不法輸入・廃プラ450トン 日米などへ返送 マレーシア
プラスチックは毎年3億トン生産されているが、その多くがごみになったり海を汚染したりして国際問題となっている。中国が17年年、プラスチックごみの輸入を禁止したことで、その穴埋めに、東南アジア諸国に持ち込まれている。その際、再利用に適さない汚れた廃プラが不法にもちこまれており、マレーシア政府が、不法輸入されたゴミを輸出国に送りかえる方針をしめした。
「プラごみ450トンが積み込まれたコンテナ10個は、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国に返送される」とのことだが、これはスタートにすぎない。ゴミ輸出国である先進国での根本的な対策が求められている。
【「不法輸入」ごみ450トン、日米などに返送 マレーシアCNN5/29】
【マレーシア、輸入プラごみ数百トンを返送へ AFP5/29】
面的に広がりそうな返送の動き・・
【「不法輸入」ごみ450トン、日米などに返送 マレーシアCNN5/29】
不法に輸入されたごみについて、マレーシアが輸出元へ返送する方針を明らかにした・
マレーシア・クラン港(CNN) マレーシアの首都クアラルンプール西郊に位置するクラン港で28日までに、日米など9カ国から不法輸入されたプラスチックごみ計450トンが見つかった。同国はごみを輸出した国にすべて送り返す方針を示した。
ヨー・ビーイン環境相によると、クラン港で見つかったのは米国、英国、オーストラリア、日本、中国、サウジアラビア、バングラデシュ、オランダ、シンガポールからのコンテナ。リサイクルごみの表示を偽り、家庭ごみや電子ごみが混入していた。
先月も同様に、スペインからのごみコンテナ5個分が送り返された。政府は先月24日にプラスチックごみの不法輸入問題に対応する合同チームを発足させ、その後10件の取り締まり作戦を実施している。
中国が昨年、プラスチックごみの輸入を禁止したことを受け、仲介業者が行き場のなくなったごみをマレーシアなどへ持ち込むケースも増えている。
国際環境NGOグリーンピースの報告によると、昨年1~7月に米国からマレーシアへ送られたプラスチックごみは、前年の2倍を超えた。
ヨー氏は記者会見で、英国のあるリサイクル会社からは過去2年間に5万トン以上、コンテナ約1000個分のプラスチックごみが持ち込まれたと指摘。「先進諸国はプラスチックごみの処理方法を見直し、途上国に送り付けるのをやめてほしい」と訴えた。
同様の問題はフィリピンでも起き、ドゥテルテ大統領が最近、カナダに「宣戦布告」する事態を招いた。
【マレーシア、輸入プラごみ数百トンを返送へ AFP5/29】
【AFP=時事】マレーシアは28日、輸入されたプラスチックごみ数百トンを輸出国に送り返す方針を示した。マレーシアは世界のごみ捨て場となることを望んでいないと主張した。
世界自然保護基金によると、プラスチックは毎年3億トン生産されているが、その多くがごみになったり海を汚染したりして国際問題となっている。
中国はこれまで大量のごみを引き受け再利用していたが、昨年、自国の環境改善を目指しごみの輸入を停止。現在は東南アジア諸国がその穴埋めをしているが、ごみを過剰に引き受けていると主張している。
マレーシアのヨー・ビーインエネルギー・科学・技術・環境・気候変動相は、「わが国にごみを輸送しないよう先進諸国に強く求める」と述べ、ごみの輸送は「不公平かつ非文明的」だと非難。ごみの積み込まれた複数のコンテナを視察した後、「容赦なく輸出国に送り返す」と発表した。
政府統計によると、マレーシアが昨年輸入したプラスチックは87万トンで、2016年以降3倍になった。ごみの大量流入に伴いリサイクル施設は急増しているが、その多くが無許可での操業で環境基準も軽視されている。ヨー氏によると、これまでに違法リサイクル施設150か所が閉鎖された。
ヨー氏は「マレーシアは世界のごみ捨て場にはならない」「わが国が先進国に虐げられることはない」と明言した。
プラごみ450トンが積み込まれたコンテナ10個は、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国に返送されるという。 【翻訳編集】AFPBB News
« 川﨑襲撃事件 「ひきこもり」報道は偏見とリスク拡散では? | Main | 変容する世界のエネルギー地政図~再エネの急速な普及。原発依存の日本は大丈夫か? »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 砂資源は枯渇寸前 ・・新たな環境課題 (2021.03.08)
- コロナ対策 全豪オープンから見た「東京五輪」の非現実性(2021.03.05)
- 「税逃れ」への対抗 ~ 21世紀の「課税権力のグルーバル化」(メモ)(2021.03.01)
- 財界の春闘方針~「経労委報告」を読む 21.02 (メモ) (2021.03.01)
- 「看護師の日雇い派遣 断固反対・チームケアに逆行 医労連 /「直接雇用による確保が課題」民介協(2021.02.28)
「環境・農林漁業」カテゴリの記事
- 砂資源は枯渇寸前 ・・新たな環境課題 (2021.03.08)
- 農産物検査法改定 コメ生産・流通「囲い込み」の懸念 (2021.01.28)
- 2030年までに温室効果ガス50%(90年比)削減以上を エネ基本計画改定への提言 気候ネット(2020.12.14)
- 国連生物多様性サミット 団結して行動すると宣言/参加・賛同に日本の名前なし」(2020.11.12)
- 強まる世界の減農薬のうねり ~ 逆行する日本農政。地球視点で転換を(2020.11.06)
« 川﨑襲撃事件 「ひきこもり」報道は偏見とリスク拡散では? | Main | 変容する世界のエネルギー地政図~再エネの急速な普及。原発依存の日本は大丈夫か? »
Comments