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再エネ普及を妨害 大手電力の「安売り」攻勢、既存水力でのRE100対応

 発送電分離を骨抜きし、有線接続も認めず、動いていない原発分もカウントし接続容量を制限したうえに、出力制限で再エネ経営を不安定化・・・ 開発のルール化もおぞなり・・

 そのうえ、自治体新電力に取り組んでいる地域では、周辺自治体への電気代を引き下げで、つがしにかかっている(独禁法の「優越的地位の乱用」ではないのか)。また再エネ100%をめざすRE100参加する大手企業に対し、これまで国民負担で建設してきた水力発電分を「RE100」対応メニューとして示し、再エネの新規拡大を妨害。

 電力大手は生き残れても、自治体や中小事業者による再エネ事業は衰退し、日本社会として再エネは拡大しない、という時代逆光の政策。

【自治体新電力の4割 大手安値攻勢に苦しむ 東京8/17

【プレスリリース  再エネ新電力の危機 -大手電力会社による「取戻し営業」と水力によるRE100メニュー

2019131日 パワーシフト・キャンペーン運営委員会】

【自治体新電力の4割 大手安値攻勢に苦しむ 東京8/17

 自治体が中心となってつくった新しい電力会社の約四割が、東京電力や関西電力などの大手電力の安値攻勢に苦しんでいることが、本紙が実施したアンケートで分かった。大手電力との関係悪化を恐れ、会社の設立を断念した自治体も。「自治体新電力」は再生可能エネルギーの普及や、エネルギーの地産地消による地域活性化の担い手として期待されている。大手電力からの攻勢が続けば、新たな潮流が停滞しかねない。 (西尾玄司、伊藤弘喜)

 本紙は五~六月、二十四都道府県の主な自治体新電力三十六社を対象に経営状況などについてアンケートし、三十二社から回答を得た。このうち、十三社が「大手電力が採算を度外視した値引きを自社の顧客に提示してきた」と答えた。

 群馬県中之条町の「中之条パワー」は今年五月、民間事業者との電気供給の契約二件を、東電の大幅な値引きによって取り返された。同パワーの山本政雄社長は「(電気代のうち)基本料金を三割引きにするという提示だった。明らかに採算割れだ」と憤った。

 東電は「提供している電気メニューについては、客の使用状況やニーズなどを踏まえて適切に設定している」と反論した。

◆島根・益田市は設立断念 中国電と関係悪化恐れる

 島根県益田市が設立しようとした「自治体新電力」について、競争相手となる中国電力(広島)と協議した結果、中国電との関係悪化を恐れて設立を断念していたことが、本紙が情報公開請求で入手した市の内部文書などから分かった。

 益田市と共同出資で電力会社をつくろうとした新電力「パシフィックパワー」(東京)は、中国電の「妨害」で会社設立が中止になったと指摘。電力市場の公正性を監視する経済産業省に抗議した。中国電は「個別の交渉についてはコメントを控えたい」とした。

 新会社は本年度中にも、市内の再生可能エネルギー由来の電気などを学校などに供給する計画だった。パシフィックパワーが四月四日に山本浩章市長と面談した時点では、市は設立に前向きだった。

  一方、市の公共施設の電気は中国電が供給しており、新電力の設立で関係悪化を懸念する声が市当局内で出ていた。市内に中国電の発電所があり、国から「電源立地地域対策交付金」が市に出ているほか、中国電から二〇一四年と一五年に計一億二千万円の寄付を受けていた。

 四月十二日と同二十三日に、河上信男副市長が設立について中国電の幹部と協議したが、理解は得られなかった。市は六月五日に設立の断念を公表。「ほかの第三セクターが事業休止に陥っている中で、新たなリスクを抱えることは望ましくない」などと理由を挙げた。中国電との関係悪化には触れなかった。

  益田市は本紙に「中国電は地域に多大な貢献をしてきた企業で関係悪化を避けたかった」と説明した。

  諸富徹・京都大教授(環境経済学)は「大手電力が自治体新電力に対し、妨害的な行為をしているという話は最近になって聞くようになった。競争相手が増えている上、原発再稼働がなかなか進まず、収益力が落ちている大手電に余裕がなくなってきている表れといえる」と話した。

 <自治体新電力> 自治体が地元企業などと共同で出資してつくる電力会社。現在、全国に約40社。太陽光や小規模水力など地域内の再生可能エネルギーによる発電所や卸電力市場などから調達した電気を、役所や学校などの公共施設、企業、一般家庭などに販売する。国の「エネルギー基本計画」では、エネルギーを供給する多様な担い手のひとつとして期待されている。自治体の経営参加で信用が増すうえ、公共施設など一定の需要を確保できるため経営が安定しやすい。

 

   以下は、図表省略。原文を見てください。

【プレスリリース  再エネ新電力の危機 -大手電力会社による「取戻し営業」と水力によるRE100メニュー

2019131日 パワーシフト・キャンペーン運営委員会】

  2019年、まもなく電力自由化から3年を迎えようとしています。新電力の販売電力量シェアは20189月時点で約14.1%となり、全面自由化前の約5%からは伸びています。しかし新電力の存在感が大きくなるにつれ、大手電力会社(旧一般電気事業者のみなし小売電気事業者)の大幅値引きによる巻き返しも激しくなり、新電力業界に深刻な打撃を与えています。

  再エネ供給を目指す新電力も例外なく脅威にさらされています。多数の契約を取り戻されたり、営業努力が無駄になったり、ぎりぎりまで価格を抑えるために経営が圧迫されたりといった状況が続いているといいます。理念にかかげる地域でのエネルギー調達・地域への供給を進めるためのリソースを残すことも容易ではない状況です。

  再エネ新電力と、再エネを選びたい企業に何が起こっているのでしょうか。そしてその背景に何があるのでしょうか。いくつかの事例を取材しました。

  下図は供給区域別の特別高圧・高圧分野の新電力シェアです。特別高圧分野では、2017年度にかけて関西エリアでのシェアが上昇したものの現在は降下しています。高圧分野では、20187月以降、多くのエリアでシェアが下降しており、大手電力による巻き返しや、一部の新電力が大手電力の取次となった影響が考えられます。

図… 「特別高圧・降圧分野の新電力シェア(供給区域別)」
(総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 20181219日資料より)

 ◆新電力にせまる危機事例 高圧契約の半数を大手電力に取り戻された

  関西電力(以下関電)管内で電力を供給する新電力A社は、「企業との高圧契約では、顧客の電力の使い方にもよるが、既存の料金よりマイナス10%程度が限界」と言います。託送料金や電源調達費用、営業費用などを考慮すれば当然のことです。言い換えると約10%以上の値引きができる会社は他事業の利益を充てているか、赤字覚悟で契約を取りに行くか、のいずれかが考えられます。

 A社はさらに言います「ようやく獲得した顧客がいたが、関電がそこに約18%引きの大幅値下げの提案を出した。これは自由競争の範囲なのか、経産省電力・ガス取引監視等委員会に抗議をしたが、委員会が直接関電に調査に入りギリギリ適正な取引であるとの回答であった。」「そこに別の新電力も入り、同等の値引率を示したため顧客が再見積もりを要求すると28%引きを提案し契約が成立した。18%から28%まで値引きすることができた根拠はないはず。再抗議したが未だに監視委員会からの回答はない。」

 関電に契約を戻した数社からは「新電力A社のおかげで関電から非常に安価な電力を調達できることになって感謝している」とのコメントがあったそうです。A社自身は危機的な状況となり、経営の立て直しに四苦八苦している状況といいます。

 ◆老舗や優良企業はピンポイントで取り戻される

 東京電力(以下東電)管内で電力を供給する新電力B社は、ある比較的大規模な介護施設と契約をしていたが、東電にB社より安価な価格で取り戻されたそうです。こちらは価格だけでなくやり方も気になったとB社。「施設の方によれば、ピンポイントで東電より電話が入り、契約を切り替える案内があったとのこと。東電は過去に切替が行われたお客様番号や住所や担当窓口の電話番号など顧客リストを持っているため任意のタイミングで東電本体あるいは代理店(値段交渉をその場で行い、手書きの削減見積りを提示するケースも確認)を経由した取り戻し営業が可能となっている。他案件でも狙い撃ち営業(新電力会社の排除)とも思える動きは確認している。」事務手続きもスムーズということで、顧客にとっても「戻りやすい」状況となってしまっているようです。ほかにも「弊社が契約していた顧客に「(契約後1年未満のため)B社との解約違約金を支払う(実質的な大幅値引き)ので」と働きかけをして取り戻された」事例もあるといいます。「大口のお客様や地域の老舗など、優良企業と思われるところは確実に取戻しにねらわれる。また他エリアの大手電力の進出もある。全ての案件ではないが、東電対比の電気料金総額から20%超の値引きも珍しくはなく、その水準でたたかうことはある。」

 ◆主要な自治体の入札では、まったく太刀打ちできないケースがある

  新電力B社はまた、自治体への供給も行っており入札に参加していますが、そこでも状況は同じと言います。「とある自治体の入札に参加した際に、相場価格の提案を用意していったが、主要な自治体には大手電力会社が参加しており、開札単価の開示では他社が追随できない値引きの価格となった。ほかの新電力と比較しても勝負にならない単価であった、という状況はよくある。」一方で、小さい規模の入札には、大手電力は注目していないケースがあるそうです。「小規模の入札案件を確保することは不可能ではない」とB社は言います。

 ◆「RE100 」調達を目指す企業の既存大規模水力プランによる取戻し

  大手企業が世界の流れに沿ってRE100への加盟を目指すために、再エネを調達する動きが加速しています。理念は再エネを普及させることですが、その流れに水を差しかねない動きがあります。新電力C社では、「顧客に再エネプランで協議中、東電による取り戻し営業がある。東電は大規模水力による再エネプランを割高な料金で提供しているが、その値引きを提案して再エネ新電力から取り戻しをしようとしている」。もともとが大規模水力で安価な電源であるだけに、値引きをされれば新電力の再エネプランは太刀打ちできません。また「追加性」も「持続可能性」もなく、再エネの普及には全く貢献しないものです。再エネ100%調達を目指す顧客がこのような大手電力の水力プランを次々と契約することになれば、目指すところとは異なり無意味、もしくはグリーンウォッシュ(環境配慮をしているように装いごまかすこと)の活動となってしまいます。

  さらにC社は言います。「お客様と協議中であることが、なぜかわかっているようだ。顧客から委任状を取得した上で、顧客の電力量を調査しているということを把握できている可能性がある。」

 ◆スイッチング情報の営業利用は制限されるも、問題の構造は変わらず

  こうした大手電力による巻き返しの動きはすでに全面自由化開始当初(2016年度)から始まっており、2018年度には、電力取引監視等委員会の制度設計専門会合でも、課題として議論されました。その結果、少なくともスイッチング情報を営業行為に利用することは問題であるとして、20181227日、スイッチング期間中の「取戻し営業」行為を「問題のある行為」とし、取戻し営業を防止するための社内管理体制を構築することを「望ましい行為」とすることが「電力の小売り営業に関する指針」に追加されました。

20181227日 電力ガス取引監視等委員会「電力の小売り営業に関する指針」の改訂
http://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181227008/20181227008.html

  しかし特に罰則があるわけでもなく、またスイッチング後の値引き提案自体は規制されるわけではないため、新電力が圧倒的に不利な状況は変わりません。このような状況が続けば、再エネを目指す新電力も含めて、倒産や方向転換を迫られる事態になりかねません。

 ◆背景にある根本的なアンバランス

  大手電力による大幅な値引きの背景には、大手電力が大規模水力(燃料費ゼロ)や原子力発電(燃料費安価)などの「発電コストの安い」電源を持っていることにあります。しかしこれらの電源は、自由化以前の総括原価方式によって、国民全体の負担によって建設されたものです。原子力発電については事故時の費用や廃炉費用も含めて国民全体で負担することとなっています。その電源を、旧一般電気事業者のみなし小売り電力会社が「自社のもの」として、値引きの原資とすることは、公正な競争行為とは言えません。このような状況が続き、新電力が次々と競争力を失ったり、意図するような経営方針を貫くことができなくなったりすれば、電力自由化はまったく骨抜きとなってしまいます。

 ◆「電源保有の構造」

 みなし小売電気事業者と旧卸電気事業者(電源開発等)が出力ベースで83%を所有。

(電力ガス取引監視等委員会 競争的な電力・ガス市場研究会 20171017日資料より)

「発電設備別の建設費および燃料費」

(出典:同上)

 ◆再エネ新電力が事業を継続できる環境に向けて

  新電力全体の危機の中で、再エネを重視したい新電力も例外なく大きな経営圧力を受けています。パワーシフト・キャンペーンは、再エネ新電力が顧客を増やして存在を示し、持続可能な形での再エネ調達を増加させることが重要と考えています。そのため、それに逆行する現在の状況を深刻にとらえています。引き続き、市場整備や制度設計の動向に注目していきます。

  また、再エネ調達やSDGs目標に向けた電力調達を検討中の需要家が、安価・安易な大規模水力によるプラン等を選択する「グリーンウォッシュ」とならないよう、どのような電源による再エネなのかに注目した選択を呼びかけていきます。

 20191月現在、2019年度の電力調達を検討している企業が多い中で、各社の営業・取戻しが佳境を迎えています。電力市場の不平等についてはすでに多数報道いただいていますが、電力自由化から3年を目前としたこのタイミングで、上記のような厳しい状況についてぜひ改めて取材・報道いただければ幸いです。特に、再エネ重視の新電力の動向についてご注目ください。

  なお、28日に開催するシンポジウム「SDGsを実現する電力選択エシカルな再エネが企業価値を高める」の中でも、再エネ新電力が直面する厳しい状況や、グリーンウォッシュとならない形での再エネ調達についてテーマとして扱います。あわせてご参加いただけましたら幸いです。
http://power-shift.org/symposium_190208/

 パワーシフト・キャンペーン運営委員会
173-0037 東京都板橋区小茂根1219 FoE Japan内 (吉田、田渕)

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