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IWC脱退  国際的信用、「沿岸捕鯨」確保より、天下り先確保優先

・鯨肉の消費量はおちており、商業ベースでは採算があわない。調査捕鯨も税金投入で維持
・南氷洋のサンクチァリーで調査と称して捕鯨しているのは日本だけ~しかも資源豊富なミンク鯨だけでなく、ホウェールウォッチングの対象となっているザトウ鯨まで対象にし、反捕鯨を燃え上がられた。
・過去なんどか、南氷洋の捕鯨中止し、沿岸捕鯨に限定して実施(ノルウェーで採用)する妥協案を示されたが、日本は拒否〔文化としての捕鯨、鯨肉食を自ら否定〕。
・脱退しても、自由に捕鯨ができるわけではない。南氷洋の調査捕鯨は禁止〔「2014年3月31日、国際司法裁判所日本が南極海で実施している現行の調査捕鯨は条約違反」と中止を命じられている。 〕となり、領海・排他的経済水域であっても、国連海洋法条約では、鯨類の保全管理は「適当な国際機関を通じて活動」することが義務づけられており、新たな「適当」な国際機関をたちあげなくてはならない。おいそれとはいかない。
・IWCにオブザーバー参加し、報告書で対応するカナダ方式(先住民が年間数頭捕獲)が認められるか怪しい
・その間、捕鯨の再開をめざすとして、水産庁の天下り先として、従来の機構が温存される・・・チャンチャン。

 その他の狙いとしては、支持基盤に対し、「強い姿勢」の演出のため・・程度だろう。

【視標「IWC脱退」 国際社会で信頼なくす 外交的失敗の帰結だ   早稲田大学客員准教授 真田康弘 
 12/31】

【約7割が売れ残る。それでも日本が捕鯨を続けざるを得ない裏事情 日本が捕鯨から撤退できない理由1/8 まぐまぐにゅーす】
【10年で“税金”約80億円を投入!世界的批判を浴びても日本が「調査捕鯨」を続ける理由とは…宝島2014/11/7】

山本太郎参院議員の質問がわかりやすい。天下りでは、下記の資料も・・
【復興予算、天下り捕鯨団体に 23億円 中日2012/10/6】
【「調査捕鯨」は水産庁の“天下り”“利権”のショーケース (1) グリーンピース08/2/4】
【「調査捕鯨」は水産庁の“天下り”“利権”のショーケース (2) グリーンピース】

【視標「IWC脱退」 国際社会で信頼なくす 外交的失敗の帰結だ   早稲田大学客員准教授 真田康弘   12/31】

 日本政府は国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。これ以上IWCに留まっても商業捕鯨再開の道筋が描けないので脱退で再開を図るという。しかし脱退は南極海の調査捕鯨からの撤退を意味し、南極海での商業捕鯨再開を長く求めてきた日本にとっては、IWCでの外交的失敗の帰結であるとも言える。

 そして日本周辺での商業捕鯨の実施も容易ではない。政府は排他的経済水域(EEZ)と領海内でのみ商業捕鯨を再開するとした。だが、日本も加盟する国連海洋法条約では、鯨類の保全管理は「適当な国際機関を通じて活動」しなければならないと規定している。従って日本のEEZや領海内でも商業捕鯨を再開する場合、IWCに代わる国際機関の設立するなどの対応が必要になる可能性が高い。

 カナダはIWC非加盟だが、先住民に年数頭のホッキョククジラ捕獲を許可しており、IWCに報告書等を提出。これにより「適当な国際機関を通じて活動」したこととしている。

 日本も再開後はIWCにオブザーバーとして参加し、報告書などを提出することで上記条項を満たすと主張すると思われるが、先住民の年数頭程度の捕獲と、100頭を超えるような商業的な捕獲とは規模や意味合いが異なり、EEZや領海内であっても国際社会からの批判は免れない。国際法的にも疑義が生じる。

 日本は「国際社会における法の支配」を外交の大原則としており、この意味からも脱退は、国際社会での日本の信頼性を低めこそすれ、高めることにはなり得ない。

 IWCの設立根拠である国際捕鯨取締条約第8条は、締約国政府が「科学的研究のため」であれば独自に捕獲許可を発給できると規定しており、日本はこれまでこの条項を援用し南極海での調査捕鯨を実施してきた。だが、脱退すると、これができなくなる。

 「南極海など公海での調査捕鯨を中止し、捕鯨はEEZ内に限定する」という案は約20年前に妥協案として当時のIWC議長から提起されたことがある。これが、IWCで成立し得る数少ない妥協案だと多くの識者が指摘していた。

 IWC内部にいても得られた可能性があることを、脱退で実現したというのは外交の失敗だと言える。南極海の捕鯨から撤退し、活動を大幅に縮小するという外交的敗北を「IWCからの堂々退場」というナショナリズム的レトリックで言い換え、糊塗(こと)することは正しい姿勢とはいえない。

 日本国内での捕鯨賛成論は純粋な「捕鯨支持」というより、ナショナリズム的感情に基づく「反・反捕鯨」と言うべき部分が少なくない。脱退はそうした心情を満たすものとはなるだろう。だが、その結果、得られるものは少なく、失うものは大きい。

~「静岡新聞」2018年12月28日付・「宮崎日日新聞」2018年12月27日付等掲載

【約7割が売れ残る。それでも日本が捕鯨を続けざるを得ない裏事情 日本が捕鯨から撤退できない理由1/8 まぐまぐにゅーす】

昨年12月26日、国際捕鯨委員会からの脱退を表明し2019年7月より商業捕鯨を再開すると発表した日本政府。この決定については国内外を問わず賛否両論喧しい状況となっていますが、鯨肉消費量が減る一方の現在、そもそもなぜ日本は捕鯨をし続けるのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著者で世界的エンジニアとして知られる中島聡さんがある記事を紹介しつつ、原発やスパコン事業と同根的とも言える「捕鯨から容易に撤退できない理由」を記しています。

私の目に止まった記事

● 日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか
2016年の記事ですが、日本がIWCを脱退することを決めた今、もう一度読む価値があると思い、紹介します。特に注目すべきは以下の部分です。

前出の佐久間さんは、日本の捕鯨は政府が行っていて、研究予算や毎年の計画、出世や年金がかかった官僚の大きな構造が作り上げられているのが理由だと考えている。

佐久間さんは、「官僚は自分がトップを務めている間に担当者が削減されたりするのは、非常に恥ずかしいことだと思う」と指摘する。

「そのため官僚はほぼ全員、捕鯨関連の部署をどんなことをしても維持しようとする。政治家もそうだ。自分の選挙区が捕鯨と強いつながりのある場所なら、商業捕鯨の再開を約束するだろう。議席を守るために」

とても陳腐に聞こえるかもしれない。しかし、日本が捕鯨を続ける決意が固いのは、捕鯨関係者が多い選挙区から選出された数人の国会議員と、予算を失いたくない数百人の官僚たちのせいと言えるかもしれないのだ。

これと全く同じことが(行き詰まっている)原子力発電や(時代遅れの)スパコン事業にも言えると思います。

一旦、「国家プロジェクト」としてスタートしてしまうと、作られた特殊法人(=天下り法人)やそのプロジェクトに強く依存する事業者が出来てしまうため、霞が関の担当役人や特殊法人そのものが「辞めましょう」とは言えない空気が出来てしまうのです。

痛みを伴う「勇気ある撤退」には政治家のリーダーシップが不可欠ですが、当事者意識を持って大きい声を上げるのは、いわゆる地元の事業者や支援団体との強いしがらみのある族議員だけなので、結局のところ、辞められなくなってしまうのが日本の現状です。

ちなみに、鯨の需要は大幅に減っており、調査捕鯨の名目で捕獲された鯨の肉は市場でセリにかけても3分の1しか落札されず、残りは売れ残ってしまうそうです。それが地元の小学校で給食として提供されているそうですが、鯨の肉には大量の水銀が含まれており(参照:鯨由来食品のPCB・水銀の汚染実態調査結果について)、それを成長期の小学生の食べさせるのは非常に危険です。

たとえば、前ページの資料によると、北大西洋で獲れるマッコウクジラの筋肉には、平均で0.7ppm(0.7mg/kg)のメチル水銀が含まれています。厚生労働省の「魚介類等に含まれるメチル水銀を考える」という資料によると、子供の耐容摂取量は0.07mg/週なので、1週間に鯨肉を100グラム食べただけで、耐容摂取量を超えてしまうことになります。

厚生労働省発表の資料より
ちなみに、映画『ザ・コーブ』で学校給食で提供されていることを指摘されたバンドウイルカは、マッコウクジラの約10倍のメチル水銀を含んでいるため、わずか10グラム強で耐容摂取量を超えてしまいます。
ちなみに、厚生省が定めている魚介類のメチル水銀の暫定規制値は0.3ppmで、それ以上のものは流通させないことになっているはずです。しかし、なぜか規制値が鯨やイルカに関しては、適用されず、かつ、学校給食の食材として提供されているのが現状です。

【10年で“税金”約80億円を投入!世界的批判を浴びても日本が「調査捕鯨」を続ける理由とは…宝島2014/11/7】

「このままでは鯨食文化が消滅する」──
調査捕鯨に関し、世界的な批判を浴びても政府が錦の御旗のように唱えるこの言葉。確かにその通りだろう。しかし、鯨肉販売の赤字を補塡するために多額の税金が毎年投入されているのも事実である。1人あたりの年間消費量が約40グラムしかない“日本固有の食文化”は、いったい誰のためのものなのか。


 1人あたり約40グラム──。これが現在の日本国民の年間平均鯨肉消費量である。
 そんなまぎれもなくレアな、別の見方をすれば誰も見向きもしなくなった食材である鯨肉が、9月から永田町の自民党本部の食堂にお目見えした。鯨のひき肉を使ったカレーがレギュラーメニューとして提供されるほか、毎週金曜日を「鯨の日」とし、鯨肉を使った特別メニューが用意されるという。
 これは、「このままでは鯨食文化が消滅する」と危惧(きぐ)する二階俊博衆院議員の発案で実現したものだ。ちなみに二階氏の選挙区には、イルカの追い込み漁が国際的な批判を浴びている和歌山県太地町(たいじちょう)がある。鯨メニューが加わった初日、鯨の伝道師を自任する二階氏は、「外国人にもどっさり食わせたい」と意気込んだそうだ。
 国際社会から、日本の捕鯨に対して厳しい目が向けられている。
 3月31日、国際司法裁判所は日本による南極海での第2期南極海鯨類捕獲調査(JARPA Ⅱ)について中止命令を出した。これを受け、日本政府は4月にJARPA Ⅱを中止したものの、中止命令は「現行計画下での捕鯨」に対するものであると解釈。2015年度には新計画のもと、南極海での調査捕鯨を再開することを決定した。
 しかし、9月18日にはスロベニアで開かれた国際捕鯨委員会(IWC)の総会でも、日本の南極海での調査捕鯨の再開を先延ばしするように求める決議が採択されている。決議に強制力は伴わないものの、応じなければ「総会決議違反」との国際的批判を受けることになる。
 また、『ニューヨーク・タイムズ』は、10月13日、「日本の捕鯨の背後にある大嘘」と題する社説を掲載。科学調査の名目で行われている日本の捕鯨は、その実、商業捕鯨以外の何ものでもないと指摘している。『日本経済新聞』や『東京新聞』なども、調査捕鯨再開が国益に反するとして、再考を促す社説を相次いで掲載している。
 さらに国際司法裁判所による中止命令を踏まえ、楽天は、運営する楽天市場内での鯨やイルカ肉の販売を禁止している。
 業界紙記者が語る。
「楽天は、海外進出に力を入れているので、国際的イメージ悪化を恐れてのことでしょう。他の通販サイトや全国チェーンのスーパーでも、同様の動きが出ています」

■世界から批判される“調査捕鯨”という詭弁
 調査捕鯨という言葉が世に出たのは、1982年、資源管理機関のIWCが、クジラが絶滅の危機にあるとして、沿岸部で行われるイルカなど小型鯨類を除き、商業捕鯨の一時停止を決議したことによる。
 この際、加盟国のうち日本、ノルウェー、ペルー、ソ連は、法的拘束力を免れるため異議申立を行っているが、その後、日本はペルーとともに、異議を撤回している。
 当時の国会答弁などによれば、アメリカが、排他的経済水域内の漁獲枠割り当て削減や、日本からの水産物輸入規制をちらつかせて圧力をかけたようだ。
 さらに、「調査捕鯨という名前さえ使ってくれれば、あとは文句は言わない」という、アメリカ側からのオフレコードの殺し文句があったともいわれている。その後、アメリカを含む世界各国から『日本の調査捕鯨は詭弁(きべん)』との誹(そし)りを受けることになるとは、日本は思ってもいなかったのだろう。いわばアメリカの口車に乗せられたわけだ。
 商業捕鯨が完全に停止された87年以来、日本による捕鯨は科学的調査という建前のもとで行われることになった。
 かつては南極海と北西太平洋に年一度ずつ、60日から70日の航海に出て捕鯨が行われていたが、3月の国際司法裁判所の判決を受け、現在は北太平洋のみで行われている。

■年間約10億円の補助を受け鯨肉を独占販売する企業
 調査捕鯨を委託されているのは、農水省を主務官庁とする財団法人の日本鯨類研究所(鯨研)と、共同船舶株式会社だ。
 鯨研が調査、共同船舶が捕鯨と鯨肉販売業務という役割分担となっているが、両者はほぼ一心同体と見てよい。ともに東京都中央区豊海(とよみ)の同じビルの同じフロアに所在しているほか、鯨研の理事には共同船舶の社長も名を連ねている。
 捕獲された鯨は、鯨研による生体調査の後、共同船舶が販売する。輸入分を合わせ日本に流通するすべての鯨肉の約7割が、共同船舶によって販売されたものだ。価格の設定も共同船舶に任されている。建前はあくまで年間45億円~50億円の費用がかかるとされる調査費の回収である。
 しかし近年、鯨食文化の衰退により消費量は減少。販売収入は縮小の一途をたどっており、2005年以降、調査捕鯨事業は赤字に陥っている。かつて50億円~60億円あった鯨肉の販売収入は、10年度には約45億円に減少。 さらにシーシェパードによる妨害が激化した11年度は約28億円にとどまり、11億3306万円の赤字となっている。
 この赤字分の埋め合わせは、税金によってまかなわれてきた。ここ数年は、鯨研に名目は変われど10億円近くの国庫補助金が毎年付けられているのだ。
 さらに12年度には、東日本大震災の復興予算として、約23億円が調査捕鯨費およびシーシェパードによる妨害対策費として計上され、そのうち約18億円が鯨研にわたっている。予算を計上した水産庁の言い分では、「鯨肉の水産加工の盛んな石巻市周辺に、南極海の鯨肉を安定供給することで復旧・復興につながる」のだというが、地元からは「何の恩恵もない」と不満の声が上がった。
 調査捕鯨が赤字に転落した05年以降の10 年間で、ざっと計算しても約80 億円規模の税金が投入されたことになる。

■ODAが交換条件日本の買収工作疑惑
 それだけではない。調査捕鯨継続のための、公表されていない支出も存在する。
 10年6月、英紙『サンデー・タイムズ』はIWC加盟国に対し、日本が買収工作を行っていたと報じた。
 同紙によれば、記者が反捕鯨活動家を装い、捕鯨賛成国の高官に支援と引き換えに捕鯨に反対するよう打診。すると、ギニアやコートジボアールを含む複数国の高官が、日本からの「支援」と引き換えに、賛成派に回る取引を行ったことを明らかにしたとしている。タンザニアの高官に至っては、アゴアシ付きの日本旅行に加え、コールガールの手配も約束されたという。
 こうした日本の票買い疑惑はIWCでも問題視され、11年以降は加盟国が支払う分担金の支払いを、銀行送金のみとする防止策が採用された。
 日本が捕鯨支持を取り付けるために行ったとされる買収疑惑はほかにもある。IWCに加盟する88カ国のうち、捕鯨に反対している国は49カ国。持続可能な利用を支持している国は、日本を含め39カ国である。
 ところで、賛成国の中には、アンティグア・バーブーダやドミニカのように、日本の政府開発援助(ODA)の一環である水産無償資金協力として、多額の供与を受けている国々が名を連ねているのだ。反対国と支持国では、一国あたりの平均供与額に2倍以上の開きがあるという指摘がある。
 05年までの約18年間、日本がアフリカやカリブ海諸国などの高官に対し、捕鯨支持と引き換えの水産無償資金協力を持ちかけていたという関係者の証言が報道されたこともある。


■調査捕鯨は役所の利権天下りポストは年収1200万
 では、ここまでして日本が捕鯨にこだわる理由は何なのか。
 現在、日本国内の年間鯨肉消費量は約5000トン。しかし、約4000トンが在庫として冷凍保存されている。さらに、今年5月にはアイスランドから約2000トンの鯨肉が輸入されている。これだけあれば、すぐに「鯨肉が食べられなくなる」という心配はなさそうだ。
「鯨の資源管理に関する科学的データの収集」という調査捕鯨の本来の目的にしてみても、国際的な連携を図りながら行うべきで、これだけ孤立を深めながら続ける意味があるとは思えない。また、科学的調査には、その結果として論文が発表されることが通常だが、国際的に認められている査読論文は調査捕鯨開始以来28年間でわずか数本しかない。
 ここまで書けば、もうおわかりだろう。調査捕鯨は水産庁、農水省の利権と化しているのだ。
 鯨研の直近5年の役員人事を見ても、元水産庁次長が理事長を務めるなど、水産庁からの天下りが複数認められる。彼らの待遇を見てみると、理事長が年収1242万円、現在5人いる非常勤の理事にも年俸1050万円が支払われているのだ。これに加え、退職時には勤続年数に応じ数百万円から数千万円が退職金として支給されている。とても万年赤字の財団法人とは思えない厚遇である。
 共同船舶にしてみても、鯨研ほか、農水省を主務官庁とする5つの財団法人が97%の株式を保有しており、純粋な民間企業とは言いがたい。鯨研以外の株主財団法人の役員にも、これまでたびたび水産庁、もしくは農水省のOBが名を連ねてきた。
 無論、「牛はよくて鯨はダメ」というのは皆目おかしな話である。しかし、役人の天下り利権や省益のために、調査捕鯨という詭弁に白々しく乗っかり続けるのは愚かだ。税金の無駄遣いを放置し続けることになるのはもちろん、日本は国際的に孤立を深めることにもつながる。
 そもそも、調査捕鯨によるデータの収集は、商業捕鯨再開を前提にして行われてきた。しかし、ある水産加工メーカーの社員はこう話す。
「商業捕鯨が再開しても、鯨ビジネスにかかわりたい企業がいるかどうか。国際企業は、海外でのイメージ悪化も懸念材料だし、なにより食の需要が見込めないのではしょうがない」
 鯨食が日本固有の文化であることは間違いない。しかし、もはや食の需要が見込めないというのなら、自然淘汰(とうた)の原理に任せてもよいのではないか。

取材・文/奥窪優木 (『宝島』12月号より)

【山本太郎議員  -参-農林水産委員会- 2017年06月13日】

○山本太郎君 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。
 私は、日本の文化としての捕鯨を否定するつもりはございません。問題は捕鯨の在り方ではないかという視点でお聞きします。
 まずは、本委員会御出席の皆様、今年に入って何度鯨肉を食べられましたでしょうか。年間で合計何グラムほど食べましたか。去年はどうだったでしょうか。
 大手水産会社が捕鯨部門を本体と分離してつくった共同船舶株式会社、この採算が合わず、二〇〇六年、全ての株式を農水所管五つの財団法人に売却。この大手水産会社三社の企業名のみ教えてください。

○政府参考人(佐藤一雄君) お答え申し上げます。
 かつて捕鯨を行っていた大手の水産会社は、当時の社名でございますが、株式会社極洋、日本水産株式会社、マルハ株式会社となっておるところでございます。

○山本太郎君 資料の一、二〇〇八年六月十四日、朝日新聞、ラインが引かれた部分、撤退する水産会社の方々のコメント、日水、昔食べた人は懐かしいだろうが、ほかの肉の方がおいしいのでは、極洋、若い人は鯨肉を食べない、マルハニチロ、捕鯨船は数十億円の投資が掛かり、収支が合わない。捕鯨は採算が合わない、商売にならないと撤退された。共同船舶は事実上の国策企業に。
 当初は、調査捕鯨で獲得した肉の販売、これで調査費用を賄うつもりであったけれども、国内の消費は既にほかのものに奪われてしまっていると。鯨肉よりもおいしいたんぱく源と言われる牛肉、豚肉、鶏肉などの供給が既に十分ある中で、南極海などにまでわざわざ捕りに行っても食べる人は多くなく、肉もだぶつき、採算も合いません。
 日本鯨類研究所、共同船舶への負債穴埋めに復興予算の横流し、海外漁業協力財団から借入れ、もうかる漁業創設支援事業補助金導入、さらに今年度は民間金融機関から借入れしているという話も聞きます。結局、税金を五十億円とか七十億円つぎ込まないと全く成り立っていかないのが現状。商業として成り立つものではないということがもうはっきりしています。
 なのに、なぜわざわざ南極海などでの捕鯨にこだわるのか。捕鯨は日本の文化である、よその国がうちの文化にとやかく言うなでは、筋が全く通りません。なぜなら、日本が南極海などで行う捕鯨は、文化とは筋の違うものだからです。
 人と鯨との関わりの変化。元々は、寄り鯨、流れ鯨といい、座礁したり漂着して動けなくなった鯨を捕まえていました。江戸時代から網捕り式捕鯨が始まり、鯨組などの地域共同体が発達。瀬戸内海のスナメリ網代と呼ばれる漁法や、鯨を信仰の対象とするような生きている鯨との文化的関わりが地域によっては生まれました。これこそが文化とされるものですよね。無形、有形文化財の保存であり、所管官庁として文化庁がこういうことを管轄するべきだと思います。
 日本古来の捕鯨を歴史的、文化的に保存する動きというのは現在文化庁内にはあるんでしょうか。

○政府参考人(山崎秀保君) 委員お尋ねの捕鯨に関しましてでございますが、明治時代までは網を用いて鯨を拘束してからもりで仕留める網捕り式と呼ばれる技術が存在しておりましたが、現在ではこうした伝統的な技術による捕鯨は行われておりませんので、捕鯨という行為自体は文化財として保護の対象とはなっておりません。
 なお、捕鯨に関わる文化としまして、和歌山県の熊野灘沿岸地域……(発言する者あり)
 はい。
 今現在ございません。

○山本太郎君 十分しか質問時間がない中で、削るのやめていただけますか。あるかないかでお願いします。ないということでした。
 これ、文化としてというふうな主張をするのであれば、このような取り組み方も考えなければならないというふうに思うんですね。それが一切されていないという話なんですよ。
 戦後は、食糧難解決のために南極海の捕鯨が再開され、これにより一時的に鯨肉の割合増加と鯨肉食が一時的に全国的な日常に変化をしたと。同時に、沿岸捕鯨衰退、南極海における乱獲へとつながっていくと。
 現代の地球の裏側まで行く捕鯨というのは、伝統文化ではなく、戦後、食糧難の一時期に局所的に生まれたもの。南氷洋での捕鯨が代々日本で培われてきた文化、先住民における文化というのには余りにも無理があります。古来から続く捕鯨に関しては文化として認められる部分と言えると思いますけれども、戦後、食糧難の時期に南極海まで出かけていって乱獲をしまくった行為というのは文化とは言えません。日本が行うべき捕鯨は生存捕鯨として認められる沿岸捕鯨であり、政治が求めるべき捕鯨はその実現とそれに関わる方々に対する支援ではないでしょうか。
 世界からは、南極海ではなく、沿岸捕鯨であれば認めるよという譲歩、これ、少なくとも過去三回はあったんですね。しかし、日本側、ことごとく拒否しています。一回目、一九八八年九月、東京、日米非公式漁業協議の席上、米国エバンス商務省海洋大気局長が田中宏尚水産庁長官に対して、南極海での調査捕鯨をやめれば沿岸捕鯨の再開をIWCで支援してもよいと提案したが、日本側は応じず。二回目、九七年、モナコ、第四十九回IWC年次会議にて提案を受けるが、応じず。三回目、二〇一〇年、議長を務めるチリ代表のマキエラ氏からの妥協案にも応じず。捕鯨は文化と主張しながら、沿岸捕鯨のチャンスを自ら拒否する姿、これ、余りにも不可解じゃないですか。南極海にほかの狙いがあるんですか。エネルギーとか調査するために行っているんですかと言ったら、いや、違いますとはっきり言うんですよね。じゃ、何なんだよって話なんです。
 日本の調査捕鯨には国際的な非難、もちろんあります。どうしてでしょうか。
 資料の二。南極海、南大洋の鯨類サンクチュアリーが薄い青色の線の中、一九九四年、国際捕鯨委員会により決議されたものです。ピンク色の部分、ここが日本が捕鯨を行っているところ。サンクチュアリーって何ですか。聖域ですよ、自然保護区ですよ。例えば、野生生物保護区、鳥獣保護区など、野生生物にとっての聖域であると、野生生物を絶滅から回避するための保護区です。つまり、サンクチュアリーで捕鯨しその肉を流通させるということは、野鳥のサンクチュアリー、例えば、鳥獣保護区などで鳥を捕獲し焼き鳥にして販売するような行為と同じなんですよ。公的機関の指定する鳥獣保護区は当然狩猟禁止です。
 先ほどの南大洋鯨類サンクチュアリーで、日本は捕鯨調査と称して捕鯨を行っていると。捕鯨を行っているほかの国々も確かに存在します。でも、その国々でさえも、このサンクチュアリーでは一九八八年以降、調査名目であっても捕鯨は行っていません。つまり、日本以外の捕鯨国は沿岸捕鯨という枠組み守っているわけです。そんな中、南極海などでの捕鯨を世界に認めろというのはかなり恥ずかしい要求という認識が日本の政治の中にないということに危機感を感じます。
 一方で、その代わりとして沿岸捕鯨を認めると提案されても日本側はそれに応じない。そんなスタンスを見ていると、捕鯨は文化、地域で捕鯨に関わる漁業者を守るという言葉も薄っぺらに聞こえるのは私だけでしょうか。
 水産庁、二〇〇五年、南氷洋のザトウクジラに関して何頭捕獲すると宣言しましたか。頭数のみでお答えください。(発言する者あり)

○委員長(渡辺猛之君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○委員長(渡辺猛之君) 速記を起こしてください。

○政府参考人(佐藤一雄君) 済みません。お答えいたします。
 ミンクが八百五十プラスマイナス一〇、あとザトウが五十となっております。

○山本太郎君 わざわざこれ、五十頭のザトウクジラ、ナガスクジラ五十頭捕りますよということを定めちゃったんです、宣言しちゃったんですよ。このことが反捕鯨運動を燃え上がらせることになった。シーシェパードを育てているのは水産庁じゃないんですかというような事態を招いたということなんですね。
 水産庁による二〇〇七年から南氷洋ザトウクジラ五十頭を捕獲する宣言により、水産庁自ら、南半球の反捕鯨運動、火に油を大量に注ぐことになりました。豪州、ニュージーランドのホエールウオッチング愛好家は、南氷洋のザトウクジラを個体識別し、名前を付けてまなでているほどなんですね。誰が、どの子が日本の捕鯨船に殺されるのということで大パニックになったとも聞きます。
 それまで日本が調査捕鯨で捕っていたミンククジラ、資源も豊富なんですよ。ホエールウオッチングの対象でもない。ミンククジラを守れではお金が集まらなかったところに、日本側がザトウクジラ五十頭捕るという宣言のおかげで、これ、反捕鯨団体に寄附金が幾らでも集まるようになっちゃったといって、これマッチポンプわざとやっているんじゃないですかという話なんですよ。
 余りにもあり得ないというような話が続くんですけど、時間がないのでちょっとまとめていきたいと思うんですけどね。
 税金使ってわざわざ南極まで行くことをやめたらどうですかって。やるべきことは沿岸捕鯨の権利を勝ち取ることじゃないのかって。で、南極に掛かるお金を沿岸の漁業振興に財源を振り分けた方がよほど漁業者の方々も助かりますよ。
 本法案は、捕鯨文化を守ることとは全く関係のないものだと私は思います。ただ、南極海などに出向くことをやめたくない、維持したいと。これ、はっきり言って時代遅れの提案ですよ。だぶついた肉を学校給食などにも出すというようなことを提案していますよ、この法案の中で。これ、消費量が増えたように見せる提案でしょう。どうしてわざわざそんなことしなくちゃいけないんですかって。採算合わないんですよ。消費されないんですよ。でも、そうはいいながらも、文化もあり、食べたい人たちもいる。だったら沿岸漁業でしっかりと権利を勝ち取っていくというのが筋じゃないですか。

○委員長(渡辺猛之君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

○山本太郎君 分かりました。はい。
 ゆがんだ捕鯨を続行するもので、本法案には到底賛成できるものではありません。もう一度国会議員の方々に考えていただきたいんです。世界における日本の立場、そして本当に文化としての捕鯨を、そして漁業者の皆さんに本当の意味で何がバックアップになるかということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

【「調査捕鯨」は水産庁の“天下り”“利権”のショーケース (1) グリーンピース08/2/4】


日本鯨類研究所のお金の流れ

【「調査捕鯨」は水産庁の“天下り”“利権”のショーケース (1)】

今朝の朝日新聞に「調査捕鯨、懐もピンチ 国からの融資10億円返せず」という記事が掲載されました。

この記事の中には、この調査捕鯨の主体である日本鯨類研究所のお金の流れがわかりやすいように図解してあるので、この問題に少しでも興味のある方は必見です。

この記事によると日本鯨類研究所(鯨研)は、06年度決算で、国から無利子で借りていた36億円の運転資金のうち10億円が返せなかったといいます。そして、結局この10億円は、07年度から4年間の分割返済にしてもらったというお粗末さ。

しかし、この「調査捕鯨」というリスクが大きい事業に融資するというのは、どういう銀行かと思ったら、やっぱり民間の銀行ではなかったのです。

この36億円を融資しているのは、鯨研と同様に農林水産省所管の財団法人である、海外漁業協力財団。この財団自身も毎年12億円規模の補助金を農林水産省からもらい事業を行なっています。

つまり私たちの税金がここでも調査捕鯨に使用されており、その挙句には返済が不可能になるという無責任な融資が行なわれているのです。


さて、この海外漁業協力財団。ちょうど良い機会ですので、少しご紹介します。

海外漁業協力財団(OFCF)のWebサイト

まずは、OFCFの役員を見てみましょう。
それは水産庁のお役人さんたちの「天下りのショーケース!?」のような財団でした。

理 事 長(常 勤) 嶌田 道夫 元水産庁長官
常務理事(常 勤) 粂 知文 元水産庁資源管理部審議官
理 事(非常勤) 石川 賢廣 元水産庁次長
理 事(非常勤) 中須 勇雄 元水産庁長官
理 事(非常勤) 畑中 寛 元日本鯨類研究所理事長
理 事(非常勤) 米澤 邦男 元水産庁次長 (元IWC日本代表)
理 事(非常勤)  澁川 弘 元水産庁研究部長

すべての理事のリストはこちらから

理事長は、元水産庁長官。そのほかにもかなり水産庁関連の方が名を連ねています。

さらに注目すべきは、昨年まで鯨研で理事長をやっていた畑中寛氏が非常勤ですがここに理事として名を連ねていることです。

つまり、今回の朝日新聞の記事にあるように、鯨研が融資を返済できなくなるという運営を行なっていたその時の当事者が、融資側の理事として名を連ねていると言うことになるのです…。

借金を返済できないような団体運営をしていた人が、融資をする側で自分が作ってしまった借金を「それでは、4年に分割して返済してください」と言う側にいるという現実は、通常の世界では想像することができないでしょう。

「水産庁所管団体の常識は、世界の非常識」なのかもしれませんが、ここまでとは…。

このような現状を知れば知るほど、福田首相や町村官房長官が「調査捕鯨は合法であり、日本の正当な権利です」というお決まりのセリフが今日の東京の天気のように「寒く」聞こえてくるのは私だけでしょうか?



【「調査捕鯨」は水産庁の“天下り”“利権”のショーケース (2)】

日本鯨類研究所の広報費と調査費の比率

南極海や日本沿岸などで行なっている調査捕鯨の規模が拡大されるにつれ、鯨肉の供給が増えてきているけれど、その鯨肉の販路拡大を狙って立ち上げた企業は、2年連続の赤字の見通しということ。結局は、うまくいっていないらしい。

[PDF](財)日本鯨類研究所の平成18年度収支報告書
この報告書をみると、一般事業費約8億2千万円のうち、約6億円が広報費として、そして約1億3千万円が調査研究費として当てられていることがわかります。つまり、研究所であるはずの同団体の一般事業費の70%以上が広報費に使われているのに対して、調査研究費はたったの16%程度ということなのです。


■日本政府は捕鯨支持を取りつけるため税金をバラまいている

こちらは朝日新聞「私の視点」2008年1月31日掲載された星川淳氏のコラムです
http://www.whalelove.org/opinion
国際捕鯨委員会で捕鯨支持を取りつけるための集票策には、1994年以後だけでも980億円近くの水産ODAのうち相当部分が充てられてきた。にもかかわらず、調査捕鯨の見直しを求める国際世論は広がる一方で、日本政府がめざす商業捕鯨の再開はまったく見通しが立たない。

【復興予算、天下り捕鯨団体に 23億円 中日2012/10/6】  東日本大震災の復興予算が、南極海での調査捕鯨事業に23億円使われたうえ、実際に被害を受けた捕鯨基地の宮城県石巻市から「地元には恩恵がな い」と批判が出ていることが分かった。補助金を受けて調査捕鯨をするのは、一昨年まで水産庁OBが歴代トップを務めた財団法人「日本鯨類研究所」(東京) で、捕鯨の母船は広島県が基地。沿岸地域の復興が進まない中で、被災地とは関係の薄い事業に巨額の税金が投入されていた。  水産庁が2011年度の第3次補正予算で復興予算に計上した。調査捕鯨費として18億円を支出、米反捕鯨団体シー・シェパードの妨害から捕鯨船を守るために派遣する監視船など護衛費用に4億8千万円を使った。  日本鯨類研究所は2年前まで元水産庁次長が理事長を務め、直近の5年間も役員10人のうち3、4人を天下りが占めている。  調査捕鯨には約50億円規模の費用がかかり、予算措置と鯨肉の販売収入でまかなう。これまで一般会計予算に毎年約5億〜9億円を計上。11年度は当初の約7億円に復興予算23億円を加え、30億円に膨らんだ。  11年度は反捕鯨団体の妨害で南極海の調査捕鯨を中断、捕獲数が前年度の3分の1の670トンに減って販売収入も減少。財団は8億7千万円の債務超過になり、12年度の調査捕鯨費も不足した。これを穴埋めする形で復興予算を要求した。  石巻市によると、鯨肉を加工、販売する事業者は震災前に8社あったが、再開できたのは半数。このうち津波で流された加工食品工場は、別途、申請した中小企業庁の補助金で再建費用を用立てる。  事業者らは「巨額の税金投入と言われても鯨肉の仕入れ値は下がらず、経営は苦しいまま。恩恵は感じない」「沿岸捕鯨だけで地元で使う鯨肉は足りる」と話す。  復興とは直接関係がない事業だとの批判に対し、水産庁は「鯨肉の水産加工の盛んな石巻市周辺に、南極海の鯨肉を安定供給することが復旧・復興につながる」と説明する。  捕鯨問題に詳しい東北大の石井敦准教授(環境政治)は「事業が予算額に見合っているか、効果的かを検証する仕組みが日本にないという問題が象徴的に表れている」と述べた。

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