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こんなにひどい国民監視・弾圧法案   「重要土地調査法案」は廃止しかない!

 立法事実がないうえ、なにが重要施設に該当するかわからない。誰について何を調べるのか、どんな行為が対象なのかも政令と総理大臣に白紙委任。罰則つきで、「関係者」に密告を義務付ける。事実上の土地の強制収容可能。不服申し立ての制度がない。かつての内閣法制局ならとてもOKが出ない酷い法案・ ・・ 憲法違反のオンパレード。まさに中国化、北朝鮮化する自公政治。

 米軍基地の監視、辺野古新基地反対、原発反対運動、環境保護の運動なども、その気になれば対象がどこまでも広がる。  海渡 雄一弁護士のFBの説明がきわめてよくわかる。

 自由法曹団の声明とともに・・・・。

こんなひどい人権侵害法案が、なぜ内閣提出法案として提案が許されたのか

憲法と国際人権規約に反する「重要土地調査規制法案」の撤回を求める 海渡 雄一】

【「土地規制法案」に反対し、廃案を求める声明  自由法曹団4/20

こんなひどい人権侵害法案が、なぜ内閣提出法案として提案が許されたのか

憲法と国際人権規約に反する「重要土地調査規制法案」の撤回を求める 海渡 雄一】

 

第1 あまりに雑な法案

 本年326日、日本政府は「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関す

る法律案」を閣議決定し、国会に提出しました。

 この法案は、昨年1210日に自民党政務調査会がまとめた「安全保障と土地法制に関する特命員会」の提言をもとに、閣法として提出されたものです。

法案提出にあたって、当初は連立与党の公明党は「まるで戦時下を思わせる民有地の規制」だ(漆原良夫公明党前議員の「うるさん奮闘記」より)などとして強い難色を示していましたが、法案の微修正によって個人情報への配慮条項を付加すること、指定については、「経済的社会的観点」から留意することを法文上に盛り込む方向などが確認されたために法提案に応じた経緯がありました。

 うるさん奮闘記 (urusan.net)

私は、今国会ではデジタル監視法案に対応の集中していたため、この「重要土地調査規制法案」は読んでいませんでした。今回、あらためて読んでみました。法案はとても短いものです。デジタル関連法案の100分の1くらいのボリュームです。

  • 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案 (shugiin.go.jp)

 

結論的に言って、戦争法の提案前のまともな内閣法制局では絶対に通らなかったであろう、あまりにも雑で、刑罰権の発動につながる政府の活動の法的な要件がきちんと限定されていない法案内容に唖然としました。

こんなにもひどい法案がきちんとしたチェックもなしに閣議決定され、国会に提出されたこと自体が、日本の民主政治の危機だと思います。これまでのきちんと機能していた政府のもとでは、閣議決定に至る過程で、内閣法制局や法務省、国土交通省、さらには連立与党である公明党などから疑問が提起され、もう少しまともな形で提案されたはずです。

衆院の内閣委員会で、維新の所属議員が、この法案に同意しない公明党の態度をなじっていた場面をデジタル監視法案の国会中継の中で見ました。国会の劣化をまざまざとみせつける場面だったと思います。

 

2 法案の概要

 法案では、基地など安全保障上の「重要施設」周辺概ね千メートルの区域や「国境離島等」を「注視区域」または「特別注視区域」に指定して土地・建物の利用状況を調査し、重要施設や国境離島等の「機能を阻害する行為」に対し行為の中止または「その他必要な措置」を勧告・命令することを定めたものです。命令に従わない場合は懲役刑や罰金刑を課することができます。「特別注視区域」に指定されると、土地売買等の取引の際は事前に取引の目的等の報告が求められ、虚偽の報告をしたり、報告を怠った者は同じく処罰されます。

 法案が提出に至ったきっかけは、外国の基地周辺や国境離島での土地取得に規制を求める自治体議員や自民党議員の要望でした。しかし実際には外国人の土地取得によって基地機能が阻害される事実(立法事実)が存在しないことが明らかになっています(2020225日衆院予算委員会第8分科会)。 つまり、この法案は自民党議員たちの妄想が生み出したものと言えます。

 にもかかわらず、法案は広く国が定める「重要施設」周辺の土地・建物の所有者や利用者を監視し、土地・建物の取引や利用を規制するものになりました。

 

3 法案の核となる概念や定義がいずれも極めてあいまいである

 1 なんでも該当する重要施設

  この法案は、法案中の概念や定義が曖昧で政府の裁量でどのようにも解釈できるものになっています。まず、注視区域指定の要件である「重要施設」のうちの「生活関連施設」とは何をさすのかは政令で定め、「重要施設」の「機能を阻害する行為」とはどのような行為なのかも政府が定める基本方針に委ねています。

 重要施設には自衛隊と米軍、海上保安庁の施設だけでなく、「その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずる恐れのあるもので、政令で指定するもの」を含むとされており、原発などの発電所、情報通信施設、金融、航空、鉄道、ガス、医療、水道など、主要な重要インフラは何でも入りうる建付けの法案となっています。

 

2 誰について何を調べるのかも政令と総理大臣に白紙委任

 調査の対象者のどのような情報を調べるのかについても政令に委任されています。さらに調査において情報提供を求める対象者としての「その他関係者」とは誰か、勧告・命令の内容である「その他必要な措置をとるべき旨」とはどのような行為を指すのかについては、政令で定めるという規定すらなく総理大臣の判断に委ねられています。市民の自由と基本的人権を阻害する可能性のある、市民に知られては都合の悪い規定は、法文中ではなく政府がつくる基本方針や政令、総理大臣の権限で決められるようにしているのです。

このように刑罰を構成する要件規定が法律に明示されないということは、刑事法の基本原則すら満していないものであり、刑罰の構成要件の明確性を求めている憲法31条、自由権規約9条にも違反するものであるといわなければなりません。

 

4 法案の具体的な内容と危惧される点

  この法案が成立するとどのようなことが起こりうるか、問題点を以下にあげます。

 1.法案7条は、重要施設周辺の土地・建物利用者の個人情報はことごとく収集され監視されることを定めている

  「施設機能」を阻害する行為やそれをするおそれがあるかどうかを判断するためには、その者の住所氏名などだけでなく、職業や日頃の活動、職歴や活動歴、あるいは検挙歴や犯罪歴、交友関係、さらに思想・信条などの情報が必要となります。すなわち、重要施設の周辺にいる者はことごとくこれらの個人情報を内閣総理大臣に収集され、監視されることになるのです。

法案3条は、「個人情報の保護への十分な配慮」「必要最小限度」などと規定していますが、これらの気休めともいえる規定が実効性のある歯止めとなる保証はどこにもありません。このような法案は思想良心の自由を保障した憲法19条、自由権規約18条、プライバシーの権利を保障した憲法13条、自由権規約17条に反すると言えます。

2.具体的な違法行為がなくても特定の行為を規制できる

 7条による調査の対象には、土地の所有者だけでなく「関係者」も含まれます。

「重要施設」の周囲や国境離島に住んでいるか仕事や活動で往来している者に対して、政府の意向で調査することができ、「機能を阻害する恐れ」があるとの理由で行動を規制できるようになります。

しかもその規制は命令に従わなければ懲役刑を含む罰則も含むという苛烈なものです。このような法案は、法制定の目的と手段の間の均衡がとれておらず、居住・移転の自由を定めた憲法22条、表現の自由を保障した憲法21条、自由権規約19条に反するものと言えます。

 3.「関係者」に密告を義務付け、地域や活動の分断をもたらす

 法案8条は「重要施設」周辺や国境離島の土地・建物の所有者や利用者の利用状況を調査するために、「利用者その他の関係者」に情報提供を義務付けています。「関係者」は従わなければ処罰されますので、自らに関する情報を無理やり提供させられる基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個人情報を提供せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、市民活動の著しい萎縮に繋がります。このような法案は、憲法19条と自由権規約18条が絶対的なものとして保障している思想・良心の自由を侵害するものです。

 4.軍事的理由による土地収用は禁じられてきたにもかかわらず、法案によって事実上の強制的な土地収用ができるようになる

 法案11条によれば、勧告や命令に従うとその土地の利用に著しい支障が生じる場合、総理大臣が買取りを求めることができます。命令に従わなければ処罰されるとなれば、やむなく買取りに従わざるを得ないのであれば、これは重要施設周辺の土地の事実上の強制収用であると言えます。土地収用法は戦前の軍事体制の反省に立ち、平和主義の見地から、土地収用事業の対象に軍事目的を含めていませんでした。軍事的な必要性から私権を制限する法案は憲法前文と9条によって保障された平和主義に反し、さらには憲法29条によって保障された財産権をも侵害するものです。

 5.不服申立ての手段がない

 権利制限を受ける市民は、本来それらの指定や勧告・命令に対して不服申立てができるようにすべきですが、法案にはそのような不服申し立て手段は定められておらず、憲法31条に定められた適正手続きの保障すら著しく侵害するものです。

 わずかに損失補償を支払うという規定が10条にありますが、国のとる手段に対して市民の異議の申し立ての回路が明らかにされていません。

 5 この法案の撤回と廃案を求めます

 1.基地や原発の監視行動も規制の対象とされる。

 この法案が成立した場合には、米軍機による騒音や超低空飛行、米兵による犯罪に日常的に苦しめられている沖縄や神奈川などの基地集中地域では、市民が自分たちの命と生活を守るために基地の監視活動や抗議活動に長年取り組んできました。自衛隊のミサイル基地や米軍の訓練場が新たに作られたり、作られようとしている先島諸島や奄美、種子島でも同じ状況に置かれています。このような、自分たちの命と生活を守る当たり前の基地監視行動ですらこの法案は規制の対象にしているといえます。

また、その規制は南西諸島や基地周辺に限られないことは前述したとおりです。重要施設は原発をはじめ放送局、金融機関、鉄道、官公庁、総合病院などの重要インフラの周辺にまで拡大適用される可能性があります。大都市圏に住むほぼすべての人が監視と規制の対象となる可能性を含んでいるのです。このような法案は、市民の多様な表現の自由を保障した憲法21条、自由権規約19条に反するものと言えます。

 法案は戦前の要塞地帯法の拡大版の再来であり、憲法と国際人権法を著しく侵害するものであり、廃案・撤回するしかない

  この法律は、戦前の社会を物言えない社会に変えた軍機保護法、国防保安法とセットで基地周辺における写真撮影や写生まで、厳罰の対象とした要塞地帯法(明治32715日法律第105)を、さらに適用範囲を重要インフラ設備にまで拡大して再来させたものだといえます。

 私は、日本国憲法と国際人権自由権規約に真っ向から反する、この人権侵害法案を撤回するよう求めます。

 

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 【「土地規制法案」に反対し、廃案を求める声明  自由法曹団4/20

2021年4月20日

自  由  法  曹  団

団長 吉  田  健  一

 

1 政府は、本年326日、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用等の規制等に関する法律案」(以下「土地規制法案」という。)を閣議決定し、国会へ提出した。

  この土地規制法案は、内閣総理大臣が、自衛隊や米軍の基地などの「重要施設」の敷地周囲おおむね1km内や国境離島等内にある区域を「注視区域」に指定し、区域内にある土地及び建物(以下「土地等」)の利用状況を調査する、「施設機能」や「離島機能」を阻害する行為の用に供したり、供する明らかなおそれがあると認められるときは、利用中止などの勧告を行ったり、罰則付きの命令(2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金)を発することをできるようにする、「注視区域」のうち「特別注視区域」とされた区域においては、土地等の売買などについて、当事者に事前の届け出を罰則付き(6月以下の懲役又は100万円以下の罰金)で義務付けること等が柱となっている。

  政府は、今国会での成立を目指しているが、土地規制法案は日本国憲法の平和主義に反するほか、多くの問題点を有しており、直ちに廃案にすべきものである。

 

 2 日本国憲法は、侵略戦争に対する痛烈な反省もふまえ、前文や9条に具体化された平和主義を掲げ、軍事に関するものに公共性を認めていない。戦前は、国防を理由に、要塞地帯法によって「要塞地帯」と指定された区域への立入り、撮影、模写などが禁止、処罰され、これが国民監視や統制に用いられた。この要塞地帯法は日本国憲法の下では当然に廃止され、軍事・国防のための土地の収用を認めていた戦前の旧土地収用法に対し、戦後、新たに制定された土地収用法は、軍事・国防のための土地収用を削除し、「土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業」(第3条)に防衛にかかわるものを含めていない。

  しかし、今回の土地規制法案は、その目的に「安全保障に寄与すること」を掲げ、基地の周辺区域や国境離島等を対象としていることに示されているように、軍事的安全保障の観点から再び国民の私権を制限しようとするものである。

  これは、憲法の平和主義に明確に反するものであって、断じて容認できない。

 

 3 加えて,今回の土地規制法案は、内容それ自体にも数々の問題点や欠陥がある。

  (1) まず、内閣総理大臣は、調査のために必要がある場合、関係行政機関の長等に対し、「注視区域」とされた土地等の利用者らの氏名や住所などの情報提供を求めることができるとされているが、提供の対象となる情報は政令で追加でき、調査項目が歯止めなく拡大する懸念がある。調査が思想・信条に立ち入る恐れもある。しかも、調査のためなお必要があると認めるときは、土地等の利用者その他関係者に対し、報告や資料の提出を求めることができ、提出をしなかったり、虚偽の報告をしたときは処罰するとしており,調査に服することを強制するものとなっている。

 個人の思想・信条が脅かされるおそれに対して、「個人情報の保護に十分配慮しつつ」、「必要な最小限度のものとなるようにしなければならない」(第3条)と規定してはいるが、歯止めとなる担保は何もない。むしろ、自衛隊の情報保全隊が、自衛隊のイラク派兵に反対する市民活動を監視し、個人の氏名や職業、支持政党まで情報を収集・保有していたことについて、裁判所から違法だと断罪され、賠償を命じられたことは記憶に新しいが、今回の土地規制法案は、こうした国家権力による違法な情報収集にお墨付きを与えることにもなりかねない。

  (2) また、土地規制法案では、「施設機能」や「離島機能」を「阻害する行為」を規制対象とし、中止等の命令違反につき懲役もしくは罰金刑の対象としているが、「防衛関係施設の我が国を防衛するための基盤としての機能」、「有人国境離島地域離島の領海等の保全に関する活動の拠点としての機能」など、「機能」の内容は曖昧であり、抽象的にすぎる。同様に、「阻害する行為」という文言も広範にすぎ、定義の体をなしていない。そのため、時の権力による解釈次第で、自衛隊基地の建設に反対する市民運動や基地監視活動などの市民運動が含まれる危険が存し、こうした運動の萎縮や弾圧に利用されるおそれがある。

   (3) さらに、土地規制法案は、自衛隊や米軍の基地であれば一律に「重要施設」としているが、これらの施設も多種多様である。しかも、その敷地周囲おおむね1kmが「注視区域」の対象となりうるのであり、きわめて広範な私権制限をもたらす危険がある。たとえば、沖縄県や神奈川県では米軍基地の多くは市街地にあり、多くの民有地が制限を受けることになりかねず、軍事目的のための権利制限の強化を生むものである。そもそも自衛隊や米軍の施設を一様に「重要」とする発想そのものに、軍事的な必要性が一般国民の権利に優位するという価値観が表れている

 (4) 加えて、そもそも今回の土地規制法案には立法事実もない。政府は北海道苫小牧市や長崎県対馬市の自衛隊基地周辺の土地を外国資本が買収したことを問題視しているが、防衛省は全国約650の「防衛施設」に隣接する土地を調査した結果、「現時点で、防衛施設周辺の土地の所有によって自衛隊の運用等に支障が起きているということは確認をされていない」(2020225日、衆院予算委員会第8分科会)としており、立法の必要性を裏づける根拠すらない。

 そうであるにもかかわらず、土地規制法案の成立を急ぐのは、まさに戦争準備目的というべきもので、有事法制の一環に位置づけられるものである。しかも、それは、いわば「平時」であっても、軍事を優先させて人権制限を容認するものである。そのこと自体が憲法の平和主義に反するものであると共に、現実問題としても外国資本による土地の購入を直ちに安全保障上のリスクとする発想は、属性に着目するものであり、かえって近隣諸国との間で対立を煽ることになりかねず、平和の維持に逆行するものである。

  4 以上のように、今回の土地規制法案は、日本国憲法の平和主義に反するものであり、法案の内容としても根本的な問題を抱えている。

  自由法曹団は、この土地規制法案に断固反対し、廃案を求めると同時に、日本国憲法の平和主義に基づく外交を追求し、近隣諸国との関係改善を図ることを強く求める。

 

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