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罹災証明…連続する災害で発展した内容の徹底を

国の支援制度としては、生活再建支援法の対象となる「全壊」「大規模半壊」、応急修理の対象にもなる「半壊」以外は、「半壊にはいらない」というのが罹災証明の基準として表示されている。
しかし、「半壊にいたらず」も、自治体が独自に定めた「一部損壊」などによる罹災証明の発行で、税や医療費の減免など、また自治体独自に支援金などの対象となる。西日本豪雨災害をうけ自宅床下の土砂撤去も公費対象となり、自費撤去の場合も事後清算されるように発展(罹災証明が必要)してきた。ところが「半壊にいたらず」は罹災証明の対象でないという誤解がまだ残っている(先の豪雨での宿毛市の対応)
さらに、自然災害の頻発、特に豪雨にともなう土砂災害の多発により、罹災証明の役割、また適用基準が発展していきている。
 あらためて徹底が必要と思う。個人宅の土砂撤去にみられる対応の発展に触れ、改めて調べてみた。

先の宿毛市の例は、床上にも土砂が流れこんでいたが、水害の一般的な基準…「床上浸水30㎝以下」は「半壊に至らず」と判断し、「半壊に至らず」は罹災証明の対象でない、という二重の誤解かせのものだと思う。ところが、土砂が基礎の上部から25㎝以下が埋まっていれば「半壊」となる。少なくとも一部半壊とするところ。「半壊に至らず」の対応が、各自治体まちまちなのだが、、昨年末の閣議決定を受け様々な発展している。
 
『住家の被害認定基準運用指針』・『実施体制の手引き』の改定の概要(平成30年3月


『平成29年の地方からの提案等に関する対応方針』(平成29年12月26日閣議決定)への対応として説明されている。
 その中で
1. .写真を活用した判定の効率化・迅速化
・地震保険の手法等も参考に、被災者が撮影した写真から「半壊に至らない」(損害割合20%未満)と判定することを推奨  → 大阪北部地震での対応がマスコミ報道された。

3..水害に係る判定の効率化・迅速化
・土砂等が住家及びその周辺に一様に堆積している場合は、液状化等の際に用いる簡易な判定方法(潜り込みの判定)の活用が可能
【判定イメージ】
土砂等の堆積が、床上1mまでの全ての部分(損害割合が50%以上)で「全壊」、床までの全ての部分(同40%以上)で「大規模半壊」、基礎の天端〔てんば〕下25cmまでの全ての部分(同20%以上)で「半壊」と判定する。
→ 半壊に至らなくても、環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金は、災害救助法の適用の有無にかかわらず、公費で床下の土砂撤去につかえる。


「概要」では、資料として・・・

◆熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策の在り方について」【抄】
【実施すべき取組】
①住宅等の被害に関係する各種調査の住民への周知,調査の効率化に向けた検討
・住宅に関する各種調査はそれぞれが個別に目的を有しているため、それぞれの調査の持つ必要性等について各調査の実施主体が被災者に明確に説明すべきである。
・また、大規模災害により各調査の必要量が増大する場合に備え、調査の統合等を進めることについて被災経験地方公共団体から強い意見があることも踏まえ、各種調査の実施時期や基準の違い、手続の流れ等について関係省庁等が一体となって整理し、例えば応急危険度判定の際に記録した調査表を共有するなど、各種調査の迅速性に大きな影響を与えないように留意しつつ、可能な分野(項目)について連携することを含め、住家被害認定調査の効率化を検討するべきである。

②住家被害認定調査に関する体制の強化
・住家被害認定調査の調査員を各都道府県で養成・登録する仕組みの構築を促進し、災害時の応援態勢も強化すべきである。
・現在、調査員は主に地方公共団体の職員が担っているが、大規模災害時に備え、建築関係団体等との連携体制を強化するほか、一定の資格や講習を受けた者が担えるよう調査員の間口を拡大する等の必要がある。
・住家被害認定調査を迅速化するため、明らかな全壊家屋について写真判定にする等のより簡易な手法の活用を行うとともに、雨天時の対策も含めた調査方法の工夫について、周知するべきである。
⑤住家被害認定調査の手法等に関する地方公共団体間の情報共有
・被害が複数の市町村にわたる場合、市町村によって住家被害認定調査の手法等が異なると、調査の円滑な実施に支障を与える恐れがあることから、都道府県は、各市町村と課題の共有や共同検討、各市町村へのノウハウの提供等を行う場を定期的に設けるべきである。

→ 熊本地震をうけて、県議会で罹災証明の発行体制について質問したが、さらなる提案が必要、と思う

さらに「概要」の資料で・・

(12)災害対策基本法(昭36法223)
(ⅱ)罹災証明制度の見直しについては、以下の措置を講ずる。
・罹災証明書の交付の迅速化については、住家の被害認定調査の効率化及び迅速化に資する写真判定の導入の可能性も含め、内閣府における有識者検討会において、関係府省等が協力して民間団体等の知見も参考にしつつ検討を行い、平成29年度中に結論を得る。その結果に基づき、「災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引き」を改正するなどの必要な措置を講ずることとし、その旨を地方公共団体に周知する。(関係府省:金融庁及び財務省)
・住家の被害の程度が半壊に至らない区分であっても、地方公共団体が独自に区分を設定することが可能であることを明確化するため、独自の区分を設定している地方公共団体の事例を平成29年度中に収集し、整理する。その結果に基づき、「災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引き」を改正するなどの必要な措置を講ずることとし、その旨を地方公共団体に周知する。

→ 「半壊に至らない区分」での自治体の対応を明確にし要求をあげていく必要がある、と思う

そして、上記のような議論をうけて「手引き」の改定作業がすすんでいる。いくつか抜粋してみた。

【災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引き(改定案) 平成3 0 年○月 内閣】


・第1章 制度概要
2)罹災証明書に基づく様々な被災者支援策
被災者生活再建支援法以外にも、都道府県や市町村独自のものを含め、様々な被災者支援策の申請時に罹災証明書の添付が求められます(被災者台帳を活用する場合には、罹災証明書の添付を不要とする運用も可能です)。  損害保険や共済では独自に損害査定をするため罹災証明書の添付を求めないことが一般的ですが、最近では、罹災証明書の添付を前提とした民間金融商品(住宅ローン、保険)も見受けられます。
各々が異なる申請期限等を有するものですので、被災地方公共団体は、被害認定調査の実施方針を定め、被害認定調査から罹災証明書の交付に至るまでのスケジュールを的確に管理することが重要になります(参考『第2章1.★調査計画の策定』(p.38))。
なお、被害認定調査の判定結果(第2次調査及び再調査の結果を含む)は、速やかに被災者支援施策の所管部局等と情報共有し、それらの施策の適用において混乱を生じることのないよう十分注意してください。

3)罹災証明書に類似する証明書について
罹災証明書に類似するものとして、災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)に基づく災害弔慰金や災害障害見舞金の支給に当たり、同法に基づく条例により必要書類として提出が求められる「被災証明書」があります。
また、家屋、車両、家財等に被害が生じた事実のみを証明したり、社会的インフラストラクチャーの破壊等に伴う避難指示による避難者について避難を要することを証明したりする書面として、市町村が独自に「被災証明書」「被災届出証明書」等を交付する例があります。
近年、災害発生時におけるNPO、民間事業者等による被災者向けサービスの中には、罹災証明書の提示を求めるものが少なくなく、これらのサービスを利用するため、公的な支援施策の利用に必要な件数を大幅に上回る罹災証明書の交付申請がなされることにより、市町村に過度な負担がかかるケースが見受けられます。このような場合には、これらのサービスの提供主体に対し、「被災証明書」「被災届出証明書」等をもって代えることができないか、他の手段(例:サービスの対象となる区域を定め、当該区域内に住所があることの証明を求める 等)によることができないかについて検討を要請することが考えられます。

7 手引きの活用について
第2章~第6章では、特に大規模災害が発生した際の被害認定調査の実施体制につい
て、過去の被災地方公共団体の経験に基づき、検討すると良いと考えられる項目を整理しています。
また、第7章では、災害発生時に被害認定調査や罹災証明書の交付を円滑に実施するための平常時における取組について整理しています。さらに第8章では、都道府県が取り組むべき内容について整理しています。
したがって、内閣府として必ずこれらの項目を検討しなければならないと定めるものではありません。災害の規模や地方公共団体の状況に応じて的確で円滑な被災者支援が実施できるよう各地方公共団体での工夫が期待されます。


・第2章 被害認定業務の実施体制の整備    /全国の自治体の取り組み収集し、紹介しながら説明
1.★調査計画の策定
④調査方針の設定  c)被害区分
被害区分を決めます。

■被害認定基準における被害区分/その他
• 被害認定基準における被害区分:全壊、大規模半壊、半壊、半壊に至らない
• その他:一部破損(一部損壊)、無被害、床上浸水、床下浸水 等

◇ 住家の被害の程度が半壊に至らない区分においては、地方公共団体が独自に区分を設定することも可能です。
◇過去の被災地方公共団体の例では、義援金の配分や地方公共団体の独自制度において、「一部破損(一部損壊)」や「床上浸水」等という区分を設けている場合や、税の減免のための被害区分等が存在している場合があり、被害認定調査時に、これらの区分についても調査することが効率的なケースがみられます。
◇ 迅速で円滑な被災者支援を実施するため、条例を制定し、税の減免区分と住家の被害認定における判定結果を合致させた例もあります。


参考:半壊に至らない一部損壊世帯への支援の事例(兵庫県)
・ 兵庫県では住家の損害割合が10%以上20%未満の場合を「一部損壊」としており、県条例により実施する「兵庫県住宅再建共済制度」に特約を付加することにより、住宅の再建時に最大25万円を給付する仕組みや、1世帯当たり5万円が支給される災害援護金制度を設けている。

*参考:一部損壊世帯への支援や固定資産税の減免の事例(横浜市)
・ 半壊に至らない床上浸水の場合や火災等の消火作業により住家内の30%以上が水浸しになった冠水家屋世帯の場合、単身世帯で1万円、2人以上世帯で2万円を支給する横浜市災害見舞金・弔慰金制度を設けている。
・ また、家屋の損害程度に応じて固定資産税・都市計画税(土地・家屋)の税額を減免しており、家屋等の損害割合が10%以上20%未満の世帯については2/10以内の減免としている。

→ 参考は、これだけでなく多々ある。

★体制の強化が必要である。非常勤職員の処遇改善として「会計年度職員」が2020年度から開始される。その分の財政支出増に見合う地方一般財源の増加がなければ、正職員の削減ということになりかねない。

 防災・災害対応にとってマンパワーの確保は、前提条件である。

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