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「発熱外来診療体制確保支援補助金」等に関する緊急要望書 保団連

 11月9日、全国保険医団体連合会(保団連)が、新型コロナとインフルエンザの同時流行への対応として政府が創設した「発熱外来診療体制確保支援補助金」の改善などを求め、要望書を政府に送付した。

 新補助金制度には、発熱患者を受け入れれば保険収入があるとして補助金が減らされ、受け入れ患者数によってはゼロとなるという問題点があり、要望書では、保健所などが担ってきた相談・検査体制を民間医療機関に丸投げせず、保健所の人員・予算を増やし全国どこでも相談・検査できる体制を構築する ▽地域外来・検査センターの設置・運営費用を国が全額負担する ▽補助金の最低給付額を設け受診者数が基準を上回っても補助金がゼロとならないようにする ▽職員への危険手当の制度化や感染した場合の休業補償、損失補填を行うなど、をあげている。

 同時に、以前から要望している直接コロナ患者をあつかっていない医療機関の経営支援も、地域医療を守る観点から不可欠。

 【要望書 新型コロナウイルス感染症拡大から国民の命と健康を守るため、

「発熱外来診療体制確保支援補助金」等に関する緊急要望書 保団連11/9

【要望書】新型コロナウイルス感染症拡大から国民の命と健康を守るため、

「発熱外来診療体制確保支援補助金」等に関する緊急要望書

202011月9日

全国保険医団体連合会 会長 住江 憲勇

 

 新型コロナウイルス感染症対策に対するご尽力に、敬意を表します。

  新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への対応として政府は、保健所等(帰国者・接触者相談センター)での相談・検査体制を見直し、発熱患者らが保健所等を経由することなく、直接、かかりつけ医などに電話で相談、予約した上で、その場で検査や診療を受けられる体制や検査・診療できる医療機関につないでいく体制を整備するとして、発熱患者等を受け入れる「診療・検査医療機関(仮称)」に1日268,940円を上限(自院のかかりつけ患者及び自院に相談のあった患者である発熱患者等のみを受け入れる場合は、1日67,235円を上限)とする「発熱外来診療体制確保支援補助金」を創設しました。

  インフルエンザ流行期には、これまでよりも多くの発熱患者が発生する可能性があり、かかりつけ医にも多くの相談や受診希望が寄せられる可能性もあります。こうしたことから、発熱外来を設置する医療機関に対する補助金の創設は当然ですが、保健所等が担ってきた相談・検査体制を民間医療機関に丸投げすることがあってはなりません。

  また、創設された「発熱外来診療体制確保支援補助金」は、①発熱患者を受け入れれば、保険収入があるとして補助金が減額され、120人(かかりつけ患者等のみを受け入れる場合は5人)以上診察を行うと補助金がゼロになるなど制度設計が不十分であり、診察・検査方法も含めた制度の周知も自治体によっては全く不十分で、職員が感染した場合への損失補填がない、医療機関や医療従事者への誹謗中傷・風評被害が根絶されておらず、手上げに躊躇する医療機関が少なくない、など沢山の問題があります。

  医療機関はもとより、自治体にも保健所にも十分な情報が提供されないまま制度が発足してしまうことから、保団連では10月2日に「発熱外来診療体制確保支援補助金」等に関する緊急要望書を提出しましたが、十分な改善がされていません。

  新型コロナウイルス感染症拡大から国民の命と健康を守るため、次の事項の実現を強く求めるものです。

                         記

 1.保健所等が担ってきた相談・検査体制を民間医療機関に丸投げせず、新型コロナ感染症に対応する保健所等の人員と予算を大幅に増員し、全国どこでも相談・検査が実施できる体制を構築すること。

 2.地域の医師・医療従事者が協力して検査を行う「地域外来・検査センター」を増やすこと。そのため、設置・運営費用について、国が全額を負担し、出務する職員等に十分な給与・出務費を保障すること。

 3.PCR検査、抗原検査等の検査料及び判断料の保険点数(公費負担)を大幅に引き上げ、検査を実施する医療機関の尽力が報われるようにすること。また、すべての保険医療機関を「行政検査に関する委託契約を締結した」とみなし、希望する保険医療機関が医師の判断でPCR検査及び抗原検査を実施し、保険請求(公費請求)できるようにすること。

 4.「発熱外来診療体制確保支援補助金」について、下記の制度改善を緊急に行うこと。

 (1) 発熱患者等を受け入れれば保険収入があるとして補助金が減額され、1日20人(かかりつけ患者等のみを受け入れる場合、1日5人)以上診察をした場合は補助額がゼロになるのでは、現場で大変な思いをして対応した医療機関が報われない。最低給付額を設け、受診者が基準患者数を上回っても補助金がゼロとならないようにすること。

(2) 医療機関や医療従事者への誹謗中傷・風評被害が根絶されておらず、手上げに躊躇する医療機関が少なくない。医学的根拠に基づいた広報や教育の実施等、これまで以上に対策を講じ、医療機関や医療従事者への誹謗中傷・風評被害を根絶すること。またインターネット等を通じた医療機関名の公開は、希望する医療機関に限ること。

 (3) 職員への危険手当の制度化や、感染した場合の休業補償、損失補填を行うこと。

 (4) 「発熱外来診療体制確保支援補助金」と、当該補助金の支給対象である「診療・検査医療機関(仮称)」の指定要件の説明が全く不足しているため、現場では混乱が生じている。また、コールセンターの電話も非常につながりにくい。混乱が生じないよう必要な対策、体制の整備を早急にとること。

 (5) 感染防護具等の供給だけでなく、検査機器の供給力の強化を図り、医療機関での検査キット等の購入に対する補助金を創設すること。

 5.かかりつけ医等の地域で身近な医療機関において電話相談を行うこととしているが、職員による電話や窓口対応も、これまで以上の労力・対策を要する。電話での診察行為に当たらず保険請求の対象にならない医科・歯科及び介護保険施設での電話対応についても補助金を創設・交付するとともに、医科・歯科医療機関及び介護・障害者福祉サービス事業所等の報酬を引き上げること。また、医療・介護従事者に対する慰労金の対象期間の延長や支給対象の拡大などを図ること。

 6.発熱患者が医療機関を受診する際には、電話などで事前に連絡をすることの周知を図ること。

 以上

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