「MMT(現代貨幣理論)」 格差・貧困の拡大する経済体制を免罪する危険性(メモ)
鳥畑与一・静岡大教授の論稿 「MMT(現代貨幣理論)」は、積極財政の根拠たりうるか(経済2020.10)のメモ
MMTについては、一国が、財政赤字支出を拡大して需要を喚起しようとしても、それは国際的な見れば通貨価値の低下をもたらし、輸入に頼る日本では、インフレと不況をもたらし、とても通用する「論」ではない、ということ直観していたが、論稿は、MMTの「理屈」の解説とその批判を丁寧にしてくれている。
貨幣が生れてき歴史的必然性、富の源泉としての労働、そして剰余価値の生産などを無視した、極めて現実世界を「単純化」した俗論であることがわかる。
重要なのは、MMTは、格差と貧困を拡大している現在の経済体制に切り込まず、政府が財政赤字支出は増やせば上手くいく、として、富裕層・大企業への増税ももとめない論であり、国民の不満をミスリードし、「体制擁護」にむかわせるイデオロギーではないか、との認識を強くした。
以下メモ
「MMT(現代貨幣理論)」は、積極財政の根拠たりうるか
鳥畑与一・静岡大教授 経済2020.10
◆はじめに 必要なマネーはどこにあるか
・新型コロナによる経済危機に巨額の財政出動、手元資金炬燵に対する大規模な資金提供
各国政府11兆ドル超える財政出動、
米FRB 信用供給 2月末4.2兆ドルから、4月末6.7兆ドル 対GDP比115%増。G10で6兆ドル、対GDP比15%増
日銀の新規普通国債発行 当初約33兆円から90兆円。一般会計収入の56%借金
→ 中央銀行信用に支えられた積極財政が進むもと 「自国通貨で借金できる政府は、中央銀行が紙幣を刷って国債を買い続けるなら、財政出動を続けられる。MMT論が闊歩する事態に/いっそうのマネタイゼーション推進の声も
・コロナ危機に対応し、柔軟な積極的財政支援を行うべきだが、それ必要性を認めるがうえに、それが持つリスクも正確に認識すべきであり、財政支出拡大を、MMTで正当化することの危険性を警鐘する
Ⅰ.反緊縮政策とMMT
(1)新自由主義の均衡財政主義の行き詰まり
・MMT注目の背景 ・・、市場原理主義に基づく財政緊縮政策の限界の深刻化/リーマンショック後の停滞の継続、格差拡大
→ 実体経済停滞の原因を、財政均衡主義に求める反緊縮財政論の主張が拡大する(英労働党コービン氏)
・MMTの「歳入なき歳出」論(後述)」が、富裕層や大企業への増税など富の偏在を是正する政策抜きに、巨額の赤字財政を「可能」と主張 ⇔ 左右の立場を超えで時事を拡大
→量的緩和政策の下でのデフレ経済継続というある特定条件下の事実が、MMTの正しさの「根拠」として一般化され主張
(2)反緊縮論と「現代貨幣論」
・典型的なMMTの提唱者 朴勝俊氏 「反緊縮経済論の基礎」
・「債務貨幣制度」という政府債務があるゆえに、貨幣供給が可能という論理の展開で、財政赤字正当化を展開
「政府が借金しなければ、つまり日銀が保有する国債がなければ、マネタリーベースを増やすことはできません。・・・この通貨制度のもとでは、そもそも健全な経済状況であっても、成長する経済を機能させるために十分な貨幣(成長貨幣)を供給するためには、政府も民間も借金を増やさなければならない運命にある」
~政府の赤字支出がないと、通貨供給は不可能、というMMTの主張を展開。そして、財政黒字は、「政府債務」の減少を結果し、通貨量、民間債権の現状を引き起こすと、主張
・「日銀の独立性」という信仰を捨てよ、と主張
日銀がマネタリーベース1兆円増やすためには、政府が1兆円分の国債を発行し、日銀が買い上げる必要がある、と事実上の中央銀行否定論を展開
⇔ 「日銀の独立性」とは、政府紙幣発行による高インフレなどの経済的混乱を避けるために、経済活動が必要とする通貨量を、通貨価値の安定と両立させながら供給するための知恵として歴史的に生み出され定借した中央銀行制度/ 通貨価値の安定性を守るために、政府からの独立性が必要 (戦前、軍事費確保たのめの財政ファイナンスなどを教訓としたもの)
Ⅱ 「MMT」の検証
(1)日銀の財政ファイナンスは、MMTの正しさを証明しているのか
・財政ファイナンスは、通貨の安定性を維持するために禁止されている
・「異次元の金融緩和」 財政ファイナンスで500兆円も国債を購入してもデフレ克服できず/リフレ理論の破たん
・が、同時に、デフレ状態のもと500兆円も国債残高が増え、MMT流に言えば、赤字財政による通貨供給(需要拡大)がデフレ状態が改善してないのは、MMTの非有効性をも示している。
→ 金融緩和、財政赤字では解決できない問題が、「デフレ経済」の真の要因であることを示している。
・注目点 MBの増加に比例し、MSが増加せず
→貨幣乗数(MBに対するMSの倍率)が大きく低下、民間銀行の信用創造力(実態経済の信用需要)の落ち込み
→市場原理主義による巨大な格差が需要不足を生み出し、グローバル経済下で供給された通貨が国内需要を形成せず/この構造を放置では、異次元の金融緩和・積極的な財政出動も、デフレ経済は克服できない。危機の構造を強めるだけ
(2)MMT…はたして革命的な理論なのか
・現代の通貨… それ自体価値をもたない不換紙幣/不換紙幣である法定通貨の独占的発行権は中央銀行にある/中央銀行は金本位制時代のように金準備量に発行権を制限されず、かなり裁量権をもって通貨を弾力的に供給できる
⇔ が、無制限に供給できるわけではない。通貨価値を安定させるために適切な供給管理が必要/管理通貨制度論の常識
・MMTの独自性とは・・・赤字財政正当化の論拠に、「新しい」貨幣論=「信用貨幣論」(IOUと称される債務証書が貨幣と主張)
を持ち込んだ点 /中野剛 MMTは「主流派経済学の『貨幣論』(商品貨幣論)が間違いだったことを明らかにした」
⇔その実態は・・・ 「主流派経済学」の貨幣論を、貨幣を物々交換の手段としかみない「商品貨幣論」と決めつけ、/現代の主要な貨幣形態である信用貨幣の展開と対立的に位置付けた上で / 誤りと断罪し /銀行制度のもとでの信用貨幣(預金通貨という銀行債務)の供給を模倣して、「政府の債務=貨幣」という「論理」を展開
~ 「主流派経済学」は、物々交換における交換手段としての貨幣形成を主張するがゆえに、貨幣それ自体が価値をもつ金属貨幣論に固執するが、貨幣の歴史を研究しても、交換手段としての貨幣の形成を示す根拠はないと、商品貨幣そのものを否定/ 貨幣は、支払い債務が貨幣機能を果たすことで形成された債務証券に他ならない、と主張する
→ 商品貨幣と信用貨幣を対立する概念と捉え、後者の正当性でもって前者を否定する論法
・が、「貨幣そのものが商品であり、価値物である」ことのみを主張する素朴な商品貨幣論を展開している経済理論はない
→ 存在しない金属主義ともいうべき商品貨幣論の過ちを「暴露」したことで、その理論の現代性と革新性を主張するのは「一人芝居」でしかない
★マルクスの解明
・「商品世界の共同事業としてのみ成立する」一般的価値形態が「社会的慣習によって、商品金の独自な自然形態に最終的に癒着する」ことで貨幣が生れる
→ 単純な物々交換から貨幣が生れる、としていない/そのうえで、商業貨幣から銀行貨幣などへの信用貨幣制度の進展の中で、「貨幣が、一般の諸機能において、それ自身の単なる章標によって置き換えられうる」ことから、/それ自体価値を持たない価値商標(表章)としての通貨(紙幣)の発展がとかれている。
・「貨幣の度量基準は、一方では純粋に慣習的であり、他方では一般的妥当性を要求するので、最終的には法律によって規制される」/が、法律で「変えられるのは、分割と命名だけである」とされるように /度量基準としての機能において価値商標として紙幣等が貨幣として流通し、/そこに政府紙幣としての独自の流通法則が生れる、と論じている
・支払い手段としての機能において債務証券が貨幣として流通し、債権債務の相殺が金属貨幣の出番を消滅させている、かのように見えるが、恐慌時において、現身(うつしみ)の貨幣が必要になる/という信用制度の問題も論じている
・「価格の度量基準の確定と同じく、造幣の業務は国家に帰属する」とはいえ、それは商品世界が生み出す貨幣の諸運動を前提としている。
★MMTは・・・
・「商品貨幣論」の否定により、経済活動そのものが貨幣が生み出すメカニズムを事実上否定
⇔ その貨幣は、国家が発行権を有する政府紙幣が、民間銀行の預金通貨(信用貨幣)になぞらえて、実は政府の債務(民間部門の対政府債権)に他ならないと主張するだけにとどまらない/かつての政府紙幣論の単純復活ではなく
→商品貨幣論の否定により、政府以外の通貨発行を否定することで、政府の通貨発行力の独占を事実上結論する点が眼目
・貨幣の流通根拠として、政府への納税手段として使える(「租税が貨幣を動かす」)と主張とともに/単なる政府紙幣論(他の通貨の発行や流通は否定しない)とも異質な、政府紙幣以外の通貨発生メカニズムを事実上否定する論を緩解
・この貨幣論を「根拠」に
①税収があって、支出が可能になるのではなく、政府支出(通貨の創造)があって税収が存在しうる
→よって、富裕層、大企業への増税は必要ない
②徴税権を有する国家が、通貨の発行権をもつのであり、その支払いに困ることはない
→徴税権が通貨の根拠であり、商品交換(経済取引)が貨幣の流通根拠ではない
③政府支出の限界は財政赤字ではなくインフレが許容範囲を超えるか否かである/完全雇用まで財政支出を拡大すべき
④通貨供給を政府が独占するがゆえに、財政機能とは通貨供給を行うことであり、その支出の抑制や増税で通貨供給量の管理(インフレ管理)は容易に可能
と主張する
Ⅲ ランダル・レイ「現代貨幣論入門」 ――5つの特徴
(1)貨幣とは何か 政府通貨であり、政府支出=通貨の創造
通貨発行権を政府が持つことから歳入なしに歳出が可能。支払い不能に陥ることはない。通貨の唯一の創造者としての政府の役割が「租税が貨幣を動かす」と言われる論理で展開。
納税手段としての通貨の入手も政府の通貨供給があって初めて可能、と展開される
(2)政府支出こそが通貨を創造する 支出ありて税収あり
・租税は歳入確保が目的ではなく、通貨の流通根拠を与えるためにある、という
・貨幣=政府の債務証書であり、その発行権限は政府のみにあるのだというために、経済活動における貨幣の形成(商品貨幣論)を否定したが、この結果、貨幣供給は政府支出で初めて行われることになり、財政赤字による政府の支出がなければ、そもそも納税する貨幣もない、という議論にまで論が展開
(3)赤字財政や債務上限からの解放
・通貨供給量=国家債務 / 国家債務ゼロ=民間部門における債務の消滅とまで主張
・国家債務という信用貨幣論の結果、民間活動における信用形成、貨幣形成が否定され、極めて非現実的な議論に
(4)富裕層の課税は必要ない 事後配分より事前配分
・歳入確保のための租税が必要ない、という論。左右に関係なくMMTが支持される「魅力の源泉」
(5)過剰消費によるインフレ高進の抑制は、支出削減(増税)によって可能である
・インフレは貨幣供給の過剰のみで発生するのではなく、供給不足(生産能力の過小)によって起きるというインフレ論。インフレは生産能力の破壊という異常時や完全雇用という生産能力の限界によって発生するので、不完全雇用を改善して、供給増加を図ることで抑制が可能と主張
→ 完全雇用にたっすれば、財政支出を抑制すれば、インフレが抑制される
Ⅳ MMTの問題点
(1)通貨発行権を持つ国家の論理から、国家のみが通貨を発行できるという論理への「飛躍」
・「交換手段としての商品貨幣」を否定し、銀行の信用創造(預金通貨という債務の貸付)をモデルにして、政府紙幣もまた政務の債務証書という、近代的信用制度の装いを施した独特の政府貨幣論を何が問題か?
★問題点① 貨幣は、徴税権を有する国家が創造し、商品取引が内在的に生み出すものではない、という論理
経済活動そのものが貨幣を生み出すことを事実上否定。歴史と現実を無視したもの。
→ その結果、経済活動による富の創造(剰余価値生産)が見えなくなっている
→ 政府に貨幣発行権がある、にとどまらず、貨幣は、政府が赤字支出しなければ生れない、という論に飛躍
→ 政務債務 = 民間債権 /政府の財政赤字で、民間の富の増大が可能、という論になっていまう
*が、租税がなくても民間の経済活動により「貨幣は動いているのであり、/ 銀行の預金通発行で信用造像するには計算単位としての貨幣名があればよく、政府貨幣(または中銀の準備金)は必要ない (初期資本主義の姿を見よ)
★問題② この政府貨幣の発行メカニズムに中央銀行が組み込まれることで、中央銀行を軸とした通貨信用制度の機能が事実上否定される
→ 民間部門の経済活動により必要となる貨幣の供給中銀の役割の否定/民間銀行による信用創造の否定
→ 民間の保有する貨幣 = 政府の債務 なので、増税等での貨幣の吸収が、インフレ対策として有効という論になっている
(2)「基本的なマクロ会計」「会計の恒等式」のなかだけの「真実」
・貨幣=政府債務論を支える「科学性」は、複式簿記の論理、マクロ経済学の恒等式と言われるもの
・複式簿記の原則… 経済取引を貸方、借方に同額で、記載する
~ 金融資産((債権)の形成は、同額の金融負債(債務)の記帳上の同額記載で処理
「政府部門と民間部門からだけなる単純な経済では、この金融資産は政府の負債‥政府通貨と国債・・である」「この赤字が蓄積し政府債務のストックとなると共に、民間部門の金融資産が同じ額だけ蓄積される」、「国内民間部門は(独力で)純金融資産を生み出すことはできない」と主張
・同様の議論は、マクロ会計の恒等式(国内民間収支+国内政府収支+海外収支=0 )においても「1つの部門の黒字は他の部門の赤字の裏返しである」「マクロ経済の恒等式(これは間違いなく正しい)」という主張がなされる
*債権=債務で一致する帳簿上の処理原則で経済活動・通貨供給メカニズムを単純化
→ 商品経済の等価交換では剰余価値の発生が謎となってしまうように、経済活動による剰余価値の形成など富の創造や信用創造が説明できなくなってします
例) 1億円を借り入れで、3億円の付加価値がもたらされ、そこから1億円を金融資産投資をした場合 / 純金融資産の増加はないが、金融資産額の増加(富の増加)は実現し、経済活動の拡大に対応した銀行の信用創造で貨幣供給は増大していく ~ 「租税はなくとも貨幣は動く」
→ 民間銀行の信用創造で生み出された預金通貨は、それこそ無からの創造でありこの信用創造を支えるために中央銀行のMBの創造が行われている。その逆ではない。
(3)MMTのインフレ論
・いわゆる「三面等価の法則」(生産=所得=消費)によれば、生産で所得が生れ、その所得が消費をもたらし、需給は一致してインフレはおきない、こととなる
・インフレ・・・ 外部的に必要通貨量以上の通貨供給が行われることで、生産以上の消費がもたらされることで発生
→ この必要通貨以上の投入をもたらしたのが、通貨発行権を持つ政府の貨幣の過剰供給/ その弊害を是正するために中央銀行制度が導入されてきた。
・MMT 政府支出が所得を生み、生産を拡大するがゆえに、政府支出による消費拡大は生産拡大によって吸収されるのでハイパーインフレは起きない、と主張する
~ 問題は、完全雇用達成後(生産力=供給の限界・過小)のインフレ対策。それも財政支出削減等で可能、と主張/本当か?
①現在の財政政策(予算案の作成と審議)の現実に基づけば、インフレ高進に負わせた迅速で柔軟な対策=財政支出の削減、増税による通貨供給量の調整は不可能
②通貨供給削減を、財政支出削減、増税で行うことは、暮らしと経済に大きなダメージを与える
→ 政府の赤字財政支出 = 日銀の準備預金増加額 の 何倍ものMSの供給が銀行の信用創造によってなされている
→ インフレ抑制の対象は、MSであり、財政支出削減、増税の規模は極めて巨大に、不可能
・そのため日銀の金融政策が必要となる /日銀の売りオペ等によるMB縮小は、その数倍のMB縮小をひきおこす
→が、日銀保有の国債売却(売りオペ)。 インフレ時の国債価格下落局面で、民間銀行が応じるか、という問題がある
*商品貨幣論否定の貨幣論は、インフレ抑制に対する理論的欠陥をもたらしている。
(4)MMTの役割と問題点
・不況の原因 ミクロ経済学の新自由主義は、供給側の生産性低下に求め、市場原理主義的構造改革を主張
マクロ経済学のケインズ理論は、需要不足に求め、財政、金融政策での需要喚起策を主張
→ この需要喚起策の新たな展開
- 金融面では、リフレ理論
- 財政面 政府債務は日銀債権で相殺され、支払金利も国庫に還流するので実質的に債務はないという
「総合政府論」、そしてMMT
・MMT 富裕層・大企業への課税を必要としない「赤字財政支出拡大」論
富の偏在と貧困格差を生み出してきた経済構造の改革からは目を背ける結果となる
→巨大な貧困格差、グローバルな富の偏在が、99%の人口の消費抑制による過剰生産を生み出し、世界経済のデフレの原因ならば、果てしない量的金融緩和と財政赤字の拡大策となる。
◆終わりに 直面する問題
・政府(中央銀行)が貨幣発行権を有しており、政府の「支払い不能(デフォルト)」は生じない、というMMTの主張は、一見正しいようにも見える。/ 政府債務が日銀の国債購入で賄われる限り、政府部門として、債務と債権が相殺され消滅するという「総合政府論」も、一見正しいように見える
→ 政府の債務(国債発行)が日銀の債権(国債保有)で、「相殺」されるとしても、日銀の債権形成の裏側=MB供給を通じて、民間経済に債務を負う。
→このMBは、民間銀行の信用創造(預金通貨供給)を通じて、MS形成を支える
→ このMSの通貨価値も日銀券の通貨価値に依拠している
*政府の通貨乱発は、その通貨価値の減少(インフレ)を招くことで、民間経済が持つ債権の価値減少を通じて、債権の価値通りの回収不能という実質的「デフォルト」が生じることとなる。
(メモ者 MMT 一国の閉鎖的経済空間が前提。 財政ファイナンス=通貨価値の下落が 輸入農産物・材料・燃料の高騰 、大不況をもたらすことを無視している)
パウエルFRB議長 「今は政府債務の膨張を懸念する時ではない。経済の長期ダメージを避けるため、大型の財政支出を打ち出す必要がある」(日経4/29)
~ 大量の倒産、失業による人的損害の発生より、少々のインフレ発生のリスクを受け入れるかどうかの、政策判断はありうる。が、MMTが言うように、そのリスクを否定し、バラ色の幻想のみをまき散らしつつ、無防備に突き進むことではない。
・日本も、長期的には、富の偏在と貧困格差を生み出す経済格差の是正を税制の所得再配分機能を活用しつつ進めることで、積極的な財政支出が一時的効果に留まらない長期的な持続安定性を持った経済構造の変革を確実に進めること
(メモ者 富の偏在がもたらす、金融資本主義が、株・土地などバブルとその破裂、不況を繰り返すことで、民間金融機関などへの公的支援の規模が拡大、いっそうの富の偏在という悪循環、資本主義の限界を炙り出している。)
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