パソコン配置より、先生増、ブラック化した渇仰現場の改善を ~若者が避ける職業から憧れる職業へ
小中学生に、パソコンかタブレット型端末を児童・生徒が1台ずつ使えるよう無償で配置する方針を固めたと。
予算は4000億円以上とのこと。騙し騙し10年持たすとして年400億円。これにベネッセへの全国学テの採点委託料が年62億円。
これら教育産業に金をおとすだけで、教員の負担をふやし、教育の質の低下を招くもの。そんな無駄金はやめ、教員増による働く環境の改善に使うべき。
462億円あれば、何人教員をふやすことができるだろう。ざくと平均650万円(社会保険料の事業主負担込み。30代だとこれより100万円、20代だと250万円ほど少ないい、ようだ)として、7000人以上。平均500万なら9000人以上となる。
都道府県の教委をいっているだけでも、独自の少人数学級の担当も病休。産休の代替教員がいない事例が1241件もある。配置の不足はしてない場合も、現状はブラック化している(下段に「声」を紹介)。
なりたい職業に「教員」が選ばれるような環境の改善をしないと、公教育制度が崩壊しかねない。
「体がもたない」教育実習で体験した長時間労働 若者が教員を避ける要因に 沖縄タイムス11/25
【公立小中、先生が足りない 全国で1241件「未配置」 朝日8/5】
なお、こういう指摘もある。
《高知県知事せんの中よせられた教員等の声 なくせ、学力テスト・縦持ち 》
・「中学の教師は本当に死にそう」 ある中学教師から「中学は特にブラック企業で、全国学テが始まってから膨大な実務が増え、過労死ラインを越すのが当たり前の状況。特に、全国学テの成績が良い福井県のやり方を取り入れ、「縦持ち」が推進され、皆が参ってます。例えば学年2クラスで国語も二人の教員がいますが、二人ともが一クラスごと三学年を担当して、打合せする間もないし、毎日三学年の教材準備に追われます。日中は業務で満杯、授業準備にとりかかれるのは夜7時8時頃から。ここ数年、私は11時頃前後まで仕事して、2時過ぎに寝て5時過ぎに起きてという状況です。ぜひ、中学の教員の本当に死にそうな程の苦労を伝えて頂きたいです」
・学校によっては学テに正に命を燃やしている管理職がいる。学テの結果が良かった教科の先生たちを連れてご飯をごちそうし、結果が悪かった教科の先生を人格否定も含めて非難したりしている学校もある。
・テスト前1週間を学テの教科のみの授業で埋める「学校の独自性」を出す学校もある。 学テでは「無回答」の割合も問題にされるので、「分らなくても書け」「無回答が多かったら校長室に呼ぶ」などと生徒を指導する教員までいる。
・県版学テは、県下共通ですごいプレッシャーがかけられる。県平均より点数が低ければ教育委員会の指導主事が見にくる。テスト前は過去問対策をかなりやるので、点数上がるのは当たり前。その分、本来の授業ができないので、本当の学力向上にはならない。
・街頭対話で・・・子連れ家族・教員の妻。「学テ廃止は絶対してほしい。採点は業者に任せる前に必ず自校採点する。作業が二重で負担が大きい」
・青年の中からは…教員志望の学生 「親からあんなブラックなところはやめなさい」と言われた。/「教育実習に行って、自分には『とても無理』と進路を変更した」との声も寄せられました。
【「体がもたない」教育実習で体験した長時間労働 若者が教員を避ける要因に 沖縄タイムス11/25】
教職員の受験者8年連続減。部活の顧問の強制、長時間労働が背景に
教育実習は早朝から夜中まで。「体が持たない」と受験やめた学生も
高教組は、教員が本来の仕事に専念できる環境整備を求めている
沖縄県公立学校教職員の受験者が8年連続で減少している。かつて「教職」は憧れの職業の一つだった。教員を目指す学生や教員関係者は受験者減少の背景に、教育課程外の部活動の顧問などを強制されることや、長時間労働があると指摘する。「このまま続けば志願者はさらに減る」と懸念の声が上がっている。(社会部・徐潮)
県公立学校教員選考試験の校種別受験者数
教員を目指す県内大学教育学部4年の男子学生(21)は「同じ教育学部の学生でも教員を目指す人が少なくなっている」と話す。
男子学生は最近の中学教員の採用試験の面接では「部活動を持つことは可能か」と質問されることもあるといい、「民間企業なら『サービス残業ができるか』と質問しているようなものだ。社会では働き方改革が進められているのに、教育現場は全然変わっていない」と批判した。
自らは学校を中から変えたいと教員志望は堅持する。一方、「教員の長時間労働が子どものためにいいんだとの風潮がある。本当に子どものためになっているのか疑問だ」と話した。
教育学部に在籍する別の学生(21)は、民間企業への就職を決めた。「教員になりたかったが、教育実習などで学校の実態を知り疑問に思った」と振り返る。
早朝に登校して生徒を迎え、1日の授業を終えた後は生徒指導や事務作業、部活動の見守りをして夜遅く帰宅する。家でも翌日の授業計画を立てなければならず、実習期間中の就寝はいつも夜中だった。「体が持たない。自分には向かないと思った」と語った。
高教組の福元勇司委員長は「教員が本来やるべきことに専念できる環境を取り戻さないといけない。地域や家庭、行政が一体となって魅力的な教育現場づくりに取り組むべきだ」と求めた。
【公立小中、先生が足りない 全国で1241件「未配置」 朝日8/5】
全国の公立小中学校で、教員が不足している。教育委員会が独自に進める少人数学級の担当や、病休や産休・育休をとっている教員の代役などの非正規教員が見つからないためで、朝日新聞が5月1日現在の状況を調査したところ、1241件の「未配置」があった。学校では教頭が代わりに授業をしたり、少人数学級をあきらめたりしており、教育の質にも影響が出かねない。
◆パズルの穴、合わないピースで埋めてる 教員不足に悲鳴
単純計算すると、全国の公立小中学校約3万校の約4%で教員が想定より足りないことになる。文部科学省は教員の総数や雇用状況を毎年調べているが、こうした非正規教員の未配置の詳細は把握していない。国は教員の人件費を予算措置するが、給与額や配置は自治体に委ねている。
朝日新聞は47都道府県と20政令指定都市、大阪府から教員人事権を委譲された豊能地区の3市2町の計72教委に、5月1日現在の未配置を問い合わせた。1241件の内訳は、独自の少人数学級や特別支援教育などの担当が736件、病休教員の代わりが257件、産休・育休教員の代わりが223件――などだった。
教委ごとにみると、未配置の最多は熊本県の103件で、茨城県102件、愛知県92件、宮城県85件、神奈川県82件と続いた。計52教委は、対応として「教頭や副校長が担当した」と答えた。また、千葉県では学校の判断で学年を3クラスではなく、2クラスに分ける例が出ている。一方、7府県9市2町の計18教委は「0件」と答えた。
ばらつきの理由の一つは、非常勤講師の使い方に差があるためだ。非正規教員の中にはフルタイムで働き、授業のほかに部活指導や校務なども担う常勤講師と、パートタイムの非常勤講師がいる。常勤講師が見つからない場合、非常勤講師をあてるかどうかは教委によって異なり、調査では47教委が「非常勤をあてた」と答えた。一方、熊本、茨城両県のように、「非常勤講師をあてない」と答えた教委は、未配置が増える傾向にある。
【ジョブズは自分の子どもにiPadもiPhoneも触らせなかった 現代イミダス2014/10/9】
いつスマホを持たせたらいいの?
ニック・ビルトン
◆子どもたちがデジタルに触れる時間を制限していた
アップルを経営していたころの故スティーブ・ジョブズは、ジャーナリストを呼び、最新の記事を褒めたり、彼らの記事について間違いを指摘したりすることで知られていた。
私にも何度かお呼びの声がかかった。しかし2010年の末にジョブズ氏が言ったことほど、私を驚かせたことはない。
iPadの欠点についての記事に対して、こっぴどいお叱りがあったので、私は話題を変えようと質問した。――「お宅のお子さんたちは、iPadをさぞ気に入っているのでしょうね」。
ちょうど、アップルの最初のタブレットが店頭に出回りはじめたころだ。すると彼は「うちの子どもたちは、まだ使ったことがないんだよ。家では、子どもたちがテクノロジーを使う時間を制限しているからね」と言ったのだ。
これを聞いて私は唖然とし、驚きのあまり、おそらく一瞬沈黙してしまったと思う。
私は、ジョブズの自宅は、壁には巨大なタッチスクリーン、食卓はiPadのタイル製、来客には枕の上に置くチョコレートのようにiPadを気前よく配るといった、ハイテクマニアの天国みたいな所だと想像していたからだ。
ジョブ氏は、そんなことはまったくない、それとは似ても似つかないと私に言った。
そしてその後、私はジョブズと同様のことを言う、テクノロジー会社の最高経営責任者やベンチャー投資家たちに何人も出会った。彼らは子どもたちがスクリーンに向かう時間を厳しく制限し、学校がある平日はすべてのデバイスの使用を禁じていた。週末にだけ、わずかの時間を与えるというケースも多く見られた。
私は、こうした親の教育方針に戸惑いを感じた。結局のところ、普通の親のアプローチはこれとは反対で、子どもたちは、昼夜を問わずタブレットやスマートフォン、そしてコンピューターの白熱光を浴び放題という状況のように思えたからだ。
しかし、テクノロジーのCEOたちは、一般的な人たちが知らないことを分かっているようだ。
『ワイヤード』誌の元編集長で、現在、無線操縦飛行機メーカー「3Dロボティックス」の最高経営責任者であるクリス・アンダーソンは、自宅にあるすべてのデバイスに対し制限時間を設け、親が管理するようにしている。
彼は6歳から17歳までの5人の子どもたちについてこう語った。
「子どもたちは、私と妻のことを、ファシストで、テクノロジーについて過剰な心配をしていると非難する。そして、同じような規則がある友だちなんて、ひとりもいないと言う。
でもこうするのは、私たちがテクノロジーの危険をこの目で見てきたし、私自身が経験しているからです。子どもたちには、そういうことが起こってほしくはないですからね」
◆10歳以下はもっとも中毒になりやすい
彼が「危険」とすることのなかには、ポルノのような有害なコンテンツに晒されることや、他人からのいじめ、そして、おそらく何より最悪なのは、両親と同じように、子どもたちもこうしたデバイスの中毒になってしまうといったことが挙げられる。
テクノロジーをコアとするコミュニケーションとマーケティングの会社であるアウトキャスト・エージェンシーの最高経営責任者であるアレックス・コンスタンティノープルは、一番下の5歳になる息子には、平日にテクノロジー機器を使うことを禁じ、上の10歳と13歳の子どもには、学校がある日の夜は30分だけ使用を許可しているという。
ブロガーとツイッター、さらにメディアムの創業者であるエヴァン・ウィリアムスと妻のサラ・ウィリアムスは、2人の小さい息子にはiPadのかわりに、いつでも手に取って読める何百冊もの本(もちろん、電子本ではなく紙の本)を与えていると述べている。
では、テクノロジー・ママとパパは、子どもたちに対する適切な境界線を、どうやって決めているのだろう?
一般的に、それは年齢に基づいている。
10歳以下の子どもは、もっとも中毒になりやすいので、親たちは線引きをして、平日にこれらのデバイスを使うことを禁じている。そして週末には、30分から2時間までを限度に、iPadやスマートフォンの使用を許可する。10歳から14歳の子どもに対しては、学校のある日の夜にもコンピューターの使用を許可するが、それは宿題のためだけだ。
テクノロジー・メディア関係とアナリティックスの会社であるサザーランドゴールド・グループの創業者CEOであるレズリー・ゴールドは、「子どもたちに対しては、平日のスクリーン・タイムはゼロという厳しいルールを設けています。しかし、年齢が高くなれば使用を許可しなければならないし、学校で使うためにコンピューターが必要になります」と言っている。
送られてきたメッセージを削除する、スナップチャットのようなサービス以外は、ティーンエージャーにソーシャル・ネットワークの使用を禁じている親もいる。後々、人生の問題になるようなことを、オンライン上で言う心配がないからだと、ある重役は指摘する。
私の知り合いの、テクノロジー関係者以外の親のなかには、わずか8歳の子どもにスマートフォンを与えている人もいるが、テクノロジー関係の会社などで働く親の多くは、子どもが14歳になるまで待つようだ。
そして、これらのティーンエージャーたちは、電話をかけたりテキストを送ったりはできるが、16歳になるまでデータプランは与えられない。いずれにせよ、私が意見を聞いたテクノロジー関連の親たちの間には、ひとつの共通したルールがある。
「一番のルールは、寝室にスクリーンを持ち込まないこと。これは例外なしです」とアンダーソン氏は言っている。
◆「消費される時間」と「創造する時間」は区別すべき
テクノロジー関連で働く親たちのなかには、時間による制限を設けている者もいるが、子どもがスクリーン上でやってもよいことに関して、より厳しく制限している親もいる。
アイライクの創業者でフェイスブック、ドロップボックス、ザッポスのアドバイザーでもあるアリ・パートヴィは、ユーチューブやビデオゲームなどの「消費される」時間と、スクリーン上で「創造する」時間を明確に区別すべきだと指摘する。
「子どもが絵筆をとったり、ピアノを弾いたり、ものを書いたりする時間に対しては制限しないということと同様で、コンピューター・アートやビデオの編集、あるいはコンピューターのプログラミングをするために使う時間を制限するのは、おかしなことだと思います」と彼は言う。
しかし一方で、完全な禁止が裏目に出て、デジタル・モンスターを生みかねないと指摘する者もいる。
ツイッターの最高経営責任者であるディック・コストロ夫妻は、ともにティーンエージャーである2人の子どもたちが居間にいる間は、好きなだけデバイスを使うことを許可している。過剰な時間制限は、子どもに逆効果を生みかねないというのが彼らの考えだ。
「ミシガン大学にいたころ、寮の隣の部屋にいたヤツの部屋には、コカコーラやその他の炭酸飲料の箱が山ほど置いてあったんです。後になって、それは、子どものころに親が炭酸飲料を決して飲ませてくれなかったからだということが分かりました。子どもにある程度、こういったものに触れさせておかないと、後々どんな問題が起こるか分かりませんからね」とコストロは言っている。
私はジョブズに、子どもたちは彼が作ったデバイスを使う代わりに何をしていたのかを聞きそびれたので、彼の家で多くの時間を過ごした、『スティーブ・ジョブズ』の著者であるウォルター・アイザックソンに連絡をとってみた。
「スティーブは、毎晩キッチンにある大きな長いテーブルで必ず夕食をとり、本や歴史、その他あらゆることについて話していました。iPadやコンピューターを取り出す者は誰もいませんでしたよ。彼の子どもたちが、デバイス中毒になっている様子は、まったくみられませんでした」とアイザックソンは言った。
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