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「ほっとまんぶく」とエンパワーメント

・コロナ危機は、アルバイトに依存しなければならない、日本の高等教育の貧困を炙り出した。

それを可視化したのが食糧支援である。

⇔ 食糧支援に参加した大人が驚いていた・・・一見、「貧困」と無縁と見える学生が、実は、食べるものも満足に食べない現実に。

それとともに、「声をあげていいんだ」という、自己責任論を乗り越える学び・・・大切の場、への私のメモ

・「自己責任」論を克服する契機 

 「自己責任」論のもとで育ってきた学生が、食糧支援の場に来るのは、「負け組」を自らに刻む行動であり、同時に、それ切実さを示している。

同世代のスタッフが「食糧支援の場に来てくれたこと自体がすごい」と語った。

 

それだけに、「支援する人」「支援される人」という関係にならないことをプロジェクトのメンバーは徹底してこころがけた。「これは政治の貧困がつくりだしたこと」「あなたには権利がある」とのメッセージを出しつづけた。

⇔ そのための名前を覚える努力。個人の尊厳を大切にするアプローチ。また、同じ学部の人を引き合わせたり、仲間づくりの場とする努力もした。

 

・社会的連帯の姿を示す

プロジェクトは、「見ず知らずの人にこんなに優しくしてもらった感動」とか、メッセージをいただいた。

「自己責任」論にさらつれてきた学生に、社会はすてたものではない、というメッセージを届け、その経験が、学生さんの今後の生き方に、なんらかの紡ぐものがあればと思う。

 

協力支援する側の大人にプロジェクトの意味を伝え、継続して、そして我が事として取り組んでもらえるメッセージにも力をいれている。「そこに居て、大丈夫と声をかけるだけで意味がある」と・・

でも、「学生さんとは話す自信がない」「あの人のように制度の相談にはのれない」とか、戸惑いがあるのも事実・・そこは、大人もエンパワーメントにつながる取り組みである。

 

・ボランティアとして社会的連帯の当事者に

食糧支援は、人と結びつき、ホッとする居場所として機能した。だからボランティアも続々と増えてきた。

  ボランティアには「この場所が命」と思うような思い入れの人も、もっと気軽な人もいる---その「熱」の違いからくる「対立」の解消にも、努力してきた。・・・ 様々な人が、様々な形の支援でなりたっているプロジェクトの意味を伝えながら・・・

 

 クリスマス、節分、卒業・・などにあわせ、ボランティアさんの意見で様々な取り組みも実施。「自分が意見を言っていい」そして「それが実現する」という実体験を大事にしたスタッフの努力がある。

 

 だから、「この場が続いてほしい」と感染対策でも真剣な努力と提案・行動がなされている。

 

・制度の活用の支援

 学生への支援金はもちろん、住宅確保支援金、休業支援金の活用などにも手を取りあって挑戦した。学生への支援金では「私より大変な人がいると申請しなかった学生も少なくない。それを励ましながらの取り組みである。

休業支援金の申請に取り組んだ学生- 店が労災保険に入ってないので使えなかったが、店主は「ここらへんの業者はみな入ってない」と言われたのだが・・・「業者がおかれた実態、制度があっても実際につかえない現状を知れた」と評価してくれた。

その中で、「世界では・・・」と説明する中で、北欧とかの制度を知ったりし・・・「これが当たり前ではない」と感じる化学反応があちこちで起こっている、と感じている。

 「大学に文句言うのは・・・」と言ってた学生が、学びエンパワーメントしている。

・集めた声を力に

「まんぷく」の現場では、生活実態などのアンケートも継続して取っている。その声を、記者会見で発表したり、また県議団などが議会で取り上げたりして可視化。

その中で、県立大学の学費減免予算が大きく増加した。学生への支援金の実現・・・そうしたことも伝え、「声をあげれば変わる」ことも伝えてきた。

先日の副知事への要望で、共助だのみでなく公助を、と地元産品をつかった学生支援について提案。副知事は「内部で提案してみる」との趣旨をのべた。

こうしたことも伝え、「主権者として声をあげるのは権利」との意識を広げていきたい。そして、少しずつだけと広がってもいる。

 

★「ほっとまんぶく」は、食糧支援と同時に、それを通じた主権者としてエンパワーメントするとりくみ、それが学生に信頼と共感を育てていると強く確信する。 単なる食料配布(施し)ではない! 根源的な意味がある。

 

 この取り組に努力する若手スタッフへの敬意をこめ・・・ 「その意義を言語化しないとな」との思いの第一弾

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