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国連生物多様性サミット 団結して行動すると宣言/参加・賛同に日本の名前なし」

 9月30日、国連生物多様性サミット開催・・・非常に規模の大きな国際会議/コロナ禍のためオンラインではあるが、100カ国以上の首脳陣に600社以上の世界的企業の社長(CEO)も参加/日本 、小泉環境大臣がビデオメッセージ(外務省のHPに出でいるらしい)ほか、10社ほどが参加したにとどまる。

・提起された目標・・・928日、2030年までに生物多様性喪失の流れを逆転させるために団結して行動すると宣言/10項目の「リーダーの自然回復への誓約」(英文)・・これに参加・賛同する首脳の数は77カ国。日本の名前なし。

 メモ者…地球を構成するネットワークの中で生態的地位を占める生物がなくなることで・・・何が起こるか。人類はほとんど知らない。「今だけ、金だけ、自分だけ」の新自由主義との決別が、不可欠。

 ◆誓約の最初の部分 「私たちは今、地球の非常事態にある」

生物多様性とは、人間以外の生物を対象として考えるのではなく、人間の生活や社会を維持するためなのだ、自然は人間の健康福祉そして繁栄を支える基盤、という認識 /この生命維持装置(自然)が傷ついてしまうと、貧困、不平等、飢餓などをより進行させてしまい、SDGsの達成も困難になる。/ その上で、自分たちの行動は将来世代によって評価される、自分たちにはその説明責任がある……と。極めて厳しい認識と決意がしめさけている。

◆誓約の締めくくり

来年9月の国連総会のハイレベル会合において、自分たちが1年間に何をしたのか、どれだけ進展させられたかを確認しよう・・・今すぐの実践を強く求めている

 → 日本は、10年前に生物多様性条約会議を主催(民主党政権下)したのだが・・・ 

 【国連生物多様性サミットが閉幕 自然回復への緊急行動を WWF  2020/10/16

【指導者による自然回復の誓約

2030年までに生物多様性を回復し持続可能な開発を実現するための団結】

 以前、紹介した資料

【生物多様性が減退 食料生産と環境が重大危機に、FAO 警告の初の報告書2019/2

 

【指導者による自然回復の誓約

2030年までに生物多様性を回復し持続可能な開発を実現するための団結】

  世界の約70ヵ国・地域の代表として国連生物多様性サミットに参加する私たち政治指導者は、生物多様性への世界の士気を高めるとともに、直面する危機の大きさに見合う自然・気候・人類のための意欲的な結束を誓う統一メッセージを発信するため、本日、サミットに先立って集まりました。

 私たちは、現在と将来の地球環境の危機に世界が効果的に対応できる唯一の道として、国・個人・世代間の結束・連帯・信頼に基づく国際協力と多国間主義への我々のコミットメントを再確認します。

  現在は地球危機の状況です。生物多様性の損失、生態系の劣化、気候変動という相互に絡み合う危機は、持続可能でない生産と消費に大きく起因しており、喫緊の世界的取り組みを必要としています。生物多様性の損失、陸域・海洋生態系の劣化、環境汚染、資源の枯渇、気候変動がかつてない速さで進行していることは科学的にも明らかです。こうした加速は、人類の生命維持装置である生態系に不可逆的な悪影響を及ぼし、飢餓と栄養不良だけでなく、貧困と不平等をも増大させています。直ちに歯止めをかけて回復に向けさせなければ、世界の経済的・社会的・政治的なレジリエンスと安定に重大な影響を及ぼし、持続可能な開発目標の達成を困難なものとなるでしょう。

  生物多様性の損失は気候変動によって加速しているだけでなく、同時に炭素を隔離・貯蔵して気候変動影響に適応する自然の力を弱らせることが、気候変動を悪化させる要因にもなっています。生態系の劣化、人為的な生態系の攪乱、生息地と生物多様性の損失、野生生物の違法取引が感染症の発生と拡大のリスクを高めることもあります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、こうした病気が生命や健康を脅かすだけでなく、社会のあらゆる側面に多大な影響を及ぼすことを示しています。

  自然は人々の健康・幸福・繁栄を支える根本的な土台です。私たちは自然とその恵みの価値を正しく評価して判断し、生物多様性への配慮は費用対効果が高いことを認識しなければなりません。自然資源の回復がもたらす便益はそのための負担の10倍にも上りますが、無作為に放っておけば、その負担はますます大きくなっていきます。

 生物多様性の保護・持続可能な利用・回復に関する野心的な国際協定や世界的目標に反し、局地的な成功事例は数多くあっても、世界全体としては急速な悪化が続いています。従来の取り組みを続けるだけでなく、革新的な変化が必要となっています。

  本誓約は、こうした危機の認識の現れであり、世界の指導者が緊急の取り組みに対する深いコミットメントを再確認する必要性を示しています。新型コロナ感染症が世界経済を蝕み、各国政府による再建・復興プロセスの開始が求められるなかで下す決断は、今を生きる私たちにとっても将来の世代にとっても転換点となるでしょう。

 私たちは、「自然との共生」を目指す2050年ビジョンを達成するために必要な取り組みを進めていくことを誓います。この長期目標の達成に向けて世界を正しい方向に向かわせるには、真の説明責任並びに適切な法的・経済的・資金的手段及び奨励策を伴う強い政治的意志が必要となります。政府、企業、個人すべてに果たすべき役割があります。私たちは変化の動きを拡大・強化しなければなりません。

  そのため私たちは、2030年までに持続可能な開発を実現し、自然と生物多様性の回復の道を敷く国連「行動の10年」の一環として、今後10年間、以下の通り緊急の取り組みを行うことを誓います。

  1. 私たちは、現在の健康と経済の危機における対応が、グリーンで公正なものとなり、かつより良い状 態への回復と持続可能な社会の実現に直接寄与するものとなるように確保します。そのため、新型コ ロナ感染症復興戦略と資金投資においても、国及び国際レベルの開発と協力の促進においても、 生物多様性・気候・環境全般の取り組みを中核に据えることを誓います。

 

  1. 私たちは、持続可能な開発目標の達成に向けて以下のことが記載された重要な文書として、国連生 物多様性条約第15回締約国会議(CBD CoP15)での採択を目指す、野心的かつ変革的なポスト 2020生物多様性世界枠組みを進展させ、完全に実施することを誓います。

 

  1. 現在の最先端科学技術研究と地域固有の伝統的知識に基づく明確かつ強固な目標とターゲッ ト
  2. 生態学的に代表的な良く連結された保護地域システム及びその他の効果的な地域をベースと する保全手段を通じた、生物多様性の直接的・間接的損失要因への対応及び人為による種の 絶滅の防止、個体数の回復の確保、並びに世界の陸域・海域保護の大幅な強化に対するコミッ トメント
  3. 意思決定における先住民族と地域コミュニティの完全かつ実効的な参加、並びに国及び国際レ ベルの関連文書で認められた先住民族と地域コミュニティの権利の認識に対するコミットメント
  4. 生物多様性の減少傾向を防止・反転させるという課題に見合った強力なモニタリング/レビュー メカニズムと実施手段に基づくコミットメント
  5. 生物多様性枠組みの効果的かつ効率的な実施に寄与する関連国際環境協定、国際機関、国 際的プログラムの間の協力の強化に対するコミットメント

 

  1. 私たちは、生物多様性の損失、陸域・淡水・海洋生態系の劣化、森林破壊、砂漠化、環境汚染、気 候変動という相互に関係し影響しあう問題に対し、因習的な縦割り思考を止め、説明責任並びに実 効性のある強固なレビューメカニズムを確保した統合的かつ一貫的な取り組みを倍増するとともに、 自国において自ら行動の模範を示します。

 

  1. 私たちは、以下の取り組み等を通じ、地球の限界(プラネタリーバウンダリー)を超えることなく人々の ニーズを満たす持続可能な生産・消費パターン並びに持続可能な食糧システムに移行することを誓 います。

 

  1. 資源効率の高い循環型経済への移行や行動変容の促進、陸海域での自然を基盤とした解決 策と生態系を基盤としたアプローチの大幅な拡大等を通じ、資源利用を切り離した持続可能な 成長への転換を加速します。
  2. 世界のコモディティ需要による生態系への影響を大幅に低減し、生態系再生活動に努める持続 可能なサプライチェーンを支援します。
  3. 陸域・海洋生態系に有害な影響を及ぼす土地利用・農業政策を転換し、持続可能な土地・森林 管理を促進することで、生息地の損失や持続可能なではない土地利用転換、森林の破壊と分 断化を大幅に削減し、土地の劣化の中立性の実現と遺伝的多様性の維持を図ります。
  4. 違法・無報告・無規制(IUU)漁業や持続可能ではない漁業・養殖業など、海洋及び海洋資源の 持続可能ではない利用を排除するとともに、国連海洋法条約に基づき、国家管轄権外区域の海 洋生物多様性の保全と持続可能な利用を確保する実効的かつ国際的な法的拘束力のある文 書の交渉を次回政府間会議で決着することを目指すなど、海洋の保護と海洋資源の持続可能 な利用を図る一貫した世界的アプローチの策定に協力します。
  5. 侵略的外来種の負の影響を低減する取り組みを大幅に強化します。
  6. 包括的なライフサイクルアプローチに焦点を置きつつ、海洋ごみとマイクロプラスチックに関する 世界的協調・協力とグローバルガバナンスを強化し、「2020年以降の化学物質及び廃棄物の適 正管理と戦略的アプローチ」に向けた野心的な成果に対する支援を行うなど、化学物質・富栄養 化・有害廃棄物による環境汚染を防止するとともに、2050年までにプラスチックごみの海洋流出 をゼロにする優先的取り組みを通じ、大気、土地・土壌、淡水・海洋の環境汚染を大幅に低減します。

 

  1. 私たちは、パリ協定の気温目標並びに温室効果ガス排出量実質ゼロの2050年目標に合わせて国別 目標(NDC)の引き上げと長期戦略の強化を行うことで、国内気候変動政策をパリ協定と整合すると ともに士気を高めること、並びに経済と生態系の気候レジリエンスを強化し、気候ファイナンスと生物 多様性ファイナンスの一本化を促進することを誓います。

 

  1. 私たちは、環境の劣化、生物多様性の損失、気候変動に対する取り組みに重大な影響を及ぼし、安全保障、法の支配、人権、公衆衛生、社会経済開発を脅かす可能性のある環境犯罪を撲滅することを誓います。実効性とバランスを備えた抑制的な法的枠組を確保し、国内法及び国際法の執行を強化して効果的な協力の促進を図ります。こうした取り組みには、違法野生生物取引や違法伐採材取引など、組織犯罪グループが関与する環境犯罪を重大な犯罪と捉えて対処することの他、サプライチェーン全体にまたがる活動、違法に取得した野生生物及び違法伐採材並びにその派生物の需要の抑制、人と自然と経済のための持続可能な解決策を確保する地域コミュニティとの連動も含まれます。

 

  1. 私たちは、食糧生産、農業、漁業、林業、エネルギー、観光、インフラ、採取業、商取引、サプライチェーンといった重要セクターを含む、あらゆるレベルの分野別及び分野横断的な関連政策においても、G7(主要7カ国)、G20(主要20カ国・地域)、WTO(世界貿易機関)、WHO(世界保健機関)、FAO(国連食糧農業機関)、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)、UNCCD(国連砂漠化対処条約)等の変化を促す重要な国際協定及び国際プロセスにおいても、生物多様性の主流化を図ることを誓います。その対策として、政府のあらゆる政策、決定、投資において自然及び生物多様性の価値を考慮するとともに、生物多様性の保全・回復・持続可能な利用、遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を促進します。

 

  1. 私たちは、健康と環境の持続可能性に対する統合的な取り組みに関し、あらゆるレベルのすべての 関連政策及び意思決定プロセスに「One Health(ワンヘルス)」アプローチを取り入れることを誓いま す。

 

  1. 私たちは、特に以下の取り組みを通じ、経済・金融セクターの変革と改革、人々の幸福、並びに地球 環境保全の実現を図る資金的・非資金的実施手段を強化します。

 

  1. タクソノミー(分類システム)の活用奨励等を通じ、資金投資及び融資の決定並びにそのリスク管理において各種環境コミットメント及び持続可能な開発目標と整合した資金の流れを形成し、自然及び生物多様性の価値に配慮し、かつ生物多様性の保全・回復・持続可能な利用を促進するため、銀行、基金、事業法人、投資家、金融メカニズムを含む国内外の金融システムにインセンティブを与えます。
  2. 自然を基盤とした解決策など、生物多様性対策及び気候変動対策の実現だけでなく、必要に応 じて持続可能な開発、生活向上、貧困緩和にも効果的な貢献を果たす生物多様性支援を大幅に増強するため、官民問わず、あらゆる供給源からの資源の動員の強化、既存資源の効果的かつ効率的な利用、必要に応じた支援の利用機会の促進を図ります。
  3. あらゆる生産分野において生物多様性にプラス又は中立の影響を及ぼす奨励策を大幅に増強するとともに、自然や生物多様性、気候に有害な影響を及ぼす助成金その他の奨励策の撤廃 若しくは転換を行います。
  4. コベネフィット(共通便益)枠組や資金追跡枠組、報告枠組等を活用することで、既存資源の利用における効率性と透明性、そして説明責任の向上を図ります。

 

  1. 私たちは、政策の立案と実施におけるアプローチが科学的根拠に基づくとともに、生態系の劣化、 生物多様性の損失、気候変動の取り組みにおいては科学研究だけではなく地域固有の伝統的知識も重要な役割を果たしていることを認識し、ビジネス・金融セクター、先住民族と地域コミュニティ、環境人権擁護者、地方自治体・公共団体、信仰を基盤とした団体、女性、若者、市民社会団体、学 界、その他関係者等の社会全体を包摂したものとなるようにすることを誓います。

 

  本自然保護誓約に対する支持表明として、地球危機への対処において、単に言葉だけでなく、意味ある行動をとり、相互説明責任を果たすことを誓います。これは転換点であり、目標を達成しようとする私たちの意志と能力は、現在及び将来の世代が判断することになります。また、本誓約では、将来を決定する今後数ヵ月から数年にかけて、この危機に対する世界的な対応を促進する国連システムとその基本的役割を支援することも狙いとしています。

  私たちは、しっかりとしたポスト2020生物多様性世界枠組みの策定に向けた野心的かつ現実的な成果の達成を目指し、G7G20IUCN(国際自然保護連合)世界自然保護会議、第5回国連環境総会、UNFCCC COP26(第26回気候変動枠組み条約締約国会議)、国連海洋会議など、2021年末にかけて開催される重要な国際会議や国際的プロセスのために協力を進めるとともに、CBD CoP 15(第15回生物多様性条約締約国会議)とそれ以降に向けてすべての関係者に地球危機対応についての私たちのコミットメントに参加するよう要請します。

  今回のコミットメントの進捗を振り返り、再確認するため、20219月の次回国連総会ハイレベルウィークをはじめとする重要な国際会議の機会を捉え、来年以降も会合を重ねることを誓います。

 

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