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「人権尊重のまちづくり条例案」の読み方  高知市議会

 高知市議会に、タイトル名の条例案(あとで紹介)が提出されている。
個人の尊厳など、一見、当たり前のような言葉がならんでいる。

 そこで、行政論・政治論を踏まえて、吟味してみた。

人権は、フランスなど「人権宣言」など、封建主義から資本主義への移行を反映した「自由、平等、所有」とう自由権の宣言から、その後、19世紀の工場法、20世紀初頭の年金、失業給付など、参政権を含めて社会権への飛躍という発展をどけてきた。そして、その到達の最前線として日本国憲法の「個人の尊厳」「幸福追求権」「生存権」がある。その後も、女性差別撤廃、子どもや障害者の権利と発展し続けている。
その中では、障害とは、受け入れる社会の側にこそ「要因」がある、という認識も深めてきた。

そこで「条例案」に移ろう。

①視点…縦か横か
 人権問題とは、権力機構と個人の間で、権利・能力の発揮が阻害・抑圧されている(センの言う「暴力の介在」)とう「縦」関係が主軸であり、それをどう防衛し、守り発展させるかが主題。
 だが、この種の「人権条例」には、肝心の問題が欠落し、「人権」を、国民相互の意思の問題に、矮小化している。

②視点2 社会的要因か、心の持ちようか
 障害者の自由を制限している社会的要因、LGBTの排除する「社会的規範」、貧困を「自己責任」とする生先方法・・・これらこそ、本質的な人権問題である。
が、自治体の条例では、その根本はスルーされている

③視点3 他の法令・条例との関係
上記のようきな国際的な条約を批准するために(程度の問題はあるが)国内用が整備されてきた。その法令の中でで、相談や事例への対応などの枠組みができている。


日本が批准している国際条約は以下のとおり・・・

女子差別撤廃条約  1985年
子どもの権利条約  1994年
人種差別撤廃条約  1995年
障害者権利条約   2014年

 同条例案の必要性を示すものとして、人種と障害に関する国内の法整備と「部落差別禁止法」が例示されている。が、上記2つには触れられてない。
 その中で「部落差別禁止法」は、 「部落差別」の規定もなく、かつての同和行政のゆがみを復活させることが危惧されるものである・・・

 では、市の人権尊重のまちづくり条例であつかうのは、すでに分野毎の法令・方針がいな分野しか対象にならない。

 それはどこか・・・議論したらよい、LGBTの対応の条例整備・・・男女共同参画条例の改定でも・・必要だろう。

残るは、「差別」の概念、対象もまったく不鮮明・恣意的な線引きができる「部落差別」の禁止だろう。

 条例提案した人の「思い」は知らないが、この条例が導く結論は、特定勢力が策動する足ががりを与えることにしか、ならない。

 どんな人権侵害があり、既存の方の効力と限界を明らかにしつつ、次に何が必要かを、明らかにし、共通の認識にしてくことが事である。

「人権」を語っているのに、その協議・検討の場を省略するような取り扱いは拙速。

 よからぬやつらに「利用」される足場をつくることになる条例は、提案者の意図とはかけはなれている。
もしや、ズバリ、正鵠を射ているのかもしれないが・・・、

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