2020年11月 地方議員学習交流会(メモ)
議会前に地区委員会毎で実施している学習交流会。市民と野党の共同進める無党派の議員さんも数名参加している。
各省の概算要求の特徴と当面の課題、この間の国会論戦での成果、地方自治否定へむかうデジタル化戦略の問題、県内のとりくみ(高知市で来年2月パートナーシップ制度が施行となる等)
メモ者も新たな刺激をうけ、学習課題・意欲を醸成する場である。
以下、レジュメ・資料
2020年11月 地方議員学習交流会
【1】政治姿勢にかかわる問題
◆コロナ対策と経済・社会活動の両立 エピセンターの集中検査、ケア労働者の定期的な社会検査が肝
暮らし、雇用の7割を支える中小業者や農林漁業の支援/国民の消費が経済の6割を占める/消費税5%へ
◆学術会議 任命拒否 国会が法解釈をふくめ成立させた法律を、行政府が解釈変更→立法権の侵害、法治国家の危機/学問の自由= 個人が学問する自由と学問(大学、学術団体)が権力に介入入されない自由
→ 権力にたてつく者を排除、学問を権力の支配下に置く・・独裁の道、戦争への道/決して曖昧にできない問題
◆核兵器禁止条約発効(1月22日)へ 核兵器廃絶を明記した初の条約 /2000年NPT再検討会議 核保有国も含めたすべての国が「保有核兵器の完全廃絶を達成するという明確な約束」(最終文書)で合意 → この合意を、後押しする条約
→地雷やクラスター爆弾の禁止条約 「悪の烙印」を押された兵器として、道義的力で大国の手を縛った
→ 条約を批准しなくても会議にオブザーバー参加できる
【2】 2021年度概算要求の焦点
1 全体像 ~ 軍事費・大企業支援
・2021年度予算編成に向けた各省庁からの概算要求と「税制改正」要望が出そろう(10月)。菅義偉内閣の初予算編成
・概算要求・要望の合計額 105兆4071億円~ 100兆円を超え、7年連続
・概算要求の締め切り例年より一か月遅い~新型コロナウイルスへの政府の対応が優先
・要求額を算出する基準~ 20年度当初予算と同額を基本
⇔ コロナ対応など「緊要な経費」は別枠。要望に上限なし /コロナ対策費は、金額を示さない「事項要求」が多く、年末の予算案は歳出総額が過去最大を更新する見通し(東日本大震災、オリンピックに続く便乗予算の様相、)
【「緊要」青天井を逆手に 関連なくても「コロナ」で予算要求「タガが外れた」 東京10.22】
◆軍事費 5兆4898億円と過去最大 ~ 補正予算で当初予算を補填する悪習 19年度当初補正の計5.8兆円
・5兆円を超えは6年連続。9年連続で前年度を上回り、7年連続で過去最高を更新
・辺野古新基地建設など米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費や「イージス・アショア」の代替経費などは「事項要求」 / 20年度と同水準で計上されれば、約2000億円が上積みに
◆社会保障分野 昨年と同額の30兆8562億円を要求
・高齢化の進展による経費の自然増は示されてない
・負担増と給付減の路線は踏襲~経営危機の医療・介護施設への支援はなし/21年度は介護報酬改定の年
◆文部科学省
・公立小中学校での少人数学級実現のための予算を「事項要求」として盛り込む
~ 実現の可否やその水準については注視を ~ 民間の人材派遣業の活用、儲けの機会とする危険
◆デジタル・マイナンバー推進
・内閣官房がデジタル庁(仮称)の設置準備や運営などに必要な経費を「事項要求」に ~ マイナンバーカードの強権的な普及のため。個人情報の漏えいなど危険な政策
・情報システム予算(財務省資料) と2013年度5440億円 → 20年度7967億円
・総務省 マイナンバーカードの普及促進に1451億円要求。自治体の情報セキュリティー強化など推進に139・5億円
・経済産業省 民間企業での新技術へ展開へ「デジタルを活用した産業の転換」394億円。
・内閣官房 情報収集衛星(スパイ衛星)の開発・運用に886億円要求
・経産省 小型原発などの開発支援12億円、高速炉の開発委託事業45億円
◆「税制改正」要望 、大企業減税拡大
・コロナ禍による景気悪化への対応として国民的要求が高まっている消費税減税はなし
・研究開発減税の拡充 上限を法人税の45%まで引き上げや適用対象の拡大 大企業支援を拡充します。
2. 公共事業 コロナ禍でも大開発推進
・公共事業関係費のうち、国土交通省分 20年度当初予算(「臨時・特別の措置」を除く)とほぼ同額 5兆2579億円
~気候変動の影響による水災害が激甚化・頻発化に対し、流域全体で治水対策を行う「流域治水」に転換
・防災・減災、国土強じん化 「3カ年緊急対策」も踏まえ、これまでの予算額を上回る規模となるよう予算編成で検討
◆水害の対策
・当面の「流域治水」推進に5027億円(4%増)/河川整備計画等の見直し、貯水池設置や堤防の質的強化など推進
・集中豪雨や火山噴火など土砂災害対策の推進1155億円(1%増)
・南海トラフ巨大地震、首都直下地震対策などに 1646億円(12%増)
・線状降水帯の予測精度向上など防災情報等の高度化推進 約3・3倍の40億円
・インフラ老朽化対策の推進 7176億円(3%増)
・「事項要求」として新型コロナウイルス感染症の対応予算。地域公共交通、観光、住宅など追加要求
◆国際競争力の強化を口実にスーパー・メガリージョン(超巨大都市圏)など大規模開発推進
・三大都市圏環状道路や高速道路の整備など物流ネットワークの強化 3999億円(3%増)
・航空ネットワークの充実 211億円(11%増)~羽田空港へのJR線の整備、成田空港の第3ターミナルビルの増築
・整備新幹線の整備 当初予算の804億円から上乗せ要望/北陸新幹線、九州新幹線の延伸部の開業への経費を追加
・大阪・なにわ筋線など鉄道ネットワークの充実 200億円(1%増)
・国際コンテナ戦略港湾等の機能強化に523億円(1%増)
~ いずれも事項要求として盛り込み、今後膨らむおそれ
3. 農林水産 輸出・スマート化に重点
・20年度当初予算比20%増 2兆7734億円/うち、公共事業費21・1%増の8464億円、非公共事業費が19・5%増の1兆9270億円。/林野関係が15・9%増の3483億円、/水産関係が43・3%増の2802億円/
~農林水産物・食品の輸出拡大や先端技術を活用したスマート農業などに重点配分
◆大幅に増額
・3月決定、新たな食料・農業・農村基本計画~農林水産物・食品の輸出額を30年に5兆円へ引き上げる目標
~輸出力強化に20年度当初予算比2・8倍の228億円。輸出向けの「グローバル産地」づくりの強化に7・2倍の36億円、輸出先国の規制緩和・撤廃などに取り組む輸出環境整備推進事業に1・9倍の32億円、輸出向けの危害分析重要管理点(HACCA)対応施設の整備に5・3倍の79億円、輸出拡大を支援するマーケティング活動の強化に2倍の56億円
・農水省資料~19年農林水産物・食品の輸出実績、9121億円。うち、農産物は5877億円、そのうち加工食品3271億円/。加工食品は輸入原料を使った品目が多く、輸出拡大が国内の農産物生産者の所得拡大に直結するとは限らない
【農産物輸出 1位は「その他のその他」、大半は輸入原材料を利用したものや化学合成品2019/4】
・スマート農業関連 軒並みに増額~スマート農業総合推進対策 3・7倍の55億円、スマート技術を活用した農業支援サービス推進 新規10億円、スマホ等から申請ができる農水省共通申請サービス(eMAFF)の構築 13・3倍の93億円
→ スマート農業の導入で農村でも経済格差が広がることが懸念される
・新たな基本計画 従来の基本計画と変わって家族経営の役割に言及。21年度予算は、新たな基本計画を実施する初年度予算。がし、概算要求は、家族経営を支える措置はなし
【「小農の権利宣言」――世界規模での農政大転換 /逆走続ける、異常な日本の農政2019/12】
◆米価暴落に無策
・コロナ禍による外食需要の落ち込みで、米価が暴落。米価低迷は21年度やそれ以降にも持ち越される懸念。が、需給調節の責任をすでに放棄した政府は、需給の目安を公表するだけの予定。概算要求では特段の措置を求めず。
≪当面の課題≫
●コロナでコメ需要激減の中、農水省「指針」 農家に減産押し付け
・すでに20年産の取引価格は「米余り」を反映して前年比で20%前後下落
・農林水産省・部会 「米穀の需給及び安定に関する基本指針」確認
・ 「基本指針」 今年の生産量735万トン(9月15日)。需要量予測から21年6月末の在庫量221万~227万トンの見込み
・21年度需要量予測704万トン。22年6月末の在庫量196万~201万トン。21年産生産量を679万トが「適切」
~今年の生産見通しより約50万トン減。約10万㌶の転作が必要/近畿地方や中国地方の作付面積に匹敵。20年産米の生産見通しからの減少幅は約30万トン、過去最大/農業団体などの備蓄米追加買い入れによる過剰の解消などの要求を拒否
・政府の責任 18年産から米農家への戸別所得補償を廃止、国による米生産調整の配分の中止、輸入自由化など強行。
・米を市場に委ねた1995年以降、生産者米価は2万2000円台から1万円台前半に低下
・所得補償と価格保障~ 食料の安全保障、多面的機能の重視した政策へ
●「高収益作物次期作支援交付金」の要件変更 批判続出で一部手直し
・変更前より交付予定額が減る農家への救済策を発表 / 次期作に向け、30日までに機械や資材などに投資した農家が対象。▽当初の要件での交付予定額▽既に投資した額──の、どちらか少ない方が交付額
●種苗法改悪 開会中の臨時国会で成立狙う
・国に登録された「登録品種」について自家増殖を原則禁止するもの。現在、自身の農場で栽培する場合は、自家増殖可能
・農林水産省が強調する「日本の品種が流出し、中国や韓国で無断栽培されている」について
~植物の新品種の保護に関する条約(UPOV)加盟国間では、現地で登録すれば無断栽培できない/論点のすり替え
・濫訴の危険性 登録品種の無断使用で訴えられた場合、証明は使用者側。莫大な費用から事実上抵抗できない、
*農業競争力強化法にもとづく、種子情報の民間開放とあわせ、種子・種苗のテータ独占。民間の儲けの場に
●漁獲量割り当ての対象拡大 沿岸漁民に打撃の恐れ
・12月1日施行の改定漁業法に関連する政省令・規則などへのパブコメが相次いでいる
・「新しい資源管理」・・・「最大持続生産量」(MSY)をベースに、漁獲可能量・個別割当(TAC・IQ)管理の導入。クロマグロなど従来の8種類に、15魚種を追加
・21年度実施 11種(カタクチイワシ、ブリ、ウルメイワシ、マダラ、カレイ類、ホッケ、サワラ、マダイ、ヒラメ、トラフグ、キンメダイ)、5年以内に実施 4種(ムロアジ類、イカナゴ、ベニズワイガニ、ニギス)
~ TAC制度 魚種ごとに漁獲量の総量を決め、漁獲量を割り当てる制度。漁獲量の8割を占める魚種で導入する予定
→そもそも科学的データが不足し根拠が希薄/さらに、実績とかけ離れた目標設定、漁業実態を無視した数量管理の懸念・
JCFU全国沿岸漁民連絡協議会・二平章事務局長は「クロマグロでは、大臣許可の漁船(大型船)に有利な配分がされ、沿岸漁民は今も苦しい経営を強いられています」「資源管理は必要ですが、沿岸漁民や漁協の声を聞いて、一方的に負担を押し付けない仕組みにしなければいけません」(10/22付、赤旗) → 関係者から聞き取りを
4.雇用 労働者保護の後退
雇用関係予算は、多様な働き方の推進、新型コロナウイルス禍を踏まえた対策に力
◆働き方改悪
・高年齢者雇用安定法改定 「高齢者の就労・社会参加の促進」 40億円増の319億円/70歳までの就業機会を確保するとして、フリーランスなど雇用によらない働き方も推進~ 労働法制が適用されない不安定雇用を増加させるもの
・就職氷河期世代の活躍支援として681億円、女性の活躍推進に向けた事業へ183億円
・人材の流動化を狙った「業種・地域・職種を超えた再就職等の促進」 1206億円
・テレワークのさらなる推進 10倍超の31億円/通勤の負担軽減の期待一方、長時間労働の誘発するという課題の指摘
・ 「長時間労働の是正」 27億円減の169億円へ縮小(一部事項要求)
・最低賃金・賃上げに努める企業への支援 、105億円から94億円へ減額
◆コロナ対策
・企業の倒産を理由に退職した労働者に対し、未払賃金の一部を立て替える「未払賃金立替払制度」拡充 222億円~コロナ禍の響から143億円積み増し
・コロナに起因する離職者や生活困窮者の増加対策 求職者支援訓練による再就職支援」247億円~訓練の受講者が今後も増える可能性があるため、一部を事項要求とし、状況に応じてさらなる拡充を図る
・コロナ禍で増大の見込み 雇用調整助成金・休業支援金を活用する企業への支援は「事項要求」
~雇調金の特例措置が切れる12月末以降、特例で引き上げた助成額の上限を段階的に元へ戻す(減額)。
→雇調金の特例措置の継続し、助成率10割の対象を中堅企業まで広げる 最大限支援が求められている
5.経産・中小企業 「構造転換」を推進
・経産省 概算要求、1兆4335億円。20年度当初予算の1兆2719億円から12・7%増。
・「『新たな日常』の先取りによる成長戦略」をかかげ 「デジタル」、「グリーン」、「健康・医療」の各分野に重点をおき、「柔軟な事業再構築・事業再編、労働移動の円滑化」などの「構造転換」を推進。
◆原発開発に
・「デジタル」・・・「無人自動運転等の先進Maas実装加速化推進事業」60億円(新規)、「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」29・2億円(当初予算3・5億円)など 特定の大企業の役に立つ研究開発を増額
・ 「グリーン」・・・「脱炭素化に向けたエネルギー転換」 645億円増の4902億円
~「カーボンリサイクル・次世代火力発電の技術開発事業」195億円(40億円増) 石炭火力発電の研究開発を支援/、「安全最優先の再稼働と原子力イノベーションの推進」1371億円(72億円増)。仏・米と協力した高速炉・小型軽水炉等を開発
(今回は詳しく触れないが、気候危機対策に逆行する重大な課題。ブログより
【日本の「容量市場」 EUとは正反対 ~ 再エネ抑制、原発石炭温存 2020/09】)
◆再編・淘汰
・中小企業対策費 経産省、財務省、厚労省を合わせ2361億円。608億円増/ が、中小企業の再編・淘汰(とうた)を狙う菅義権は、コロナ禍で苦しむ事業者の経営の支援ではなく、事業承継等の新陳代謝の促進が力点
・再生計画の策定、事業承継に関する総合的支援を実施する「中小企業再生支援・事業承継総合支援事業」142・8億円。
・事業承継後の設備投資・販路開拓の費用補助 「事業承継・世代交代集中支援事業」 新たに27億円
・ 設備投資を支援する「ものづくり補助金」 約2倍の21・5億円/ 小規模事業者への直接支援となる「自治体型持続化補助金」 0・4億円増の12・4億円にとどまる
・消費税転嫁対策は32・1億円(9千万円増) 消費税転嫁特別措置法失効を受け、監視・検査体制の強化を図るもの。が、転嫁対策調査官(転嫁Gメン)の増員はなし。
*日本の企業数の99・7%、雇用の約7割を占める中小企業 役割に見合った支援の拡充が必要
6.社会保障 「自助」押し付け強める
・厚労省の概算要求 過去最大の32兆9895億円(一般会計分) /ただ、新型コロナウイルスの感染状況や影響を踏まえ、対策費用の大半は明示してない。年末までに調整し、要求額を上積みする見通し
・コロナ禍にもかかわらず国民負担増・給付削減は「引き続き着実に実施する」として、「自助」の押し付けを強める構え
◆コロナ対策
・医療・介護体制の強化に向け、受け入れ病床の確保や、感染を防ぐ陰圧化・個室化の整備支援を計上/が、受診・利用控えによる医療機関・介護事業者の収入減少への補てんはなし ~ 地域から医療機関、介護事業所が消滅する危機に
・自治体が行政検査として行うPCR検査の費用の半分を引き続き国が負担。が、新たな支援なし/全国知事会も、全額国庫負担による検査の戦略的拡大を求めている。
・コロナ禍は、医療・保健所・介護などの深刻な人手不足も浮き彫りにした。/が、医師から看護師への業務移管、保健師の仕事に就いていない有資格者の「人材バンク」整備を求めるだけ。抜本的な人員増の対策なし
・不十分なコロナ対策のうえ、社会保障費抑制路線を継承/ 「自助」を第一とする菅政権は危険
~社会保障費の自然増を13~20年度に計1兆8300億円も圧縮。21年度の自然増額は未提示
◆負担増
・介護報酬改定 15年度改定の際は、「自然増削減」のために大幅なマイナス改定。21年度改定もマイナス改定の危険性
・21年には、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げる法案を国会に提出する方針
・地域医療構想 「感染症対応」も含めて検討するとしながら、病床削減の方針は継続/20年度に新設した「病床ダウンサイジング支援」84億円を引き続き要求~名称だけ病床機能再編支援事業(仮称)に変え、批判のがれの姑息さ
・マイナンバーカードを健康保険証として使える仕組み 個人情報保護が不備なまま、21年3月開始に向け推進費用要求
・保育所 「待機児童ゼロ」は20年度末の達成を事実上断念。待機児は4月時点で1万2千人超(厚労省調査)
~内閣府は、人員配置基準などを緩和した企業主導型保育事業費を20年度比で上積みする計画)
【2020年11月10日「令和元年度決算検査報告」の概要より 子ども子育て支援策について】
→ 企業主導型保育事業では、不適切な受給、短期間で廃止・休止など事態が発生/保育施設の整備 16.17年度、に企業主導型保育事業で確保したとしていた受け皿59703人分、18年4月時点で開設できてない定員等180000人分。
≪当面の課題≫
- 介護報酬改定 議論が本格化 基本報酬の大幅増額を 赤旗10/28
・改定の議論が、12月の取りまとめに向け社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護給付費分科会で加速
・事業所倒産 コロナで拍車 介護報酬は事業所収入の大部分を占め、訪問介護や通所介護では9割超え
~2000年の制度開始以来、過去6回の改定は09年度改定を除いてマイナス。15年度改定、過去最大の実質4・48%減/
その結果、16年の介護事業所倒産件数1・4倍に急増、19年まで4年連続で100件超。今年は9月までで既に94件
・厚労省 改定の「基本的な視点 /「感染症や災害への対応力の強化」では、人材確保の視点では、力点はロボット・ICT(情報通信技術)活用と人員・運営基準の緩和/事業所支援の視点が全くなく、「制度の安定性・持続可能性の確保」を強調
・ICTで配置基準緩和狙う ~ 具体的に提示されたのが、認知症高齢者向けのグループホームの夜勤体制
現在の配置基準 グループホームの火災事故が相次いだことを受け、12年度の報酬改定で。2ユニットごとに職員1人を、1ユニットごとに職員1人に強化(ユニットは生活単位のこと。1ユニットは最大9人)
→ 15年度消防法改正でほぼ全てのグループホームにスプリンクラー設置。介護職員不足を理由に、職員配置基準の緩和を「論点」に盛り込んだ。
→背景に、全世代型社会保障検討会議の第2次中間報告/新技術活用で「より少ない人数で介護サービスを提供する先進施設が存在している」と明記。効果を分析し「介護報酬や人員配置基準について見直しを図る」と、引下げの方向性を示す/
分科会では「慎重な議論が必要。昨今災害等も多い」「ICTの普及は進めるべきだが、配置基準の引き下げありきの議論には反対」「本人を尊重するケアの観点からいうと、1ユニットに1人夜勤がいるのが重要」など反対意見が相次いだ
~さらに特養の夜勤体制の緩和も提案(職員あたりの利用者数を2割強増加。11/分科会9)/全床に見守りセンサーを導入し、夜勤職員全員がインカム(業務連絡用のマイク付きイヤホン)等を使用することが要件
・“成功報酬”で利用者選別も~ 改定議論では、利用者の状態を「改善」させた事業者に“成功報酬”を支払う仕組みを求める声も一部委員からあがり、取りまとめに向け、18年度改定で新設した要介護度の改善や重度化を防止した通所介護事業所を評価する「ADL(日常生活動作)加算」を取得しやすくすることなどが検討されるとみられる
→ 介護への成果主義のもちこみの強化。すでに加算措置、18年度新設、19年度予算倍化
・要介護1.2生活支援 ~ 市町村総合事業での活用検討
- 緊急声明 要介護認定者の総合事業移行は絶対に認められない~要介護者の介護保険外しに道を拓く「省令改正」は撤回すべき~ 認知症の人と家族の会 9/18
*介護保障の土台を崩す要介護認定者の総合事業移行に反対する緊急声明~ 全日本視覚障害者協議会理事会10/1
・介護施設の食費・部屋代の大幅な引き上げ(年金120万円以上)、高額介護サービス費の負担上限額引き上げは、省令で変更。法案として出ない。年末にむけて協議中
≪検討されている改悪案 2020.2資料≫
●第8期介護保険事業計画にむけて
1. 大まかなスケジュール
・すでに「日常生活圏域ニーズ調査」「在宅介護実態調査」など調査活動は終えている。
・7月31日、「基本指針案」が示され、各種推計ツール配布、9月頃に第1回の「サービス見込量」の推計。市町村の「計画策定委員会」も開催されており、年末ごろには「計画素案」提示
・年末から来年1月ころにかけてパブコメ。年度末の予算議会で介護保険条例改正(介護保険料決定)
→スケジュールを把握し、関係資料を手に入れ、早急に取り組みを開始しよう
2. 主な要求項目案の柱 (大阪社保協)
(1)介護保険料を引き上げないこと /一般財源の投入を
→「単独減免3原則」は技術的助言 /02年3月、共産党の井上美代議員の「3原則は義務か」の質問に、当時の局長は「法律上の義務ではございません」、厚労大臣は「一般財源からの投入は慎んでいただきたい」にとどまる。
(2)介護サービス利用者の負担を軽減する制度をつくること
(3)「介護難民」を生み出さないため、特別養護老人ホームなど施設や居住系サービスを十分に整備すること
(4)コロナの影響で経営困難となった介護事業者の実態を把握し、関係者の声を聴き、きめ細かい支援策を講じること
7.文教 少人数学級は「事項要求」
・文科省の概算要求 11・4%増(6058億円増)の5兆9118億円/うち文教予算は4兆3011億円
・「少人数指導体制の計画的な整備」 事項要求。現在の標準は1学級40人(小1のみ35人)
◆教職員は減
・事項要求を除いた公立小中学校の教職員定数~障害児の通級指導、外国人児童・生徒への日本語指導充実などの加配教員の基礎定数化で397人増/一方、少子化による教職員定数の自然減が995人。差引きでは598人の大幅減
・文科省 、現時点で30人学級を実施した場合 新たに8万~9万人の教員が必要になると試算
→が、少子化により今後10年間で5万人の教員が余剰となり、少人数指導のためにすでに追加配置している教員も3万人いるため、時間をかければ大きな追加負担は生じないと説明している。少人数学級に否定的な財務省を念頭に置いたもの
・新型コロナ対応 学習指導員3万2千人(2万4千人増)、スクール・サポート・スタッフ2万4500人(1万9900人増)、中学校の部活動指導員1万3200人(3千人増)を要求。
消毒液など保健衛生用品の整備やスクールバスの増便など「学校における感染症対策の充実」に169億円要求
◆「ICT化」
・デジタル教科書の普及促進事業52億円/オンライン学習システムの全国展開36億円/ 教育現場のICT化の支援員配置53億円など、新型コロナを口実とした「学校ICT化」に巨額の予算を計上しているのも特徴
~デジタル教科書の扱いは中央教育審議会でも方向性が出ておらず、拙速な動きに現場からは懸念の声が上がっている
(20年度、新学習指導要領「主体的・対話的な深い学び」と対立・矛盾⇔デジタルによる「個別最適化」/経産省マターの事業の横滑り)
・国立大学法人運営費交付金 330億円増の1兆1137億円。増額分は学内への体温検知設備の設置など新型コロナを踏まえた教育研究基盤の強化の予算 /コロナ禍に対応した学生への授業料減免や大学等修学支援制度は事項要求
・ 国立大学の人件費などに充てられる基幹経費の一部を、各大学の外部資金獲得実績や論文数などで評価して増減させる「改革インセンティブ」は、20年度と同額の850億円(変動幅プラス・マイナス15%)
・各大学の評価指標に基づいて基幹経費を再配分する仕組みに250億円を計上
~これらは、安定的な大学運営を困難にし、日本の研究基盤を掘り崩すものとノーベル賞受賞者・学術会議などが批判。同制度は、予算規模と変動幅を「順次拡大」するとされており、科学・技術の基盤崩壊を佳作させる
≪当面の課題≫
- 少人数学級の実現へ、運動を強めよう
・意見書 高知県議会、安芸市、香美市、いの町、土佐清水市、
・教育産業化への「懸念」・・・アメリカの公教育解体/ 5週間の集中講座で仮免許を発行するTeach for Americaなどのプログラムが教員養成の市場を形成。正規教員に代わり、時給15ドル(約1500円)の無免許のインストラクターが、一度に最高130人の生徒をモニターすることによって、1年間で約50万ドルを節約 (鈴木大祐氏)/GIGAスクール構想は、そのためのインフラ整備に使える・
パソナグループ(竹中平蔵会長)は、すでに、保育園、幼稚園、児童養護施設などへの人材派遣(保育士、幼稚園教諭など)を実施している。 → 正職の教員の抜本増への運動が不可欠
・コロナ禍のもとでの学生支援 学費引き下げ、奨学金拡充、コロナ禍での支援金の拡充(現状は学生の1割程度)
★教員変形労働反対 須崎市、四万十市、芸西村、馬路村、奈半利町、土佐町、日高村、中土佐町四万十町
- 保育士 退職手当共済制度公費助成 廃止を断念させよう
・社会福祉法人が運営する社会福祉施設等の職員の待遇改善策 1961年創設「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」
~国家公務員に準ずる退職金が給付できるよう、国と都道府県が1/3ずつ掛け金を助成し、残りを社会福祉法人が負担。 /が、高齢分野・障害分野では公費助成が打ち切られ、残る保育分野も2020年度末までに見直すことが課題とされ、厚労省内で検討が始まっている。→ 存続目指し、全国保育団体連絡会が、署名運動を展開
8.地方財政 デジタル化で懸念
・総務省の解散要求 地方の一般財源総額は、「仮置き」の数字として、20年度比0・2兆円減の63・2兆円見込み
・コロナ禍の影響で、地方税等(地方譲与税、地方特例交付金を含む)、3・5兆円(8%)減の40・3兆円。地方交付税等(同交付税不足分を振り替える臨時財政対策債6・8兆円を含む) 3・3兆円(17%)増の23兆円
・一般財源総額 18年の閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針」で、「2018年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」にもとづき、国・地方の税収大幅減が見込まれるもとでも、おおむね同方針を踏まえたもの。
→全国知事会などが拡充・継続を求めていた「まち・ひと・しごと創生事業費」は20年度と同額の1兆円計上
◆システム標準化 独自性喪失の懸念
・「デジタル変革の加速による『新たな日常』の構築」を主要な柱の先頭に掲げ/ デジタル・ガバメントの推進139・5億円、「自治体情報システム標準化」として4・1億円、厚生労働省も介護保険システムの標準化経費を要求
→ 自治体の情報システムの標準化は、自治体施策の独自性や多様性を制限し、住民サービスの低下が懸念される
・マイナンバー制度推進 1451億円 /総務省2020年版「情報通信白書」・・・約8割の国民がパーソナルデータの提供に「不安を感じる」と回答。/マイナンバーカードに健康保険証、運転免許証、国税・年金などの情報をひも付けしようとしており、国民監視の強化や、個人情報の漏えいが懸念される
◆衰退の危険 ~ 広域連携や行政サービスの民間委託、公共施設の統廃合の推進
・総務省 「2040」関連 自治体間の広域連携を進める予算 1・1億円
/ 国土交通省 公共施設などを中心地に集結するコンパクトシティ推進予算 752億円計上
→ いずれも中心市街地の大型開発や周辺地域の衰退が懸念される
・内閣府 「世界で一番ビジネスのしやすい環境づくり」としてスーパーシティ構想など、国家戦略特区推進予算30・1億円
→国や自治体の持つ住民データが民間に提供し、人工知能(AI)などを用いて利活用。究極の監視社会、情報漏洩の危険
・公共施設の管理・運営を民間に委ねる「PPP/PFI」推進予算 国交省で433億円
≪当面の課題≫
◆ 地方自治体のデジタル化 公明党の意見書案の対応 / 反対討論の柱
①官民データ活用推進基本法 国民に知らされず利用
内閣府の世論調査、 国民の七割が個人情報の保護に不安を抱いている。個人情報保護委員会は、09年度から毎年度、事業所が公表した個人情報漏えい事案を集計。特に五万件以上の大規模な漏えい事案数は減少傾向はないと指摘
②利便性の後退を懸念
・マイナンバーカードを利用しコンビニでの住民票写し交付が可能になったことを理由に、東京都北区や練馬区で区民事務所分室や出張所が全廃。ITやデジタルの対応が困難な人の利便性後退が懸念される。
・富山県上市町議会 党町議が「3人目の子どもの国保税の均等割りの免除、65歳以上の重度障害者の医療費窓口負担の償還払いを現物給付へ」と提案したのに対し、町長が、国が導入をすすめる「自治体クラウド」(複数自治体で情報システムを共有化し標準化)を採用しているため「町独自のシステムのカスタマイズはできない」と答弁
総務省は自治体に通知した「システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針」が土台にある。
総務省は「議会、首長が同意し、住民サービスの向上をするためのカスタマイズをしてはいけないという助言はしていない」と答えているが → 事務の標準化は、国の介入を招く危険性を持つ
9.軍事費 過去最大 大軍拡続く
・軍事費の概算要求 、総額で過去最大の5兆4898億円、1764億円(3・3%)増 /辺野古新基地建設など米軍再編・SACO経費、「イージス・アショア」の代替経費は「事項要求」 /9年連続で前年度を上回り、7年連続で過去最大
→ 補正予算の問題は、指摘ずみ
・米国製高額兵器の“爆買い”・で「軍事ローン」が増大/「軍事ローン」返済にあてる「歳出化経費」2兆2338億円、9・9%増。新たなツケ払いとなる「新規後年度負担」2兆6712億円、“借金”残高となる「後年度負担額」5兆4585億円に膨張
・違憲の「敵基地攻撃能力」保有検討を視野に、陸海空、宇宙・サイバー・電磁波など全ての戦闘領域で軍拡を加速
◆敵基地攻撃
・F35A4機402億円、短距離離陸・垂直着陸できるF35B2機264億円。F35Bを搭載するため護衛艦「かが」の改修費に231億円をつけ、“空母化”を推進
・宇宙空間を監視する衛星整備に関連費用計343億円/ マッハ5以上で飛行し、軌道も自在に変えられる極超音速滑空兵器など、従来の装備では探知・追尾できないような最新鋭ミサイルに対応するため、「衛星コンステレーション」の研究に1・7億円計上。米国と連携し導入を目指す
~ 敵基地攻撃/すべてのミサイル基地を破壊するのは不可能。違法の先制攻撃であり、日本が戦場になること /そのことが眼中にない「安全保障政策」としても稚拙で無責任な主張
◆出撃拠点化
・電磁波領域 敵レーダーを妨害し無力化する電子戦の専門部隊を朝霞駐屯地(東京都)のほか、留萌(北海道)、相浦(長崎県)、奄美(鹿児島県)、那覇(沖縄県)、知念(同)に設置。朝霞の「電子作戦隊(仮称)」が司令部機能を持つ。
関連する電子戦システム一式の取得費で88億円計上
・沖縄県の宮古島や石垣島への陸上自衛隊ミサイル基地建設関連経費 432億円
・長崎県佐世保市に「いずも」型護衛艦など複数の巨大艦船が同時に接岸できる大規模岸壁などの施設整備費138億円
~ 中国を念頭においた南西地域の自衛隊増強で、出撃拠点化を進める
→柳沢・元内閣官房副長官補などの指摘/ 中国が尖閣に上陸するとしたら偽装漁民が難破し、海自警察が救出に向かう/ 自衛隊を出動させたら思う壺 ~中国に「相手が軍隊を出してきたので、しかたなく軍隊で対応した」との国際法上の根拠を与えることに
→ アメリカは領土紛争に関与しないが基本姿勢。しかも安保5条は「自国の憲法の手続きにのっとって」と米議会に参戦の可否を議論することしか約束していない→ アメリカ議会が、自国の若者の命をかけて、他国の無人の島をの防衛に協力するか?
【3】 国会論戦より 前衛2020.11よりメモ (コロナ関係は10月号。その部分は割愛)
◆地域公共交通活性化再生法
・青森県弘前市 バス赤字路線、空白路線をデマンドタクシーで代替/ 路線が増え、赤字が減少
・国の補助金 2011年の305億円から、21年度予算案は204億円に減額
大臣答弁 18年度、コミュニティーバス等の地域内交通関係で、地域からの要望約62億円に対し、約30億円を交付
青森・弘前 デマンドタクシー20年 戸口まで送迎「安価で便利」 高橋議員が調査 2019年12月30日
・青森県弘前市相馬総合支所(旧相馬村)で、「予約型乗り合いタクシー」(デマンドタクシー)を調査
・民間の路線バスの維持が困難になる中、99年から住民協議で、予約型乗り合いタクシーを運営を開始
・16年市地域公共交通網形成計画を策定/市全体でデマンド交通を広げる。
~「電話1本で各家庭の戸口までタクシーが迎えに行き、市街地での100円バス、路線バスとの接続も行われている」
・空白地域と路線バスの代替としてデマンドタクシーを走らせ、利用増で赤字幅は縮小。「買い物や病院に行くのも安価で便利になった」「路線数が増え、これまでバスが行けなかった路線空白地区でも運行できるようになった」の声
●高橋千鶴子衆院議員 国会論戦
・法案は、乗合バス新規参入に対して、申請があったと国から通知を受けた自治体が協議会に諮り、意見を国に提出できるもの。また、バス路線が廃止される前に、自治体が何らかの旅客運送サービスをつくるよう求めている。
→参入と廃止に対して自治体の関与を強めた。そのため、バス事業者間の共同事業などを今回独禁法の適用除外に。
・青森県弘前市など自治体の取組を全国で広げ、国として積極的に支援するべき
→が、国の補助金(赤字分の半額を補填) 11年305億円から、20年度予算案は204億円に減額。
・18年度予算 幹線バス関係で、地域からの要望どおり約90億円を確保。これと一体となったコミュニティーバス等の地域内交通関係で、地域からの要望約62億円に対し、約30億円交付 → 地域要求の半分。増額要求が大事
・改定案・・・過疎地で市町村やNPO法人が自家用車で行う「自家用有償旅客運送」を拡大~事実上、ライドシェア(2種免許のない者が自家用車を運転して料金をとる、いわゆる白タク行為)の解禁につながる懸念がある。
→赤羽国交相 「安全確保の問題があるため認めるわけにはいかないとの考えは変わっていない」とする一方、「自家用有償旅客運送は、道路運送法による登録を受け、市町村等が、運行管理等の措置や事故の際の賠償等を行う体制を整備し、利用者の安全、安心を確保することとしており、ライドシェアとは全く異なるものと認識をしております」/注視が必要
◆災害対策 運動により制度が拡充
(1)被災者生活再建支援法
・ 「半壊」(損害割合 20%~40%)のうち30%以上が新たに対象に
家を借りる方 25万円、 補修 50万円、建設・購入 100万円
・一部損壊・準半壊(〃10%~20%) 災害救助法適用 上限30万円の応急修理代 台風15・千葉屋根被害
(2)生業支援 グループ補助金から「グループ要件」不要」 → 「なりわい再建補助制度」に
自治体の「定額補助」 熊本県5億円、大分・福岡県 1億円 これ以内は、事業者負担ゼロ
(3)全壊10戸未満の被災自治体での支援 /支援法の適用外
・自治体独自 静岡、愛知、岐阜。 高知県も
・「同一災害同一支援」のルールの確立が必要/ 上限を500万円に拡大
・災害救助法「4号基準」の活用
災害救助法施行令第一条第一項四号 内閣府が適用を「空振りでもよい」と自治体に積極的にすすめた/10戸とか基準でなく「まさに救助が必要であることが基準」~ 被害を受け、または受ける恐れのある都道府県が判断すれば適用される
◆会計年度任用職員
・少なくない自治体で、給与を下げて手当を支給、民間委託の検討などの条例改定案が続出
→総務省「法の趣旨にあわない」(2月27日衆院総務委・本村質問)。財源として不十分だが、20年度1738億円確保
◆ひとり親家庭
- みなし寡婦控除 今年から所得税、19年住民税、18年保育料など 15年公営住宅 /党国会議員提起1981年
~ こどもがいない場合、男性、未婚の女性は適用外の課題が残っている
②公的年金を受給するひとり親世帯の児童扶養手当の併給が可能に 2021年3月
これまで、障害年金を受け取る「ひとり親世帯」は、児童扶養手当との併給が認められなかった
【4】 地方制度「改革」~惨事便乗型政策 今後の展開に注視を 岡田 知宏 「議会と自治体」2020.10
① 第32次地方制度調査会答申(6/26 「自治他姓戦略2040」に記載された「圏域行政」の法制化は見送られた
⇔ が、「公共サービスの産業化」を推進することで圏域行政を推進、という「2040」が、至るところで強調
・東京、大都市部のコロナ患者集中・・・東京のグローバル都市圏に育成する、とした「地方創生政策」の破たんを示すもの
~ 一極集中はむしろ進行/ コロナ危機の示した課題の検証や地方創生の総括なしに答申をまとめたことは大問題
・「圏域行政」「地方創生総合戦略」の基底/「選択と集中」により「効率化」を図り、経済成長を目指す共通の考え
→平成の大合併 (小規模自治体の統合、地方財政支出の抑制しながら、中心部で経済成長を果たそうとした)の大失敗
→ 連携中枢都市圏、定住自立圏での悪あがき。それに便乗し、中心都市に行財政権限を集中、経済成長を図る
*自治体戦略2040構想・・・65歳以上人口がピーク、毎年100万人の人口減を迎える2040年頃をターゲットに、AI・ITC活用、民間活用、広域連携で、自治体職員を半分にしながら、公的サービスを維持しようという構想/全国町村会反対決議
②地方自治の根幹 「住民自治」「団体自治」を解体する「圏域行政」
・「2040」…県と市町村の二層制を解体し、「圏域行政」に「標準化」させるべき
⇔ さらにAI、ロボティクス等の情報技術の導入で、地方公務員を半減。削減した公務の仕事は、ウ-バーイーツのようなギグビジネス(個人請負)を活用した、新しい「公共私」の連携に代替する、という提案
・圏域行政の「標準化」のために地方自治法改正、という議論は、全国町村会など地方団体、日弁連の強い批判で両論併記
→「圏域行政」は、憲法体制の根幹をなす地方自治の柱 「住民自治」と「団体自治」を解体するみの
→ 小規模自治体の自律性を損なう恐れ。首長・議員を住民が直接選ぶことを想定してない
・法制化の提案はされなかったが、実質的に制度的・技術的基盤を具体化するための詳細な提案がされている。
③「圏域行政」の実質化のしかけ
・行政サービスのデジタル化 「標準化」「共同化」、クラウド活用を自治体の広域連携で進める
・「連携計画」の作成、実施、チェック過程、合意をめぐるルール化。「未来予測」」の整理
~ 国、都道府県の関与、介入の余地が大きくなる
★キーとなる装置=「地域の未来予測」 /地制調の「中間答申」で登場
・地域の未来像を議論するための「材料となる重要な将来推計のデータ」のこと
→ 「予測」を、市町村単位、連携中枢都市圏、定住自立圏でつくり、都道府県が「共有」することを求め、/連携する「計画形成市町村」の独自の役割、都道府県の関与のルール化、国の情報提供等による関与を求めている
・国による財政措置と人材派遣もあり、国→都道府県→連携中枢都市圏→市町村、という系列で、データの情報独占、財政誘導によるトップダウン的な統治支配が容易にできる仕組み /団体自治の棄損
・「予測」「計画」づくり、実施の各段階で、民間企業の積極的関与を提案 ~行政の私物化、住民自治の棄損
★デジタル化、広域連携では、すでに開始、計画されている部分の加速化に注視を/デジタルファースト法制度、マイナンバーカード普及、業務プロセス・システムの標準化、「スマート自治体」、自治体SDGsモデル事業、スーパーシティ構想など
(本質は、中央から都道府県、市町村と、標準化されたシステムによる一元支配/ 自治と、その目的「福祉の増進」の否定、)
【4.】 その他
◆妊産婦医療費助成制度 陳情採択結果~ 県人口8割 県担当課長「重く受け止める」
・採択(16) 安芸市・香南市・香美市・南国市・高知市・土佐清水市・本山町、大豊町・土佐町・いの町・日高村・佐川町・仁淀川町・梼原町、黒潮町・大月町 / ・不採択(5) : 奈半利町・田野町・北川村・馬路村・津野町
・継続審議(4) 芸西村・越知町・須崎市・四万十町
・議会付託なし(9) : 東洋町・室戸市・安田町・大川村・土佐市・中土佐町・四万十市、三原村・宿毛市
★栃木県(保険適用の全疾患対象、自己負担月500円)の制度を実施した場合、県全体で7300万円、高知市で3850万円(県市1/2で、1925万円)と説明 → 高知市以外の市町村では数百万円程度の話(黒潮町 170万円で可能/議会質問)
◆パートナーシップ制度 来年2月施行 高知市
庁内でのガイドラインを策定し、理解者の周知拡大、講演会・学習会による理解の促進、専門相談窓口の設置などを行う
★「にじいろのまち宣言」、申請書の性別欄削除、「レインボースクール」事業継続
・11月に「(仮称)にじいろのまち宣言」・・・宣言は、SOGIを理由とする差別、ハラスメントを許さず、性的マイノリティの方への支援を推進することを市として表明するもの。
・性別欄が不要なものは申請書から削除。直ちに対応可能な81件について削除へ/県内では香南市実施
・今年度より、学校は、当事者を講師にし、多様性、個人の尊厳を学ぶ「レインボースクール」事業を開始。
◆医療的なケアが必要な重度心身障害児者の保護者等のレスパイル事業 高知市で創設
一時的に休養する間、看護師が自宅を訪問し人工呼吸や酸素吸入、経管吸引など実施。1回あたり2~4時間、年間最大24回利用可能う。利用料は所得に応じてですが、ほぼ想定は無料。
■資料 国保 19年度決算に関連して
・引き続き、最低限ペナルティ分の繰入、財政安定化支援事業の100%繰り入れ
・コロナ対策=資格書の短期保険証への切り替え(高知市、香美市、佐川町で資格書ゼロ)・国保料の減免
・強権的取り立ての防止、/子どもの均等割りの減免への挑戦・・・まず実施のための予算額を明らかにさせる
・県内 統一保険料率の設定の動きに注意 / 一財の投入が難しくなる。保健活動・健康づくりのインセンティブの低下
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