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日本の技術革新停滞~目先の利益第一 自民政治による当然の結果(メモ)

「日本の長期停滞と技術革新」 藤田実・桜美林大学教授 経済2019.11 より

まとめの部分から

“・90年代からの日本の長期停滞の大きな要因である技術革新の停滞の要因
①重層的下請け構造からくるスタートアップ企業の少なさ
②企業の研究者における博士号取得者の少なさ
・20年以上前から問題視されてきたが、未だ解決されていない。今後もより深刻な形で現れてくる。”

 教育をベネッセなどの儲け口にしたり、加計学園などお友達優遇や大学を企業利益に奉仕させたり・・・まったくその人や社会のことを考えていない政治の結果。大企業もすぐ金にならない研究はやらず博士号の採用は後ろ向き。大学は交付金削減で、博士課程にすすんでも、非常勤がせきのやま・・・

 IPS細胞の山中教授でさえ、研究所の大半は非常勤、資金集めにマラソンしなければならなかった・・

「日本すごい」キャンペーンは、イチジクの葉っぱ。

以下、論考のメモ

「日本の長期停滞と技術革新」 藤田実・桜美林大学教授 経済2019.11 より

◆3.日本における技術革新停滞の要因

(1)重層的下請け構造とスタートアップ企業の少なさ

・ICT分野、バイオ創薬の分野で活発な技術革新を起こしているアメリカと日本との産業構造の大きな違い
・ICT分野 GAFA…プラットフォーム企業が独占的支配権。カギ…コア技術のソフトウェア。
→新しいサービスを提供するアプリなどのソフト/利便性が高いと評価されると多くの利用者わ獲得/ネットワークの外部効果(利用価値の高まり)が働き、さらに多くの利用者を獲得/さらに利便性が高まり、市場を独占

・ソフトウェア産業の構造の違い

※日本 受託開発が多く、ソフトウェア・プロダクト開発企業は多くない/ 重層的な下請け構造…中小、個人のソフト開発技術者は、大企業などに派遣され、下請け構造の一員として開発にあたる。
→工程ごとに下請け…元請けの技術者は、それをマネジメントする管理者
→アメリカでは、プログラマーとして20年30年と活躍する人が多数、日本は元請けに入ると管理者化…優秀なプログラマーがいても、開発に行かせない。

・技術革新には、社内の研究開発資源では不十分/他社との連携、オープンイノベーションが重要

※アメリカ 大企業同志もかるが、スタートアップ企業との連携が多い
→特に、量子技術、バイオ創薬…大学、研究機関で基礎研究をもとに、それを実用化するスタートアップ企業
→パイオ創薬 実用にむけた何次もの臨床試験を実施し、製品化のメドがついた段階で、大手企業とライセンス契約を交わし、生産に入へ

※日本 スタートアップ企業が少ない/大企業も欧米のスタートアップ企業との連携が多い
→技術に投資するベンチャーキャピタルが少ない、起業リスクの高さ、特許取得の困難さ、既存大企業の妨害

・90年代後半のICT革命の時にも問題視…20年経っても、解決されていない。

★技術革新をすすめるスタートアップ企業が少ない日本での技術革新が停滞。当然の結果。

(2)研究開発者における博士号取得者の少なさ

※大学での研究力の低下
・Nature Index収録の高水準の科学論文に占める日本の割合 ここ10年大きく低下
→ 特に日本が従来強かった材料科学と工学の論文数が大きく低下

※研究力の低下…中長期的には技術革新を主導する研究開発力の低下に。
→その人的な現れ/企業の研究開発における博士号取得者の少なさ

・企業、大学、研究機関等に在籍する研究者数 2017年
 85万3700人(95年72万1200人より18%余増) うち博士号 20.5%、17万4906人
 うち企業在籍 48万8800人、博士号 4.4%、2万4107人 にすぎない。

・企業の新規採用(18年) 2万4006人、うち博士号891人、3.7% 「科学技術研究調査」
 →日本の企業は、博士号取得者の採用をすすめていない。

※人口100万人あたりの博士号取得者(2014年度)
・日本118人、アメリカ272人、ドイツ348人、フランス177人、イギリス353人、韓国279人
・しかも、08年度比較で、日本だけが減少 131人→118人

※日本の博士課程在学者数
95年4万3774人、06年7万5365人(ピーク)、17年7万3913人~企業就職が困難、大学も任期付採用

★博士過程進学者数の減少、取得者数の少なさ ⇒ 日本の技術革新停滞の大きな要因

※独創的な研究開発の土台…科学的成果の十分な吸収能力
「大半(発明数で8割を超える)の技術分野、また2割を超える発明で、近年の科学的な研究成果が必須」(長岡)
~バイオ、医薬品などの研究開発における着想・実施にあたっては、科学的成果の摂取が必須。半導体、ITも高い割合 ⇒そうした能力を包括的に身につけるのが博士号過程

※技術開発のオープン化、グローバル化、ネットワーク化の進展し、オープン・イノベーションが重要
→科学技術文献、学会等の報告で、世界の最先端の研究開発の現状を把握し、自社の開発に取り入れる先見性が必要/最先端の到達点の理解のためにも博士課程は重要

★博士号取得者の少なさ、減少は、この点でも、技術革新の停滞の要因に

◆まとめ 
・90年代からの日本の長期停滞の大きな要因である技術革新の停滞
(メモ者 それまでの職人芸といわれる生産現場の技術力、すりあわせ技術がものをいうシーンから、次元の異なる経済シーンへ突入 )

・その要因
①重層的下請け構造からくるスタートアップ企業の少なさ
②企業の研究者における博士号取得者の少なさ

・20年以上前から問題視されてきたが、未だ解決されていない。今後もより深刻な形で現れてくる。

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