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上下水道コンセッション方式の問題点 浜松の実態

浜松市は、コンセッション方式を「運営委託方式」であり、今までと変わらないような説明をしているとのこと。が、推進企業のHPでは、「コンセッション方式では、民間事業者が経営主体となるのに対し、それ以外の方式では公的機関が経営主体となります。経営主体となることは、最終的な経営責任を持ち、重要な方針、計画や施策の決定権を持つことを意味します。」と説明している。実際に起こっている問題点は・・・

◆下水道のコンセッションの実態より
①不公正な契約
・施設設備の建築・更新は、市と民間事業者が合意しなければ、市の負担。反対運動や訴訟での損害も市の負担
・リスクの負担は協議するとなり、民間ペースとなる恐れ
・再公営化には、多大な違約金が発生(諸外国の例)
 
②議会や市民のコントロールが困難に
・民間事業者の承諾がない限り、情報開示しない秘密保持義務があり、料金値上げ等の検証が不可能
・20年の長期契約。公務の技術力が喪失し、最適技術の選択やコストが適正化どうか判断力を失う。
 
③地元業者が参入できない(地域経済、災害時の対応で大きな課題)…運営会社のヴェオリア社は、子会社・西原環境に仕事を発注している。

【下水道コンセッションの実施、そして上水道コンセッションの計画 池谷たか子さん(「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」事務局長) 法学館憲法研究所 2019/4/15】

なお、高知医療センターの運営PFIは、事業者が提案したVFMがまったく達成できず、逃げるようにして「解除」となった。そのたたかいから整理できる中身は、以下のようなもの

○不採算部門をふくむ政策医療を専門とする民間業者は存在しない。特別目的会社SPCはゼネコンなどの寄せ集めであり、専門性はない。

○医事、病院食など各業務は、SPCが個別委託することになる …性能発注と称してしたが、実態は、従来どおりの仕様書発注で、すきま業務が発生、公務側の指示は、専門性のないSPCを通しておこなわれるので、正確な意図が、下請け委託にきちんと届いているか不明。それをチェックするダブルコストの発生。

○「下請け」に、公務側が直接、指示命令することは「偽装請負」であり、不可能。

○各下請け業務を、公務が個別に契約する場合は、適切な競争条件のみと、業務内容も適切な変更を加え、単年度や短期で入札ができるが、SPCと長期契約すると、業務内容の変更などが新たなコスト要因ともなる

SPCの運営費(役員報酬、法人税、会社監視費用など)、利益分という新たなコストが発生し、それも市外、県外にでていくだけ

 

【下水道コンセッションの実施、そして上水道コンセッションの計画 池谷たか子さん(「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」事務局長) 法学館憲法研究所 2019/4/15

  静岡県浜松市は下水道の浄化センターの一つである西遠浄化センターが、2016年に静岡県から浜松市に移管され、その後2年間の包括委託の後、2018年から日本で初めてとなる、コンセッション(施設は浜松市がもったまま、運営権のみを売却する方法)という手法での民営化になり、今までの浜松市に変わって運営しているのは、「浜松ウォーターシンフォニー」というフランスのヴェオリア社が中心となった会社である。


 私たちの会「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」は、20183月に準備会を作り、6月に設立総会を行なった。下水道のように知らないうちに民営化になってしまうようなことがないように、上水道だけでも民営化を食い止めようと、チラシを作って配ったり、講師を招いて学習会をしたり、パルク(PARC:特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター)が日本語版を作ってくれたドキュメンタリー映画『最後の一滴まで』の上映と学習会を12月に6会場で行った。市長あての要請書名は20188月から初めて、201812月には12000筆、20193月には2636筆、合計で32636筆提出した。2019113日には、実行委員会主催で、「113命の水を守る全国のつどい・浜松」を開催した。浜松市民と県外からの参加者が600人収容の会場に入りきれないほど集まり、集会に先立って行ったデモには200人以上の方が参加し、マスコミは地元だけでなく、北海道、東京などからも取材に来てくれた。

 浜松市に対しては、公開質問状を6回提出し、回答と私たちの見解をブログに公表している。


20194月の市議選挙に対しては、市長、市議選候補者全員に手渡し又は郵送で、水道コンセッションに対するアンケートをとり、ポスティングしたり、ブログに公開した。結果は回答者の91%がコンセッションに反対またはどちらかというと反対で、賛成は一人もいなかった。

 浜松市は夏ごろから、市民からの質問などに答えるため、市のホ-ムページにQ&Aを載せた。読めばわかるが、地元企業への発注を優先できないことについては、「地元企業優先調達の考え方を尊重し、・・・」と根拠のない表現である。市の広報「広報はままつ」にはコンセッションの説明を3回に分けて掲載したが、情報量が少なく、市民に安心感を与えようとする意図が見えた。広報にも市民に配った用紙にも、コンセッションの事を「運営委託方式」と書き、市議会でも「これからは運営委託方式と呼ぶことにした」と市長自ら堂々と言ってのけた。個々に電話してくる市民に対しては、「『民営化ではない、今までもやっていた委託に近いもの。今までもほとんど委託でやっていたのであまり変わらない。市がしっかり監視する体制を作るから大丈夫』という説明だった」という声を何人かから聞いた。

 

 しかし、コンセッションを推進している会社のHPに書いてあるコンセッションの説明を見れば、委託から一番遠く、完全民営化に一番近いのがコンセッションという民営化の手法だとわかる

 例えば(株)ウォータージャパンのHPを見ると、個別委託、包括的民間委託、DBO型業務委託、PFI事業、コンセッション方式を事業期間、委託範囲、民間事業者の裁量を小さい順に並べている。

民営化の手法のそれぞれの内容を説明し、「コンセッション方式では、民間事業者が経営主体となるのに対し、それ以外の方式では公的機関が経営主体となります。経営主体となることは、最終的な経営責任を持ち、重要な方針、計画や施策の決定権を持つことを意味します。」と書いている。

「運営委託方式」という言葉は浜松市が作ったものらしいが、内閣府などにも了解を得ているようだ。ゴマカシが得意な安倍政権らしさがでていて、市長や水道管理者が自信たっぷりに言えば言うほど、政府とのつながりの強さが感じ取れる言葉であり、説明である。

 コンセッションの恐ろしさは、料金高騰、水質悪化、再公営化での賠償金支払いなど海外での例を見ればよくわかる。

浜松では現在水道工事の仕事を請けている会社は地元の中小業者である。コンセッションになれば大企業、下水道で言えばヴェオリアのような多国籍企業が経営するわけだから、地元には仕事が入ってこないか、孫請けなどでかなり安い金額で仕事を請けることになる。

実際、下水道では運営会社のヴェオリア社は、ほぼヴェオリアと同じと言ってもいい自分の子会社、西原環境に仕事を発注した。浜松の地元の業者は大反対である。災害時に迅速に対応できるのは地元の業者であるから、地元の水道業者がつぶれてしまうと私たち市民も大変困ることになる。

 

 


選挙に立候補した候補者アンケートの結果を挟み配布したチラシ(PDF)


官民連携手法の種類(株)ウォータージャパンのHPより

  201811月頃、新聞や週刊誌に、水メジャーとの関係で疑惑まみれの官房長官補佐官、福田隆之氏の辞任が取り上げられた。そして、その福田隆之氏は浜松の導入可能性調査の業務を受託した新日本有限責任監査法人にいた人物で菅官房長官から声がかかって補佐官になったという。10月に市長や水道管理者がフランスへ出張に行ったが、その際にも福田隆之氏は同行している。


 市民の情報公開請求で、2017年の10月の会議録から浜松市の水道部の幹部が、「コンセッション方式が最善の選択であることを示してほしい」「コンセッションありきにならないように作成してほしい」と、報告書を作成する新日本監査法人に求めていたことが、明らかになった。そして地元紙、中日新聞にそれが掲載された。浜松市は10月初めまでは私たちとの懇談を定期的に行ってきたが、上記のようなことが表に出てくると、今後懇談はしないと言ってきた。水道管理者がOKしていた公開討論会も断ってきた。

 民営化に疑問を抱かせるような地元と全国の世論に押され、選挙前という事もあり、市長は11月の出馬会見時に、「今年度中に決めるとしていた結論は先延ばしにする」と発表し、131日には延期を発表した。131日の記者会見の前にも会見の予告を地元紙に流したので「水道運営売却 無期延期へ」の新聞の見出しだけを見て、もうやめたのかと勘違いするところだった。実際そのように勘違いした人もいた。中身としてはほぼ同じ内容を3回も新聞に載せる形になり、選挙前の点数稼ぎを一生懸命しているように見えた。


 中日新聞は、私たちが行ったのとほぼ同じような候補者ヘのアンケートを行い、投票日寸前の4月5日、結果が大きく紙面を割いた。市議候補者61人中、「水道公設民営、賛成ゼロ、反対43人」の見出しであった。浜松市では、地縁(自治会)や会社関係で候補者を決めている人が多い中で、投票日直前に、このような政策に対する候補者アンケートの掲載は、大変頼もしく感じた。


 しかし、私たちのアンケートには返信しなかった鈴木康友市長は、中日新聞へのアンケートにはコンセッションは有効な手段だが、国民の理解が進んでいないので「賛成反対のどちらともいえない」と回答している。

 47日、市長選の開票では、現市長が当選し、その得票数は、水道民営化反対を表明していた他の二人の票を合計しても3万票以上の開きがあった。

 市長は「市民の理解が足りない、丸投げするように勘違いしている」と言っているが、丸投げそのものであると、真実を認識している市民をどう「理解」させようとするのだろうか?市がどんな作戦を打ってきても、民営化をさせないように、これからも署名や宣伝を続け、市民に水道コンセッションの恐ろしさを知らせていきたい。

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