくれた取材による。/ 2021934日付など「赤旗」のメモ。 

 同テーマに関して、以前に作成した「経済」からのメモ

【SDGsを問う   市場原理か、社会変革か、あらたな闘いの舞台(メモ) 2021/06

 

【 「人間の顔を持った」経済を目指して 】

◆企業の負の影響 どう対処

 ・経済活動は、市場を通して人々の暮らしを豊かにする一方、人権侵害や自然破壊、地球温暖化を引き起こしてきた。

・1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で当時のコフィ・アナン国連事務総長は、グローバルな市場を「人間の顔を持った」ものにしようと訴え、人間を中心にした国際社会の構築を強調

→ ここで提唱された「国連グローバル・コンパクト」= 企業が守るべき倫理として人権・労働・環境・腐敗防止に関する10原則

 

◆救済策まで整備

 ・国連~ 人権侵害や環境破壊を引き起こす企業行動の負の影響を規制するため

08年 「保護・尊重・救済‥ビジネスと人権のための枠組み」採択

11年 「ビジネスと人権に関する指導原則」(以下「指導原則」)採択 ~ 3つの柱で構成

 (1)人権侵害から保護する国家の義務

 (2)人権を尊重する企業の責任

 (3)救済へのアクセス ― 救済するすべを国家も企業も持っておくべきだというもの

⇔ 義務や責任をいくら整備しても人権侵害は起きてしまう。救済策まで整えることで企業活動による負の影響に有効に対処できる。

 ・15年にドイツ・エルマウで開かれた主要7カ国首脳会議~ この「指導原則」を支持、各国に行動計画の策定を推奨

→ これを受け欧州諸国は先駆的に計画策定と国内法の整備に着手

 ・日本政府 エルマウ宣言から約2年半後の18年3月に現状把握調査

約1年の調査を経て翌19年4月、政府のほぼ全ての府省庁が参加して計画策定のための作業部会と諮問委員会が設置

⇔ 中小企業や労働者団体、市民社会、弁護士、社会的マイノリティーらの意見参加。金融分野を代表して投資家も

 

◆国際基準に準拠

 ・多くの意見、活発な議論を展開/その前提が、国連の「指導原則」とOECDの「多国籍企業行動指針

 ・OECD指針は参加国の多国籍企業に対して、社会に期待される責任ある行動を自主的にとるよう勧告

→ 18年、「責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンスの手引」が公表

 *デュー・ディリジェンス = 人権リスクを特定し、予防や緩和措置を講じることを意味する。ここで重要なのは、国際的に認められた人権基準に準拠すること、そして責任を他に転嫁しないこと

 例) ある企業のサプライチェーンの末端で児童労働や強制労働があった場合、「私たちには関係ない」とは言えないこと

 ・20年2月、「行動計画」の原案を策定~国民の意見公募を経て、完成版が10月に公表/世界で24カ国目、アジア地域ではタイに続き2カ国目

 

◆いかに良い経営を成すか

 ・昨年10月 「『ビジネスと人権』に関する行動計画」(以下「行動計画」)公表し、今年7月20日に推進円卓会議が設置

→ 「行動計画」の進展状況を政府と利害関係者(ステークホルダー)で一緒に確認するための会議。

 

◆支援策どうする

 ・1回目会合7/26~ 計画がつくられてから現在までの各省庁の取り組みが報告、各ステークホルダーが意見

・「行動計画」は初版ができたばかり。課題は山積

 例) 計画の進展をどのような指標を使って評価するか /企業への支援策をどうするかなど ~「行動計画」は企業に対し責任ある行動をとるよう「人権デュー・ディリジェンスの実施を期待する」というところでとどめている/企業としては期待だけかけられても支援がなければ困る

→企業が何を望んでいるのか、実際にステークホルダーと政府で一緒に話し合いながら有効な支援を講じていくことが必要

 ・欧州 ) 人権侵害の定期的な調査、通報制度の整備をめぐり義務化・法制化が進んでいる ⇔ 。これが国際的な基準になりつつある/ 日本も、法制化を排除せずに議論する必要がある

 ★大切な点・・・企業に「いかに人権を守らせるか」ではなく、企業が「いかに良い経営を成すか」/ 納得して行動しなければ意味がない ~ これを重点的に考えるのが私たちの仕事

 

◆ 「行動計画」の特徴は「一人ひとりを当事者にする」こと

 ・計画・・・「消費者の権利・役割」も明記/ 企業だけでなく、消費者も変わる必要があるということ

~ 企業は「どんな手を使っても安いものを作る」という商慣行を改め、正しい方法で良いものを作る。この商品を消費者が買う。こういう循環をつくろうというのが「行動計画」の狙い

 ・もう一つ重要なのが金融 / 金融は企業経営のあり方を左右する大きな力をもつ ⇔ 「行動計画」は、気候危機や人権問題などを重視するESG(環境・社会・企業統治)投資の動きを重視

 

◆拘束力ある条約

 ・国連) 14年以降、企業の人権侵害の防止に向け拘束力のある条約づくりが進んでいる

~ 国際的なルールづくりで重要なのは「公正な競争環境」/ 企業が正しい情報開示をすることによって正しい競争力を身に付けることを意味する

⇔ 持続可能な開発への貢献を忘れ、安い労働力を求めて労働法制の弱い途上国に生産を移すことは認められないということ  / 国連の条約づくりの過程でも、世界中の国々で「生活賃金」を保障することが議題となっている

 ・「国連グローバル・コンパクト」は企業に対し、国連のSDGsの達成を経営戦略に盛り込むよう求めている。

→  「行動計画」の作業部会/私は「政策の一貫性の観点からSDGsアクションプランとの整合性も大切」と進言・・・政策の一貫性は「行動計画」の重要なキーワード

 ・人権もSDGsもトレードオフ(二律背反)の関係にある

例) 経済成長を追求するとエネルギーを消費し地球温暖化をもたらす。そこををきちんと見極めて行動するような計画づくりをしなければ結果として何も成就しないという趣旨で発言した。

 ★「行動計画」はまだまだ施策として不十分・・・が、今回の計画は、政府とステークホルダーが対話をしてつくり、それが今後も進展状況と計画の更新を議論する会議で続く = これこそが「行動計画」の真の価値である

 ■うじいえ・けいいち 1960年生まれ。理学修士。大手電機メーカーに30年間勤務しCSR担当責任者を務めた。2017年にGCNJ入局。現在、事務局次長。日本政府の「ビジネスと人権に関する行動計画に係る作業部会」構成員。筑波大学非常勤講師。

 

【 国連グローバル・コンパクト = 企業が守るべき倫理として人権・労働・環境・腐敗防止に関する10原則 】

・人権

原則1 国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、

原則2 自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである

 

・労働

原則3 結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持し、

原則4 あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、

原則5 児童労働の実効的な廃止を支持し、

原則6 雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである

 

・環境

原則7 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、

原則8 環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、

原則9 環境にやさしい技術の開発と普及を奨励すべきである

 

・腐敗防止

原則10 強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである

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