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コロナ対策 全豪オープンから見た「東京五輪」の非現実性

 大坂なおみ選手の優勝などで21日に幕を閉じたテニスの全豪オープン。コロナ禍での開催に「東京五輪の参考になる」という声もあるが、実態をみると、非現実性が見えてくる

 「赤旗」の特集記事 = 全豪オープンの主催者のテニス・オーストラリアのクレイグ・ティリー最高経営責任者(CEO)、公衆衛生学の専門家、英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授の話から

――‐ 東京五輪、日本の対策のお粗末さは目に余る。しかも、無観客でも10万人もの関係者が入国してくる。国内のチケット販売360万枚超。/何よりの違い、豪州は感染を抑え込んでいるもとでの開催

 それに、大変なことが、世界でおこっている。

【科学者たちは、ブラジルのパンク危機は全世界への警告であると述べています3/3】 

https://www.nytimes.com/2021/03/03/world/americas/brazil-covid-variant.html?smid=tw-share

【東京五輪の対策の甘さと新たなジレンマ】

 

■全豪オープンでとられた対策

①会場でとられた対策

・ 会場内はマスクが義務付

・客席やトイレに消毒する係員が常駐。観客がドアノブや手すりを触るとすぐに消毒する徹底さ。

・ いくつものコートがある会場は3つのスペースに分、スペース間の移動は禁止

・スマホ等にアプリを入れ、感染が発生した際の接触者の後追いも可能

 

 ②感染者発生で、5日間ロックダウン、会場は、無観客

大会中、メルボルン市内でコロナ感染者13人確認。同市があるビクトリア州は5日間のロックダウン(都市封鎖)を宣言。市内にある会場は無観客とし、解除後も定員を50%に制限

 

③選手の厳格管理

・大会3週間前の1月中旬、チャーター機17便で選手、関係者1200人が豪州入り/

搭乗には陰性証明が必要で、搭乗できない選手もいた

入国後、2週間の隔離を実施 / コート練習も含む1日5時間の制限付きの外出が認められたものの、陽性者が出た3機に同乗していた72選手は、部屋から出られない完全隔離

・毎日、PCR検査を実施(陽性者は合計10人)。 検査数は大会中も含め計3万回

  

■東京五輪の対策

大会の感染防止対策をまとめたプレーブック(規則集)の初版 2月3日発表

 ★海外客・・約100万人分のチケットが販売。通常入国の際に課される14日間の隔離措置が免除。さらに公共交通機関の利用も移動の自由もOKという信じられない対応

~選手の隔離措置はなく(接触アプリで管理)、 検査も4日に1度(基本は選手村で実施)

出発14日前からの健康観察や出発前や到着後の検査を義務づけ

入獄後は、許可がないかぎり公共交通機関の使用禁止/最初の14日間、競技会場など決められた場所以外の外出禁止

 ★無観客でも・・・東京五輪は選手とその関係者だけでも全豪テニスの約15倍以上(1.8万人/関係者全体では10万人規模)。/しかも選手同士の接触が不可避な競技もある

 

*東京五輪 関係者だけで10万人

・選手・チーム役員等  18000人

・国際競技連盟役員等  2900人

・メディア          2500人

・IOC、NOC関係者   調整中

・スポンサー関係    17000人(国内含む)

・ボランティア       30000人

・スタッフ、委託業者    不明

 → 競技関係者以外の8万人の検査は、隔離は?

 

★国内観客  五輪だけで360万枚超のチケットが販売。首都圏への大規模移動  「Go To 五輪」

 ■ジレンマ   厳格な隔離期間の実施~選手のけがにつながりかねないという問題

全豪  隔離中、練習ができた男子シングルスのノバク・ジョコビッチ選手は優勝したものの、3回戦で脇腹を負傷 「隔離された直後に前哨戦と全豪に出場し、体の負担への影響があった」と不満を述べ 「多くの選手と話したが、ほとんどの大会で隔離が必要になるのであればシーズンを続けたくないと思っている」とツアー統括団体と協議していることを明かした。

 ・安全な大会のためには隔離措置が必要 ⇔ 選手の調整不足など問題が生じ、けがの可能性~ この解決も容易ではない。

 

 ■ 決定的なのは豪州と日本の感染状況の差 (2/23時点)

・豪州  感染者数は40人、新規感染者 ゼロ

・日本     約1万6千人、   〃    日に約1千人/下げ止まり 

  

★談話

*全豪の主催者のテニス・オーストラリアのクレイグ・ティリー最高経営責任者(CEO)

 対策について 「大会の緊急時対応の一つ。最優先事項は世界から来たすべての関係者の安全と健康を守ることだ」

「(東京五輪のプレーブックを)注意深くみたが、とても機能するとは思えない」。とくに五輪で隔離期間がないことを問題視。

 

*公衆衛生学の専門家、英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授

「コロナを抑え込んできた豪州でさえ、単一種目で千人余りの人が入るだけでさまざまな問題が発生する。五輪では多くの競技ではるかに多い選手、関係者が世界から集まるのですから。」

「「全豪テニスをみて思うのは、五輪を日本でやるのは至難の業だということ。第3波の対応で手いっぱいの日本は五輪開催の土台がありません。いまは国民の命や医療を守り、コロナの封じ込めに全力をあげるべきときだと思います」

 

3/2 日米欧6カ国の国際世論調査(ケクストCNC)の発表

・日本 反対56%、賛成16%のみ。米国だけが賛否同数、英国、ドイツ、フランスなどは反対が賛成の1・5倍から3倍

・いま感染力が高い変異株の広がりが懸念され、世界でも数カ月先のことも見通せない状況

→これだけ強い反対の世論のもと、五輪強行は何をもたらすか/世界の人々から支持されず、歓迎されない五輪に

→ それは選手にとって不幸な事態、五輪自体にも大きな傷や禍根を残すことに。

 ・組織委員会、国際オリンピック委員会は、命、健康を第一に据えた賢明な選択が求められている。

 

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