2020年度 政府予算 メモ2
【 2020年度政府予算の特徴(メモ) 】
http://wajin.air-nifty.com/jcp/2020/01/post-5eca93.html
の補足版のメモ(「議会と自治体」3月、4月号より)。主に自治体の施策との関連部分をピックアップ
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≪ 2020年度 政府予算 メモ2 ≫
【地方財政】
1.全体像
・歳入 一般財源総額(水準超除く) 前年度比 1兆746億円 増額 ❶
・歳出 行政需要の増によるもの ∔ 9800億円 ❷
・社会保障自然増分(3000億円)、幼保無償化+1880億円、「社会保障充実」 など 6800億円増
・一般行政費・単独 公立保育所の無償化分+1220億円、会計年度任用職員1690億円
* 投資的経費
直轄・補助 2600億円 減❸ ・・・防災減災緊急3か年計画で18補正、19当初で大きく配分されたため
地方負担分は、全額地方債の対象
単独 横這い ・ 「公共施設等適正管理推進事業費」 同額の4800億円
→ 長寿命化、バリアフリー、役場機能緊急保全など、充当率90%、交付税措置30-50%、70%
・「緊急防災減災事業費」 5000億円 新規・浸水対策を追加
・「緊急自然災害防止対策事業費」3000億円 道路、市町村の急傾斜崩壊対策を追加
・維持修理費 978億円増❹ 「緊急浚渫推進事業費」900億円(全額地方債 充当率100、算入率70、5年間)
- ❶一般財源総額の増、❷社会保障等の歳出増 ❸投資的経費減、❹維持修理増・・・前年度3,500億円の「余裕」
→ 「地域社会再生事業費」4200億円 (基準財政需要額)を、新たな品目に追加による
*.防災
- 「緊急浚渫推進事業費」
「三位一体改革」で国庫補助廃止、地方債の対象にもならず、対策が後回しになったため創設されたもの。4月中に国交省から事業の優先順位の基準がしめされる予定・・・・身近な河川の総点検を
- 住まいの「一部損壊」が、救助法の対象に
台風15号千葉県の屋根被害・・・ 「1部損壊」の1部が対象に。最大30万円。損害割合10以上-20未満。
*「地域社会再生事業費」
・条件不利地域の多い自治体へ交付税を重点的に配分
・人口構造の変化に応じた指標・・・人口減少率、高齢者人口比率。人口密度の低い地域の人口 (4000人未満)
→ どの程度を見積もっているか聞き取り(6月に確定)、地域要求実現に使わそう
*高齢者等の戸別ごみ回収に交付税措置
特別交付税の対象に。 戸別回収を実施することで増加した経費の半額を措置 387自治体で実施(19/3)
*「まちひとしごと創生事業費」
「地域の元気創造事業費」の「行革努力分」にあった「職員数削減率」の廃止、
「人口減少等特別対策事業費「の「取組の必要度」から「成果」へ5年間1千億円を移行
2 住宅
・公営住宅の建て替えにPFIを検討・導入を要件とする「地域居住機能再生推進事業」 年々拡大337億円
・空き家対策 行政代執行による除却する場合も、新たに支援の対象に
・コンパクトシティの推進の柱「立地適正化計画」
「居住誘導地域」が、洪水時の浸水想定地域を含んでいる自治体が9割近く(275都市中、242都市。
→国交省 関連事業を個別事業ごとに補助する 「都市構造再編集中支援事業」 700億円
危険個所の居住誘導区域からの除外、民間の「災害弱者施設」の都市機能誘導区域への移転促進
3.交通安全
・「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」(19/6) 緊急点検、対策必要箇所 全国36000件
警察 ∔17.6億円 都道府県への補助制度新設 補助率1/2 標識・信号機の設置
国交省 19補・未就学児の交通安全緊急対策22億円、安全対策を実施する自治体への交付金237億円など
・信号機・道路標識の整備など「交通安全設備整備事業費」(警察)
10年で77億円減、自治体の整備費は20年間で44%減
→ 警察庁 「信号機設置のより一層の合理化」の通達(19年4月)/都道府県で「合理化計画」作成・公表されず。
4.生活安全
・性暴力被害ワンストップ支援センター +3700万円の2.47億円
人件費 時給1000円→1288円 ⇔ 24時間対応施設20、うち病院整備12か所(病院拠点9)に留まる
・配偶者暴力相談支援センター 都道府県設置287か所
新規・パイロット事業~民間のシェルターなど先進的取り組み支援2.5億円
が、一時保護件数は、5年間で3割以上減。配偶者暴力相談支援センターの相談は年11万件で高止まり
・日常生活支援住居施設の創設(委託事業) 無料定額宿泊所で、政令に該当すると都道府県が認定した施設を、生活扶助を行う施設と位置付け→ 一時利用にとどめる施設を、低所得者の住居として固定化させる危険
・ひきこもり支援 福祉事務所設置自治体の自立相談機関に専門の支援員を配置し、訪問活動の充実はかる(35億円)
5.障碍者
・新高額障害福祉サービス等給付金 低所得者の介護保険利用料の償還払い 周知不足で対象者が利用できてない
⇔ 65歳になるまでに5年以上、特定の障害福祉サービスを利用していた方。介護保険移行後に利用した、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護の利用料を還付
・児童発達支援センター 地域の療育の中核。新規・SW配置し、市町村などと連携強化
・医療ケア児 学校・保育園で、看護師・コーディネーター配置など「総合支援事業」に、1.4億円
6.介護
・認知症施策推進大綱(19/6)にもとづく取り組みに125億円 大綱は「予防」が柱の1つ⇔ 自己責任論に
・ヘルパー補助者同行事業 暴力・迷惑行為防止のために、補助者(有償ボラ)への謝金を補助
7.保育
・土曜日の閉所日数に応じて公定価格を減らす仕組みを導入
そもそも公定価格が低すぎ/ 内閣府の調査 公定価格上の配置11.4人に対し、実際は13.4人の保育士を配置
・企業型の破綻 不正受給で審査停止/2600施設に助成決定を行う児童育成協会・・5人で会議年3回、現地調査年6件
~ チェック機能なし。16-18年度の不正受給8.3億円(精査中のぞく)
・放課後児童クラブ 支援員の処遇改善 「処遇改善事業」1支援単位で年額157円、「キャリアアップ事業」・・勤続1年目・月額1万円、5年以上・月2万円、10年以上・月3万円 / 実施率は2割
→ 国、県、市町村が1/3ずつ負担。自治体の持ち出しがあることで進んでいない。
8 児童虐待防止
・道府県の標準団体で、児童福祉司5名、児童心理司2名分を増額。
・児童福祉士等 月2万円の処遇改善、一時保護所の職員配置(4対1→2対1へ
・児童相談所、一時保護所の整備 基礎単価ひきあげ。定員一人あたり270万円→619万円/心理療法室整備の補助
→ 地方分負担分の50%に従来財政措置がなかった。が、充当率90、交付税措置額50%の制度を創設
・未就学児全戸訪問事業の拡充/年2回目以降も対象に。訪問時に育児用品を配布する取り組みに補助を創設。
9 教育
・端末機1人1台 1台4.5万円。校内通信ネットワーク整備1/2補助
・SC・SSW 重点配備500校
・不登校の要因調査 本人、保護者からの聞き取り 新規1700万円
・特別支援学校の教室不足対策 既存施設の改修にかかる国庫補助率を、1/3から1/2へ引き上げ
10 農林漁業
・「水田活用の直接支払い交付金」 高収益作物への転換支援へシフト 飼料米から野菜・果物
水田農業高収益化推進計画 の新設 「計画」策定が条件 10aあたり2万円×5万円
それに加え、畑地化の取り組み支援する「高収益作物畑地化支援」 10aあたり10.5万円
⇔ 戦略的作物の麦・大豆3.5万円、飼料米5.5-10.5万円、戦略的作物の軽視
・産地交付金 飼料米、米粉用は、3年以上の契約に要件変更/ 安定供給
・牛の飼育頭数 「増頭奨励金」新設 肉用増へ繁殖雌牛24.5万(50頭未満)、17.5万円。乳用後継牛27.5万円(規模拡大が条件)
・畜産クラスター事業。規模拡大要件は一定見直されたが継続。後継者のいない家族経営の方が、将来的に地域の担い手に継承する場合は規模拡大の要件なし /家族経営の畜舎の整備を支援する畜産経営基盤継承支援事業を新設
・中山間地直接支払い制度 棚田加算(10a1万)に加え「集落機能強化」(3千円)、生産性向上(3千円)を創設、集落協定広域化加算を拡充。耕作放棄による交付金返還対象を、全体から1部へ軽減
・森林 大規模化・皆伐とセットに偏重。CLTの価格は欧州産の2倍で、生産能力8万立米に対し、需要1.4万立米。丸太の海外輸出増も、大規模皆伐に拍車・森林認証がなされてない(そのうち海外から輸入禁止の対象に)なる
⇔森林・山村多面的機能発揮対策 地域住民による景観保全、森林の保全管理を支援。7千万円減の13.5億円、13年度当初は30億円から半分以下に、森林の多面的機能軽視の証
・林業担い手 「緑の雇用」で、1.8万人が新規就業。伐木造林事業者は増加。が、育林従事者は大幅減少。
緑の青年就業準備給付金事業は、+1億円の3.7億円、年間150万円・2年間。
・特定森林再生事業を拡充し「重要インフラ施設周辺森林整備」24億円を新設 所有者と公的主体が協定を結び支援
11 エネルギー
・発電と営農 ソーラー・シェアリング推進 「営農型太陽光発電システムフル活用事業」 1200万円
発電経費以外で最大1/2補助 18年度より都道府県への交付金を通じて補助。需要拡大をうけ直接補助に。
12 ジェンダー平等
・「男女共同参画基本法」を敵視。性別役割分担の解消をともなわない「女性活躍」という、安価な労働力活用に変質
・男女賃金格差 女性活躍推進法改定で、101人以上の事業所で計画策定、情報公表の義務化
男女間賃金格差の公表は財界の反対で見送りに。
賃金構造基本調査 73.3%/1年を通じて勤務した給与所得者を対象とする「民間給与実態統計調査」 54%
・「同一労働同一賃金」の実施(中小企業は21年度)
手当と福利厚生は均等待遇。が、基本給・賞与は、「総合職」「責任」など恣意的な運用が可能
・婦人保護事業の見直し 「売春防止」が目的。新たに「検討会」が設置され、包括的支援制度を提言
処遇改善 研修受講した相談員19万4900円、未研修15万1800円、研修旅費と代替配置経費の助成
全国1500名のうち、8割が、非常勤相談員 女性の「自立支援」する相談員が「自立」には程遠い状況
DVなど被害女性と同伴する子どもの支援 通学同行、学習指導員配置を助成
婦人保護施設 国基準に一切拡充されず、指導員2名、4人部屋と貧弱なまま
同施設から、地域移行にむけたステップハウスの生活支援員配置に助成 1施設54.6万円、国1/2
・教員セクハラ研修 初任者研修の実施率80%、中堅教員向け研修40%前後、校長に対する研修は、主に事件が起きた場合の対応方法
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