新型コロナ対策 20年度2次補正(メモ)
【令和2年度補正予算(第2号)の概要 財務省】
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/sy020407/hosei020527b.pdf
二次補正は、広範な世論と国会論戦が支援に後ろ向きだった安倍政権を追い詰め、医療提供体制の拡充や中小企業支援、文化・芸術支援、学生支援などで大きな前進を築いた。
が、小出しで、遅い。特に、学校再開にむけた教育支援、苦境の学生支援など極めて貧弱。10兆円の予備費…国会無視がひどい。
以下、具体的な内容について、メモを作ってみた。
(随時加筆 最終6/3)
【2次補正メモ】
・一般会計の歳出総額は31兆9114億円。▼資金繰り対応の強化:11兆6390億円▼医療提供体制等の強化:2兆9892億円▼雇用調整金の拡充、休業支援班など 1兆9835億円 ▼家賃補助 2兆242億円 ▼地方創生臨時交付金2兆円▼予備費:10兆円
・財源 全額を国債の追加発行 赤字国債を22兆6124億円、建設国債を9兆2990億円
画像は赤旗よの
◆医療関係 2兆9892億円、
◎ワクチン・治療薬の開発等600億円/ワクチンの早期実用化の体制整備1455億円
◎新型コロナ感染症緊急包括支援交付金(医療)1兆6279億円計上 新規事業分1兆1788億円
・空床確保料」の補助 /ICUの場合 1日1床当たり9万7000円→ 30万1000円に増額
・重点医療機関・・・超音波画像診断装置や血液浄化装置、気管支ファイバー、撮影装置、生体情報モニターなど、高度医療向け設備の整備も支援。
◎コロナと闘った医療従事者 1人上限20万円を給付 310万人分の予算確保へ 予算額2921億円
都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し、「実際にコロナ患者に診療などを行った医療機関」である場合は「20万円」(79万人想定)を給付。当該医療機関に勤務しながらも、「実際にコロナ患者の診療がなかった」場合は「10万円」(35万人想定)を給付。「その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し、患者と接する医療従事者や職員」は「5万円」(196万人想定)を給付。
なお給付対象は一定期間の勤務経験があること。所得税などの税金は非課税扱い。
→5万円のところには、介護,障碍者事業所も入るが、児童養護施設や乳児院、保育所などの職員は対象外/ここは自治体の臨時交付金での手当や国方針の見直しが必要。
◎救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策で費用補助
99床以下は実費2000万円、100床以上3000万円、100床ごとに1000万円を追加。
◎地域の病院、診療所、保険薬局 必要な診療を継続するための支援
重点医療機関以外の一般の病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、助産所について、感染拡大防止対策などに要する費用を補助。
病院の場合、200万円に1病床あたり5万円を乗じた実費を上限に補助。有床診療所は200万円、無床診療所は100万円、薬局、訪問看護ステーション、助産所は70万円をそれぞれ上限に必要な費用を設定。
◎6月の資金繰り対策「診療報酬の概算払い」認める
このほか医療機関の資金繰り対策も盛り込んでいる。6月の資金繰り対策として「診療報酬の概算払い」を認めるもの。福祉医療機構の優遇融資を拡充する。このための貸付原資として1.27兆円を財政融資から賄う。
◆雇用・生活支援に1兆9835億円
◎雇用調整助成金の上限引き上げ 、
・1日当たりの上限額8,330円から15,000円(月額の上限は33万円)
・4月1日以降に開始された賃金締切期間に遡って適用(9月まで)
・解雇等を行っていない中小企業の場合 助成率10/10に引き上げ(4月に遡及して適用)~中小企業は自己負担なく休業手当を支払うことができる(現在は9割、特措法に基づく休業要請を受けている場合のみ10割)
~現在4月1日から6月30日までの緊急対応期間が9月末まで延長。また、支給処理を担う体制強化も。
・以前は、休業手当を実際に支払ってからでなければ支給申請を行うことができなかったが、現在は、賃金締切日以降、休業手当に係る書類などの必要書類が確定していれば、 その時点から支給申請をすることができる。
~緊急事態宣言を受けて4月に休業した場合、多くの企業では4月分の助成金の申請はすでにできる状況
【「申請できない」はウソ! 整備進み、雇用調整助成金の活用が「急増中」 今野晴貴 POSSE代表 5/31】
◎「休業支援金」制度の創設 5442億円
・業期間中の賃金の支払いを受けることができなかった中小企業の労働者を対象に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(仮称)を創設。労働者個人が直接申請でき、労働者に直接支給される制度。
~ 様々な事情から雇用調整助成金を活用しない雇用主が多いことへの対策
・休業前の賃金の8割(月額上限33万円)が休業実績に応じて支給される(労働政策審議会の資料)
・申請方法は労働者が会社から休業証明を受け取り、ハローワークに直接申請する方式が予想される。
・4月1日から9月30日までが対象期間の見込み。さかのぼって支給を受けることができる。
・労働時間が週20時間未満で雇用保険に加入していないアルバイト等の非正規労働者もこの制度の対象となる見込み
~すでに休業手当の支払いを受けている労働者は、たとえ6割しかもらえていない場合でも、休業支援金を申請することはできない。という問題点がある。それについて・・・
加藤厚労相(5月26日閣議後記者会見)「低い金額の休業手当しか得ていない方に関しては・・・ これは遡及適用できますから、・・・もう一回それに上乗せして支給していただくという形で対応していただける」よう、働きかけていく。
◎失業者への施策 ~ 雇用保険の失業手当の拡充
失業手当…離職時の年齢や雇用保険への加入期間、離職理由などに応じて給付日数(90~330日)が決まり、在職時の給与の5~8割を支給。
・今回、一定の要件を満たす場合、給付日数を60日延長。手当の上限額(8,330円)の引き上げは見送られた模様だ。
◎ 学校休校にともなう保護者への支援制度を拡充
・小学校休業等対応助成金 1日当たりの上限額8,330円が15,000円(4月に遡及し適用。適用期間は9月まで延長)
・フリーランス 上限額を4,100円から7,500円
◎妊婦への休業支援 1人最大100万円 90億円
・新型コロナに関する母性健康管理措置として休業が必要な妊娠中の労働者のために、有給の休暇制度を設けて取得させる事業主を支援する新たな助成制度を創設
~保健指導・健康診査を受けた結果、その作業等における新型コロナへの感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置(在宅勤務・休業等)を講じなければならない。が、労働者を休業させる場合に有給とするか否かの判断は事業主に委ねられていた。
→ 助成対象: 年次有給休暇とは別の休暇制度で賃金の6割以上を払い、計5日以上妊婦を休ませた企業。5~19日間の休業に25万円を助成、その後20日ごとに15万円加算。最大一人100万円、1企業あたり20人まで。
◎緊急小口資金の拡充
◆経営支援
◎家賃支援給付金の創設 最大600万円 2兆242億円、
・5月の緊急事態宣言延長で売上急減に直面する事業者(1カ月で売上が前年同月比で50%以上減少、または連続した3カ月間で売上が前年同期比で30%以上減少)を下支えするため、「家賃支援給付金」を創設。
・給付率は3分の2、給付上限額(月額)は法人50万円、個人25万円とし、6カ月分を給付する。
・複数店舗所有など家賃の総支払額が高い場合は、月額家賃のうち上限超過額の3分の1を給付する例外特例を設け、給付上限額を法人100万円、個人50万円に引き上げ。
◎持続化給付金の拡充 1兆9400億円を追加
・今年1月から3月末までに創業した事業者・・・いずれかの月の売り上げが1月から3月までの平均より50%以上減少したことを条件に給付の対象に追加
・フリーランスのうち、収入を「雑所得」や「給与所得」として確定申告していた人も、申請可能に。
契約や支払いを証明する源泉徴収票や支払調書などの書類を提出。事業を行っていることを確認できた場合に支給。
◎小規模事業者持続化補助金の拡充
持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや、あわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援するため、50-100万円(補助率2/3~3/4)+事業再開枠50万円(10/10)
◎中小事業者経営相談事業94億円 支援拠点から市町村へ専門家を派遣、商工会等の相談員配置
◆学生・教育
◎学生支援緊急給付金の創設 最大20万給付
休業の影響でアルバイトの収入が減少した学生に10万円、住民税非課税世帯の学生には20万円を給付。大学院や大学、専門学校、日本語学校などに通うおよそ43万人が対象
◎大学などの授業料の減免の支援
・経済的困難な学生を支援するため学校側が授業料などの減免を行った場合に国が補助 45億円
・私立大学などでは3分の2、私立高校は都道県負担の1/2を国が補助 102億円
◎教員、学習指導員追加配置 3100人、 318億円 国1/3、都道府県2/3
・地域の感染状況に応じて、小学6年生や中学3年生を少人数の編成にするため、本来の定員に加えて3100人の教員を配置。チーム・ティーチングなどにあたる学習指導員などを追加で配置する費用を補助。
◎学校感染症対策、家庭用学習教材の整備
小~高校対象。1校当たり100万円~300万円程度を緊急的に支給。421億円。
◎学校や家庭で情報通信技術を活用した教育環境の整備 光ファイバー整備推進 502億円
光ファイバーが整備されていない学校がある地域などで整備を推進 502億円
(総務省 高度無線環境整備推進事業 国1/2、自治体1/2。/ 離島 国2/3、財政力0.5以上 国1/3)
◆ひとり親支援
◎児童扶養手当受給世帯に対し5万円(第2子以降3万円加算)を支給。
◎児童扶養手当の支給を受けていないひとり親世帯は、新型コロナの影響を受けて収入が減少したことが確認されれば一世帯5万円を給付。
◆芸術家やアスリーの支援 560万円
◎自粛を余儀なくされた文化芸術分野で活動する個人や小規模事業者に、20万円を給付
◎より積極的な準備、感染防止対策などに対し、個人や小規模事業者に最大で150万円を支援。
◎中・大規模事業者については文化芸術分野に限り、上限2500万円の支援
◆一次産業 658億円
◎経営継続補助金 省力化など生産・販売方式の転換100万円、換気など感染防止対策50万円、計150万円
◎子牛の平均価格が60万円を下まわった場合 出荷1頭あたり1万円、57万円未満3万円
◎高収益作物次期作支援給付金 10a5万円から、施設園芸では花き等80万円、果樹25万円を新たに設定
◎融資枠の拡大・拡充349億円
◆地域の公共交通機関での感染防止の対策に138億円 経費の1/2を補助
◆1次補正で1兆円を計上した自治体向けの地方創生臨時交付金は2兆円増額
◆資金繰り支援策として日本政策金融公庫や民間の実質無利子・無担保融資を拡充。事業規模ベースで60兆円超。
【総務省 補正予算等に係る財政措置 5/27】
今回の予備費使用及び補正予算による歳出の追加に伴い地方負担の増加が生じることから、当該地方負担については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金により措置することとしている。
また、今回の補正予算により令和2年度に追加されることとなる投資的経費に係る地方負担については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当しない場合には、原則として、その100%まで地方債を充当できることとし、後年度における元利償還金の50%を公債費方式により基準財政需要額に算入することとしている。
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