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ポストコロナ政策 政府・財界が狙う「地方制度改革」の倒錯(メモ)

「コロナ禍で問われる国と地方自治の在り方」  岡田 知宏 「議会と自治体」2020.10から、政府・財界が目指す地方制度改革の部分についての備忘録。

 地制調答申では、圏域行政の法制化は見送られたが、実践的に基盤整備する仕掛けが提示されている。圏域行政は、地方自治の根幹をなす「住民自治」と「団体自治」を解体にもちこむものである。それがデジタル化の名の下で個人情報の管理・集約と利用という人権棄損の政策と一体にすすめられようとしている。

 

【コロナ禍で問われる国と地方自治の在り方  岡田 知宏 「議会と自治体」2020.10】より

 ◆惨事便乗型政策

①第32次地方制度調査会答申(6/26  「自治他姓戦略2040」に記載された「圏域行政」の法制化は見送られた

⇔ が、「公共サービスの産業化」を推進することで圏域行政を推進、という「2040」が、格ところで強調

・東京、大都市部のコロナ患者集中・・・東京のグローバル都市圏に育成する、とした「地方創生政策」の破たんを示すもの

 ~ 一極集中はむしろ進行/ コロナ危機の示した課題の検証や地方創生の総括なしに答申をまとめたことは大問題

 

・「圏域行政」「地方創生総合戦略」の基底/「選択と集中」により「効率化」を図り、経済成長を目指す共通の考え

→平成の大合併 (小規模自治体の統合、地方財政支出の抑制しながら、中心部で経済成長を果たそうとした)の大失敗

→ 連携中枢都市圏、定住自立圏での悪あがき。それに便乗し、中心都市に行財政権限を集中、経済成長を図る

 

②地方自治の根幹 「住民自治」「団体自治」を解体する「圏域行政」

・「2040」…県と市町村の二層制を解体し、「圏域行政」に「標準化」させるべき

⇔ さらにAI、ロボティクス等の情報技術の導入で、地方公務員を半減。削減した公務の仕事は、ウ-バーイーツのようなギグビジネス(個人請負)を活用した、新しい「公共私」の連携に代替する、という提案

 ・圏域行政の「標準化」のために地方自治法改正、という議論は、全国町村会など地方団体、日弁連の強い批判で両論併記

→「圏域行政」は、憲法体制の根幹をなす地方自治の柱  「住民自治」と「団体自治」を解体するみの

→ 小規模自治体の自律性を損なう恐れ。首長・議員を住民が直接選ぶことを想定してない

・法制化の提案はされなかったが、実質的に制度的・技術的基盤を具体化するための詳細な提案がされている

 

③「圏域行政」の実質化のしかけ

・行政サービスのデジタル化   「標準化」「共同化」、クラウド活用を自治体の広域連携で進める

・「連携計画」の作成、実施、チェック過程、合意をめぐるルール化。「未来予測」」の整理

~ 国、都道府県の関与、介入の余地が大きくなる

 ★キーとなる装置=「地域の未来予測」   /地制調の「中間答申」で登場

・地域の未来像を議論するための「材料となる重要な将来推計のデータ」のこと

→ 「予測」を、市町村単位、連携中枢都市圏、定住自立圏でつくり、都道府県が「共有」することを求め、/連携する「計画形成市町村」の独自の役割、都道府県の関与のルール化、国の情報提供等による関与を求めている

・国による財政措置と人材派遣もあり、国→都道府県→連携中枢都市圏→市町村、という系列で、データの情報独占、財政誘導によるトップダウン的な統治支配が容易にできる仕組み /団体自治の棄損

 ・「予測」「計画」づくり、実施の各段階で、民間企業の積極的関与を提案 ~行政の私物化、住民自治の棄損

 ★デジタル化、広域連携では、すでに開始、計画されている部分の加速化に注視を

 デジタルファースト法制度、マイナンバーカード普及、自治体の業務プロセス・システムの標準化、「スマート自治体」、自治体SDGsモデル事業、スーパーシティ構想など

 

◆「大阪都構想」とスーパーシティ構想

・都構想  大阪市をなくし、府に財源・権限を一本化し、大規模開発を可能とさせるもの/市財政の23%が府の開発財源に

   コロナ危機をうけての再検証なし

・万博予定地の夢州地区 スーパーシティ構想~ 行政のもっている医療・福祉・教育・住民票等の個人情報、民間企業の交通・通信・買い物等のビッグデータを、民間企業の収益活動に提供するもの/個人情報、人権の侵害の懸念

→外資系の情報企業、東京本社系企業が関心/今年、大阪スーパーカンファレンスをJTB系企業が主催、大企業が参加

・仮に実現しても、そり利益は府民にはいきわたらない。関空の二の舞=富の流出と住民負担増

 ・維新政治=公的サービスの解体で、コロナ禍で危機的状態に  /特に医療・公衆衛生

 橋下徹元府知事自身が反省「徹底的な改革を断行したことが、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立私立病院など、そこは、お手数をおかけしますが、見直しをよろしくお願いします」(4/3ツイート)

・国の定額給付金でも…全国最低 /市が給付事業を凸版印刷、JTBの共同事業体に委託 システム不備が原因

・府も、徴税業務、図書館業務など府外大手に委託 

→  安定した雇用の場の減少、富の流出。公的サービスの安定的な提供に支障

 ◆「デジタル革命」を掲げた骨太2020

・地制調答申の背景  ポストコロナ後の政府・財界の戦略 /骨太方針の下敷き…民間4議員の提案

   公衆衛生・医療・地方行政の領域でのデジタル化推進 「デジタル・ニューデール」

  • テレワークの導入による多角連携経済の構築 (受け皿としてのスマートシティづくり)
  • 首都圏・関西圏での広域行政サービスの提供
  • 国と自治体のデータ統合とマイナンバーカードの普及加速化
  • 「経済・財政一体改革」の堅持と、「資源配分のメリハリ」

・平成の大合併 財界(経済同友会)の提言「基礎自治体強化による地域の自立」06年

  「親会社【国】への依存体質から脱却し、子会社【自治体】の自助努力による徹底したコスト削減【歳出削減】!」

 → 国と地方自治体という二重のルートを通じての人権保障、福祉の向上をはかるという国民主権の在り方を、大企業の論理でしか見ない思考が今もつづいている。

・ 国、自治体を、大企業の「儲ける力」のために私的利用し、「公共」の役割を否定・削減してきたことが、コロナ危機を加速化

~コロナ危機を利用し、さらに新自由主義的改革をすすめようとする「惨事便乗型改革」

 ★コロナ危機のもとでの各種給付金の遅れは、デジタル化、マイナンバーカードの普及の遅れによるものではなく、自治体合併であまりにも巨大な基礎自治体をつくり、かつそこで働く公務員を大幅に削減し、業務について何重にも下請け構造をもった企業に委託することから生じたもの。

~ その根本政策の見直しこそ必要

 

 

 ★政府・財界の目指す社会について・・・よくわかる記事

【経済アングル  デジタル化が生む差別  赤旗2020929日】

  菅義偉首相が目玉政策に掲げ、注目度が増す「デジタル化」。

 それを熱烈に推進しているのは経団連です。デジタル技術で大量のデータを収集・蓄積・分析すれば、産業、組織、個人の生活を大転換させられると経団連は主張します。個人情報を使って新サービスを創出し、米国と中国の巨大IT企業に対抗する狙いです。

 しかし巨大企業による個人情報の独占的な収集・活用は、学生の内定辞退率を勝手に算出したリクナビ事件のように、深刻な差別・排除を引き起こす恐れがあります。現に経団連の提言(7月14日「Society5・0時代のヘルスケアII」)には個人の医療情報の驚くべき活用法が書かれています。

  ▽市民の病歴や健康診断結果、生活習慣のデータに基づき0~100点の「健康スコア」を算出し、スマートフォン上で表示する。

 ▽1日に歩いた距離が1万5000歩に達したら5点、睡眠時間が7・5時間あれば1点を加点する。蒸留酒を200ミリリットル飲んだら1・5点、たばこを5本吸ったら3点を減点する。

  中国杭州で実際に導入が検討されているシステムだといいます。

  経団連は医療・生活・購買・移動などの個人情報を民間事業者が蓄積する「パーソナルヘルスレコード」(PHR)の仕組みづくりを進めます。政府がマイナンバーのもとに蓄積しようとしている国民の医療・健康情報をPHRに統合することも求めています。

 それらの情報を新サービスや医薬品の開発に利用しつつ、国民に対しては情報を参照して「健康意識を高める啓発活動を実施していく」といいます。

 健康の自己責任論を極限まで推し進め、「健康スコア」の低い人を断罪し差別し排除する「新サービス」が出現しかねません。

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