コロナ禍 学校健診後治療 6割が未受診率 高知県
高知県保険医協会による調査
「高知保険医協会は昨年度に高知県内の公立小中高・特別支援学校で行われた学校健診の状況等について調査(回答率59.7%)しました。全ての健診・検査の平均で約6割が未受診だったことが明らかになりました。
また新型コロナの感染拡大による児童・生徒の健康は、25.5%の学校で影響があったと回答。「肥満の増加」「視力低下の増加」が指摘されています。」
・歯科 要受診と診断された児童・生徒の 71.9%(前回 64.4%)が「未受診」
・眼科 要受診と診断されたにもかかわらず、未受診であった児童・生徒は、57.1%(全国 55.4%)
・耳鼻科 未受診だった子どもの割合は、 54.5%(全国 57.4%)
・内科 要受診と診断されたにもかかわらず、未受診だった児童・生 徒の割合は、66.3%(全国 53.6%)
≪未受診について≫
高知県は全国平均と比較すると眼科健診を除き「要受診率」が高く、「未受診率」も一部の健診を 除き高い数値を示している。 未受診の理由について、養護教諭に尋ねたところ、一番多かったのは「健康への理解不足」63.5% (全国 57.0%)だった。2 番目が今回は「新型コロナ感染による受診控え」48.6%(全国 46.8%) が次に多く、3 番目が「共働き」29.1%(32.1%)、4 番目が「無関心」26.4%(27.4%)と傾向は 全国と同様だった。 高知県は乳幼児等医療費助成制度により小学校卒業までは全市町村で医療費が原則無料(※)の ため、「経済的困難」を未受診要因とした回答は 11.3%と少ないが、高校では 46.4%と急増し 3 番 目となっている。一方歯科検診では、歯列・咬合の異常が指摘された場合は矯正治療が必要となる ケースがあるが、歯科矯正治療の医療保険適用範囲はごく狭い範囲に限定され、乳幼児等医療費助 成制度からも除外されるため、自費治療(自由診療)となることが未受診率を押し上げている可能 性がある。 未受診の児童・生徒は、家庭環境に何らかの問題を抱えている可能性があるが、今回の調査では、 新型コロナウイルスの感染拡大という要素が加わったことで、医療が必要な児童・生徒が十分な受 診をできていない現状が明らかになった。 未受診についての自由記載欄では「ネグレクト傾向の家庭」「受診するほどではないという保護 者の医療に関する考え方」(小学校)など保護者要因の他に、「へき地であり近くに専門医がおらず 通院困難」「生徒自身の多忙」(中学校)という理由を上げた回答があった。
【学校の健康診断で専門医受診勧めても70%以上が受診せず NHK8/12】
道内の学校で行われた健康診断で虫歯や視力の低下が疑われ、専門医の診察を受けるよう勧められた児童や生徒のうち70%以上が受診せずにいたことが、医師や歯科医でつくる団体の調べでわかりました。道教委は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響も考えられる」として、対策を進めることを明らかにしています。
この調査は、道内の医師や歯科医でつくる北海道保険医会がことし2月から3月にかけて行ったもので、学校の健康診断がその後の診察や治療にどの程度つながっているのかをアンケートで調べました。
対象は道内の小学校や中学校、それに高校や特別支援学校1898校で、全体の16%にあたる306校から回答を得て、健康診断で行われる項目ごとにまとめられました。
このうち、▼「歯科」では、1万3969人が「10本以上、虫歯がある」などとして、歯科医の診察を受けるよう勧められましたが、その81%にあたる1万1337人は受診してなかったということです。
また、▼眼科と視力検査では、1万7124人が視力の低下などを指摘され、眼科医の診察を受けるよう勧められたものの、その75%にあたる1万2897人が症状をそのままにしているということです。
このほか、内科の項目でも、「心の問題を抱えている」などと指摘されながら、その後、専門医の診察を受けていないケースもあったとしています。
北海道保険医会によりますと、児童や生徒によって健康診断を受けたあとの受診していない期間の長さはまちまちだということです。
北海道保険医会の田辺隆理事は「悲惨な状況が浮き彫りになった。親の方針や経済的な事情が背景にあると考えられるが、重大な病気につながるおそれもあり、早急な対応が必要だ」と話しています。
これに対し、道教委は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響も考えられる」として対策を進めることを明らかにし、「実態把握のための調査を行うとともに、児童や生徒が相談しやすいような体制づくりなどを充実させる必要がある」と話しています。
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