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新人議員のための議会活動、行財政論(メモ)

 統一地方選がおわり、各地で新人議員が誕生したと思う。議会という「異質」の場での活動をどうするか。

基本は「住民こそ主人公」…住民の声に耳をかたむけながら、決して請負にならず、住民とともに運動=主権者としての政治的経験を大事にしながら、住民とともにたたかい、成長していく姿勢が何よりの大事と思う。

 その上で、議会活動で留意する点について、わたしなりの整理したもの。

1議会論戦にあたって

 (1)論戦 ~ 政治論と行政論を両にらみで  
①基本は住民の実態、目線から /同時に、行政の仕組みも踏まえた対応を
   テーマ、取り開けるべき課題について、支部会議、市町村委員会と一緒に考えよう!
②「悪い答弁」を残さない工夫 
・一度「できない」と答弁すると、ひっくり返すのは大変。運動の力にできる答弁を出す
・質問で主張することと答弁で聞くことは別にするとか ~ 執行部との事前の調整
  高すぎる国保、子育て支援問題・・・実態への認識、施策の必要性にとどめる時も
③職員や行政の努力は積極的に評価する
④提案 「議会と自治体」、議員会議の交流など生かして    /岡田のブログ「土佐のまつりごと」

(2)議案・人事などへの態度
①当初予算~ 首長の政治姿勢、税金の使い方など自治体全体の評価
 修正案の提案、討論などで立場を明確にする  例)県議会「反対せず」、高知市議会「反対」

②二役人事~住民に選ばれた首長がその執行のために提案するもの。
利権問題や公平性の欠如など明確な問題がない場合は反対しない (共産党員首長にも通用する論理)

③国の悪法の条例化 
 自治体に裁量権がない場合が多い。が、判断は住民へのわかりやすさ ~ 正解があるわけではない
例 住民の中で、政治的問題になっている場合は、反対をつらぬく 後期高齢者医療制度の導入 /消費税増税  公共工事の契約、委託料、公営企業の値上げは避けられない…反対しない。ただし、 一般会計分の使用料 納税義務がなく値上げの必要性はない…個々に判断

★肝心なことは、議員個人や議員団だけで判断しない。支部、市町村委員会、地区など機関と相談する
 当初予算への態度、議員報酬の値上げ問題などなど・・・ 党として説明できるようにする努力

★委員会審議で判断に迷った時・・・「自分一人では判断できない。党機関と相談したい」と休憩を取る

Ⅱ 議会の役割強化のために

(1)「議会の役割」強化 ~  住民参加の大道は「議会」 
→ 選挙の規程、議員報酬 /「ヒマと金」がある人だけを対象とすることを原理的に拒否
→ 議会と住民の距離を縮める努力を /党として、議会報告、アンケート、要求懇談会
・ 議会の公開、インターネット中継、議事録、出前議会、報告会、請願・陳情の意見表明などなど

(2)議会の機能強化を実態から考える

①自治体のブラックボックス化とのたたかい

a 制度、ルールの透明化促進
★条例 、地方自治法第14条
1法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができる。
2義務を課し又は権利を制限するには、法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例によらなければならない。
★規則 地方自治法第15条  /議決を必要とない。義務・権利に関するものは条例化を
「普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。」
★要綱、要領 (整理して公開を、必要なものは条例化を)
行政内の内部規定。しかし、料金や減免規定が要綱にうたわれたりしている場合がある。チェックを

b 業務委託契約  
地方自治法には、議決は、一定の予定価格以上の「工事又は製造の請負」に限定。
それ以外の委託契約は金額がいくら多くても議決を要しないし、報告する義務もない。
→ 地方自治法96条第2項において、条例で議決事件を追加することができるとされている。

c指定管理者制度 ~選定の過程がブラックボックス(業者の提案内憂は「企業秘密」として非公開)
  議会は、行政が決めた業者を、指定管理者に選定するか、否かの判断しかできない。
  倉敷市の例  候補者選定過程の「議事録」の公開、アンケート調査と評価結果の公開

②自治体の経営体化の問題点・・・運営PFI、コンセッション方式  住民自治否定

a 運営PFIの問題点
・学校管理全体や政策医療など専門とする民間業者は存在しない。特別目的会社SPCはゼネコン等の寄せ集め
・よって各業務は、SPCが個別委託することになる …すきま業務が発生する(実態は、仕様書発注であり、性能発注とならない)とともに、学校側の正確な意図が、下請け委託にきちんと届いているか不明
・「下請け」に、学校側が直接、指示命令することは「偽装請負」であり、不可能。
・各下請け業務を、学校が個別に契約する場合は、適切な競争条件のみと、業務内容も適切な変更を加え、単年度や短期で入札ができるが、SPCと長期契約すると、業務内容の変更などが新たなコスト要因ともなる
・SPCの運営費(役員報酬、法人税、会社監視費用など)、利益分という新たなコストが発生し、それも市外、県外にでていくだけ
→ こうした結果、医療センターのPFIは「解除」となった。

b 上下水道のコンセッション方式 浜松の例
・「コンセッション方式では、民間事業者が経営主体となるのに対し、それ以外の方式では公的機関が経営主体となります。経営主体となることは、最終的な経営責任を持ち、重要な方針、計画や施策の決定権を持つことを意味します。」((株)ウォータージャパンのHP)
→ 委託から一番遠く、完全民営化に一番近いのがコンセッションという民営化の手法
 
・下水道のコンセッションの実態より
1 不公正な契約
・施設設備の建築・更新は、市と民間事業者が合意しなければ、市の負担。反対運動や訴訟での損害も市の負担
・リスクの負担は協議するとなり、民間ペースとなる恐れ
・再公営化には、多大な違約金が発生(諸外国の例)

 
2 議会や市民のコントロールが困難に

・民間事業者の承諾がない限り、情報開示しない秘密保持義務があり、料金値上げ等の検証が不可能
・20年の長期契約。公務の技術力が喪失し、最適技術の選択やコストが適正化どうか判断力を失う。
 
3 地元業者が参入できない(地域経済、災害時の対応で大きな課題)…運営会社のヴェオリア社は、子会社・西原環境に仕事を発注している。

Ⅲ 執行部にだまされないために・・・・財政分析の肝(18年10-12月「民報」連載参照)

(1)地方財政の仕組み

① 交付税 = 標準的なサービス(基準財政需要額)- 基準財政需要額( 地方税収・地方譲与税×0.75 )
・地方税収の25%=「留保財源」/ 標準的なサービス費用 + 「留保財源」
・地方税収が伸びると地方交付税は減る(税収が見込みほど伸びない時は、その約1/3減収対策債で手当)

  A自治体 B自治体
需要額 120 120
地方税収 100 60
収入額 75 45
交付税 45 75
留保財源 25 15

②地方債残高 
公報に「一人当たり○○円の借金」とか説明されているが・・・

1.実際の「借金額」は、借りている地方債の内容で違う
・退職手当債、借り換え債—交付税算入なし / 建設地方債など 多くは3~5割算入
・緊急防災減災債、合併特例債、過疎債  7割算入 /災害復旧 95-100%算入
→ 例 地方債残高100億円   交付税算入3割=70億円、7割=30億円

2 実態をあらわすのが・・・
「実質公債費比率」~ 名目上の公債費(借金返済費)- 交付税算入額 /財政規模
「将来負担比率」 ~ 「実質的な借金の総計」-「基金の総計」/財政規模

例) 佐川町 2011年決算
・財政力指数 0.3 県下10番目 / 町村では、いの町についで2番目
・地方債残高比率 2番目の低さ 126.3%  /県平均210.6%       
   実質公債費比率14.9%で25位と高い → 短期の借金が多い。早く返している
・将来負担比率 -42.8%とマイナス 県平均86.9%、全国69.2% / 借金より貯金の方がおおい。
・実質赤字比率 -4.82 約2億円の決算剰余金が出ている。
→ 高知県のHP  市町村振興課の「地方財政」
  市町村決算の概要、市町村当初予算の概要などで、県内の位置、変化がわかる。

★自治体の借金は家計と違う~定年がない/「世代間の負担の公平」が目的。借金ゼロは異常

③「収支不足○○円」 ~ 「お金がない」と同一ではない
・実施する事業が大きければ不足する
・借金返済計画が大きければ不足する

例) 高知市 2009-13年の財政再建計画 
 毎年のように、20億円程度の収支不足を強調 / 実際は、5年間で計画を166億円超過達成

・その他 退職手当債(交付税措置なし)の発行 借りて支給/負担の先延ばしだが、その年度の赤字は減る

④「生活保護費の増加」で財政を圧迫のうそ
・生活保護(国の事業) 3/4 国庫負担金 1/4 地方交付税措置… 全額措置されている
・年度当初より増えた分は、翌年度措置されるので、一時的に「圧迫」
→ 暮らしを支えるとともに、地域経済をも支えている/ 高知市 年200億円

⑤人件費について  人件費と物件費の両にらみで・・・
・人件費 正職員の給与と退職手当 (決算カードでは、「職員給与」の項目がある)
・物件費 臨時職員の給与、委託料が6割を占める(地方財政白書)
例) 佐川町2013年予算 構成比 (佐川/県平均) 人件費13.8/16.6 物件費15.0/11.5

★行政の効率性  安定した質のよいサービスの提供/専門性・経験の蓄積は、正規職員が不可欠・・・生活保護・児童福祉、防災・ゴミ行政など

A 高知市のゴミ行政   直営で中核市トップクラスの低コスト 職員の創意工夫
  メーカー検査の精選、灰溶融炉撤去(売電益の5.5億円増)、市民参加の資源ごみ分別回収、長寿命化計画

B 野洲市(人口5万人)「ようこそ滞納いただきました」「滞納はSOS」(首長)/徴税部門と福祉部門が連携し、市民生活相談課で対応…市職員4名と生活困窮者支援事業と消費者行政促進事業での嘱託3名、家計相談事業〔社協委託〕、ハローワークと一体的実施を組み合わせた9人体制で対応。/市全体には、各部署を網羅した市民相談総合推進委員会〔多重債務、自殺防止、人権の3つの対策連絡部会〕が設置
→早期の生活再建をすすめることで、トータルコストは小さくできる

 (2)学校の統廃合について

・1973年、文部省 /無理な学校統合をしないこと、小規模校でもそのまま充実させることが望ましい場合もあるとした新たな通知/仮に統合する場合でも、通学距離など子供たちに与える影響を考慮し、地域住民の合意を得ることなどを強調し、それまでの統合姿勢を修正
・市町村の交付税算定  学校数、学級数、生徒数で算定 →学校、学級数が減ると国から来る財源は減る/教員の給与は、国、県
・四万十町 小学校12→9、中学校6→3にする計画について・・議会答弁で確認
交付税が1億3,187万8,000円減少、逆にスクールバスの運行などで、一般財源からの持ち出しが2,598万9,000円増 → 地域が「統合してほしい」というまで「待つ」ことに

★「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引 2015年1月27日 文科省」
「地域コミュニティの核としての性格への配慮」を明記し、統廃合を選択しない場合、休校した学校の再開などにもふれ、小規模校のメリットを活かす対策についても詳述されている。

★小規模校のデメリットの対策…ICTを利用した共同学習
・標準規模の学校と小規模校が共同し、児童にはタブレット端末を配布し、電子黒板やビデオカメラの画像を共有して同時に授業を行う、画面には他校の児童の意見や解答が映し出され、集団学習の楽しさを知ってもらう、というもの
・2016年2月県議会 教育長「小規模校においても専門教科の選択の幅を広げたり、習熟度別の授業を生徒の学力の定着状況に応じて、より細かく設定できるようにすることで、住む地域にかかわらず、教育の質の維持、向上を目指すもの/ 県も推進している。

(3)国保会計

① 国保法は「社会保障」と規定。 「相互扶助」という規定は、国保法のどこにもない

②国庫負担分は減っているが、県・市町村交付金が増え、給付費の1/2を公費で支える構造の基本は維持。さらに保険料負担にも「保険者支援制度」「財政安定化支援事業」などで公費が入り、全体では、保険料でまかなっているのは、担医療給付費の35%まで低下している。
・国保財政の困難の原因は、無職(40%)、非正規(35%)が集中している保険という構造的問題
・さらに世帯割、人頭割という他の医療保険にない制度/多人数になると急速に拡大
 → 2014年 全国知事会 「協会けんぽ並にするために1兆円の公費投入を主張」

③一般会計からの繰り入れについて
・法定繰入  財政安定化事業… 繰入基準の8割分が交付税措置、2割は「留保財源」から
・法定外 保険料の独自減免による減収分、子ども医療費など地方単独事業による国庫支出金の減額分
・・・厚労省は、これらは保険料の計算に入っていないので、「繰り入れるべき」との見解
~ 全国的には、法廷外繰入れ額は加入者一人当たり1万1200円 
 (被保険者数3466万人 法定外繰り入れ総計3882億円~平成24年度国民健康保険(市町村)の財政状況)
 → 政治論として、暮らしの実態からあげるべきでない。下げろとなる。

④子どもの均等割廃止 国保法77条〔国保税の場合、地方税法717条〕「特別な事業」の規定の活用

(4)公立保育園には、「国の補助がない」とウソ / 2015年3月24日  総務大臣答弁 

・「公立保育所の運営費につきましては、国庫負担金の一般財源化に伴い、地方交付税の算定に当たって、従来の国庫負担金分も含めた地方負担の全額について基準財政需要額に適切に措置されるよう、各市町村の実際の公立保育所の入所児童数に応じた補正を行っております。ですから公立保育所の施設整備費及び運営費につきましては、国庫補助金の一般財源化による影響が生じないように、適切な地方財政措置を講じている」
・「公立保育所の施設整備費につきましては、この一般財源化に係る地方債や社会福祉施設整備事業債の対象としております。具体的には、従来の国庫補助金の補助率が2分の1であったことに鑑み、事業費のうち50%を一般財源化に係る地方債の対象とし、その元利償還金について、事業費補正により70%、単位費用により30%、あわせて100%を地方交付税で措置すると。それとともに、残りの50%のう80%を社会福祉施設整備事業債(交付税措置なし)の対象としております」

(5)地方公営事業 
・「独立採算が基本」だが、一般財源の繰り入れ基準がある  毎年、総務省発表
例) 水道 耐震化工事には、緊急遮断弁1/2、耐震管1/4など基準がある。 チェックする

 (6)消費税増税による使用料・手数料の値上げについて・考
①自治体(一般会計分)納税義務者ではない。増税分を転嫁する必要はない。特に手数料は課税対象でもない
②使用料は、手数料と違い課税対象。納税義務がないため本体価格を下げて実質変更なし、で対応をすべき
③指定管理制度で利用料金制をとっている場合・・・業者は納税義務があるが、それは行政が指定管理をしたためである。増税により、地方消費税収入が増えること踏まえれば、行政があげない対応を取るのが筋で。

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