21年度予算案 コロナに無策・くらしに冷酷/デジタル化など新自由主義強化、軍事費突出
・国の在り方として「自助」を掲げ、コロナで炙り出された「新住主義」のゆがみ=一部の者の目先の利益の絶対化を「惨事便乗型」で、さらに進めようとする予算案といえる。
・第3次補正予算案と21年度予算案による「15か月予算」(「追加経済対策」) /歳出規模は一般会計で120兆円
★スケッチ的な姿・・・・国民の悲鳴に背を向けた中身・
・「ポストコロナ」に向けた「デジタル化」の推進や「国際競争力強化」の名による公共事業などが際立ち/肝心の検査強化は不十分で、医療機関への減収補てんはなし。暮らし・営業支援はわずか。
~ まともなコロナ対策をせず(2次補正予備費7兆円を活用せず)、「ポストコロナ」を語るのは本末転倒した「砂上の楼閣」
/しかも、コロナ対策は、年明けの通常国会で審議 /第3次補正予算案が成立しても実際に現場に届くのは3月以降
・中小企業に業態転換や事業の再編成を迫り、マイナンバーカードの促進を図るなど、“惨事便乗”型
・脱炭素は掛け声。再エネ推進には背。原発・石炭火力に固執、大型洋上風力もゼネコン支援
・小学校の学級標準を35人に。が、新年度は教員定数476人減。AI・デジタル技術開発で大企業支援
・軍事費に過去最大の5兆3422億円(+補正3867億円)、/社会保障費の自然増 1300億円も削減、負担増相次ぐ
・官民の「デジタル化」や「脱炭素社会」の実現を口実に、税制と財政の両面で企業への支援策を拡充
・政府の独断で使える予備費に5兆円も盛り込んだことは、財政民主主義のあり方から逸脱
⇔ 国民の血税を使う財政 ⇔ 景気の調整や所得の再分配が本来の機能/ あるべき姿からかけ離れた予算。
以下、分野別の特徴
≪2021年度政府予算案の特徴≫
一般会計総額106兆6097億円 補正とあわせ120兆円
行政のデジタル化 マイナカード推進
「新型コロナウイルス危機によって行政サービスのデジタル化の遅れが露呈した」と主張。「改革を強力に進める司令塔」としてデジタル庁を位置づけ。
・デジタル庁 創設81億円/37億円が運営、44億円が政策実施分/「官民の高度専門人材」500人規模の体制とする計画。民間企業の社員が政府の政策策定や予算配分に関与する、官民癒着の体制
・情報システム関係予算 2986億円/各省庁が利用する電子システムの統一で「効果的かつ効率的な整備・運用を実現する」と説明。9月発足予定のデジタル庁への計上287億、残り2699億円は内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室への計上
→政府共通の情報システムの運用は米巨大企業アマゾンの関連会社が担当/ 国民情報の差出、利益独占に
・マイナンバーカードの取得促進経費(補正分含む) 約1904億円となり、20年度比で約424億円増
→ 交付は約3002万枚(人口の23・6%/12.14時点)ドを、22年度末までにほぼ全国民普及を狙う(健康保険証と一体化)
★医療、教育、各種免許など、行政が持つあらゆる個人情報をマイナンバーとひも付けを狙う。経団連はこれらの情報を行政と民間企業が活用することを主張。一例として、生涯にわたる個人の学習履歴を企業の「採用、処遇、評価」に活用することや、医療・健康情報を、個人の保険料などに反映させる考えを示している。
国民の機微な個人情報を行政と大企業が丸ごと活用できるようにするデジタル化は、深刻な人権侵害を招きかねない
・マイナンバーと健康保険証の一体化で導入される顔認証システムは、他の情報と紐づけされれば、深刻な国民監視社会を生む危険性をもつ /日本の個人情報保護制度 ナチスドイツの教訓・反省をもとにしたEUの精度とは雲泥の差
・デジタル化に伴う行政サービスのシステム統一は地方自治体の自立性を失わせ(国の単なる窓口、憲法8章地方自治の否定)、サービス抑制をねらっている。
地方財政 デジタル化の推進で増額
・自治体が自主的判断で使える一般財源総額62兆円(交付税交付団体ベース)で、20年度比で0・2兆円(0・4%)増
→「まち・ひと・しごと創生事業費」の1兆円継続/社会保障費の自然増や、自治体が2年間で集中的にデジタル化を進める「地域デジタル社会推進費(仮称)」が主な要因/地方税収入39・9兆円見込み、地方交付税 0・9兆円増の17・4兆円。
・災害の発生予防・拡大防止のための「緊急自然災害防止対策事業費」を5年間延長・拡充。流域治水の推進や、集中豪雨による内水氾濫の軽減にむけた雨水貯留施設整備などの市街地浸水対策の強化のほか、津波対策緊急事業を創設
★一般財源は「総額確保」で減らされていないが、社会保障分野の伸びは、--公費負担の半分が地方負担として交付税算定されているが、「総額はかわらず」では厳しくなるだけ。しかも、生活困窮支援、自殺防止、虐待・いじめ対策、消費者行政など、さらには異常気象に伴う防災・災害対策と行政需要は大きく拡大しているのに「総額はかわらず」。これが職員の多忙化、非正規の拡大、企業への委託増加(自治体の専門性・経験蓄積の損失、官製ワーキングプアの増大)の圧力として、地方自治体の力を奪っている
感染症・社会保障 自然増分1300億円削減 国民生活に追い打ち
・20年度比1500億円増の35兆8400億円/3次補正案での病床確保支援などと合わせ、小児科の外来診療支援や介護施設の個室化・陰圧化の支援を計上。コロナ禍による収入減少を補填(ほてん)する直接支援策は拒み続けたまま。
◆PCR検査の費用半分が自治体持ち
・削減し続けてきた保健所の「体制強化」は、保健師の仕事に就いていない有資格者の「人材バンク」整備のみ。自治体が行政検査として行うPCR検査の費用の半分が自治体持ちという根本的問題も解決なし
・不十分すぎるコロナ対策のうえ、「歳出改革の継続」を宣言/13~20年度、「自然増」分を計1兆8300億円も削減した路線を継承。21年度の自然増は4800億円から3500億円へと1300億円も圧縮
・削減された1300億円の内訳 ⇔ ▽段階実施してきた、75歳以上の低所得者向けの医療保険料「軽減特例」の縮小、保険料の伸びの大幅アップ ▽医療体制の拡充に充てるルールを破っての「薬価」(公定価格)の引き下げ ▽低所得の介護施設入所者の食費・居住費を補助する「補足給付」の改悪。21年8月からの利用者負担増 ▽介護利用料の負担上限額(高額介護サービス費)の21年8月から引き上げ / コロナ禍で苦しむ国民生活に追い打ちをかけるもの
◆「地域医療構想」 病床削減にも固執。 介護・保育、年金でも冷淡なまま
①財政支援で統廃合や病床削減へ誘導する政策を継続、「縮小支援」の名称のみ「病床機能再編支援制度」と改変。
②「介護報酬」の改定年 「報酬アップは国民の負担増になる」と難癖をつけ、わずか0・7%(国費196億円)増のみ
③公的年金額(来年1月に正式発表) 「据え置き」としているが、マクロ経済スライドで、低すぎる基礎年金を約30年間かけて3割削減する方針は維持
④保育所の「待機児童ゼロ」 20年度末達成を断念、24年度末に先送り。待機児童数は今年4月1万2439人(厚労省調査)受け皿づくりは、企業型保育。保育士の処遇改善なし
*2022年度より 国保 未就学児の均等割を5割軽減 約70万人が対象
現在、低所得世帯に均等割など「応益」部分には、7割・5割・2割軽減する措置があり、そうした世帯では、未就学児の均等割は、8・5割軽減、7・5割軽減、6割軽減に拡充される。
文教 小学校の編成標準改善も、教職員定数は474人減少
・文教・科学関係予算案は5兆2980億円 /うち文教関係費は4兆216億円 ともに87億円減
①現在40人(小1のみ35人)の小学校の学級編成標準を法改正。21年度から1学年ずつ35人に引き下げ/初年度の小学2年は法改正ではなく加配ですでに35人以下のため、21年度の教職員定数の改善は全体で1141人どまり
・少子化・学校統廃合による教職員定数の「自然」減1615人、差引きで474人減/ 逆行
②国立大学の運営費交付金 1兆790億円(20年度比16億円減)/ うち、各大学の“実績”を評価して交付金を傾斜配分する「評価対象経費」 1千億円(同150億円増)。傾斜配分分の各大学の収入の変動幅も増減とも5%拡大し80~120%に。
・ 学部の再編・統合など各大学の“機能強化”の達成度合いに応じて交付金を再配分する「重点支援評価」に200億円
公共事業 不要不急事業に固執
6兆695億円計上。防災・減災、国土強じん化「5カ年加速化対策」の初年度は第3次補正計上/下記の金額は補正含む
①防災等 流域治水」による水害対策の推進 8794億円(20年度比94%増) /集中豪雨や火山噴火などの土砂災害対策 1443億円(同47%増) /南海トラフ巨大地震、首都直下地震対策など3148億円(同115%増) /インフラ老朽化対策8356億円(同20%増)
② 不要不急な大型公共事業の推進 三大都市圏環状道路や高速道路の整備などを含む「効率的な物流ネットワークの強化」に4442億円(同15%増) / 「航空ネットワークの充実」 125億円。羽田空港に新規に乗り入れるJR線の整備を推進。/建設事業費が4860億円に決まった整備新幹線の推進には804億円
雇用 長時間労働への布石
雇用関係予算 ~ 雇用維持策を縮小。「柔軟な働き方」の促進にを集中配分
・「雇用調整助成金」の特例措置 6240億円 来年2月で打ち切り、その後は状況に応じて段階的に縮小
・賃上げする中小・小規模事業者支援 12億円/感染症による離職者を一定期間試行雇用する事業主支援 新規30億円。
・コロナ収束後を見据え時間や空間に縛られない働き方の構築
①「産業雇用安定助成金」が創設 新規537億円(+補正46億円)
雇用関係を維持しつつ社員を他社へ出向させる「在籍型出向」を促進
→ 出向元と出向先の企業に対し、経費の一部を補助するもの。1日上限が1万2千円
*出向にはもともと雇用調整助成金を支給。新たに助成金を創設して促進 /出向は、期限と賃金などが明確にされ、労組との協定や本人同意などが求められる/就業規則などに包括的規定があれば、個別の本人同意は不要とされる判例も/大企業等では「片道切符」と呼ばれる「リストラ辞めさせ出向」の実態も少なくない
②「地方創生テレワーク推進事業」 1・2億円 新規、3次補正で約100億円~長時間労働を助長する恐れ
中小企業 再編と淘汰後押しに注力
中小企業対策費 1745億円(20年度比22億円増)
・「中小企業を取り巻く経営課題に対応していくために必要な予算を措置」と明記
→ 生産性の低い中小企業の再編・淘汰(とうた)を狙っおり、事業再編の後押しや「生産性向上」に傾注
・事業承継に関する総合的な支援を実施する「中小企業再生支援・事業承継総合支援事業」95億円(同19・9億円増)
~事業承継後の設備投資や販路開拓の費用を補助する「事業承継・世代交代集中支援事業」に新たに16・2億円
・一方、設備投資を支援する「ものづくり補助金」 10・4億円。わずか0・3億円増
農林水産 輸出とデジタル化が目玉
59億円減 2兆3050億円/ 公共事業費 6億円増の6995億円、非公共事業費 64億円減の1兆6055億円
・「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」(20年11月)⇔ 輸出額 25年までに2兆円、30年までに5兆円へ拡大する目標→ 輸出拡大の推進 4・8%増の99・1億円
・行政のデジタル化 = 農林水産省関係の手続きのオンライン化率を22年度までに100%、利用率を25年度までに60%にする目標・・・農水省共通申請サービスによDX推進 441・5%増の38・9億円計上
★気候危機、コロナ禍のもと、地域に根差した農業の育成が急務
食料自給率の低下、後継者不足、耕作放棄地の増加など、食料供給、地域の維持、環境・国土保全にとって深刻な事態に。
①輸入自由化、農家支援策のゆがみと貧困さの結果(鈴木宜弘東大教授の資料より)
・農家の時給(1時間当たり所得)は平均で961円に
・スイス、仏、英 農業所得の90~100%が政府からの直接支払い。ドイツ7割。日本30%、米国の35%より低い
・米国・カナダ・EUは最低価格を支えるために穀物や乳製品を政府が買い入れる仕組みを維持。支持価格による政府買い入れを廃止したのは日本だけ
② 食の安全保障
種の海外依存度を考慮すると、野菜の自給率は8%、2035年3%、飼料の海外依存度を考慮すると、牛肉の自給率11%、2035年2%。驚くべき低水準に陥る可能性もある( 〃 )
【参考/日本農業をめぐる疑問に答える簡潔Q&A 鈴木宣弘 JA新聞 20/12/10日】
原発・エネルギー 石炭火発支援を増額
・「非効率石炭火力フェードアウトの推進」 210億円。前年度比 16億円増 → 多くは、石炭火力発電の研究開発を支援する「カーボンリサイクル・次世代火力発電の技術開発事業」161・5億円。20年度から6・5億円増
高効率というが、温室効果ガス排出量減7%。新規建設を後押し、政府が脱炭素の目標とする50年以降も稼働/石炭火力発電所 全国150基~17基の新規建設、置き換えの計画(6月末時点)
・「安全最優先の再稼働と原子力イノベーションの推進」 15億円増の 1314億円
→ 政府・成長戦略会議「実行計画」・・・原発は「技術的に確立した脱炭素技術」。再稼働、原子炉開発を記述
→予算案・・・「社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業」 3億円増の12億円、「高速炉に係る共通基盤のための技術開発委託費」 3・5億円増の43・5億円
・脱炭素 /菅政権「2050年温暖化ガス排出実質ゼロ」を打ち出す・・・第3次補正 国家プロジェクトとしてEVの蓄電池などによる電化、水素社会、CO2回収などの技術開発基金に2兆円を計上
→CO2を最も排出するのは、発電などのエネルギー転換部門 。脱炭素化は、発電での炭素排出量削減がカギ
→CO2回収技術 REによる削減より高コスト。技術的にも未確立。有効性は不確
★脱炭素には、コストが急激に低下している再生可能エネルギーの大幅な拡充が不可欠
政府の成長戦略会議「実行計画」 洋上風力発電「2040年までに3000万キロワット、大型火力30基分という大きな建設関連需要の創出を目指す」と特筆。洋上風力の研究開発に20年度から6・3億円増額の82・8億円を計上
→ 3000万キロワットは日本の電力需要の数%。政府の関心はインフラ建設需要 ⇔ 求めれるのは、完全な発送電分離、REの優先接続、容量市場の抜本見直しなど、地域分散型、エネルギーデモクラシーにそった電力システム改革
【参考/「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の発表に対するコメント NPO法人気候ネットワーク12/25】
科学技術 基礎研究への支援は微増
・科学技術振興費 1兆3673億円 108億円(0・8%)増。伸びは20年度(187億円=1・4%)に続いて抑制
・「イノベーション創出のための研究力の強化」・・・博士課程の学生の処遇向上などの大学の取り組みを補助する「大学フェローシップ創設事業」に新規23億円、国が定めた戦略目標に沿って組織・分野の枠を超えた研究体制を構築する「戦略的創造研究推進事業」に、10億円増の428億円
・本格的な運用が開始される「スーパーコンピューター『富岳』の運用等」に 27億円増の153億円
・基礎研究の柱となる「科学研究費助成事業(科研費)」 3億円増の2377億円にとどまる
AI・ロボット 自動車など大企業に恩恵
経済産業省予算 、「デジタル化を支える量子・AI・ロボット等の研究開発」推進
・「デジタルを活用した産業の転換」 3次補正1356億円と合わせ1852億円 /うち、自動車の自動走行、デジタル・ネットワークを利用した配車などをするMaaSの実験、ロボットやドローンなどの研究開発に 368億円
・5Gを活用した生産工場のスマート化、次世代ソフトウエアの技術開発 12億円
・人工知能(AI)技術のために、実社会からのデータを取得し、活用するとして「AI・センサー基盤技術開発」など58億円
ODA コロナ対策は増も横ばい
ODA予算 69億円増の5680億円。6年連続で増加。が、新年度はほぼ横ばい /コロナ対策で保健分野を拡充
◆外務省予算
・ワクチンの供給支援や途上国の検査体制の拡充などを含む「新型コロナウイルス感染症への対応」 718億円
・中国の台頭を念頭に政府が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」の実現を含む「国際秩序の強化、外交・領事実施体制の強化」 1716億円(7億円減) /中国の影響力が高まっているとされるアフリカに関し、「TICAD(アフリカ開発会議)閣僚会合を通じたアフリカ諸国との関係強化」を新規計上
軍事費 敵基地・イージス 推進 辺野古新基地も“問答無用”/補正とあわせ5.7兆円
・5兆3422億円と9年連続増、過去最大を7年連続で更新/ ミサイルの能力強化、閣議決定での明記を見送った「敵基地攻撃」能力の保有へ向け、予算案で先行する形で「敵基地攻撃」兵器を整備。
◆敵基地攻撃能力 長期離ミサイル、空母化
・敵の攻撃圏外から対処できる「スタンド・オフ・ミサイル」の国産開発を閣議決定/ 陸上自衛隊のミサイル「12式地対艦誘導弾(SSM)」の射程を大幅に広げ、陸海空のいずれからも発射できるようする。関連費は335億円、概算要求額27億円から大幅に積み増し ~ 現行のSSMの射程は百数十㎞を、数百キロに。車両搭載で陸上から艦艇を狙う運用を想定してきたが、艦艇や航空機への搭載を可能にし、対地上攻撃にも応用できるようにする。
・F35Aに搭載する「スタンド・オフ・ミサイル」JSMの取得に149億円。能力改善型の中距離地対空誘導弾の取得に120億円
◆迎撃ミサイル搭載 導入調査費17億円
・「イージス・アショア」に替わる「イージス・システム搭載艦」導入に向け、調査費として17億円/「SM3ブロック2A」に加えて、巡航ミサイルに対応できる迎撃ミサイル「SM6」も新たに搭載する方針。2隻の新造を決めており、完成まで8年程度の見通し
→ 試作中で、いつ調達できるか不明のSPY7レーダーを搭載するため艦船を大型化
・マッハ5以上で飛行し、軌道も自在に変えられる極超音速滑空兵器など、従来の装備では探知・追尾が難しい最新鋭ミサイルに対処する小型人工衛星網「衛星コンステレーション」の研究費 2億円
・島しょ防衛用高速滑空弾の研究に150億円、極超音速誘導弾の研究費で90億円
・F35Bを搭載するため、「いずも」型護衛艦の改修費 203億円
・名護市辺野古新基地建設費 846億円
・航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発費576億円/米軍機との相互運用性確保に向けた研究にも着手/、213億円を概算要求していたF15戦闘機の改修費は、コスト増を理由に取り下げ
◆米軍思いやり予算 負担2017億円
・在日米軍駐留費の日本側負担(思いやり予算) 2017億円/来年3月に期限が切れる思いやり予算の「特別協定」で日米両政府の交渉が続いているための暫定措置。米新政権と合意し増額した場合は、補正予算などで措置。
★軍事費増を推進 ~ 後年度負担(ツケ払い)の増加
・歳出化経費の伸びが突出。来年度予算案では、活動費を上回り、ローン返済分が実に約4割に。
・歳出化経費( 軍事ローンの返済分)をうみだすのは「後年度負担」と呼ばれる新たなローンの増加
21年度予算案…本予算案とは別枠で、新規の後年度負担2兆5951億円。前年度比で318億円増
後年度負担の総額(新規分と未返済分の計) 13年度3兆2308億円⇒来年度5兆5330億円(年2880億円増)
→本予算を超えるつけ回しで、次年度以降の軍事費を膨張させるという構造に
★第二の本予算・・・ 3次補正 3,867億円
そのすべてが本予算で対応すべきもの。安倍政権下で、第二本予算化
後年度負担のツケ払い=歳出化経費が計上されたのは初
〇 C-2輸送機の取得整備600億円、トラック・作業服の整備100億円
〇 防衛装備品の安定的な納入のための経費/歳出化経費の前払いの主な内訳
・ 固定翼哨戒機(P-1)232億円/ 潜水艦289億円/ 地対空誘導弾ペトリオット233億円/ 中SAM(改)141億円
*国の補正予算/「財政法第29条」での規定
「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合。」
★真の軍事費増 2012年度比 1兆4千億円増
2012年度 防衛費 4兆 7,138 億円 ⇒21年度当初 5兆3422億円 /+6284億円
うち歳出化経費 1兆 6,315 億円 ⇒ 2兆 378億円 /+4063億円
2012年度 新規後年度負担 1兆 7,895 億円 ⇒21年度当初 2兆5951億円 /+8056億円
これに、補正 3867億円
*真の防衛費 当初予算-歳出化経費 + 新規後年度負担 +補正
21年度 6兆2863億円 /12年度当初比で、1兆4144億円の増。1.3倍
~増加分のほとんどが正面装備費。その伸びは軍事費の伸びを大きく上回る
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