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五輪に旭日旗 「対韓」視点の陥穽 米英欄豪にも戦争被害者

「五輪、旭日旗の持ち込み禁止せず 韓国側の決議に組織委が方針 共同9/3

https://this.kiji.is/541527294797661281?c=39550187727945729

 「対韓国」マターとして、政権を忖度しての判断としかいいようがない。「旭日旗は日本国内で広く使用されており」とう事実はない。普段の生活ではまったく見ない。

 侵略戦争の旗印につかわれたのは歴史的事実であり、それは世界の人、とくに日本の戦争被害を受けた国、その遺族を含む国民がどう受け取るか。それが五輪憲章にふさわしいのかどうか、を判断にしないといけない。「嫌韓」のカタルシスで、世界が見えなくなった、極めて「政治的な決定」「愚かな決定」である。

サッカーのFIFAの規定は厳格である 五輪のサッカーの試合はどうするのか・・・

 ビックビジネスで国威発揚の具となっている五輪は、世界の各地分散で、完全民営(国民のスポーツ文化の権利を保障する施策は別)で実施すればよい、と思っている。特に猛暑の東京五輪は、アスートファーストの立場から返上すべき。

【『旭日旗はなぜサッカースタジアムで禁止なのか? 関係ない日本側の主張、知るべき国際ルール 清義明2017/04/27

【東京五輪組織委が旭日旗を持ち込み許可の方針! 大日本帝国・軍国主義の象徴を平和の祭典で拡散させる愚行 リテラ9/4

 日本軍性奴隷の被害者も「強制連行」されたオランダ女性がいる・・ 「日本は韓国人女性に耳を貸そうとしなかった。でも、欧州人女性が前に出て『ちょっと待って、あなたたちはアジア人女性だけにそんなことをしたわけじゃない。オランダ人の少女にもした』と言えば、彼らは姿勢を正して話を聞くと、私には分かっていた。」と語っている。  今も、「否定論者」は、欧米人の被害には無視をきめこみ「韓国マター」の枠組みで暴論を述べている。

【欧州人で初めて「慰安婦」としての体験を語ったジャン・ラフ・オハーンさん、96歳で死去  テレグラフ9/1】

【『旭日旗はなぜサッカースタジアムで禁止なのか? 関係ない日本側の主張、知るべき国際ルール 清義明2017/04/27

 ACL水原対川崎の一戦で、一部のサポーターが旭日旗を掲げ騒動になっている。旭日旗がなぜダメなのか、という反応も多くあるが、今一度なぜ禁止されているのか整理したい。日本側の主張は関係なく、重要なのは、試合を主管するFIFAAFCの規約である。(文:清義明)

 ◆旭日旗問題。知っておくべきFIFA規約

  425日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ、水原三星(スウォンサムソン、韓国)対川崎フロンターレの一戦で、川崎フロンターレのサポーターが応援の旭日旗を出したことが騒動になっている。

 当該サポーターはすぐにこの旭日旗をスタジアムの警備によって没収されたが、この行動に水原のサポーターの怒りは収まらず、試合終了後に川崎側の観客席に乱入。そのために試合終了後しばらくアウェイに観戦に来ていた川崎サポーターはスタジアムを出ることができないという事態となった。

  旭日旗での騒動といえば、2013年の韓国での東アジアカップが思い出される。この時は双方の政府がこの「事件」に言及するなどの政治的な国際問題にまで発展した。今回旭日旗を出した川崎のサポーターはこれから学んでいなかったのか、またはネットで一部の右派的な主張を行う人たちから散見される意見のように、旭日旗の何が悪いのだと、さらに挑発的に出したのかはいまのところ不明である。

  しかし、ひとついえるのは旭日旗をこのように国際試合で出すことが今後日本サッカー界にとってマイナスに働くばかりか、重大な事態に直結する可能性があるということだ。

  これについて、以下、旭日旗がスタジアムで禁止される理由について解説してみたい。

  結論からいえば、各種FIFA管轄のサッカー組織にあるルールから判断すれば旭日旗は明らかにNGである。

 まずはFIFAの規約のひとつ「スタジアム安全警備規定」

https://resources.fifa.com/mm/document/tournament/competition/51/53/98/safetyregulations_e.pdf PDF注意)の最新版を見てみよう。この第60条二項では「挑発・攻撃的行為の禁止」として以下のように定めている。

 a)試合主催者は、地元の警察当局と連携しながら、スタジアムやその近辺で、サポーターが挑発や攻撃的行為を行わないようにしなければならない。例えば、選手や審判、相手チームのサポーターが許容できないレベルの挑発や攻撃的なヤジや差別行為、さらには攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗などもこれに含まれる。もしこのような行為が行われたならば、試合主催者または警備は場内放送でこれに警告しやめさせなければならない。もしこれらが、差別行為などの深刻なケースは警察に通報しスタジアムから排除しなければならない。

b)さらにFIFA加盟の全協会とクラブはこれに関連する規定や規約を遵守し、あらゆる手段をもってこれを未然に防止しなければならない。

 ◆「挑発的行為の禁止」。日本側の主張は関係ない

  ようするに、日本の軍国主義を象徴すると東アジアではみなされる旭日旗は、この「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」に該当し、それにより禁止されるのである。なお、今回の水原対川崎戦はFIFAの下部組織であるAFCの管轄の試合となっているが、その規約

http://www.the-afc.com/uploads/afc/files/afc_safety_a_security_regulations_2017.pdf PDF注意)の第38条「挑発的・差別的行為の禁止」にもほぼ同様の規定がある。

  旭日旗は「国際的に認められた旗」で「軍事的なシンボルではない」ので問題はないはずだという主張もみられるが、この意見が妥当かどうかは関係なく、それ以前に相手に対する挑発的行為ということになるわけだ。

 ここでは深くは踏み入らないことにするが、韓国や中国といった国々では、この旭日旗を軍国主義の象徴とみなしていることはもはや説明の必要もないだろう。筆者は多くの韓国や中国のサッカーサポーターに、サッカースタジアムに旭日旗があることをどう思うかという質問をしてきたが、そのどれもが「ありえない」「その質問自体も失礼である」というような回答だったことだけをここでは書いておこう。このような相手に旭日旗を出すことは「挑発」以外の何物でもないわけである。

 このため、Jリーグのクラブチームや日本代表では、中国や韓国といった東アジアの国との国際試合に関しては比較的厳格な措置をとっていて、例えば事前にスタジアム入場時の荷物検査を行ってもいる(これもFIFAの安全規定で定められたものでもある)。

 実際に、日本代表戦などでは何人もが荷物検査や試合開始前の段階で、旭日旗を没収されているケースもある。また、ACLのような試合でもクラブが直接サポーターグループなどに指導しているケースもある。いらぬトラブルを防ぐためにも賢明な措置であろう。

  例えば、川崎フロンターレも対中国の試合では、過去に旭日旗は禁止されているということを公式サイトで明確に注意を促していた。これは事前の中国の公安(警察)からの指導に従ったものであろうが、こちらも未然防止には効果的だったろう。なお、今回の韓国アウェイの試合ではそのような注意喚起は見当たらなかった(公式サイト上では触れていない)。

 ◆自衛隊が使っているから問題ない? シャルケでは軍事標章は禁止

  そしてさらに、日本サッカー協会はその主管試合(代表戦)においては「政治・思想・宗教・軍事・差別的な主義、主張、観念を表示、若しくは連想させるような」旗や横断幕を禁止している。これによると、戦前に日本海軍の軍艦旗、また陸軍の連隊旗として使われており、また現在では海上自衛隊の旗として使われている旭日旗は明らかに規約違反となる。

  これについて違った解釈もありうるだろう。例えば、一部にナチスのハーケンクロイツ(鍵十字)ならともかく、旭日旗は自衛隊も使っているもので問題はないはずだという意見もあるようだ。

  これに関しては、例えば内田篤人選手が所属するシャルケ04のスタジアムの禁止意匠規定

http://www.schalke04.de/fileadmin/images/Hauptseite/Fans/Fanbelange_Rechte_Symbole.pdf PDF注意)を参照されたい。現在のドイツ軍が使用している軍事標章である鉄十字も禁止されていることがわかるだろう。

欧州サッカージャーナリストもドイツのスタジアムで鉄十字がスタジアムに出たら大問題になるだろうと筆者の取材に答えている。これからすると旭日旗と鉄十字は同じスタンスで理解できるかぎり、文字通り旗色が悪い。

  ただし「軍事的標章」であるはずの旭日旗に関して、日本サッカー協会は玉虫色の対応をしてはいる。おおざっぱにいえば、中国と韓国の試合のときは事前チェックなどで露出することを防ぎ、ほかの国との試合では放置しているのである。

  一方、Jリーグでは先日ガンバ大阪がナチスの意匠の旗を出したことが問題になったが、「政治・宗教的」なものは個別のクラブチームの試合規約で禁止されていることが多いが、ここには「軍事的なものを連想させるもの」という規定はどこも見当たらず、そのために旭日旗はアジアとの国際試合以外では野放しになっており、ほぼ日常の応援風景で見られるようになっている。

 ◆川崎には韓国人選手も所属。サッカーでは過剰なナショナリズムはプラスにならない

  今回のACLで川崎サポーターが旭日旗を掲出したのは、どうやら川崎のサポーターグループではなく、個人がやってしまったことのようだ。すでにサポーターグループでは旭日旗が国際試合では禁止されているということはおおよそ理解されてきており、クラブからの指導にも従っている。

 ころが、このような個人のサポーターについては、現場レベルでの指導ではどうにもならない。おそらく、ゴール裏のサポーターグループの席でこれを出したら、グループから注意が入って取りやめさせることになったのではないかと筆者は想像する。なお、前述した2013年の東アジアカップでの旭日旗もグループに所属しない個人が、グループの位置から離れた場所で掲出したものである。

  おそらくこの旭日旗を掲出したサポーターも、そんなに大きな問題になるとは思ってはいなかっただろう。なぜなら、普段Jリーグのゴール裏では見慣れたものだったからだ。事前にサポーターに対して、旭日旗が対戦相手国によっては問題になるということを周知しなかった川崎フロンターレの責任もあるだろうが、そもそもは普段の試合で旭日旗が野放しになっていることに遠因があると筆者は思えて仕方ないのだがどうだろうか。

  さて、このような騒動がありながら、川崎フロンターレはアウェイで1-0の勝利をおさめた。

 接戦の末のアディショナルタイムに絶体絶命のピンチを救った勝利の立役者は、韓国出身のGKチョン・ソンリョンである。もはやクラブチームのワールドサッカーでは国籍は超越し、クラブというそれぞれの仲間のために戦うのが当たり前の話である。果たして、そのチョン・ソンリョンに対して旭日旗は応援の意味があっただろうか。彼は旭日旗についてどう思っているだろうか。答えはチョン選手に聞くまでもなかろう。

  これは韓国人選手にだけいえることではない。過剰なナショナリズムをぶつけてそれでよしとする時代錯誤な風習は、少なくともサッカーの世界にとって、マイナスにはなれど決してプラスにはならない。筆者は、このまま旭日旗の取り扱いを日本サッカー界が玉虫色で扱った末には、必ず大きなトラブルになる日がくると思えてならない。

 ◆欧州では厳しい制裁が下ったことも。日本で同レベルの問題が起これば…

  2014年のセルビア対アルバニアの代表戦では、政治的なトラブルになること必至の大アルバニア主義の旗がラジコンヘリによってピッチに運ばれた。

  これによりスタジアムは騒乱状態になり試合途中で没収試合となった。最終的にはスポーツ仲裁裁判所が「アルバニアの3-0勝利」を決定、セルビアは勝ち点3の没収と2試合の無観客試合の制裁を科せられた。なお、両国とも10万ユーロの罰金が科された。

  このような騒動が、旭日旗が原因で日本代表やクラブチームの試合で起こるならば、その責任は野放しにしていた主催者とサポーターのものとされても致し方ないかもしれない。筆者の生まれたのは海上自衛隊の基地の町で、毎日護衛艦にたなびく旭日旗を子供のころは見てきた。それからも意匠としての旭日旗には親しんできた。

  しかし、グローバルな社会となり海外の人たちもやってきて隣人にたくさんのアジアの人たちがいる中で自分たちの感覚や理屈だけが正しいというわけにはいかないのである。多くのサッカーサポーターは日々ワールドサッカーに触れてきている。その考えを共鳴していただけると信じたい。

(なおこの旭日旗の問題や先日に起こったガンバ大阪サポのナチス旗の問題などについては、アジア各地や欧州の実情などふくめて、すでに拙著『サッカーと愛国』で詳細に書かせていただきました。ぜひともご参照ください。全国の図書館でも読むことができます)

 

【東京五輪組織委が旭日旗を持ち込み許可の方針! 大日本帝国・軍国主義の象徴を平和の祭典で拡散させる愚行 リテラ9/4

  正気の沙汰とは思えない。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、「旭日旗」の競技会場への持ち込みについて、禁止せず許可する方針だというのだ。

  産経新聞、FNN、韓国メディアの報道によれば、旭日旗の使用に関連した韓国SBSの質問に対して、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、「旭日旗は日本で広く使用されるため、それを防ぐ理由がない」「旭日旗自体には、どのような政治的意味も含まれていない。そのため禁止品目とは見なさない」などという内容の公式回答書簡を送ったのだという。共同通信なども同様に伝えている。

  東京五輪・パラリンピック組織委員会は「旭日旗自体には、どのような政治的意味も含まれていない」などとデタラメを吹いているが、「旭日旗」は紛れもなく戦前・戦中日本の軍国主義の象徴だ。韓国や中国のみならず、日本が侵略したアジア諸国から反発が起こることは当然であり、しかも、まがりなりにも「平和の祭典」を標榜する五輪に持ち込むなど、国際社会の常識で考えればありえない判断だ。

   国際オリンピック委員会がこのまま看過するとも思えないが、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、安倍首相と思想ともにする極右仲間であることを考えれば、強行する可能性もゼロではないだろう。

  ここ数年、安倍政権は、「旭日旗」をめぐって、大日本帝国の軍国主義の象徴であるという負の歴史をネグり、正当化しようという動きに出ている。

  2017年、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグの試合で、サッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターが、韓国の水原三星ブルーウィングス戦で旭日旗を掲げ、アジア・サッカー連盟が、旭日旗を掲げる行為は人種や政治的な心情による差別を禁じる規定に違反するとして、川崎を処分。

  この処分にネトウヨたちが反発した。単にネトウヨが頭の悪い妄言をがなり立てているだけならまだマシだが、なんと日本政府がこうしたネトウヨの妄言レベルのことを追認するような動きに出たのだ。

  2017年当時、菅義偉官房長官は「旭日旗は差別的ではないとの認識か」との質問に対して、「自衛隊旗や自衛艦旗だけではなくて、大漁旗やしゅっさん、節句の祝い旗など、日本国内で現在も広く使用されていると考えている」などと会見で述べるなど、事実上、旭日旗の使用は不適切ではないとの認識を示した。

 「日本国内で現在も広く使用されている」と言うが、それは在特会とかのヘイトデモではないか。

  さらに、今年5月には、日本の外務省がホームページで「旭日旗」に関する説明文書をアップ。「旭日旗」が大日本帝国・軍国主義の象徴であるという史実をネグり、“まったく問題ない”と強弁したのである。

  しかし、日本政府や東京五輪・パラリンピック組織委員会がどんなに「旭日旗自体には、どのような政治的意味も含まれていない」などと強弁しようとも、「旭日旗」が大日本帝国・軍国主義の象徴であるという史実は揺らがない。むしろ「旭日旗」正当化は安倍政権の歴史修正主義の象徴なのだ。

  こんなものをオリンピック・パラリンピックという「平和の祭典」とも称される国際イベントの場に、持ち込むなど許していいはずがないだろう。

  本サイトでは、「旭日旗」が、現在の「海上自衛隊旗」も含め、いかに問題あるものか、検証したことがある。以下に再編集して、掲載する。「政治意味がない」などという東京五輪・パラリンピック組織委員会の説明がいかに欺瞞に満ちたものか。あらためて、ご一読いただきたい。

 ◆外務省がHPで「旭日旗」正当化! サッカー国際試合でも問題になる軍国主義の象徴を無理やり肯定する歴史修正主義

  慰安婦問題や徴用工問題などで「史上最悪」と言われる日韓関係。そんななか、またもや安倍政権による歴史修正主義が韓国世論を刺激した。2019524日、日本の外務省がホームページで「旭日旗」に関する説明文書をアップ。こんなふうに“まったく問題はない”と強弁したのだ。

 〈旭日旗の意匠は、日章旗同様、太陽をかたどっている。この意匠は、日本国内で長い間広く使用されている。〉

〈制定以来、自衛艦旗及び連隊旗は国内外の様々な場面で掲げられてきている。これらの旗は、これまで半世紀以上にわたり、自衛艦または部隊の所在を示すものとして、不可欠な役割を果たしてきており、国際社会においても広く受け入れられている。〉

  ようするに、安倍政権は“旭日旗のデザインは自衛隊で長年使用されてきたもので、国際社会にも受け入れられている”と主張したのだ。

  周知の通り、現在でも海自・陸自の旗として使われている「旭日旗」を巡っては、戦前・戦中日本の軍国主義の象徴であることから、韓国をはじめ国際社会で強い反発を呼んできた。

  しかも、旭日旗は、スポーツの場でも何度も問題化してきた。2017年には、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグの試合で、サッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターが、韓国の水原三星ブルーウィングス戦で旭日旗を掲げた。アジア・サッカー連盟は、旭日旗を掲げる行為は人種や政治的な心情による差別を禁じる規定に違反するとして、川崎に執行猶予付き無観客試合や罰金などを命じた。川崎は異議申し立てをしたがスポーツ仲裁裁判所には提訴せず、処分が確定。だが、昨年のロシア・ワールドカップでも日本代表対セネガル代表戦で旭日旗が出されるなど、同じ事が繰り返されている。

  とりわけサッカーの試合を巡っては、世界的にもナチスのハーケンクロイツを掲げたサポーターやクラブ側に厳しい処分が出されている。日本サッカー協会は「旭日旗に政治的な意図はない」などと主張しているが、先述したアジア・サッカー連盟の裁定をみてもわかるように、旭日旗はスポーツの場にふさわしくない「政治的」「差別的」な象徴としてはっきりと禁じられているのである。

  それを、よりによって戦中の旭日旗をそのまま海上自衛隊の旗にしている日本政府が〈国際社会においても広く受け入れられている〉と言い張ったのだ。

  だとすれば、何度でも、日本政府が隠蔽しようとする“旭日旗の歴史”を確認しておく必要があるだろう。はっきり言うが、外務省の旭日旗をめぐる説明は歴史修正主義と呼ぶべきシロモノでしかないからだ。

 ◆戦中は「旭日旗=天皇の分身」だった! 旗手が軍旗もろとも自爆も

  まず、「旭日旗は日本の軍国主義の象徴である」という韓国など国際社会の批判は、べつに言いがかりでもなんでもなく歴史的事実だ。旭日旗は、戦前・戦中に帝国陸軍の「軍旗」(連隊旗)および帝国海軍の「軍艦旗」として用いられた。それぞれ形が異なるが、現在、海上自衛隊が艦旗として使用している旭日旗は、戦中の海軍から丸ごと引き継がれたものだ。

  それら旭日旗は、戦前、どのように扱われていたか。たとえば陸軍では、単なる連隊の標識にとどまらず「旭日旗=天皇の分身」として、軍旗に関する礼式、取り扱い等も規定された。紛失したり、奪取されることなどもってのほかで、敗北・玉砕の際は連隊長が腹を切り、軍旗を奉焼の儀式にて灰にした(寺田近雄『完本 日本軍隊用語集』学習研究社)。

  歴史家の秦郁彦氏によれば、第二次大戦末期には爆薬によって旗手が軍旗もろとも自爆する処置までとられたという(『日本陸海軍総合事典』東京大学出版会)。まさに“狂気”としか言いようがない。実際、戦中、陸軍近衛歩兵第6連隊で旗手をつとめた作家の村上兵衛はこう書いている。

 〈軍旗を失った歩兵連隊などというものは、もはや哂い者にすら価しなかった。それは存在しないのである。また存在させてもならないのである。だから、わが陸軍においては「軍旗喪失」と「連隊全滅」とは数学的正確さを持った同義語に過ぎなかった〉(小説「連隊旗手」)

  一方、海上自衛隊にそのままの形で引き継がれた、帝国海軍の旭日旗はどのように扱われていたか。1902(明治35)年に海軍少佐・奥田貞吉の名前で著された「帝國國旗及軍艦旗」は、その意匠に〈我帝國ノ武勇ヲ世界ニ輝カセ〉〈帝國ノ國權ヲ地球ノ上ニ發揚セヨ〉という意味があると説明している。つまり、外務省は〈自衛艦または部隊の所在を示すもの〉と一面しか説明せず、完全にネグっているが、歴史的には、たんに船舶の所属を表すだけでなく、国威発揚や帝国主義の正当化を図る示威行為の意図があったのだ。

 ◆海上自衛隊の旭日旗復活には、“大日本帝國の思想性”復活の意図があった

  狂気の象徴だった陸軍の軍旗および海軍の軍艦旗、旭日旗は当然ながら、敗戦後は一度消滅する。では、なぜそれが前述したように、海上自衛隊で自衛艦旗として復活したのか。

  それは「自衛隊艦旗と旧軍の旭日旗が違うもの」だからではない。逆に、海上自衛隊がその「旧軍の旭日旗の思想性」を復活させたいと考えたからだった。

  現に、防衛省・自衛隊ホームページでは〈自衛艦旗は戦前の日本海軍の軍艦旗そのままのデザインですが、その制定にあたって海上自衛隊の艦旗はすんなりと旧軍艦旗と決まったわけではありませんでした〉と解説されている。

  1954(昭和29)年の自衛隊設置を前に、その前年から旗章が全面的に見直されることになったのだが、〈多くの部隊が希望している旧軍艦旗を採用することについても、情勢はこれを許す状況にはないのではないかとの議論〉があったというから、やはり、旭日旗が軍国主義を示すものであるとの認識は当時の関係者にもあったわけである。

  ところが、防衛省が説明するところによれば、〈各部隊・機関の意見を集めたその結果、各部隊等の大部分は旧軍艦旗を希望している意見が多いことが判明〉して、旧日本帝国軍の軍艦旗がそのまま制定されたという。

  元海軍軍人の大賀良平・第12代海上幕僚長(故人)が、かつて雑誌の「海自50周年」の記念特集に「旭日旗、再び」と題して寄稿した文によれば、1951年、吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結と前後し、米国から艦艇の貸与を打診され、これを受け入れた。その際、貸与艦をどう運用すべきかを検討する秘密委員会が設けられ、山本善雄元海軍少佐が主席となり、旧海軍側から8名が参加したという。この答申によって、翌52年に海上警備隊が創設されたのだが、大賀元海幕長は当時をこう述懐している。

 〈この時、関係者が感激し狂喜したのは、かつての軍艦旗“旭日旗”が再び自衛艦旗として使えるように決まったことだ〉(「世界週報」時事通信社/200282027日合併号)

  大賀元海幕長の言う「感激し狂喜した関係者」が、海軍出身者のことであることは疑いない。自衛艦の「旭日旗」が、帝国海軍のメンタリティによって復活したことは明白だ。つまり、海上自衛隊の自衛艦旗=旭日旗は、たんにそのデザインが戦中と同じというだけでなく、大日本帝国の思想性を継承したものに他ならないのである。

 ◆外務省の唐突な旭日旗正当化の背後に安倍首相周辺の極右政治家

  外務省は、このたび公表したHPでの説明のなかで、〈太陽から光線が放たれる旭日のデザインは、日本特有のものではない〉として、北マケドニア共和国の国旗などに〈類似のデザイン〉があり、〈世界で広く使用されている〉としている。

  だから何だというのか。問題は「旭日」=朝の太陽の“デザイン性”にあるのではなく、「旭日旗」=帝国軍旗・戦艦旗という“史実”にある。いまでも海自が使っている日本の「旭日旗」が、まさしく大日本帝国のミリタリズムを継承したものである以上、韓国など日本が植民地化したり侵略したアジア諸国が嫌悪するのは当たり前の話だ。

  外務省はいったい何のために、こんなタイミングで、無理やりな旭日旗正当化をHPで発表したのか。

  今回の問題を巡っては、安倍首相の覚えもめでたい自民党の山田宏参院議員がTwitterで〈自衛艦旗に対し、韓国だけが「戦犯旗」などと的外れで無礼な非難を国際社会で繰り返しています。そこで国際社会で正しい認識をしてもらえるよう、このたび防衛省と外務省のホームページで、旭日旗について日本語と英語での説明文を、本日17時に掲載することになりました〉(524日)と投稿している。外務省HPでのプロパガンダは安倍首相周辺の極右勢力が主導したと考えて間違いないだろう。

  安倍政権が「旭日旗」を正当化しようとするのは、あきらかに戦前日本の帝国主義を肯定する歴史修正主義の延長だ。ゆめゆめ騙されてはならない。

 

 

 

 

 

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