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あらためてリプロダクティブ・ヘルス&ライツの意義を学ぶ(メモ)

 塚原久美・金沢大非常勤講師・RHLリテラシー研究所主宰  前衛2021.08

“94年カイロ会議は、 従来のトップダウン式の人口政策でなく、個人の権利をベースとしたボトムアップ式の制作への大転換した。その中で、特に注目されたのが、リプロダクティブ・ライツという概念”

“リプロダクティブ・ヘルス&ライツ領域で、日本はほかの先進国でありえないほど独特の後れ方をしている。”

国際人権規約に明記された「女性と少女に安全な中絶を保障すべき」ことが守られてない状況、それはジェンダーギャップ指数にあらわれている女性差別と一体であることを解明し、解決を訴えている。

ケアに基づく相互依存の社会、またはコモンの重要性を指摘する主張と、根っこでつながっている。

 

■「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」とは

■なぜ、リプロダクティブ・ヘルス&ライツなのか

■なぜ日本は違う道を歩んだのか

■カイロ会議後の議論の前進と世界の流れ

■女性の権利を封じ込めたバックラッシュ

■根底にあるのは女性差別

【あらためてリプロダクティブ・ヘルス&ライツの意義を学ぶ】

 塚原久美・金沢大非常勤講師・RHLリテラシー研究所主宰  前衛2021.08

■「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」とは

1994 国際人口開発会議(カイロ会議)  カイロ宣言と行動計画に盛り込まれた概念/初めて国際文書に明記

  極めて幅広く深い領域を網羅した概念。国際文書で規定された様々な人権に関連

・カイロ会議  従来のトップダウン式の人口政策でなく、個人の権利をベースとしたボトムアップ式の制作への大転換

⇔ 特に注目されたのが、リプロダクティブ・ライツという概念

 ・カイロ行動計画 冒頭 「リプロダクティブ・ライツは、「すべてのカップルと個人が自分たちの子どもの数、出産間隔、ならびに出産する時を責任を持って自由に決定でき、そのため の情報と手段を得ることができるという基本的権利、ならびに最高水準の性に関する健康およびリプロダ クティブヘルスを得る権利を認めることにより成立している。」

⇔ 具体的に3つの権利  

  1. 子どもを産むか、生まないか、生むとしたらいつ、どのような間隔で生むかを決定する権利
  2. 上記を行うための情報と手段を得る権利
  3. 性と生殖に関する健康を最大限教授する権利

 

1の権利≫

74年、ブカレスト人口会議 全ての夫婦、個人の権利とされていたもの

 女性運動で言われていた「リプロダクティブ・フリーダム」に含まれる婚姻の自由、配偶者選択の自由、子どもを産むか生まないかの決定の自由等と位置付けられた権利(自由権)にもあたる。

 自由権は、近代の人権思想の枠組みでは、国家権力の干渉を受けない個人の権利の保障という立場に立つもの

 2の権利≫

 避妊、中絶に関する知識を含む適切な性教育、サービスへのアクセスを保障する権利など「国家が保障すべき個人の権利」(社会権)。全てのカップル・個人は、生殖の自由を享受するために、受胎を自主的に管理するための手段を持つ資格を有し、国家はそれを果たす責任があるとする概念

 3の権利≫

 新しい人権と言われる「健康の権利」に関わるもの。ここで言う「健康」とは、単なる疾病や虚弱な状態でない状態ではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であると捉えるため、12の権利の保障を前提とし、女性の地位向上もここに含まれる。

 ★自由権的、社会権的な2つのリプロダクティブ・ライツが保障されることで、個人がリプロダクティブ・ヘルツを享受できるということが、リプロダクティブ・ヘルス&ライツの基本。ライツとヘルスは「車の両輪」

 

■なぜ、リプロダクティブ・ヘルス&ライツなのか

◇生む機能をもつ女性をめぐる変化

・太古から、外性器の形状で男女を区別/ペニスがない人間は生む機能をもつ「女」、ペニスのある人間は生む機能のない「男」と見なされ別々の役割を割り振られ、別々の育てられ方をした

・種の存続のためには、女性の生殖力は重要なので、古代から「母性」はある程度保護されてきた

→ 妊娠、授乳中のケア(メモ者 一人では出産できない人類、共同子育て)、狩猟・戦闘の場の回避  /生物的な差異による分業(メモ者 筋肉量、皮下脂肪の量、柔軟性など生物的な差異を拡大)の時代(メモ者 原始共産制)が長く続いた

→余剰財政の蓄積により、余暇が生じ、文化が発展、知性が備わっていく過程で、分業が崩れていく

18世紀、西欧の一部のエリート階級の女性(メモ者 家事・育児からの解放)~ 女性が様々な制約をおっていることに気づき、思索を深め、「生物学的な差異」のために知性の開花を阻まれることに苦しむことに 

・今日のフェミニズムと呼ばれる思想が起きたのは当然の成り行き~ 文明の発達の中で、女にとっての「生殖機能」は人生のごく一部しか占めなくなった。/その「役割」を中心に作られた慣習は古くて役だたない。知識を身に着け個の意識の芽生えはじめた女性たちにとって抑圧的

 ・女性たちの生き方 ~ ここ100年で様変わり

  1920年 日本の女性の寿命 43歳、子どもの数の平均5人強

  2020年              87歳 合計特殊出生率 1.39

→ 100年前の女性。40年余の人生のうち、少女時代を過ぎれば、生殖機能に振り回されてきた

→ 現在、栄養状態がよくなり、初経12歳、閉経50-51歳 妊娠可能な30数年~40年、月経400-500回/うち実際に出産に至るのは12回。しかも育児の社会化も進み、女性が一生のうちで生殖と育児の活動に費やされる時間は人生の一部に

 ・これまで「生む機能」をもつものとして、ある種、抑圧された状態にあった女性 / 生涯のうちわずかな期間しか関わらない生殖機能のために、一人の人間としての活動の制約をうけたり、その機能をもつために男性より劣ったものとして扱われたりするのはおかしい――フェミニズム的な思想が芽生えてきたのも当然

 ◇人口爆発とリプロダクティブ・ヘルス&ライツ

1994年の会議で、なぜ焦点となったか  

 途上国の開発--教育の充実、産業の創設--女性が労働者に駆り出され、子育てのコストも増え、子どもを減らそうとする力が働きはじめる(メモ者 貧困と多子の関係・・・人を雇うより、子どもに労働させる方が安上がり)

 医療の発展子どもの死亡率の低下 /5人産んでも、孫をつくるまで生き延びるのは23人だったのが大きく改善

⇔ 女性たちは、一人か二人しか生まないのなら、自分の人生のなかで裁量の条件の時に生みたい。頭ごなしに誰かに命令されるのは嫌だと考えた/ 人権意識も育ってきた

⇔人口問題の解決には、上から押しつけた計画ではダメと気づき、女性たちが納得し幸せに産めるようにすることと学んだ

 ・開発と女性問題の解決を適合化することで「置換水準」レベルに落ち着いていくことが見えてきた~ 人口爆発をめぐる議論の動向と、性と生殖の健康と権利を主張する女性運動の考えが、マッチングしたのが1994年だった。

⇔国連人口基金 2018年白書「選択の力 リプロダクティブ・ライツと人口転換」~出生率の高い国も低い国も、誰もが子どもの数と出産のタイミングを自由に責任をもって決める権利が保障される--公共政策と個人の目標をよりよく調和させる課題となっている。そのスタートが1994

 ・が、日本政府は、そうした考え方に気づかなかった

⇔ 人口問題、開発問題は途上国のものだから金は支援する/日本は先進国なので関係がない、との態度を貫いてきた(メモ者 子どもの権利条約でも同様の態度)

 ・低出生率は経済安定への脅威と捉え、政策によって子育てを支援し、少子化傾向の逆転をはかっている国-- フランス、スウェーデンなど・・・社会保障の充実、子育てと就労の両立支援、男性の家事・育児への参加の奨励などで、1.31.4に落ち込んだ出生率を、1.61.7に回復

・先進国の2/3で出生率を引き上げる政策/ 若い移住者を誘致する政策(労働力不足に対応)を進める国も

・「選択の力」は、国家が個人の選択を徹底的に保障することで、個人は健康と幸福を獲得し、その結果、出生率も適正化して人口を安定していく道を示している

 

■なぜ日本は違う道を歩んだのか

◆温存された古い中絶方法

・発端は、避妊ピルの登場より10年以上も前に、中絶を合法化したこと

  48年、優生保護法で,1部合法化/欧米のキリスト教諸国は厳禁

→ 日本の医師は当時唯一知られていた古い外科的方法を採用/掻把法=生きている胎児を掻き出す。中期中絶=分娩法(生きて出てきた胎児が死ぬのを待つ)/ ひどい方法に医療関係者もタブー視、スティグマの強まり

 ・海外~70年代前後に合法化/悪いイメージの掻把でなく、「吸引法」に注目  カーマン・カニューレ(心理学者が違法の中絶で使用した便利で安全なプラスチック製品)により一気に拡大。掻把法は捨てられることに

⇔さらに、女性の権利としての中絶・/インフォームド・コンセントの確実な実施、カウンセリング、アフターケアの提供など丁寧なケアが定着

 ・日本には、「女性の権利としての中絶」という考えはなく、強いスティグマのもと、中絶のケアの改善が議論にならず/また、吸引法も主流にならず=中絶は指定医師のみ。安全な吸引法が普及すると欧米のように助産師に適した業務との議論となり、医師の独占が脅かされる。これが掻把法が基本とされた真の理由ではないか?

 

◆つくられた「中絶は悪いこと」という観念

・政治家の対応~ 高度経済成長が始まり、60年代には、すでに将来の労働力不足が予測されていた

→ が、戦時中の「産めよ増やせよ」政策の評判の悪さを認識していたので、「人口を増やすべき」とストレートに言えず、当時大量におこなわれていた中絶の抑制で、出生数増をめざした

・政府は、中絶のほとんどの根拠となっていた優生保護法のなかの「経済条項」の廃止をめざした

→ 70年代、80年代の2回にわたり改定を試みると、女性たちの猛烈な反対で実現せず

 ・もう1つの取組=「水子供養」~ 71年、佐藤首相が、紫雲山地蔵寺という水子供養寺の落成式に出席を皮切りに、宗教団体をバックとする政治家の、国会内での中絶を罪悪視する発言が繰り返される。メディアでも水子供養が大々的に取り上げられ、7080年代のキャンペーンで広げた

→ 当時、檀家制度が崩れ財源を失った寺社/マイカー供養、人形供養、ペット供養などに乗り出していたが、水子供養はヒット作品の1

→ 年間100万件の中絶がおこなわれていた50-60年代  庶民にとって中絶は、悲しいことであっても、経済事情から、当たり前のこととして行われていた/「断罪されるべきこと」「許されないこと」とは考えられてなかった

→ 水子供養の普及をへて「中絶の罪悪感」がひろがった/ 人為的につくられた「慣習」

 

■カイロ会議後の議論の前進と世界の流れ

◆人権規約でも保障されるべき権利と位置付けられた

・リプロダクティブ・ライツ~94年カイロ会議に続き、95年北京書生会議の成果文書、99年女性差別撤廃条約の一般勧告2400年国連特別会議(北京+5)で確認。同年のミレニアム開発目標にも入り、15年SDGsにも盛り込まれた

→ 特に、SDGsでは、途上国の目標ではなく、すべての国の目標とされたことに注意が必要

★女性差別撤廃条約、2つの国際人権規約にも盛り込まれ、すべての国の女性にとって普遍的人権とみなされている

 ・00年 社会権規約の一般勧告14「最高の健康を享受する権利」の中に、「性と生殖の健康」への権利も全面的に含まれると宣言された

・16年の社会権規約一般勧告22 「女性と少女に安全な中絶を保障すべき」との文言が入り、その保障のために「女性が支部の性と生殖に関する健康について自己決定する権利の尊重を目的とする法的・政策的措置を国家が講じること」を明記

・19年 自由権規約一般勧告36 「締結国は、女性及び少女が安全で合法的な中絶に効果的にアクセスするための既存の障壁を新たに導入してはならず、(障壁が)すでにある場合にはこれを撤廃すべきである。また、締結国は、安全でない中絶に伴う精神的および身体的な健康リスクから女性及び少女の生命が有効に守られるようにすべきである」と明記 /また、特に若い女性と少年に対して、良質でエビデンスに基づく情報と性教育、手頃な価格の幅広い避妊方法へのアクセスを確保すること、中絶を求める女性と少女に対する罪悪視を防止することも明記

★が、こうした国際社会の人権保障の動向は、日本ではほとんど知られておらず、劣悪な状態のまま放置されている

 

◆広まった中絶薬の導入

・海外 80年代の終わりから中絶薬が導入され、90年代にかけ、先進国のみならず途上国にも広がった

~ 内服による中絶により、医療者しか目の当たりにしてなかった妊娠の結末=「妊娠産物」を目にするようらなった/その結果、妊娠早期の中絶の場合は「胎児」なんて見分けられない。普段経験している重い月経とほとんどかわらないどろっとした血液や血の塊しか見えないことを経験

→ 中絶反対派の「こどもだ」「赤ん坊だ」と言い立てるが、実際の経験はまったく違うことを、身をもって知っていった/最近、アルゼンチン、アイルランドなど、もともとカトリックの影響の強い国でさえ、中絶合法化に動いた背景には、中絶医療の変化に伴う女性自陣の経験の変化があると考えられる

・日本でも、治験がおわり、もうずく承認申請されると言われている/海外では30年以上の実績があるのに、入院・服薬・中絶完了・退院という厳しい管理の下で治験

~ 海外では、もともと中絶に対する強い反対があったため、徹底した厳しい治験が実施され、安全確実さが証明されている

 ・WHO  すべての国で最低限そろえておくべき「必須医薬品リスト」を制作~中絶薬は、2015年にリスト入り、

      19年、必須中の必須とされる「必須医療品コアリスト」入り(医療者の監視下で使う必要がないほど安全とされている)

・コロナ禍のもと、国際産婦人科連合 妊娠初期の中絶について、オンライン診察による中絶薬の自宅送付・服用を提案

   イギリス、アメリカは、この「自己管理中絶」、「遠隔医療」を採用  → 一定期間後妊娠検査キットで中絶を確認、問題あった時だけ受診。95%の人が診療所に訪れなく中絶を完了 

→ 国際婦人科学会は、1年の経験を経て恒久化を提言/豪州、アフリカなど、コロナ禍以前から自宅送付を実施

 *日本 避妊に失敗した性交後ね72時間以内に飲むべき緊急避妊薬でさえ、薬局で買えない状態

→ 日本では、緊急避妊薬、中絶薬もこれほどアクセスしにくいのか/海外では保険で実質無料の国も少なくない

・日本の状況は、女性のリプロダクティブ・ヘルス&ライツに照らすと明らかに人権侵害

 堕胎罪は、国家が安全な中絶への障害を放置することを禁じている自由権規約違反

 望まない妊娠をした女性が、一人でトイレで出産し、その挙句に子殺し遺棄に問われる事件もリプロダクティブ・ヘルス&ライツが保障されてない結果

・一刻も早い解決が必要

 

■女性の権利を封じ込めたバックラッシュ

◆基本計画からも内容が消えた

・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ領域で、日本はほかの先進国でありえないほど独特の後れ方

 *中絶に対する配偶者同意要件 /世界でわずか11か国 ~ 台湾・韓国は、日本の影響を受け配偶者同意規定を制定。が、韓国・今年堕胎罪廃止、台湾見直し中。他の9か国はムスリム(が、同じムスリムでもチュニジアは廃止)

→この要件が残っているのは、ジェンダーギャップ指数で常に日本と上下争いをしている国

・GGI 昨年 日本121位、120位UEA。が、UEAは今年72位に/クォータ制導入で女性政治家を増やしたことで

→ 国が本気になれば改善していく

 ・日本でも95年北京会議直後に機運/ 超党派は政策づくり、99年男女共同参画基本法、00年基本計画策定

→本格的にジェンダー平等政策を進めようとしたところに、保守勢力が性教育、ジェンダーフリー等に激しいバッシング

→05年の第二次基本計画はズタズタに。/攻撃の中心は、安倍晋三、山谷えり子  「170カ所を修正し、正常化につとめた」

・リプロダクティブ・ヘルス&ライツも否定 /2次計画・「(法に反してまで)中絶の自由が認めるわけではない」の注釈加筆、第三次以降は、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツは重要」と繰り返しながら本来の内容は消え、第五次では「女性の生涯の健康」から「女性の」が削除

 

◆「今になってなぜ言うのか」

・国会の中で中絶に関する女性の権利が話題になるたび、自民党議員・政府の常套句は「胎児の生命尊重」「人の考えはいろいろ」。

・気づくべきこと/ 女性の人権という普遍的理念に、一部の人々の倫理的信念が対置されている不条理

・中絶に胎児はかかわらない・・・日本の中絶の大多数が妊娠10週未満のまだ「胎児」に成長していない、ごく初期の「胚」「胎芽」の段階。中絶薬が導入されると中絶のタイミングは早期化され、今後ますますかかわりなくなる

・94年カイロ会議で「リプロダクティブ・ライツ」に反対、留保した国のうち10か国ムスリム、12か国カトリック ~ 事実は、権利を支持する170か国以上と、宗教上の理由で認めない少数派/日本ははじめから留保なしで「支持」した事実がある

 

◆女性が大切にされてこその少子化対策

・日本 人口学者は、60年代から少子高齢化を予測/実際に、74年「置換水準」を割り込み

→が、政府が少子高齢化対策に「本腰」をあげたのは1990年の「1.57ショック」以降

→少子化は、女性が産まなくなったせいとされ、ジェンダー平等へのバックラッシュが激しくなった

・日本は女性差別撤廃条約を締結しているが、あまりにも無策

韓国 女性差別禁止法を制定、クォータ制を実施 /日本は、女性政策といいながらピント外れの少子化対策ばかり。仕事と家庭の両立支援策を求めているのに、それには手をつけず、「自助」の強要

・特に悲惨/団塊ジュニア世代、第二次ベビーブーマー世代

  就職氷河期に対する無策、非正規の男女は生活が安定せず結婚できないのに、自己責任身勝手と非難する政治家の存在、シングルマザーの深刻な貧困など、超少子化が進んでしまった

 ・一方、現政権が目玉としている「不妊治療の助成拡大」・・・治療を続けるための一番の願いである両立支援、柔軟に働けるような制度改善には無策/ 不妊治療業者が儲かるだけで、治療失敗で苦しむ女性たちを生み出すばかり

→ 両立支援は、不倫治療している女性だけでなく、多くの働く女性の悲願なのに、公的補助がない

→フランス、スウェーデン 女性一人でも子どもを産み育てられるよう徹底して福祉を充実。非婚パートナー同士や同性婚で養子を迎えることも可能で、保育・教育などしっかり保障/ ドイツ 今は育てられないが中絶したくない場合、気づかないうちに中絶できる時期をのがした場合に「内密出産」ができる制度があり、安全に産み、養子を出して育ててもらう制度

(メモ者  そもそも労働時間が短い、厳しい残業規制があり、両立社会の前提がある)

 

■根底にあるのは女性差別

◆政府がなまじ先進国と思っているから・・・・

・根底に女性差別/ 生む機能をもっている人々への差別、その人権を認めず、声に耳を傾けず、必要なニーズを満たしてこなかった問題 /一方で、その人たちを苦しめ、一定の方向に押し込め、そこからあぶれた人を罰してきた

→ この状況を抜け出すのに大事なのは、人権の視点

 ・中絶の問題・・・世界で常識になっていることが日本で知られていない/一方、海外から見れば母体保護法に「経済条項」があるので「社会的要因むによる中絶を認めている先進国とみられてきた

→ これほど中絶医療が遅れ、100年前の堕胎罪に縛られているとは思っていなかった

・むしろ「途上国」の方が素早く変化している/国連からお金や人が入り、教育とケアを提供することで

・日本 なまじ先進国とうぬぼれている分だけ変わりにくいのが大きな問題/多くの国民も差別が酷いと気づいていない

→最近、医学部入試差別など問題が発覚。が、氷山の一角。/結局は生殖機能を持つ人々をどう扱うべきかという大きな問題がある。結局、そのために差別されてきた。

 

◆女性が1人の人間として認められる時代に

・女性には月経というリズムがある~そのことで「使い物にならない」「効率が悪い」と言われてきた

・が、人によって様々なリズムがあり、サポートがあれば十分働ける仕組みがあるのが当たり前の社会になれば、働き方も、休暇に対する見方も変わってくる。そもそも人間観がまちがっているのではないか。

 ・男性の働き方を改革しないと、女性問題も解決しないとよく言われる/ 効率と成果を追求する労働観は「産む機能」をもつ人々をはじめ、様々なサポートが必要な人間たちを非効率として周辺においやってきた。/が、人間は一人では生きられない。互いがケアしあえるような社会が必要

(メモ者 知的労働が、主要な働き方になってきた社会では、多様性の欠落は、経済力そのものを阻害する)

 ・女性は自分の人生の中で自分の体を使い、場合によっては命にかかわるリスクをかけて産むという営みを行う

→ 人生90年、月経400-500回も来る時代に、女性が出来る限り自分にとってベストなタイミングで産みたいということは、社会にとっても有益な選択/そのためにリプロダクティブ・ヘルス&ライツが重要

・最近は、ライツではなく「ジャスティス」が重要と言われる /権利を行使できない不平等の存在を視野に入れる必要

(メモ者 環境正義、気候正義と同じ考え方。被害は平等にあらわれない。そこに「不正義」が存在する)

→ 著者は、そこも含めて「ライツ」と捉えたい

 ・今や女性の権利は人権が世界の合意/自由権規約と社会的規約の両方に、リプロダクティブ・ヘルス&ライツが組み込まれ、女性にとって安全な中絶の情報と手段が提供されるべきと書き込まれたことは画期的なこと

・生殖機能を持っている人にとって、生まれ持った体を理由に、生き方を制限されたり強制されたりすることなく、どんな自分になるのか、どのような自分になるのか、自分の未来を決定できる権利は不可欠

⇔ これは様々なハンティを抱えている人、マイノリティの人間保障の基盤になるはず

 

 

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