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保護世帯のエアコン購入費を認める通知。厚労省・再周知

生活保護問題対策全国会議の8/7配信記事。「厚労省がエアコン購入費等を認める通知について再周知依頼

“厚労省は、本年6月27日、本年4月以降に保護開始等された生活保護利用世帯にエアコン購入費等の支給を認める通知を発出しました。しかし、この通知が現場に周知されていないことから、私たちが、本年7月26日、厚労省に対し、同通知の改善・周知等を求める緊急要望を行ったところ、厚労省は、本年8月4日、「実施機関の担当者がこの取り扱いを承知していない旨の指摘がある」として通知の内容の再周知依頼の事務連絡文書を発出しました(下記PDF参照)。
 私たちは、厚労省が要請を真摯に受け止め迅速な再周知を行ったことについては感謝し評価するとともに、本年3月以前に保護開始された者も対象とする等の運用改善を図るよう、改めて強く求めるものです。”
【 一時扶助における家具什器費の見直しについて(再周知依頼) 
8/2 厚生労働省社会・援護局保護課】

 なお運用改善については・・
【厚労省から、エアコン購入費・設置費支給を認める通知!7/26】

【 一時扶助における家具什器費の見直しについて(再周知依頼)  8/2 厚生労働省社会・援護局保護課】

生活保護行政の推進につきましては、平素から格段のご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

一時扶助における家具什器費につきましては、「「生活保護法による保護の実施要領について」の一部改正について(通知)」(平成30年6月27日付け社援発0627第1号厚生労働省社会・援護局長通知)等の通知を発出し、家具什器費の対象に冷房器具を追加したところですが、実施機関の担当者がこの取扱いを承知していない旨の指摘があるところです。

つきましては、各都道府県・指定都市・中核市においては、管内の実施機関に対して改めて通知の周知徹底をお願いするとともに、各実施機関においては、各担当者に通知の内容が確実に伝わるよう、特段のご配意をお願いいたします。

なお、今回の見直しは、一時扶助費の対象に冷房器具を加えたものですので、一時扶助費の支給要件である、①保護開始時に持ち合わせがない場合、②災害により喪失し、災害救助法等他制度からの措置がない場合、③犯罪等により被害を受け、生命身体の安全確保のために新たに転居する場合で持ち合わせがない場合など、特別な事情がある場合に限り支給できるものであることについてご留意ください。

また、特別な事情がない被保護世帯については、毎月の保護費のやり繰りの中で冷房器具等の購入費用を賄っていただくことになりますが、必要に応じて家計管理への助言指導や社会福祉協議会の生活福祉資金貸付の利用の紹介など、適切なケースワークに努めるようご対応をお願いいたします。



≪7/26記事より≫
・エアコン購入費等が認められる場合
 以下の5つのいずれかに該当し、かつ、世帯内に「熱中症予防が特に必要とされる者」がいる場合

2018年4月1日以降に
(ア)保護開始された人でエアコン等の持ち合わせがない
(イ)単身者で長期入院・入所後の退院・退所時にエアコン等の持ち合わせがない
(ウ)災害にあい、災害救助法の支援ではエアコン等をまかなえない
(エ)転居の場合で、新旧住居の設備の相異により、新たにエアコン等を補填しなければならない
(オ)犯罪等により被害を受け、又は同一世帯に属する者から暴力を受けて転居する場合にエアコン等の持ち合わせがない

※「熱中症予防が特に必要とされる者」(局長通知第7の2の(6)のウ)とは?

 課長通知問100は、「体温の調節機能への配慮が必要となる者として、高齢者、障害(児)者、小児及び難病患者並びに被保護者の健康状態や住環境等を総合的に勘案の上、保護の実施機関が必要と認めた者が該当する。」としています。
 「被保護者の健康状態や住環境等を総合的に勘案の上、保護の実施機関が必要と認めた者が該当する」とされているのは、例示されている高齢者、障害者、小児、難病患者だけでなく、地域や世帯の実情を踏まえた柔軟な解釈の余地を実施機関に与えたものです。
 日本全国が灼熱列島となっている今、エアコンの持ち合わせがない方は、積極的に福祉事務所に申請しましょう。
 
※本年3月以前に保護を開始された人は?

 本件厚労省通知(ア)が本年3月より前に保護を開始された人を除外している点は問題です。その理由について、厚労省は、「日常生活に必要な生活用品については、保護受給中の場合、経常的最低生活費のやり繰りにより賄うこと」としていると説明しています。

 しかし、この間国は、2013年から生活扶助基準を平均6.5%最大10%引き下げ(年670億円)、期末一時扶助を引き下げ(年70億円)、2015年から住宅扶助基準(年190億円)と冬季加算(年30億円)も大幅に引き下げてきました。この相次ぐ基準の引き下げで、保護費を節約して数万円単位の貯蓄をすることはほとんど不可能となっています。

 したがって、本年3月より前に保護を開始されたとしても、現に貯蓄のない人については、同様にエアコン購入費等の支給が認められてしかるべきです。例えば、2月や3月に保護開始された人と4月に開始された人のおかれた状況に大差がないことは明らかです。積極的に申請し、仮に却下されたら審査請求や訴訟で争う余地があると考えられます。

・「住宅維持費」としてエアコン修理費の支給も可能なはずです

 本件厚労省通知によって、エアコンは最低生活維持のために必要とされる家具什器であることが明確になりました。
 したがって、エアコン等の修理費は、「被保護者が現に居住する家屋の…従属物の修理…のために経費を要する場合」の「住宅維持費」に該当するものとして、当然支給することができるはずで(実施要領局長通知第7-4(2)ア)。
 エアコンが壊れていて使えない方は、「住宅維持費」として修理費を請求してみましょう。


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