性被害者支援センター 人材集まらず 重い責任、無給など低処遇
内閣府の調査によると、全国の49センターのうち、夜間や休日に関して「支援員の確保が難しい」との回答が約7割。「支援員のなり手が少ない」も約6割。支援員の処遇は「業務内容に見合っていない」「業務量に見合っていない」がそれぞれ4割超で、「無給・交通費程度」で働く支援員がいることも明らかになった、とのこと。正式な調査報告は3月になる。
定員などの基準をさだめ、交付税措置ではなく、国庫負担金でしっかりと支える必要がある。/ これも地方議会での課題である。
【性被害者支援、人材集まらず 責任重い相談、熱意頼み「無給」も 西日本新聞1/7】
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性暴力の被害者が相談や支援を1カ所で受けられるよう各都道府県に設置された「ワンストップ支援センター」の約7割が、人材確保に悩みを抱えていることが内閣府の初の全国調査で分かった。半数近くは支援員の待遇が「見合っていない」と回答し、一部は無給か交通費程度というボランティアの状態で業務に当たっていることも判明。国が力を入れる性暴力対策の要の機関でありながら、支援員の熱意頼みとなっている現状が浮き彫りになった。
調査によると、全国の49センターのうち、夜間や休日に関して「支援員の確保が難しい」との回答が約7割。「支援員のなり手が少ない」も約6割に上った。
性被害の相談過程では、不用意な発言などが二次被害につながる恐れが高く、専門的な研修を受けた経験豊富な支援員が欠かせない。望まない妊娠を避けるための緊急避妊薬は72時間以内の服用が求められるため、夜間や休日の対応も重要視されるものの、大半のセンターで人材確保が大きな課題となっている。24時間態勢のセンターは約4割にとどまり、地域差が出ている。
支援員の待遇については「業務内容に見合っていない」「業務量に見合っていない」とする回答がそれぞれ4割超。「無給・交通費程度」で働く支援員がいることも明らかになった。
2019年6月から3カ月間の相談を分析すると、1カ月の平均件数は1カ所当たり約65件。ドメスティックバイオレンス(DV)被害に対応するため各自治体が設置する「配偶者暴力相談支援センター」の平均34件(18年度)の2倍に近かった。相談の約8割は電話で、半数近くが20代以下。1割は男性からだった。
千葉大大学院の後藤弘子教授(刑事法)は「性被害の相談、支援は負担が大きく、責任も重い。個々の支援員の熱意に支えられている状態では、対応が追いつかなくなる」と指摘。今後も相談件数の増加が予想されており「国は人員配置などの基準を定めた上で、責任を持って手厚い財政支援をするべきだ」と話す。
この調査結果は速報値による中間報告で、詳細な数値は変動する可能性もある。内閣府は回答を精査し、3月にも最終報告を公表する予定。 (斉藤幸奈)
【ワードBOX】性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
相談、カウンセリング、治療の手続き、警察への付き添いなどの総合的な支援を1カ所で受けられるようにした施設。被害者の負担軽減や、泣き寝入りを防ぐことを目的に国が呼び掛け、2018年10月までに全都道府県に設置された。迅速に治療が受けられるよう病院に設置されたセンターもある。
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