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知事会の「地位協定見直し」提言に反対した自民県議団~中央の指示で

 12日、県議会が閉会した。
 日本共産党は、「消費税10㌫中止」「後期高齢者の窓口負担2倍化反対」「地位協定の抜本的見直し」を求める意見書について討論にたった。
  特に、地位協定見直しは、本会議質問でも取り上げた、知事会が全会一致で可決した「提言」の推進を求めるものであり、本会議質問で、尾﨑知事のその意義、推進を答弁していた。

 が自民党と公明党が反対した。委員会で、自民は「中央に聞いたら反対しろ」ということが理由。
 なんともだらしない姿を浮き彫りにした討論を以下に紹介したい〔本会議質疑の該当部分も含めて〕。

【日米地位協定意見書議案 賛成討論 吉良 2018.10.12】

私はただいま議題となりました議発第6号「日米地位協定の抜本改定を求める意見書」議案に賛成の立場で討論するものです。

全国知事会は、この7月、日米地位協定の抜本的な見直しを盛り込んだ「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択しました。提言は、知事会のもと設置された調査会において、有識者からの聞き取りや、日本と同じように米軍基地のあるドイツやイタリアでの実態調査など行い、基地への立ち入り権が保障され、訓練などに国内法が適用されていることを確認する中で出されたものです。

提言は、調査結果として、日米安全保障体制の重要性を前提としながらも、改善すべき課題として、基地存在自治体での住民等への過大な負担、基地周辺以外での飛行訓練による住民の不安、1960年の地位協定締結以来、ただの一度も改定されず、運用改善では不十分であること、沖縄県への基地の集中、基地返還による経済効果が基地経済を大きく上回ることを確認し、基地問題は「各自治体住民の生活に直結する重要な問題であることから、何よりも国民の理解が必要」としています。

そして具体的な提言として、(1)米軍の低空飛行訓練ルートや訓練を行う時期の速やかな事前情報提供、(2)日米地位を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として適用させること、(3)事件・事故時の自治体職員による迅速で円滑な基地立ち入りの保障、(4)騒音規制措置の実効性ある運用、(5)米軍基地の整理・縮小・返還の促進―を求めたものです。

米軍基地のない自治体を含む全47都道府県知事が、「各自治体住民の生活に直結する重要な問題」として、米軍基地負担の現状や改善すべき課題について共通理解を深め、米軍基地の負担軽減や日米地位協定の抜本的な見直し等に関する提言を決定したことは、極めて重い意味を持つものです。米軍基地を抱える15都道府県で構成する渉外知事会の会長を務める黒岩神奈川県知事も「米軍基地のない自治体も一緒になったもので、非常に意義深い」と発言しています。

 この内容は、3度の米軍機墜落事故を経験し、度重なる低空飛行訓練に不安を強いられてきた高知県民の願いと一致する内容となっています。2015年2月県議会において、米軍機の低空飛行訓練中止の意見書を可決した県議会として、提言にもとづく地位協定の見直しを求めることは当然の責務だと考えます。

 こうした提言が可決された背景には、県民の意思を無視し、新基地建設を強権的に押し付けようとする地方自治破壊への危惧、オスプレイなど米軍機の訓練飛行が「全国展開」され、住民無視の実態が国民的な懸念としてひろがったことにあります。この10月4日、NHKが「羽田空港 新飛行ルート 日米の調整難航で運用できないおそれ」と報道しました。東京五輪にむけ、羽田空港の発着回数を増やすための新ルートが、米軍横田基地が管制権を持つ空域にかかっていることから、自国の空であるにもかかわらず、米軍にその使用を拒否されたという報道です。これも地位協定が原因です。

そもそも地位協定は、占領時代の米軍の権限を、そのまま保持するためのもので、1951年の講和条約の締結にむけ、米国側の責任者・ダレスが「我々が望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間駐留させる権利を獲得する」との姿勢で臨み、それを明記したのが「行政協定」であり、それが今日の「日米地位協定」に引き継がれたものです。当時、西村条約局長から行政協定の交渉経過や内容を聞いた若き日の中曽根康弘が、「要するに、この協定は日本をアメリカの植民地化するものですナ」と述べたことが外務省の文書に残っています。また当時、大蔵省幹部だった宮澤喜一氏も、アメリカが日本の同意なく自由に米軍基地の立地を選定できる点に異議を唱え「講和が発効して独立する意味がないに等しい」と自伝の中で語っており、極めて屈辱的な内容であるとの認識は保守政治家の中にもあった事を示しています。米国の解禁文書である「在日米国大使館から米国務省あての1957年2月14日付の報告書」は、「日本での米国の軍事活動の規模の大きさに加えて、際立つもう一つの特徴は、米国に与えられた基地権の寛大さである。……行政協定のもとでは、新しい基地についての要件を決める権利も、現存する基地を保持し続ける権利も、米軍の判断にゆだねられている」と明示されています。
そして、安保改定の折に「地位協定」と名前は変わりましたが、60年1月6日署名の藤山、マッカーサー密約で「合衆国の権利は・・・改定された文言のもとで、1952年2月28日に東京で調印された協定のもとで変わることなく続く」となっています。

 戦後レジームからの脱却というなら、まさに占領時代の屈辱的な内容を引き継ぐ地位協定の見直しは不可欠です。さきの沖縄知事選挙では、「さきま候補」も「地位協定の改定」を公約として強く押し出していました。それを自民公明政府が、官房長官を先頭に全力で支援したわけですから、政府与党には公約実行、「地位協定の改定」を推進する責務があります。

ついては、国において、国民の生命・財産や領土・領海等を守る立場からも、全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」が提起している下記の事項について、一層積極的に取り組まれ実現を図るよう強く求め、同僚議員の賛同をお願いして、賛成討論とします。


【塚地佐智県議の代表質問(2018.09.27)  知事の政治姿勢・日米地位協定】 

●塚地県議 まず、知事の政治姿勢として、日米地位協定の抜本見直しについて伺います。
この8月14日、全国知事会は、「日米地位協定の抜本見直し」を求め、「米軍負担の軽減に関する提言」にもとづく要請を、日米両政府に行いました。
 日本共産党は、危険な低空飛行訓練や米軍機墜落事故が相次いでいる根底には、米軍の無法を許している「地位協定」の存在があることを繰り返し主張し、今年の2月議会では諸外国の例も示し、抜本改定を求めてきただけに、今回の知事会の取り組みを、非常に力強く感じています。
全国知事会は、「米軍基地負担に関する研究会」を2016年7月に設置し、研究者を招いての学習会や沖縄県が実施したドイツ、イタリアの実態調査なども踏まえ、今回の提言となったものと承知をしています。
 この提言の意義、特にドイツ、イタリアなど諸外国と比べて、日米地位協定がどのような点で、米軍の傍若無人な行動を許す内容となっていると認識をされているか、お聞きします。

●県知事 塚地議員の御質問にお答えをいたします。
まず、日米地位協定の見直しに関し、全国知事会の提言の意義、特に諸外国と比べで日米地位協定がどんな点で違っていると認識しているか、とのお尋ねがありました。
  全国知事会においては、沖縄県をはじめとする在日米軍基地に係る負担の状況を広く理解し、都道府県の共通理解を深めることを目的に、「米軍基地負担に関する研究会」を平成28年7月に設置し、日米地位協定についてもテーマとして取り上げ研究が進められてきたところであります。
 この研究会での議論を受け、本年7月に全国知事会が取りまとめた「米軍基地負担に関する提言」についでは、日米安全保障体制は、国民の生命・財産や領土・領海等を守るために重要であることを前提としたうえで初めて日米地位協定の抜本的な見直しなどについて、基地のない都道府県も含めた総意として取りまとめたものであり、大きな意義があるものと考えております。
 この提言の、取りまとめ過程の本年6月に、研究会で沖縄県が報告されました、ドイツとイタリアを対象とした「他国地位協定調査」においては、「日本では、原則として国内法が 適用されず、日米で合意した飛行制限等も守られない状況や地域の委員会設置を求めても対応されない状況であり、両国とは大きな違いがある」とされているものと承知しております。
 全国知事会の提言におきましては「日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立入権がないなど我が国にとって、依然として十分とは言えない現況であるといった課題を確認したうえで、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること、米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組みを進めることなどを日米両政府に対して本年8月に求めたところであります。
  政府におきましては、日米地位協定について、国民の理解と協力が得られるよう、引き続き事案に応じた取組みを通じて、日米政府間でしっかり協議していただきたいと考えております。

●塚地県議 そうした全国の自治体の声に反して、防衛省による米軍情報の開示が後退しています。防衛省はこれまで、住民から米軍機飛行に関する苦情を受け付けた際、米軍側に確認をし、その回答を公表してきましたが、2017年8月以降、その確認をやめています。防衛省は「米軍が逐一明らかにしないとしたため」と説明をしていますが、住民の苦情にもとづく情報開示が米軍機の監視行動になり、米軍機の飛行を変更させ、米軍機の訓練実態を暴露する力となってきたことから、その実態を隠ぺいしようとするものです。
 米軍機飛行の情報公開の後退は許されるものではなく、即刻、改善を求めるべきと思いますがお聞きをいたします。

■県知事 次に、米軍機飛行の情報公開の後退は許されるものではなく、即刻、改善を求めるべきと思うがどうか、とのお尋ねがありました。
これまで本県では米軍機の低空飛行について、住民からの目撃情報があればその都度、住民の事情や騒音の測定値を集約し、中国四国防衛局を通じて米軍当局に伝えるとともに、米軍機か否かの事実確認を行ってきたととろであります。
従前、中国四国防衛局は、県からの情報を受けた後、米軍へ照会し、米側からの事実確認の回答を県に報告するとともに、米軍機によるものであった場合は苦情の内容を米側に伝 えていただいていると承知しております。
しかし、昨年8月以降、米軍は、本県に限らず全国的に、個別の米軍機の飛行の有無などについては、運用上の理由等から原則として逐一明らかにしないとしたために、防衛省は米軍からの回答を得られなくなったと聞いております。
これを受け、中国四国防衛局におきましては県から低空飛行の情報が届いた際には、周辺の自衛隊に限らず全国の自衛隊に照会し、自衛隊機に該当がないか確認のうえ、該当がない場合は、米軍機であった可能性があるとして県に回答し苦情などの内容を米側に伝えるとともに、住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう求めていくという対応へと改められたところです。
 全国知事会としても、米軍機による低空飛行訓練等については、地域住民の不安が払拭されるよう、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行うととなどを、日米地位協定の抜本的な見直しと併せて本年8月に日米両政府に要請しているところです。
 本県では、これまで3度も米軍機の墜落事故が発生しており、県民の皆様は不安感を抱えて生活されております。このため、今後とも中国四国防衛局とも連携するとともに、米軍機の飛行訓練の動向を引き続き注視し、住民に不安や安全への懸念を抱かせるような超低空飛行訓練など異常な訓練が繰り返される場合は、米側に是正の要求を行ってまいりたいと考えているところでございます。


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