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核兵器禁止条約 発効へ  地方紙社説②と「被団協声明」

  昨日につづいて、地方紙の社説

 少なくともオブザーバー参加して、核兵器廃絶へ被爆国政府としての役割をはたせ、という論調が目につく。

 被団協は、“「核兵器は人道法の精神に反するが実定法は存在しないので違法ではない」「国際司法裁判所は核兵器の威嚇と使用は違法としながらも、国家の存亡がかかる状況下での判断はしないとしている」ことをもって、「核兵器の使用は国際法では禁止されない」との(日本政府の)見解」は「もはや成り立ちません」と指弾している

 [禁止条約発効へ] 核廃絶 日本が主導を 南日本新聞10/27

https://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=127661

核禁条約発効へ 「絶対悪」の認識共有せよ 西日本新聞10/27

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/648519/

核禁条約発効へ 日本の参加欠かせない 東京新聞10/27

https://www.tokyo-np.co.jp/article/64486?rct=editorial

核兵器禁止条約 政府は背を向け続けるな 信濃毎日10/27

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20201027/KT201026ETI090007000.php

 

【声明 核兵器禁止条約 50 カ国の批准書(加入書を含む)の寄託にあたって 日本被団協10/25】

社説の中で、日本政府にかかわる部分

◆南日本新聞  「日本政府は保有国と非保有国の「橋渡し役」を自任する。唯一の戦争被爆国の責務として核廃絶を主導すべきである。」「 現時点で条約参加は難しいとしても、条約発効後1年以内に開かれる締約国会議にオブザーバーとして参加し打開策を探る必要がある。条約発効を機に、核に依存しない安全保障への転換を着実に進めるべきだ。」

◆西日本新聞 「核使用の危険性は高まる一方だ。 こうした流れは変えなければならない。日本は本来その先導役を担うべき国のはずである」「日本は核保有国と非保有国の「橋渡し役」を掲げる以上、核廃絶を働き掛けると同時に、発効後の締約国会議にオブザーバーでの参加を検討し、いずれは条約批准を目指すべきだ」「人類と核兵器は共存できない」と日本から訴え続けた被爆者の声が条約の原点である。唯一の戦争被爆国として政府も私たちもあらためて条約の意義をかみしめたい」

◆東京新聞 「。核保有国は参加していないが、実効性を持たせるために、唯一の戦争被爆国である日本も参加し、協力すべきだ」「 重要なのが、日本の役割だ。日本は米国の核の傘に入っているものの、日米安保条約には核兵器に関する記述はなく、核禁条約に参加することは不可能ではない」「日本政府は、唯一の戦争被爆国として、核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担うと、再三表明してきた。いまこそ、そのタイミングではないか。 条約発効後、具体的な運用について協議する締約国会議が開かれる。この会議に、オブザーバー参加することを決断すべきだ」

◆信濃毎日 「 核なき世界への扉を開く大きな一歩になり得る条約である。原爆の惨禍を経験した日本は、その動きを率先する責務がある。米国の「核の傘」に依存し、条約に背を向け続ける姿勢を政府は改めなくてはならない」「核廃絶を表向き掲げつつ、米国に同調するばかりでは、むしろそれを妨げ、後退させていないか。被爆国としての責務に逆行する政府の姿勢を厳しく問わなければならない」「禁止条約を、NPTを補完して核廃絶を図るものと捉えることに何も無理はない。発効から1年以内に開く締約国会議に政府はオブザーバーであれ参加し、日本が果たす役割を考え直すべきだ」

 

【声明 核兵器禁止条約 50 カ国の批准書(加入書を含む)の寄託にあたって 日本被団協10/25

 

被爆 75 年にあたる 20201024日、核兵器禁止条約の発効要件を満たす50カ国の批准書(加入書を含む)が寄託されました。

201777日、ニューヨークの国連本部において、核兵器禁止条約が 122 カ国の賛成で採択されてから、まる 3 年の歳月を得て達成された快挙です。この日から 90日を経た来年の早い時期に、核兵器禁止条約は発効することになります。名実ともに核兵器はこの条約によって禁止されます。被爆者が訴え続けてきた「核兵器なくせ」を実現する確かな道が開かれました。この日は、1945 8 月に核兵器が人類の頭上にさく裂した日と合わせて、人類史上銘記される日となるでしょう。

核兵器の禁止、廃絶を求め続けてきた私たち被爆者は、生きていてよかった、と心からなる大きな喜びを分かち合う日を迎えました。75 年前、理由もわからぬまま命を奪われた数十万の原爆死没者と今日まで被爆者運動に死力を尽くした先達に伝えたいと思います。

あわせて、国内外で長年にわたり、被爆者の運動を支え、核兵器の廃絶を目指し核兵器も戦争もない世界に実現する運動を共にしてくださった多くの個人と団体、条約の成立に尽力された各国政府および市民の皆さまと、喜びを分かち合いたいと思います。

しかし、核兵器不拡散条約「(NPT)で核兵器の所有が認められている核兵器国5カ国とその同盟国、他の核保有 4 カ国もこの禁止条約に反対し続けています。残念ながら唯一の戦争被爆国の日本の政府もその仲間に入っています。

今日まで日本政府は「核兵器は人道法の精神に反するが実定法は存在しないので違法ではない」「国際司法裁判所は核兵器の威嚇と使用は違法としながらも、国家の存亡がかかる状況下での判断はしないとしている」ことをもって、「核兵器の使用は国際法では禁止されない」との見解をとり、核抑止による安全保障政策をとり続けてきました。

これらの言い分はもはや成り立ちません。日本国政府、国会はいまや核兵器の全面禁止の先頭に立つべきです。直ちに核政策を転換し、速やかに核兵器禁止条約に署名、批准し核なき世界の実現の先頭に立つことをここで改めて要請します。

被爆者は国内外で、原爆は人類と共存できない絶対悪の兵器であることを、証言し続けてきました。2016 年からは核兵器の禁止、廃絶の条約をすべての国が結ぶことを求める訴えに対する国内外の市民の賛同を呼びかける「ヒバクシャ国際署名」を推進してきました。

今や世界の核保有国の市民の多くが、核兵器が反人間的兵器で不要なものであることを知るところとなりました。しかも、莫大な費用や時間、人材をかけて製造し、所有することは、国際法違反となります。しかし、核兵器使用の危機は払しょくされていません。万が一使用されることになれば、その被害は計り知れません。

被爆者の願いは、「ふたたび被爆者をつくらない」ことです。高齢化した被爆者に残された時間はわずかです。力のある限り平和を願うみなさんと共に、核兵器も戦争もない世界に向かって歩み続けます。

 

2020 10 25

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

 

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