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汚染水「放出しかない」…トリチウム500年分、他の放射性物質も基準超え 

 【環境相「原発処理水放出しかない」  漁業者反発「軽々で不快」 東京9/11

 東電はタンクはあと二年しかもたない(と無責任な)発表をしたのが半年前。そして今回の発言。アンダーコントロールとは「薄めて海に流すことらしい。

 溜まっているトリチウムは、事故前の放出量の500年分。しかも、汚染水のほとんどに、東電が隠蔽してきた他の基準値超えの放射性物質が含まれている。規制委は、薄めて基準以下にすればOKと言っているが、この理屈なら、何でも「基準値以下まで薄めて流したらよい」となる。海は広いし大きいので、総量規制の概念はないらしい

 トリチウムも「健康被害はない」と言っても大量放出はダメージになるし、それが問題となると、他の原発でも「普通」に流出させていることに、光があたることになる。日本各地に問題は拡散するだろう。

溜まった汚染水を放出しつくしたとしても、これで終わりではなく、今後も汚染水は発生し放出をつづける

近隣諸国、国際的な理解を得ることが不可欠となる。

「復興」五輪の喧伝、日韓対立を煽る中、問題を、再び「表面化」させたタイムリーな発言といえる

【汚染水処分、滞る議論 福島第一タンク 2年後にも満杯 東京3/31

【原発事故から8年「汚染水」が今も大きな課題に NHK3/11

【“浄化”汚染水の基準値越え放置 福島第一原発 問われる東電・国の責任 「しんぶん赤旗」日刊紙 20181119日付掲載】

【処理水の再浄化「必要なし」 規制委員長、科学的安全性踏まえ 福島民友 20181006日】

【汚染水処分、滞る議論 福島第一タンク 2年後にも満杯 東京3/31

  海に流すか、タンク保管を続けるか-。東京電力福島第一原発で、汚染水の浄化処理後も残るトリチウムなどの放射性物質を含んだ大量の水の扱いが岐路を迎えている。政府は海洋放出を有力視するが、有識者会議の議論が停滞。東電は政府方針を待つだけで判断を先送りにし、自ら計画したタンク容量の限界が迫る。 (松尾博史)

構内には高さ10㍍の巨大なタンクが立ち並び、高濃度汚染水を浄化処理した後の水など110万トン超を保管している(代表撮影)

 ◆人ごと

 「(処分する場合は)風評被害などの問題が出るので、事業者として意思表示するより、まずは国に示してもらう必要がある」。東電廃炉担当トップの小野明氏は3月28日の記者会見で、汚染水の処分について問われると、人ごとのように静観を決め込んだ。
 福島第一構内に目を移せば、時間的余裕はそれほどない。立ち並ぶ約960基の巨大タンクに、トリチウムなどを含む水110万トン超を保管。事故直後に比べて汚染水の発生量は減ったが、浄化処理後に保管する必要のある水が今後も年間5万~10万トン新たに出る。
 東電は2020年末までに137万トン分のタンクを確保する計画だが、早ければ2年程度で容量が限界に達する。処分方法が決まったとしても、他の放射性物質が法令基準を超えて含まれているため再浄化が必要な上、新たな設備の建設などに年単位の期間がかかると見込まれる。方針決定まで時間的余裕はない。

◆棚上げ

 浄化処理後の水の処分を巡っては、政府の有識者会議が16年6月に海洋や大気中の放出など五つの処分方法を提示。5カ月後には、処分で懸念される風評被害などの影響を検討する別の有識者会議ができた。
 この有識者会議は13人の委員からなり、これまで12回の会合を開催。昨年8月には福島と東京で国民から意見を聴く公聴会を開いたが、「タンクでの長期保管を検討するべきだ」との意見が相次ぎ、「貯蔵を続ける」という選択肢も話し合うことになった。
 だが、会合は昨年12月28日を最後に開かれておらず、貯蔵継続の議論も棚上げにされたままだ。事務局の経済産業省資源エネルギー庁の担当者は「委員の日程調整が難しい。貯蔵継続の議論を準備しているが、100%整ってはいない」と説明。有識者会議の議論の期限については「スケジュールありきではない」と述べるにとどめた。

 ◆袋小路

 「東電がどうしたいのかを言わないのは、事故の当事者としてあるべき姿ではない」。原子力規制委員会の更田豊志委員長は3月27日の記者会見で、東電の姿勢に不快感を示した。
 更田氏は「現実的な選択肢は希釈しての海洋放出」と繰り返し表明している。他の原発では、トリチウムの濃度を基準以下に薄めて海に流しているからだ。
 海洋放出は原子力関係者にとって「常識」だが、福島では通用しない。放射能汚染で一時は操業停止を余儀なくされた福島県の漁業関係者は、政府や東電が海洋放出を軸に検討していることに怒りをぶつける。
 福島の沿岸漁業は事故8年が過ぎても、水揚げ量は事故前の2割以下で、市場では安値が続く。「築城十年、落城一日」。県漁連の野崎哲会長は昨夏の公聴会で、海洋放出反対を強く訴えた。政府と東電が、タンク容量を理由に海洋放出を強行できる状況にはない。

 ◆トリチウムとは?

 放射能を帯びた水素で、酸素と結合してトリチウム水となる。普通の水と分離するのは難しく、福島第一原発の汚染水を浄化している多核種除去設備「ALPS(アルプス)」でも除去できない。放射線(ベータ線)は比較的弱く、人体に入っても大部分は排出される。放射能は12.3年で半減する。

 【原発事故から8年「汚染水」が今も大きな課題に NHK3/11

 事故から8年となる今も福島第一原発で大きな課題となっているのが「汚染水」です。

 ◆なぜ汚染水が出てくる?

1号機から3号機では溶け落ちた核燃料を冷やすため、原子炉に水を注ぐ必要があります。これが核燃料に触れることで、高濃度の汚染水となって建屋の地下にたまっているのです。

さらに山側からの地下水が建屋に流れ込むなどして、建屋内の汚染水は、2015年度の平均で1日490トンずつ増え続けていました。

 ◆汚染水減らす対策は?

 東京電力は汚染水を減らすために建屋に流れ込む地下水を抑えようと対策に取り組んできました。

▽建屋の上流側で地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス」や、
▽建屋周辺の井戸で地下水をくみ上げる「サブドレン」と呼ばれるもので、地下水が流入する量を減らしてきたのです。

 さらに汚染水対策の柱として2016年3月から運用が始まったのが「凍土壁」です。建屋の周辺の地盤を凍らせて氷の壁で取り囲み、地下水の流入を抑える対策で、パイプに氷点下30度の液体を流しておよそ1.5キロの氷の壁を作り、東京電力は201711月、おおむね完成したとしました。

 この効果について、東京電力は発生する汚染水の量は凍土壁がない場合に比べ、1日およそ95トン減少しているという試算を公表し、一定の効果があると評価しています。

これらの対策で、1日490トン発生していた汚染水の量は180トンに減りました。

 しかし、凍土壁について、会計検査院は去年3月、最終的な経費が国からの補助金およそ345億円を含む562億円にのぼるとしたうえで、「凍土壁の整備による効果を適切に示す必要がある」と指摘し、東京電力は引き続き、費用対効果の検証を求められています。

 ◆タンクには大量の水

くみ上げられた汚染水は専用の設備で放射性物質を取り除く処理が進められていますが、トリチウムという放射性物質は、取り除くことができません。

 原発の敷地内で保管されている汚染水を処理したあとの水は112万トンで、タンクの数は948基にのぼり、このうち、89%の100万トン近くがトリチウムなどの放射性物質を含む水です。

 こうした水は今も増えていて、東京電力は2020年末までに137万トンを保管できる建設計画を示していますが、タンクの建設に適した用地が限界を迎えつつあるといいます。

 福島第一原発の廃炉では取り出した燃料デブリを保管する場所など、今後の作業で一定規模の土地が必要になるからだとしています。

◆水をどうするか検討は難航

 国の有識者会議は、トリチウムなどを含む水の処分を検討していて、2016年には海への放出や地中への処分など5つの方法のうち、トリチウムの濃度を基準以下に薄めたうえで、海に放出する方法が最も早く、低コストで処分できるとする評価をまとめています。

 しかし、去年8月に福島県内などで開かれた公聴会では地元の漁業者などから「風評被害」を理由に海に放出するなどの処分に反対する意見が相次ぎました。

 さらにたまり続けている水にはトリチウム以外の放射性物質も基準を超えて含まれていることについて東京電力が十分、説明してこなかったことにも批判が集まり、東京電力はことし1月、専門家などで作る委員会から「いまだにコミュニケーションが効果的にできていないことが不満だ」と指摘を受けました

 処分に対する風評被害の懸念に加え、東京電力や国の情報公開への消極的な対応が問題を複雑化させたと言えます。

トリチウムなどを含む水の取り扱いはどうすべきなのか。地元の人だけでなく、国民の幅広い理解が欠かせない問題です。

 

 

【“浄化”汚染水の基準値越え放置 福島第一原発 問われる東電・国の責任 「しんぶん赤旗」日刊紙 20181119日付】

東京電力福島第1原発の高濃度の放射能汚染水を処理設備で“浄化”したはずの水の約8割に、トリチウム(3重水素)以外の放射性物質が国の放出基準(告示濃度限度)を超えて残っていることが明らかになりました。処理済み水の処分方法をめぐる公聴会では海洋放出に反対する声が多数を占め、国の会議でも東電への批判が相次ぎました。国と東電の倫理観が問われています。(唐沢俊治)

◆「思ったより、告示濃度を超えているものが多い」「詳細な説明は初めてだ」

10月、処理水の取り扱いを議論している経済産業省の小委員会で、タンク内の処理水の放射性物質濃度について説明する東電の担当者に対し、厳しい指摘がありました。

◆トリチウムとは

トリチウム(3重水素)は、水素の放射性同位体で、半減期は約12.3年。汚染水中の水分子の水素がトリチウムと置き換わった状態で存在し、除去は困難です。
 トリチウムは、通常の原子力施設でも発生し、福島第1原発では事故前、年間約2兆ベクレルを放出していました。経済産業省のまとめによると、現在タンクで保管する汚染水に含まれるトリチウム量は、約1000兆ベクレル。事故前の年間放出の約500倍に相当します。

◆増え続ける汚染水

福島第1原発の汚染水は1日当たり百数十~二百数十トン増え続けています。建屋地下の滞留水やタンクにためている汚染水は10月時点で合計約117万トン(うちアルプス処理水は96万トン)。タンクを増設する敷地の確保が困難になっているとして、東電はタンク建設計画を2020年末(総容量約137万トン)までしか示していません。

 国の汚染水処理対策委員会の作業部会は2016年、汚染水の処分をめぐり、①地層注入②海洋放出③水蒸気放出④水素放出⑤地下埋設―の各方法について、技術・コスト面から評価。現在、小委員会で、風評被害などの観点から処分方法を議論しています。

◆都合良いデータを列挙  2万倍タンクも

発生し続けている汚染水は、多核種除去設備(アルプス)で処理しタンクにためています。アルプスは、トリチウム以外のセシウム137やストロンチウム90など計62種の放射性物質を基準未満まで除去できると、東電は説明してきました。

小委員会は当然、処理水に含まれるのはトリチウムだけであることを前提に処分方法を議論していました

ところが小委員会で東電は、タンク群約89万トン(8月時点)のうち約75万トンの処理水で、トリチウム以外の放射性物質が基準を上回るという推定結果を明らかにしたのです。ストロンチウム90が基準の約2万倍となる、1リットル当たり約60万ベクレル含まれているタンク群もありました。

 基準超えの原因について東電は、アルプス稼働初期の不具合、処理を急いで放射性物質の吸着材を交換しなかったことによる性能低下をあげました。

 東電は、基準超えの処理水があると当初から知りながら説明せず、国も事態を放置してきました。それどころか2016年11月の小委員会の初会議で示した説明資料では、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質は「ND」(検出限界値以下)などと、実態とかけ離れた都合の良いデータを並べていたのです。
 実際には東電が10月に公開したデータで、基準の25万倍以上になる1リットル当たり約756万ベクレルのストロンチウム90を検出した処理水があったことが分かりました。

 東電は、基準超えを説明しなかった理由を「東電と委員との関心、問題意識の差」と述べるなど、あまりにも当事者意識のない態度を見せました。委員の関谷直也東京大学准教授は「国民への説明として、倫理的に問題はなかったと考えているのか」と厳しく批判しました。

 

【処理水の再浄化「必要なし」 規制委員長、科学的安全性踏まえ 福島民友 20181006日】

  東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後の処理水に、排水の法令基準値を上回る放射性物質トリチウム以外の放射性物資が残留していることに関し、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は5日、東電が処分前に実施する方針を示した処理水の再浄化は必ずしも必要ではないとの認識を示した。更田氏は科学的な安全性を踏まえ「告示濃度制限(排水の法令基準値)が守られる限り、絶対に必要なものという認識はない」と述べた。

  同日、福島第1原発を視察後、報道陣に語った。1日に開かれた処理水の処分方法を検討する政府の小委員会では、処分する場合は再浄化を議論の前提にすると確認したばかり。

  更田氏は「科学的には、再浄化と(より多くの水と混ぜることで)希釈率を上げるのに大きな違いはない。告示濃度制限は非常に厳しい低い値に抑えられている」と指摘。

  処分方法の一つとして検討されている海洋放出の場合、希釈して基準値を下回れば容認する立場を改めて示した。

  ただ更田氏は「事故を経験した現場から出てくる水であり、再浄化という議論は理解できる」とも語った。

  また、更田氏は廃炉作業への影響から処理水の処分の必要性を強調。処分方法については「希釈して海洋放出するのが最も合理的だが、社会的な影響は小さくなく、あらゆる関係者の判断に委ねるしかない」と語った。

  東電は、福島第1原発のタンクに保管中の水の約8割でトリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を上回っていると推定。8月末の公聴会では詳細な情報が示されず批判が相次ぎ、東電は風評被害などの影響を考慮し、処分する場合は再浄化が必要と判断した。

◆事実上の隠蔽に

 東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明プレジデントは10月25日の記者会見で「隠蔽(いんぺい)というより、情報の出し方、伝え方に大きな問題があった」と述べましたが、事実上の隠蔽だとの批判は免れません。
野口邦和・元日本大学准教授(放射線防護学)は「何十年も続く廃炉作業では、地元住民や国民との信頼関係が非常に重要だ。東電は、やれることをやらずに、信頼関係を損なうことを自ら招いた」と批判。処理水の扱いについても「とても処分できる状況ではない。当面はタンクで保管するしかない」と言います。
基準超えが表面化した直後の8月に、小委員会が福島と東京で開いた一般の人の意見を聞くための公聴会は「議論の前提が崩れた」として紛糾しました。発言した市民らの圧倒的多数は、海洋放出反対や安全性に疑問があり慎重に対応すべきだとの意見でした。石油備蓄用の大型タンクでの長期保管も選択肢に加えることを求める意見が出ました。

◆漁業の打撃心配

 福島県漁連の野崎哲会長は、「風評の払拭(ふっしょく)には想像を絶する精神的、物理的な労苦を伴うことを経験した」と強調。海洋放出されれば「福島県漁業に致命的な打撃を与える」と訴えました。
汚染水について「状況はコントロールされている」という安倍晋三首相の主張もむなしく、政府はタンク中の汚染水の放射性物質濃度さえも把握できていませんでした。事故を起こした東電は、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を進めるのではなく、被害賠償や廃炉作業に向き合うべきです。


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