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否決議案は「再議」の対象とならない

 四万十町で、指定管理者を指定する議案が否決され、町長が「再議にかける」と言っている、との相談があった。
  地方自治法 第4款 議会との関係 第176条第1項に、
 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
とある。この場合はどうか。

 地方自治法解釈のバイブルである「逐条地方自治法 松本英昭」の中でも、否決した議案は、長の効力、執行上の問題は発生しないので、対象とはならない、と説明している。

 「行政実例 昭和26年10月12日 地自行発第319号 北海道総務部長宛 行政課長回答」でも
「 第176条第1項の再議に付することのできる議決は、当該議決が効力を生ずることについて、またはその執行に関して、異議もしくは支障のある議決をいうのであって、否決されたものについては、効力または執行上の問題は発生しないので再議の対象とはならないとの意である。」と説明している。

 要するに議決によって、効力が生じたことに対し、長が執行者の立場において、執行上「承服しがたい理由」がある場合に限って出来るもので、否決された議案は、効力が発しないので、再議の対象とはならない、というもの。
 さらに、否決が対象とならないのは、再議にあたって、同様の決定をするには、議会は、過半数でなく3分の2の同意が必要=否決のハードルが著しく高くなり、行政をチェックする議会の存在意義を著しく損なうことになるからである。

 また、指定管理については、議会は、企業等の知的財産を保護するとかの名目で詳しい内容は分からず、行政が決定した指定管理者を、行政のつけた「点数」だけを頼りに、承認するかどうかしか関与できないというブラックボックス化している、という問題が、根底にはある。

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