性売買禁止 ジェンダー平等のための北欧モデル
ジェンダー平等社会の実現にとって必要なのは、“セックスワーク論”の掲げる性売買の合法化と対局として注目される「北欧モデル」
~ 論稿の土台として、政府が合法として風営店を持続化給付金の対象からはずことに根拠はない。同時に、届出制のあと違法行為があれば、「指示」、営業停止ができるにもかかわらず、貧困と格差社会の「安全弁」として性搾取・人権侵害が蔓延している実態を事実上放置されていることが問われるべき。
以下、「北欧モデル」のスケッチ (前衛2020.12メモ)
◆世界初の性買禁止法 スウェーデン 1998年
・性売買業者の処罰、性売者の不処罰を継承しつつ、新たに買う者の処罰化を、刑法6章「性犯罪」11条=性的サービス購入罪で実現 ⇔性売者は、刑罰適用や行政的制裁の対象ではなく、社会福祉支援と自立支援プログラムを受ける権利を得る
→ 同制度をモデルにした立法 ジェンダー平等社会を本気でめざす国々で採用が広がっている
◆スウェーデン法の性売買についての認識
- ジェンダー平等の深刻な障害
- 性を買われる女性や子どもに被害を与え、社会全体にとっても有害な、深刻な問題
- 男性による女性に対する性的な暴力。とりわけ経済的に貧困な女性や人種的・民族的に弱い立場の女性が標的にされる
- 国際的に承認された人権の原理と両立しない、人間の尊厳と価値、男女平等の権利と相いれない
- 性買が明確な犯罪であり、被害者の大半は女性と女児。少なくない若い男性・男児も被害にあっている
◆スウェーデン法成立後の世界の動き
・04年 韓国 部分的実施
・10年 アイスランド
・14年 カナダ
・15年 北アイルランド
・16年 フランス
・17年 アイルランド共和国、
・18年 イスラエル
*20年 2000代初頭から性売買を合法化しているオランダとドイツで、「北欧モデル立法」に舵を切る法案提出
◆スウェーデン 法成立前後での国内世論の変化
・法成立前には、保守派が強硬な反対~性売買の地下化、ネット市場拡大の懸念、性売女性の環境悪化となると批判
→ いずれも現実化せず(2010年 政府報告書)
・闇市場は拡大傾向との見方がある/が、欧州諸国と比べると、その割合は低水準 ⇔ 禁止することで、放置するならもっと拡大したであろう闇市場を抑制、人身売買などの犯罪の抑止にも寄与している見方が有力
☆国外に市場を求める動きには、09年施行のノルウェー法・・・国外での性買も含めて禁止
・世論調査 施行前・賛成3割。13年時点7割 ~ 若い世代に「性は買わないのが当たり前」との意識が根付きつつある
◆日本も、根本的な解決のために、必要なものは何か。世界の経験から学ぶ必要がある
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