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繰返えさせるな虐待死  児童相談所、養護施設などの体制・予算の「貧困」が根底に

 きわめて高い専門性や連携がもとめられる児童相談所の体制がいかにも貧困であり、また専門職員の配置が少なく、有能な職員を配置する意識も弱いのではないか〔高知県でも虐待死事件で体制、専門が重視されるようになった、子こども人数あたりの職員数で全国トップに〕、また一時預かり所も満杯、その間の学習教育が保障されない。児童養護施設も満杯、職員の処遇も低い、また18歳までで追い出される・・・など多くの問題を抱えている〔県では、学習支援、退所後の住宅、就労の支援など強化されてきたが…〕。
 千葉県のケース…さまざま議論されていが、「現場がしっかりしろ」では解決できないところにきている。学校もまた教師の長時間労働など同様。地域のつながりが希薄になり、ご近所、保護者間で解決できてた問題が、学校にもちこまれるようになっている」との声を聞く。
 地下資源のない日本の経済の最大の力は「人」である。すべての人の力を引き出し、活かせる社会へ変わることが、一人ひとりにとっても、日本の未来にとっても喫緊の課題である。
【虐待から救う 児童福祉司増員決定!児童相談所の現実!人手不足と過酷な業務。戦場で燃え尽き症候群に陥る職員…】
【児童虐待の相談件数が急増、人手や予算の不足も。改めて考える、「児童相談所」の役割と課題とは? 和田一郎×茂木健司×荻上チキ】
 不十分な児童養護施設なのに、安倍政権は、2016年の児童福祉法改正によって「すべての子どもは家庭で育てられる権利がある」をして、2017年の厚労省方針で、里親委託率アップ、児童養護施設の原則廃止という、現実無視のとんでもない方向性がだされている。養護施設の約6割は虐待経験者である。
まず,子どもの安全を守り、安心して生活できる環境をととのえるが大切である。
【児童養護施設の現状  リビング・イン・ピース】

【虐待から救う 児童福祉司増員決定!児童相談所の現実!人手不足と過酷な業務。戦場で燃え尽き症候群に陥る職員…】

児童虐待の最前線で対応にあたる児童相談所。
都道府県や政令指定都市など全国212カ所(10月1日時点)に置かれています。
17年度は過去最多の対応数の13万件以上。
16年度に虐待を受けて死亡した子どもは年に77人。
相談数の急増で児童福祉司の方が圧倒的に不足している現状です。
社会保障審議会のワーキンググループ(WG)は、12月7日に児童虐待防止対策強化に向けた報告書素案について議論しています。
そんな中、政府は18日、子どもの虐待を防ぐため対策を強化を決定しました。
少しでもご興味持っていただけたら・・

◆多忙な現場を、職員らは「戦場」と呼ぶ

「2000年に児童虐待防止法が施行され、それまで保護者からの相談に重点を置いていたのが、施行後は、虐待に気づいたら、児相に通告することが義務となりました。通告が入ると休日でも『待ったなし』の場合があります」

 さらに04年の法改正で、子どもの目の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」も心理的虐待に当たるとした。07年には虐待通報から48時間以内に安否確認をする「48時間ルール」が決められ、13年にはきょうだいの虐待を見た子どもも「心理的虐待」を受けたとして児相が調査するようになった。15年には全国共通ダイヤルの「189(いちはやく)」がスタート。いずれも欠かせない取り組みだが、社会的関心の高まりとともに、児相の業務が急増した。
全国の児童相談所が対応した虐待件数が17年度、過去最多の13万3778件(速報値)を記録した。この5年で2倍。対して、児相で虐待対応の中核を担う児童福祉司の数は現在約3200人。同じ5年間で1.2倍になったに過ぎない(グラフ参照)。児童福祉司を増員しても虐待件数の伸びに追いついていないのが現状だ。その多忙な現場を、職員らは「戦場」と呼ぶ。
引用:AERA.com

戦場・・
どれだけ愛のある戦場か。

0207
出典:AERA.com

医師の方が命に向き合うよりももっと難しい事をされていると思います。
同じ相手(病状)はいないのですから。
職員の方々の日々の葛藤は計り知れません。
虐待を巡る制度の変更が職員の方の忙しさに拍車をかけている事は確かです。

◆過酷な業務とプレッシャーは職員の燃え尽き症候群を誘発

児童福祉司1人当たりの虐待の対応件数で、最も多いのは埼玉県と大阪府。
20101
出典:AERA.com

継続案件や非行など虐待以外の案件がはいると、児童福祉司の方1人が抱えるケースは100件を超す場合もあるそうです。。。
専門知識があり、現場で臨機応変に対応して下さっている方の経験では、1人の職員が1年間で対応できる子どもは、せいぜい30人か40人で、よりきめ細かく対応しようとすれば20人程度だそうです。
現状の児童福祉司の方は本来の業務内容の対応の3倍ほどの案件を受け持っているという事になります。
本来の業務は相手の心を読みながらの対応ですから、時間の制限などがあると、そこだけでもプレッシャーになりますし、ジレンマにもなり、上手くいかないと自分を責めてしまう事にも繋がってしまうのだと思います。
そして、やり切った感を持てないまま次々と案件が…
なんの為にこの職業を選んだのか・・
バーンアウト。
燃え尽き症候群に陥ってしまう職員の方が出てしまうと、また他の職員の方々へしわ寄せがいってしまう悪循環。

◆常勤弁護士の配置推進

厚生労働省の社会保障審議会のワーキンググループ(WG)は7日、児童虐待防止対策の強化に向けた報告書素案について議論した。
素案は、児童相談所(児相)が法的なバックアップを受けて子どもを迅速に保護できるよう「常勤弁護士の配置推進」を盛り込んだ。ただ、配置の義務化にまで踏み込むべきかどうかでは意見が割れ、両論併記となった。
WGでは弁護士配置のあり方に議論が集中。「法改正後も常勤弁護士の配置は進んでおらず必置にすべきだ」「日常的に関与するには常勤以外にあり得ない」と配置の義務化を求める意見が出た。
引用:毎日新聞

色々な立場の方々の議論の落としどころを見つけ、法的に発動まで持っていくのは並大抵のことではありません。
牛歩でも努力は続いています。

◆ネットの反応

★福祉も教育も人手を増やして、資格を持っている人を増やすべき。
国が人を増やすことにお金を使ってくれるだけで、いくつかの問題は解決する。
人がいないのがまず根本的な問題で、今の人数で、権限とか体制作りとかを議論したところで、その議論がまた業務として増えるだけのような気がする。
★もっと児相の権限を強くすべき。
子供に会えなかったから虐待の事実が把握出来ず対応出来ませんでした、なんてもう何度聞いたことが。
死んだ子供から見たら、ふざけるな!だと思う。
ことは殺人事件、長く時間をかけて、ゆっくりゆっくり殺されていっている凶悪事件。
もう悠長な対応してる時代じゃない。
そして、親御さんも万が一誤解されて児相が乗り込んできても、とりあえず万全の対策が出来るまでは我慢して欲しい。
通報した人も児相の職員も、あなたの育児に文句があるわけじゃないから。
あなたの子供のことを大切に想って、結果勘違いしてしまっただけだから。
★>>もしどこかのタイミングで子どもたちの泣き声を職員が直接聞いていたら、何としてでも助けたと思う。
直接聞いていても助けられたか疑問に思う。
子供が亡くなった後きれいごとばかり言っても意味が全くない上説得力もない
★住民は自相でなく警察に通報するべき。自相には何の権限もなく文字通り相談受けるだけの場所なんだから。警察も忙しいと思うけど、万引きや酔っ払いよりは子供のことで通報のあったところへ真っ先にいってあげてほしい。子供の泣き声は110番の代わりと思って。
引用:Yahoo!コメント
色々なご意見があります。

◆地域の繋がりを!
「児童虐待には複雑な背景があり、児相のみで解決できるものではない。福祉、医療、保健、教育、警察、司法など各分野に子どもの虐待について専門的知識を持つ部署が置かれ、連携しながら社会全体で支える仕組みをつくっていかなければなりません」
引用:AERA.com

社会全体での仕組みを早急に変えて行かなければならない中、私たちにできる事は何でしょうか?
まずは人に関心を持つことだと思います。
子供たちに声をかけて頂きたい。
挨拶は基本です。
マンションで子供に、危ないから挨拶させない…
大人が挨拶を教えないで大きくなった子が,挨拶できるわけがありません。
それより、何か変わったことがあったら、忙しくても家庭で話し合う事ができる方向に持っていって欲しいと思います。
機械化、IT化が進んでも最後は「人」です。
会話をして、笑顔で挨拶をしましょう。
是非、優しい声をかけて欲しい。
また、子育て中で苦しい方。
家にいないで外に出ましょう(^^♪

◆児童福祉司の増員を政府決定!

今年3月、東京・目黒区で5歳の女の子が虐待されて死亡した事件を受け、政府は2022年度までに行う児童虐待の防止対策を決定しました。
全国の市町村約1740カ所に虐待情報の収集などを行う「子ども家庭総合支援拠点」を設置するほか、児童相談所に児童福祉司を2020人程度、増員します。
政府は虐待の発生時から子どもが自立するまで切れ目のない支援を行う体制づくりを目指すとしています。
人だけ増やしても…というご意見もあるかもしれませんが、余裕が生まれないと知恵も出てこないと思いませんか。
◆おわりに
人間関係が一番のストレスになるそうですが、ストレスを和らげてくれたり、発散できるのも人間関係だそうです。
ストレスのない人はいません。
どううまく付き合っていくかではないでしょうか。
人間ですから、ひとりで生きていけるものでもありません。
私個人としては、児童福祉司の方々の個々のご家族の事を考えてしまいます。
お仕事に熱心になるばかり、ご自身の家庭は大丈夫だろうかと。
スイッチの切り替えは難しいと思います。
でも今すぐにできる事は、経験が必要な職業だけに長く続けていただける「守り」の体制だと思います。
職員の方々が上手くリフレッシュできる方法を、業務として取り入れて欲しいと切に願っています。
今も5日に1人、未来ある幼い命が失われているそうです・・・
政府の決定に願いを託し、皆で日本の未来を担う子供達、また、その親世代も救っていく必要があるのではないでしょうか。
大きく深呼吸!
お読みいただきありがとうございます。

2019年1月22日更新

【児童虐待の相談件数が急増、人手や予算の不足も。改めて考える、「児童相談所」の役割と課題とは? 和田一郎×茂木健司×荻上チキ】 ◆深刻な人材不足と職員の疲弊 荻上 現場の方からもメールをいただいております。 「東京都の児童福祉施設で勤務していました。正直なところ、児童相談所から措置され施設入所をする子どもは、児童福祉司と児童相談所の力量に人生を大きく左右されています。優れた児童福祉司は、対応のスピード感、児童相談所内での援助方針の通し方、子どものためにという熱意、児童の専門家としてのテクニック、どれも素晴らしいものを兼ね備えています。一方で、福祉とは無関係の部署から異動してきた人や子どもに関心がない人など、明らかに資質として不適合だと思われる方もいました。この業界も、自分の都合ではなく子どもや家庭の都合で動くので、長時間のサービス残業が当たり前になっている問題があります。」 措置や一時保護なども、現場のテクニックにかなり依存する部分がある。属人的な能力に頼りがちになっている状況を、どのように改善すれば良いのでしょうか。 和田 行政の内部においても、もう少し福祉に光を当てて対応してほしいと思います。児童相談所職員の適切な研修制度や採用方法、ジョブローテーションも含め、まだまだ改善が求められます。 また、希望をしていないのに人材異動で児童福祉を担当することになったという場合はすぐに異動できる体制を作り、本当に熱意のある人を呼べるようなシステムにしていく必要があります。公務員の人事制度は硬直化していますが、子どもの人生に対する影響の大きさを考えると、児童福祉に関する部署だけでもフレキシブルな対応ができる制度にしてほしいです。 そして、長時間のサービス残業が当たり前になっているという点も実感しています。ケースが立て込んでいる時期は家に帰れない、土日も対応せざるをえないなど、厳しい職場環境であることは事実です。 荻上 人材不足の解消のためにも、業務の複雑化に合わせて予算を割き、しっかりとした研修を行うなどの対応が重要ですね。 和田 日本の児童虐待の関連予算は年々増えているのですが、それでも諸外国と比べると桁が違います。例えばアメリカの予算は日本の30倍もあります。虐待件数でいうとアメリカの方が10倍ほど多いのですが、それでも件数ごとの予算ではアメリカの方が大きいです。 荻上 こんなメールも来ています。 「労働基準監督官が持っているような司法警察権を児童相談所に付与することはできないのでしょうか。人材が足りていないのも大きな問題だと思いますが、児童相談所経由で警察に家庭の問題を報告するなら、児童相談所の存在意義が薄くなると思います。もしかすると児童相談所に問題解決のソリューションが備わっていないから、人材が集まらないのではないでしょうか。」 和田 実は介入からケアまですべて同じ機関で行っているのは、日本だけです。他の国では、警察と児童相談所を足したような機関が別に設けられており、そこが初期対応を担当しています。児童相談所はあくまで子どものケアを専門に行う機関になっています。 荻上 すると、日本でも警察に適切な介入をしてもらって児童相談所に受け渡しをするなど、分担をした方が良いのでしょうか。 和田 他国の事例を見てみると、警察が初期対応を行っている国は少ないです。やはり、犯罪かどうかという観点ではなく、子どもの安全を第一として考える視点が重要だからです。 別の機関との連携の必要性については、少しずつ議論が進んできてはいます。先月の国会でも児童福祉法の司法関与について取り上げられました。今後、児童相談所ではなるべく行政判断によって子どもの判断をしないように、司法が関与するようになってくると思います。例えば一時保護で二ヶ月を超える場合は、家庭裁判所の許可を得なければいけません。 荻上 一時保護の課題としてはどういったことがありますか。 和田 一つには入所期間の長期化です。現在、平均でも2ヶ月を超えている状況です。一時保護の場合は義務教育以下のお子さんが非常に多いため、長期の入所となると就学機会を損失する可能性があります。 一時保護所から学校に通うケースはほとんどありません。通学中や学校に親が来て連れ戻そうとすることも多く、過去に殺人事件も起きているからです。そうした危険を避けるため、施設内部での学習が多くなっているというのが実情です。内部での学習が学校の学習指導要領に準じていれば出欠扱いになるという通知も出たのですが、実際に学校に通うのと比べればまだまだリソースが足りていません。 また、もう一つの課題としては、施設に保護者が強引に引き取り要求に来る場合があるため、子どもの安全を考えて自由を制限してしまう可能性も高いということがあります。 ◆児童相談所での虐待対応の実態 荻上 ここからは実際に児童相談所で起きていることについて伺っていきます。今年3月まで児童相談所で働いていた、群馬医療福祉大学専任講師の茂木健司さんです。よろしくお願いします。 茂木 よろしくお願いします。 荻上 茂木さんは児童相談所でどういった業務をされていたのですか。 茂木 私は児童福祉司の業務と一時保護所の業務が6対4くらいでした。児童福祉司の仕事は相談に応じる、社会診断を行うなどで、一時保護所では保護された子どもたちの生活支援や学習指導などを行いました。 32年間勤めてきて、業務の内容や環境は非常に大きく変わったと思います。私が働き始めたころは虐待は年に数件程度でしたが、2000年以降は統計の数値通りうなぎ登りになっています(下図)。2000年前後は最も深刻な状況で、件数そのものは現在の半分以下ではありましたが、命に関わる事案が非常に多かったです。虐待の受理件数が激増したので、命に関わる事例は相対的には減りましたが、一定数はあります。当時に比べて職員数は大きく増加しましたが、まだまだ不十分です。 2010 全国208か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数 出典:厚生労働省HP (http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000132381.html) 荻上 早期でアプローチできているから件数も増えているというところはあるのかもしれませんね。この間、業務も増えてきたのでしょうか。 茂木 2000年以降、虐待が増え始めてからは通告があれば48時間以内に駆けつけることがスタンダードになっていきました。そして早急に親との面接を設定する、時間との勝負です。 法律ができて児童相談所が広く認知されるようになり、訪問した際に親御さんに拒絶されることは少なくなりました。しかし、最近では親御さんとなかなか面接の設定ができないケースが増えています。親御さんの労働環境の厳しさが原因で、なかなか仕事とのタイミングがあわない。面接が設定できるまでに2〜3週間かかったり、夜20時ころの所内面接や21時以降に訪問するなどのことが日常的に起きています。 荻上 48時間以内に対応しなければならないということは、職員の人数とスキルの両方が求められますね。例えば家庭に訪問して親御さんに「子どもの身体を見せてください」と言うと、抵抗する方も多いと思います。親御さんとの衝突で職員の方が疲弊するということも少なからずあるのではないですか。 茂木 はい。そういう場合も、私たちは子どもの安全を第一に考えていますから、「子どもの安全のためにどうしても見せて欲しい」と説得するしかないのかなと思います。 職員が抱えている相談・対応の件数は、虐待だけで月に10〜20件にのぼります。それに加え、児童養護施設への措置後も保護者支援や施設支援も必要になってくるので、これも行わなければなりません。 ◆子どもに対する心理的ケアの必要性 荻上 リスナーの方からメールをいただいております。 「児童虐待が疑われる子どもを保護した場合でも、『親が改心したから』と家に帰した後に再び虐待を受けて死亡するという事件が起きています。なぜ、そのような事件が繰り返されるのでしょうか。親が本当に改心したかの判断は難しいものです。子どもはどんな親でも好きです。久しぶりに親と会えば、懐いていきます。それを見ると、児童相談所の職員も帰そうと思うのでしょう。しかし、事件は起こります。児童相談所の職員体制が万全ではなく、子どもを預かることができないのか、実態を知りたいです。」 こうした事件をきっかけで児童相談所を知る方も多いと思いますが、今のメールはいかがお感じですか。 茂木 いわゆる「改心」ではなく、子どもが安心して暮らせるかどうかを行動のレベルで判断していかなければいけません。親御さんに対しては、時には保健師さんや保育所の力を借りたり、子育てに苦しくなったらば電話相談もあるんだ、ということも含めて子どもの安全な生活のためのプランニングをしていく必要があると思っています。 荻上 児童相談所で人手を増やしていく必要があるのは、どの資格についても言える状況ですか。 茂木 児童福祉司の増員が話題となっていますが、私の現場感覚としてはむしろ児童心理司をより充実させてほしいなと思います。以前は「子どもを親から分離させるか否か」という観点が大きかったのですが、現在ではむしろ、「子どもが受けた精神的なダメージをどうケアしていくか」という視点に移ってきました。 児童福祉司は地方交付税交付金の算定基礎があるため、基準通りに配置されていますが、心理司にはそうした基準がなく自治体の裁量任せです。そのため心理司はほとんど増員されていない状況です。今後は心理的なアセスメントについても光を当ててほしいと思います。 荻上 相談件数も業務も増えている中で、これから児童相談所の状況をより良くしていくにはどのような対応が必要だと思われますか。 茂木 基本的には、高齢者の支援でスタンダードになっている「包括的ケア」という考え方です。地域の中で、職種問わずみんなで子どもや保護者を支えていこうということで、前回の法改正でようやく子育て世代の包括支援センターを作ることが推奨されたところです。どこか一つの機関だけでやっているのでは限界がきてしまうので、地域のあらゆる社会資源を総動員させる。この体制が当たり前になっていくことが今後望まれる姿かと思います。 荻上 なるほど。虐待の被害や問題が発覚して児童相談所に来る前の段階で地域の中で未然に防止し、さまざまな育児ニーズにも答えていく。子どもに対する包括的な支援が必要だということですね。茂木さん、ありがとうございました。 もう一つ、リスナーからのメールを紹介します。 「私は幼児期のころに両親の私に対する行動から、児童相談所で相談員の方とお話しする機会を数回経験しました。相談員の方から『君は悪くないよ』『安心して暮らせるところがあるからね』と何度も話されたことはずっと記憶に残っています。私の場合、相談員と警察と両親で話し合いを繰り返し行い、施設などに行くことはなかったため、そのまま日々の生活は変わりませんでした。保護を受けていたらどのような環境を通じて生活していけたのか気になります。両親のことは今でも夢に見ることがあり、鬱々とした気分になります。さまざまな問題を抱えている子どもたちや親御さんに、私のように時が経っても心の中にモヤモヤとした思いを抱えてほしくないと願っております。」 和田さんはこれからの児童相談所、児童福祉をめぐる課題としてどのような対応が必要だとお感じになりますか。 和田 子どもへのケアを充実させることです。現在はトラウマなどに対するケアを児童相談所で行うことはリソース不足から難しい状況です。業務が多く、なおかつそうした複雑な問題に対応できる心理司が少ないからです。 荻上 虐待を受けてトラウマを抱えるだけではなくて、知的障害、発達障害などの障害があって、なおかつ虐待で相談所に来るという方もいると思います。そうした場合は、心理司だけではなく各専門分野のプロフェッショナルが関わる必要がありますよね。 和田 そういう場合には児童精神科医の役割が高いのですが、日本には非常に少ないです。地方は特に深刻な状況で、各地域に一人しかいないところもあります。 荻上 より多くの地域における児童相談所の設置、職員の育成が求められていますが、それだけでなく、心理的ケアも含めた支援体制を制度として広げていく観点が重要だということですね。和田さん、今日はありがとうございました。

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