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ハンセン病訴訟 「お詫び」は当然だが…「政府声明」は判決をほぼ全面否定

小池晃書記局長のツイート

「ハンセン病元患者家族に賠償を命じた熊本地裁判決について、「首相談話」が控訴を正式に断念しお詫びと新たな補償措置を明記したことは、筆舌に尽くしがたい苦しみの中で裁判に立ちあがり闘ってきた原告・弁護団の、そして世論の運動におされた当然の対応。

一方、同時に出された「政府声明」は判決をほぼ全面的に否定するものになっている。国は原告団との協議にあたって、『政府声明』の立場をあらため、全面的な謝罪と補償をすべき。立法不作為という判決の指摘も踏まえ国会も新たな立法措置をとるべき。そのために日本共産党は引き続き全力を尽くす。」

 日経コラム 春秋も「わび状にはややこしい証文が付いている」「はて面妖な。控訴を断念し、深々と頭を下げながら、判決自体はこてんぱんにやっつけているわけである」「もし選挙中でなかったら……という臆測がまた、世間に飛びかうことになる」と解説。

 【日経コラム 春秋  2019/7/13付】

政府声明要旨は、下段に。

【日経コラム 春秋  2019/7/13付】

 「深く反省し、心からおわび申し上げる」――。ハンセン病の元患者らの家族が受けてきた深刻な差別。その苦難に対する国の賠償責任を認めた熊本地裁判決への控訴を政府は見送り、きのう、謝罪の言葉を盛った安倍首相談話を出した。なかなかできる決断ではない。

 ▼などと褒めちぎりたいところだが、わび状にはややこしい証文が付いている。判決の問題点をいろいろと指摘した政府声明だ。いわく「偏見差別除去のための行政庁の裁量を極端に狭くとらえている」「国会議員の立法不作為の判断が判例に反する」「消滅時効の起算点を誤っている」。首相談話とともに閣議決定された。

 ▼はて面妖な。控訴を断念し、深々と頭を下げながら、判決自体はこてんぱんにやっつけているわけである。反省やおわびの「情」を色濃くただよわせつつ、「理」は別にありというダブルスタンダードではないか。判決確定で患者や家族が救われるのはたしかだ。法整備も進むだろう。しかし、引っかかるものは拭えない。

 ▼もともと政府内には、こんどの声明のような理屈をたてに、控訴すべしの声も強かったとされる。政治決断がそういう法律論を制したに違いない。それでもなお、こんな長々とした証文付きになったのを見ると、複雑な経緯がうかがわれるのだ。もし選挙中でなかったら……という臆測がまた、世間に飛びかうことになる。

 

 

【ハンセン病訴訟に関する政府声明全文 20190712日】

 
 政府は、2019年6月28日の熊本地裁におけるハンセン病家族国家賠償請求訴訟判決(以下「本判決」という)に対しては、控訴しないという異例の判断をしましたが、この際、本判決には、次のような国家賠償法、民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点があることを当事者である政府の立場として明らかにするものです。

 1.厚相(厚生労働相)、法相および文部相(文部科学相)の責任について
 (1)熊本地裁2001年5月11日判決は、厚相の偏見差別を除去する措置を講じる等の義務違反の違法は、1996年のらい予防法廃止時をもって終了すると判示しており、本判決の各大臣に偏見差別を除去する措置を講じる義務があるとした時期は、これと齟齬(そご)しているため、受け入れることができません。
 (2)偏見差別除去のためにいかなる方策を採るかについては、患者・元患者やその家族の実情に応じて柔軟に対応すべきものであることから、行政庁に政策的裁量が認められていますが、それを極端に狭く捉えており、適切な行政の執行に支障を来すことになります。また、人権啓発および教育については、公益上の見地に立って行われるものであり、個々人との関係で国家賠償法の法的義務を負うものではありません。

 2.国会議員の責任について
 国会議員の立法不作為が国家賠償法上違法となるのは、法律の規定または立法不作為が憲法上保障されまたは保護されている権利利益を合理的な理由なく制限するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などに限られます(最高裁2015年12月16日大法廷判決等)。本判決は、前記判例に該当するとまでは言えないにもかかわらず、らい予防法の隔離規定を廃止しなかった国会議員の立法不作為を違法としております。このような判断は、前記判例に反し、司法が法令の違憲審査権を超えて国会議員の活動を過度に制約することとなり、国家賠償法の解釈として認めることができません。

 3.消滅時効について
 民法第724条前段は、損害賠償請求権の消滅時効の起算点を、被害者が損害および加害者を知った時としていますが、本判決では、特定の判決があった後に弁護士から指摘を受けて初めて、消滅時効の進行が開始するとしております。かかる解釈は、民法の消滅時効制度の趣旨および判例(最高裁1982年10月15日第2小法廷判決等)に反するものであり、国民の権利・義務関係への影響があまりに大きく、法律論としてはこれをゆるがせにすることができません。

 

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