岩国米軍機 手放し操縦、薬物乱用…違反横行 日本の空を飛ぶな
昨年12月、高知沖の墜落事故の調査の中で、米海兵隊岩国基地所属の戦闘機部隊で、手放しの操縦や飛行中の読書、ひげを整えながらの自撮りなど重大事故につながりかねない規則違反が横行しているが判明。さらに背景に部隊内に「薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例」が存在するとのこと。
4年前に、高知の嶺北での低空飛行訓練中の自撮が「あれが掘っ立て小屋だ」とのタイトルで配信されて、騒動になったが、まったく反省していないということ。
日米地位協定により、自由勝手に日本の空を飛んでいる米軍機。地位協定の抜本的見直しは不可欠だ。
【岩国の米軍、違反横行 戦闘機 手放し操縦、読書、自撮り 東京新聞11/3】
【岩国の米軍、違反横行 戦闘機 手放し操縦、読書、自撮り 東京新聞11/3】
米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機部隊で、重大事故につながりかねない規則違反が横行している実態が二日、第一海兵航空団(沖縄県)の調査報告書で分かった。手放しの操縦や飛行中の読書、ひげを整えながらの自撮りを含む。部隊では空中接触が相次ぎ、昨年十二月には高知県沖で六人が死亡・行方不明になる墜落に発展した。安全軽視の運用が明らかになった。
報告書は高知県沖で第二四二(全天候)戦闘攻撃中隊のFA18戦闘攻撃機と別の部隊のKC130空中給油機が接触した事故と、二〇一六年四月に沖縄県沖で起きたFA18とKC130の接触事故を調査した。
もともと高知だけが対象だったが、調べの過程で沖縄事故の存在がクローズアップされ、上部組織の第一海兵航空団が正式調査を指示した。沖縄事故は日本側に報告していなかった。
いずれも空中給油中に発生し、同じ攻撃中隊に所属するFA18側に責任があった。報告書は相次ぐ事故の背景として、部隊内に「薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例」が存在したと指摘した。
高知の事故では乗員二人の尿から睡眠導入剤の成分が検出され、飛行任務に不適格だった可能性があると判断している。睡眠導入剤を無許可では処方しない軍医に対して不満を抱く隊員同士の通信アプリのやりとりもあった。
調査後、第一海兵航空団は隊長ら四人を更迭した。報告書によると隊長も機内で酸素マスクを外した姿を撮影し、通信アプリのプロフィルに掲載していた。
隊員の携帯電話からは一六年十月に夜間の空中給油を撮影した動画も見つかったという。沖縄の事故から約半年が経過していたが、規律は失われたままだった。
航空評論家の青木謙知さんは「戦闘のため極限状態にある米兵は自由な振る舞いがある程度、容認されてしまう。規律意識の低さが『あの部隊で許されているのだから』と軍全体に広がる危険性をはらんでいる」と警鐘を鳴らした。
◆沖縄の事故 公表せず
米海兵隊岩国基地所属部隊は二〇一六年、沖縄県沖の上空で戦闘機と空中給油機の接触事故を起こしながら公表せず、正式な調査も見送っていた。六人が犠牲になった昨年十二月の高知県沖の墜落事故と状況が酷似しており、報告書は「(沖縄で)調査していれば(高知は)防げた可能性がある」と内部批判した。
沖縄の事故は日本側に報告がなかった。防衛省補償課は取材に「詳細や通報がなかった経緯を海兵隊に問い合わせ、回答を待っている」と答えた。
報告書によると、沖縄の事故は一六年四月二十八日に起き、第二四二(全天候)戦闘攻撃中隊のFA18戦闘攻撃機が、別部隊のKC130空中給油機と米軍嘉手納基地沖で接触し、給油ホースを引きちぎった。
二機は嘉手納基地に順次着陸し、けが人はいなかった。事故の深刻度は四段階で下から二番目に位置付けられ、本格調査はしなかった。高知沖の事故は約二年七カ月後の一八年十二月六日に起きた。
いずれの事故もFA18の操縦士が月明かりのない暗闇で初めて空中給油を受けている最中に起きた。
航空自衛隊の元戦闘機パイロットは「難易度が高い空中給油では細かい事故が珍しくなく、人的ミスとはっきりしていれば報告だけで調査しない。高知の事故が起きたから事後的に問題視したのではないか」と語った。
【住民怒り「ぞっとする」 飛行停止求める声 岩国米軍機 違反横行 東京新聞11/3】
「ぞっとする」「あるまじき行為」。米海兵隊岩国基地所属の戦闘機部隊で、手放し操縦など悪質な規則違反が横行していた実態が明らかになった。地元の山口県岩国市民は憤りをあらわにし、米軍機の飛行停止を求める声も。昨年十二月に米軍機の墜落事故があった高知県の自治体担当者も安全性への懸念を示した。
岩国基地は在日米軍再編に伴い、米軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機約六十機の移駐が昨年完了。極東最大級の航空基地になった。基地の監視活動を続ける元岩国市議の田村順玄(じゅんげん)さん(74)は「危険極まりない行為だ。事故につながる恐れがあり、すぐに飛行を停止すべきだ」と憤る。
機能強化に反対してきた市民団体の顧問久米慶典(けいすけ)さん(63)は「パイロットがここまで堕落していたのは衝撃で、ぞっとする。どう再教育するか、国や市は徹底的に確認すべきだ」と訴えた。
会社経営の男性(52)は「米軍人との交流行事を通じて市民との良い関係が築かれつつあっただけに残念だ」と話した。
高知県では昨年十二月、室戸市沖に米軍機が墜落した。市の防災担当者は「常識の範囲としてあり得ない。人に危害を加えうる、あるまじき行為だ」と批判。県危機管理・防災課の江渕誠課長は「安全確保の徹底に努めてほしい」と話した。
◆沖縄「他に複数あるのでは」
米軍基地が集中する沖縄では二日、「許しがたい」「他にも表に出ていない規則違反が複数あるのでは」と憤りの声が上がり、日本政府に対応を求めた。
「米軍は事故に慣れてしまっている」。沖縄平和市民連絡会の城間勝事務局長(74)は、緊張感を欠いた米兵の訓練の実態を知り、あきれたように語った。沖縄では米軍機の部品落下などのトラブルが多発しており、「米国に物を言えない日本政府のあり方が問われている」と述べた。
沖縄平和運動センターの大城悟事務局長(56)も「怒り心頭だ。日本政府は遺憾と言うだけでなく、飛行を停止させるなど、行動で示すべきだ」と語気を強めた。
◆日本政府も驚きと憤り
日本政府や与野党では二日、米海兵隊岩国基地所属の戦闘機部隊で規則違反が横行していた実態に、驚きと憤りが広がった。野党幹部は国会論戦で追及する意向を示した。防衛省幹部は「初めて聞いた。米軍は『部隊単位の話』とするかもしれないが、うやむやではいけない」と強調した。
航空自衛隊の関係者は「睡眠導入剤の成分が出たという部分が、とりわけ恐ろしい」と指摘。自民党の中谷元・元防衛相は共同通信の取材に「規律やモラルの維持に対する米側の認識が極めて甘い。さらに詳細に軍に調査、報告を求めるべきだ」と語り、事故防止に最善を尽くすべきだとした。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は「由々しき問題だ。米軍に猛省を求める。日本政府には米国への毅然(きぜん)とした態度を求めたい。国会で追及したい」と取材に述べた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は神奈川県海老名市で記者団に「米軍には日米地位協定で特別な地位が認められているのに、こういった状況では国民の納得が得られない」と指摘。地位協定の見直しに早急に取り組む必要性があるとした。
日米関係に詳しい政府関係者は「米軍はすぐに事実を認めない可能性がある」と予防線を張った。
【「あれが掘っ立て小屋だ」 米海軍VFA27 低空飛行の映像誇示 大川村役場上空 高知民報2015/3/22】
アメリカ海軍の空母「ジョージ・ワシントン」に所属する艦載戦闘攻撃部隊であるVFA-27「Royal Maces」(ロイヤル・メイセス)が、部隊所属の戦闘攻撃機FA18Eスーパーホーネットが高知県上空の「オレンジルート」で低空飛行訓練をしている様子を撮影した映像を公開しています。1994年10月に大川村で起きた墜落事故現場直近での危険極まりない飛行の実態が生々しく映されていました。[VF-27が公開した映像。下方に見えるのが大川村の三ツ石橋]
この映像はVFA-27の2014年の活動PR用に作成されたものと思われますが、大川村の三ツ石橋から小松の村役場にかけての上空であることが確認できます。倉敷市の低空飛行解析センターによると推定相対高度は約300メートルでした。
映像から切り出した掲載写真の下に見えているのが大川村の吉野川にかかる三ツ石橋。前方に小松の役場周辺が見え、小中学校・保育所の直近。94年にA6イントルーダー機が墜落した現場のすぐ近くになります。また、いの町旧本川の笹ケ峰と思われる稜線ギリギリの高度で背面飛行する場面もありました。
米軍側の動画資料で高知県内の低空飛行の実態が明らかになったことはこれまで例がありません。解説 ビートの効いた軽快なBGMが流れる映像に付けられていたタイトルは「That's a Shack」(ザッツ・ア・シャック)。「Shack」とは、直訳すると「掘っ立て小屋」というような意味であり、アメリカ軍に低空飛行の下で生活する人間の営みなどまったく眼中にないことが見て取れます。VFA-27はアフガン作戦にも出動する現在進行形で戦争をしている部隊であり、住民生活に気をかけるはずもないのは当然で、外国軍隊が居座るということの現実が、改めてのしかかってくる映像でした。(N)(2015年3月22日 高知民報)
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