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資本主義の変革主体・・・どう形成するか

 マルクスの資本論は、資本主義経済のメカニズムを解明し、生産性を高度化する歴史的役割とともに、資本の論理が「貧困の蓄積」や、「人間と自然とりの物質代謝」を「攪乱」することなど、次の「人間的な社会」に移行せざる負えない道筋をあきらかにした。

 一方、それ変革の過程は、その矛盾を自覚した「労働者階級」の団結の高まりによって、政治の=上部構造での「決戦の舞台」で決するとの展望を明らかにした。

 「資本論」はすごい、と感じながらも、最後の「収奪者が収奪される」という規定は、大局的にはその通りだとおもうが、資本主義生産のもとで「鍛えられた労働者階級」が生れ、それが「革命」の必然性と述べている部分は、現代社会に引き付けて発展させることが必要だと思う。

 エンゲルスが「イギリスにおける労働者階級の状態」を書いた当時は、「理性の王国」をつくるとしてフランス革命が、結局は資本主義にそくした社会をつくるものであり、労働者の惨めな生活を拡散したことへの告発であり、生命力を発揮した。

 が、10年ごとの恐慌を通じ、一時は疲弊・混乱しても、資本主義は新たな活力、より高い生産性を獲得し復活。それに応じて、労働者階級の中に、「より豊かな生活」を実感できる層がうまれた。

 マルクスもエンゲルスも、50年半ばから、イギリスの労働者階級が下火になっていることを「なげいている」。
「イギリスにおける労働者階級の状態」の「今日版」を書いては、という要請にも、「その時期できはない」と拒否している。

 矛盾は明確だが、それを変革する主体をどう形成するか、というのは科学的社会主義の分野において、真剣に探究されてきただろうか、という疑問がある。

 資本論、とくに第一部は、生産現場なおける資本と労働者の対決を主軸に論を展開し、そして最後の「収奪者の収奪」に整理されている。以前から、なにか「飛躍」というか、段階を省略している。という感をずっと持ち続けてきた。

  資本論が書かれた当時には、社会保障の制度もなく、生産と環境との矛盾も地球的規模では問題になってなかった。それを踏まえると・・・ 現代では、総資本の行動と、労働者階級の矛盾は、生産現場での労働条件をめぐる闘争のわくを超えて、人類の生存にかかわる環境問題、乱開発や子どもの貧困も児童労働の深いかかわりがあるなど、資本の矛盾は、様々な形で噴出し、それに対抗する多様な市民運動(その多くは労働者階級)が展開されている。

 総資本の「利潤第一主義」が生み出す矛盾に、総労働側の反撃=市民社会の多様な活動の活発化、という構図が生まれている。ととらえている。

 各種のテーマを掲げての市民運動との連携、リスペクトし共同し、合意の内容を豊かにする取り組み、というのは、「収奪者を収奪する」という結論を、実際に実現していく努力方向ではないかと考えている。 

 支配層のイデオロギーも=自己責任論がまん延し、その文化の中で育ってきた人たちが、「変革主体」=「主権者」として自らを捉えなおす場を、どう提供できるか・・・・ 

「変革主体」は、どうしたら形成できるのか・・・理論面とともに、活動、組織運営の在り方も含め、「奴隷制の枷」を削ぎ取った新たな文化をどう身に着けるか、真剣な探求が求められている、と考えている。

 

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